多くの人は、「日本は昔から尖閣諸島の主権を唱え、中国が石油があるという調査の後、尖閣の主権を主張した」と思っている。
苫米地真理氏は、世界2014年10月号に『「固有の領土論」を超え、解決の道を探る』を発表した。
苫米地真理氏は国会答弁をとうして、日本は尖閣諸島にどのような領有権主張を行ってきたかを丹念に分析した。
-
1950年代の国会答弁では、島の名前すら明確に認識しておらず、領有権主張は実に曖昧である。
-
沖縄返還の可能性が出るにつれて、この島の存在が論議され始める、
-
1968年東郷省アメリカ局長は、尖閣諸島周辺の海域が領海だとの認識を示す。
-
閣諸島の帰属については1970年の4月、山中貞則総理府総務長官が「明らかに石垣島に属する島でございまする」と初めて答弁した
-
中国や台湾の領有主張は、石油が出てからの後出しジャンケン」的な表現は、日本領有の根拠として巷間に流布している
コメント
コメントを書く昨日、同じ主題でコメントしましたように尖閣を考える場合、私は次の三項目が重要なカギになると思っています。
1.ポツダム宣言の受諾
2.沖縄の歴史
3.中国と沖縄の関係史
上記のカギを考察しますと、中国の主張に理があると私には思えるのです。その中で、周恩来先生が田中角栄先生に棚上げにしましょうと提案し、田中角栄先生がそうしましょうと同意したことは素晴らしい外交の成果だと思うのです。
そういう背景で日中関係が順調に進んで来た筈なのに、民主党の野田氏が一方的に棚上げをネグレクトしたことにより、事態は窮迫してしまいました。野田元首相の行為は単に尖閣に留まらず南中國海にある権益をめぐる抗争にも火を付けたのです。このことを日本人は忘れてはならないと思います。
野田体制の志を引き継いだ現体制は戦前回帰を念ずるのを信とするほど好戦的です。東中國海、南中國海の緊張を解くのは日本の良識しかないわけですが、まず、尖閣棚上げの再確認、国有化手続きの無効確認を行うことが必要ですが、現状では悲観的にならざるを得ません。せいぜい日本の良識はデモに勤しむしか術がありません。
日本のメディアの取り上げ方は、全体の歴史を無視して、都合のよい断片だけを伝ており、それによって間違った世論を形成している。かつて暴支膺懲などが戦前の紙面をにぎわしたが、歴史をマクロに見れば、噴飯ものである。そして今また、そのような雰囲気が作られつつある。尖閣の問題がこれほど大きくなった直接の原因は、石原発言とその後の国有化であったことを、すでに国民は忘れて、すべてを中国側のせいにしている。
この独りよがりの体質は、今回の安保法制にも引き継がれている。安保法制がわかりにくいのは、その法案の多さや説明内容に矛盾や曖昧な部分があるからだけではない。その根底にある安倍氏やその取り巻き連の心の中にある思い、言葉に出して言わない思いが法案を一層わかりにくくしている。
そもそも、安倍氏は戦後レジュームからの脱却を主張していたはずである。戦後レジュームは、敗戦の結果できたものである。そしてこれを否定することは、敗戦を否定し敗戦前の日本が良かったということにつながっていく。「日本を取り戻す」と彼が言うのは、この意味であろう。しかし、日本が敗戦したのは否定しようのない事実である。ポツダム宣言を受け入れて降伏したことは、いくら頑迷な歴史修正主義者でも否定できることではない。さすがに彼もそれを認めている。
ではどうするか。ここで、話がややこしくなっていく。私たちが考えなければならないことは、同じ言葉を使っても、その意味が人によって異なるということである。彼は、敗戦した事実は認めても、敗戦に至った国策を誤りと認めず、先の戦争を侵略戦争と認めていないという事実がある。一方で、彼は反省しているという。しかし彼の言う反省には、国策の誤りも侵略のお詫びも当然含まれていない。事実、彼は国会で何度問われても、その言葉を決して口に出して言わない。かたくなに拒否している。
私たちはこの事実から、反省は彼にとって、単に「負けたことを反省する」ことにほかならないことを読み取ることができる。国策を誤り無謀な戦争を引き起こしたこと、侵略をして多くの犠牲者を国内外に生み出したことへの認識と謝罪は彼の反省の中身にはない。彼にとって先の戦争に対する反省は、一般に言われているのと全く意味が違うのだ。
するとどうなるか。「次はうまくやって勝つ。そのためには、何を反省しているかは語らずに、単に反省という言葉で目くらまししておいて、次の機会を狙う。もちろん、今のところアメリカの言いなりになるのもやむを得ない。」と考えているとするなら、それがいいか悪いかは別にして、彼の言動には整合性がある。
この点で、「安倍氏は日米同盟、軍事協力を理由に、日本の軍事力強化を目指していると思う」と述べた小沢氏の話は、かなりの程度正鵠を得ていると思う。
安倍氏と彼の取り巻き、多くの自民党議員がそれを目指すのは彼らの勝手である。問題は、そのことを隠していることである。議員によっては、意識的にではなく、無意識の心の底にそのような思いがあり、本人は自覚的でないかもしれない。しかし、彼らの多くは彼らの憎む戦後レジームと戦後憲法から多くのメリットを享受している。自らが否定している基盤によって、自らが成り立っていること、そしてそれによるメリットを手放さず、むしろ貪欲にそれを求めていること。ここに矛盾がある。
はたして、人間はこのような矛盾に耐えられるであろうか。平和といいながら平和の意味が違うこと、安全といいながら安全の意味が違うこと、つまり正しく言葉を使わずに歪曲して使っていることに、矛盾を生きる彼らの病状が露出している。国会議員としての彼らの存在自体が、矛盾の上に成り立っている。
さて、さらに問題なのは、このような政治に対して、日本国民の本当の思いはどこにあるかである。先の戦争が悲惨な戦争であったことは知っている。無謀な戦争であったことは知っている。広島長崎の犠牲者のことも忘れてはいない。もちろん、それを上回る圧倒的なアジアの犠牲者のことも知っている。歴史のどこを見ても、日本に言い訳の余地はないことも感じている。
そしてその認識は正しい。個々の些末な事例を持ち出しても、歴史の大局は微動だにしないことは、少し想像力があればすぐにわかることである。たとえば、ろくに食料も持たせずに、二百数十万人の兵隊を15年以上の長きにわたって他国に投入すれば、そこで何が起こるかを想像してみればよい。先の戦争を侵略でなかったと否定することは、一般的には不可能である。
しかし日本人にはそれは可能かもしれない。なぜなら、福島原発事故のことでさえ、数年たてば何もなかったかのように忘れることが出来る国民だからである。自国で起きた現在進行中の事故にも関わらず無関心で、誰も罪に問われない。それどころか原発再稼働を推進し、輸出さえしようとしていることに多くの国民は無関心である。70年にわたる沖縄駐留米軍のことにも、基本的に無関心である。まして、70年以上前の戦争のことなんか関係ないのである。
「何度謝ったらすむのか」。戦争の謝罪について、最近よく聞く言葉である。人を殺して、その遺族に対して「何度謝ったらすむのか」は、なかなか言えない言葉であろう。「いくら謝っても謝り切れませんが・・・、どうか許して下さい」というのが普通の感覚であり、「これだけの事をしておいて、謝ってすむと思うのか」が、謝られる側の感情である。「何度謝ったらすむのか」と言った途端に、これまでの謝罪は無に帰し、さらに謝罪しなければならない回数を増やすことになる。残念ながら、このような簡単な人情の機微さえわからなくなっている現在の日本を限りなく危惧する。
>>3
全く同感です。
>>3
正論であり、日本人としてのあるべき姿を述べられており、長文ですが無駄な言葉がなく、一気に読ませていただきました。将来を真摯に志向しない若い政治家たちが、今こそこのような言葉に謙虚に耳を傾け,直視することが大切な時期はないと思います。一度の大きな間違った判断が、あの大戦を招いたのであり、「過去を直視しろ」「身の程を知れ」「自己反省のない国」には未来がないと、安倍お仲間政権の国会議員に強く言いたいと思います。
日本政府はたびたび尖閣諸島を日本固有の領土と言っている。
沖縄人が怒らないのが心底ふしぎ。
沖縄そのものがが日本固有であると言ったに等しいから。
今の沖縄人たちよ。
寝ぼけていてはいけない。
あなたたちはよくても将来の世代に禍根をのこすよ。
いつかあなたたちの子孫があまりの日本の沖縄にたいする
横暴に耐えかねて、独立運動をおこすとき大きな障害に
なりかねない。
ながいあいだ日本固有の領土といわれてもまったく異議を
唱えなかったではないかと。
これからは東京政府が日本固有の...といったら即座にそれは
ただしくは沖縄固有の領土である、と訂正しなければ
いけない。
ソ連邦やユーゴスラビア連邦、チェコスロバキアの分裂など
大量の独立国の誕生からなにを学んでいるのか。
歴史は現状を固定したまま永続するとでも思っているのか。
多くの(日本)人が、「日本は昔から尖閣諸島の主権を唱え、中国が石油があるという調査の後、尖閣の主権を主張した」と思っているのは、孫崎氏の指摘通りだ。
しかし、PRCとしては日本が、また日本人がどう思うか、それに合理性があるかどうかなどは、全く気にしない。ただ、中華帝国の版図の拡大に勤しむだけだから。
国土を守るなんてことも、実を言えばどうでもいいことだが、どうしても国民の大多数が国土を守りたいということで意見が一致すれば、死を賭して守るように努力してみたらよい。日本は1945年前後に一度それを試してみた。その結果、一部の領土は奪われたが、幸い、本土はなんとか永久的に失うことは無かった。沖縄人は日本国に占領され、結果的に国土を前部取り上げられ、国が消滅した。沖縄人は果たしてその結果、不幸になったか。その問いに対する明確な答えはないだろう。もし、日本が第二次世界大戦の結果、アメリカに占領され、国が無くなったと仮定すると、日本はアメリカの第51州になっていたかも知れない。その場合、私は今よりどのくらい不幸か。もちろん、その問いに答えることはできない。
日本は米国の51州目ではありませんが事実上の朝貢国、冊封国では
ありませんか。
oldjapさんは知らず、わたしは幸福ではありませんね。
沖縄は薩摩に占領、併呑されなければどんなシナリオを書いても
これほどの悲惨な近、現代史をもつことにはならなかったでしょう。
でもまあ、それは沖縄人が考え決めることですけど。
わたしはずっと沖縄人が日本のことを本土とよぶのに違和感をもって
きました。
そうじゃないでしょう、それはあなたたちにとっては沖縄本島でしょうと。
わたしは小さな声でいうのですが、日本人として沖縄に米軍基地が
集中していることは最善ではないが次善だと思っています。
「沖縄の負担軽減」が日本国内つまり「本土」に基地を移設すること
ならそれはとんでもないと思っています。
だから翁長知事が日米安保の大切さはよくわかっていると発言したとき
かれへの支持は雲散霧消しました。
かれが駐留なき安保の支持者とは聞きませんから、ようするに「本土」に
持っていくべきだということです。
沖縄人としては当然でしょうが、日本人としては「冗談じゃない」と
なります。
可能性は多くはないですが米中、米朝の有事では壊滅的な打撃を
うけかねませんから。
わたしが沖縄に独立を勧めるのは日本人の身勝手が動機の一部でも
あります。
もともと、占領軍は琉球を独立させるつもりだったのですから。
朝鮮戦争と冷戦がなければ今、沖縄は外国です
そうなってくれていたほうが良かったと思いますよ。
日本にとっても沖縄にとっても。
>>2
フレデイさん。
>野田元首相の行為は単に尖閣に留まらず南中國海にある権益をめぐる
>抗争にも火を付けたのです。
随分前にも、似たような話題になりましたね。
私も同じく、我が国は、アジアの平和を乱した一因を作るという、
重大な罪を犯してしまったものと考えております。
中国の海洋進出が活発化したのは、ちょうど米国がアジア回帰戦略
を打ち出した時期(2008年頃)と連動しています。
これは、「どちらが先で、どちらが悪いか」という問題ではなく、
覇権争いが起こるのは「歴史の必然」と捉えるべきです。
そして、最悪のタイミングで、日中の領土問題が起こった。
酔っ払いの操縦するが中国漁船が、日本の巡視船にぶつかったという
程度の事件で国中が大騒ぎ。そして、野田政権の尖閣国有化(棚上げ
の放棄)により、日中の対立が決定的となります。
国中が反中・ナショナリズム狂乱となり、これを背景に支持を得た
安部政権の誕生へと繋がった。
それ以降は説明するまでもなく、日中関係は泥沼。
安部政権と米国が進める対中包囲網を警戒し、中国は「防空識別圏」
を設定、これが大変な騒ぎになっていきます。
米国のプロパガンダのおかげで、「中国が日本の領土を侵略しよう
としている」「中国が東シナ海で横暴になっている」が世界中で
既成事実化されていきます。
これに反応する形で、フィリピンやベトナムでも中国脅威論、そして
対中強硬論が台頭。フィリピンは漁船拿捕を強行し、ベトナムは西沙
諸島への領有権主張を強めるために漁船を頻繁に繰り出すことに。
飛び火してしまった抗争を収めるには、野田政権による尖閣国有化
(棚上げの放棄)まで時間を元に戻すことが必要であり、まずは、
当初の過ちを正すことが必要でしょう。
(・・・続きです・・・)
>東中國海、南中國海の緊張を解くのは日本の良識しかない
>わけですが、まず、尖閣棚上げの再確認、国有化手続きの
>無効確認を行うことが必要
私が最近、ここへ自己主張をダラダラと書き込んでいましたが、
主張したいことは、まさにそれなんです。
孫崎先生は、なぜこの切迫した状況で「日本が果たすべき役割」
について発信されないのかとイライラしていました。
米中を仲裁できるのは、アジア第二位の我が国しかいないのです。
このまま対立が続けば、多くの関係国が不幸になり、最悪不測の事態
も起こりうる。日本も当然戦火に巻き込まれ、無事ではすまない。
我が国は、米国に軍事的保護を求めて、より従属していくことになる。
当然米国は足元を見て、次から次へと理不尽な要求を押し付けてくる。
TPPを妥協させられ、中東へ派兵されられ、本土は前哨基地となる。
つまり行き着く先は、冷戦時代の再現、「戦後レジームの完成」です。
安部政権の採っている外交方針は、国賊的行為に等しい。
また、米中の対立は、アジアの分断を招きます。
AIIBもASEAN統合も妨げられ、「アジアの時代」を夢見て
日々奮闘している彼らの純粋な願いも吹き飛ぶ。
中国に対抗する、という自分達の都合のために、これらを妨害し、
彼らの発展と団結を阻止するというのなら、自称保守主義者達が
持ち出して崇拝する「大東亜共栄圏」とは一体なんなのか。
彼らを対中包囲網の道具として利用することが正しいことなのか。
私は中国に関しては、是々非々です。
確かに、最近の中国の傲慢な態度や拡張主義的な一面については
警戒せざるを得ませんが、しかし、一方でアジア諸国にとって
貢献的な良いこともしようとしている。
中国が誤った方向へ進まないよう、先輩として指導していくことが
21世紀のアジアにおける我が国の重要な使命だと考えております。
>>10
貴君の主張に全く同感です。そして今我々に求められているのは大江健三郎が声高に叫ぶ「打倒安倍」への結集だと思っています。