A:事実関係
2005年10月29日作成のは日米同盟の在り様を合意した極めて重要な文書である。
これは公表され、私は『日米同盟の正体』でこれを論じたが、大手メディアなどはほとんど言及してこなかった。米側のライス国務長官、ラムズフェルド国防長官と日本側の町村外務大臣、大野防衛庁長官の間で合意され、後々もしばしば首脳間で確認してきている。
ここでは機雷掃海、後方支援活動実施も合意している。
問題は、この文書を作成する前、外務省は集団的自衛権を条約局法規課主導で合憲か否かを検討し、集団的自衛権は違憲であるとの認識を持っている。
同時に米国との間では、「実効的な態勢を確立するための必要な措置をとる」ことを約束している。
6月20日TBS報道特集では「安保法制のルーツを内部文書から検証」で外務省の検討状況を報道する。
1: 日米協力がどのようなものになるかについては、2005年10
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2005年のイランはアフマディネジャド政権で、米英と対立姿勢を明確にしていた。しかし2013年に誕生したロウハニ政権は、親米路線に変更することを宣言し、米軍撤退後のイラクをイスラム国から守ることに努力している。
安倍政権があたかも「既定の事実」のように繰り返している、イランが「ホルムズ海峡に機雷をばらまく」から、「掃海が必要」と言うのは、10年前の情報が「今も続いている」と信じているのだろう。つまり安保法制とは、憲法違反というだけでなく、世界が変化していることを知らない、「時代錯誤の法案」なのだ。
米国が自衛隊に期待しているのは、イランや中国を相手にする戦争ではなく、イスラム過激派との戦いだろう。キリスト教の国ではない日本が、イスラム教徒と戦っても、何もメリットがないばかりか、化石燃料の輸入が困難になったり、テロの標的になって多数の死者が出ることは論議の余地もあるまい。
安倍首相は日本を、米国のモルモットにしたいのだろう。
お話のように、憲法改正を打ち出さなければ、また、あえて国民的議論に発展する集団的自衛権を打ち出さなければ、個別的自衛権の延長線上の法改正で終わった可能性が高い。憲法改正が視野に入ってくると、単なる法改正でなく、日本独自の軍事行動、すなわち米国従属の範囲内からの逸脱が懸念されるわけであり、国民の反対がリベラルな人だけでなくごく普通のひとにおよび、さらに憲法学者を総動員するようになってしまった。あえて挑戦したのかわからないが、集団的自衛権違憲論議になってしまったからには、国民的合意を得られずに、国会議員の多数で進めるのは、民主主義の悪用でしかない。
「これが単なる安倍体制の国内法の改正という手順で進めていれば国内はほとんど気づかないうちに制定されていたであろう」という孫崎先生のご見解は明解で正しいと私は思います。しかし、安倍氏とその取り巻きはこそこそするのが嫌だったんでしょうね。麻生氏が首相だったなら国内法の改正というローキーで臨んだんじゃないでしょうか。彼は盛んにヒトラーを褒めていました。確か、ヒトラーはワイマール憲法を参照したことはなかったはずです。
安倍氏たちが敢えて実質的で現実的な手順を踏まずに敢えて憲法論議にまで発展させたのは安倍氏の絶対的な支持者であるネオコンの強い思いが安倍氏たちの背景にあったと思うのです。つまり、ネオコンは日本に出来るだけ早く中国と戦うことを望んでいる。その為には憲法を改正できればいいが、解釈でも構わない。その結果を以って堂々と日本が戦争する。こういった要請が米国の好戦派から出て居たんだと思うのです。堂々と中国と戦争することは日本が自らのA/Cとリスクで中国と戦争するということです。「夷を以って夷を制す」。これは大国の常識ですよ。現に米国は東ヨーロッパではウクライナに戦争させてますし、中東ではISISを使ってシリアと戦争させています。80年前はヒトラーを使ってソ連を叩くことが英米の基本戦略だったが、豈諮らんや、ルーズベルトが壊してしまった。そういう失敗をしたくないというのが今のネオコンの思いだと思います。
日米好戦派は必死に取り組んでいます。私たちも違憲論争を拡大して安倍氏たちを窮地に追い込もうじゃないですか。立憲主義か暴政かということで大マスコミを味方にし民衆の支持を得る、これしかありません。そして戦争を回避し、米国の漁夫の利を不可能にする、これがポイントだと思います。