「消費増税延期論/経済失政認めることが先だ」(転載、0326日付河北新報社説)

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税率を10%に引き上げる来年4月の消費税増税を見送ることが、あたかも決まったかのような政治状況である。

 そのための布石を、安倍晋三首相とその周辺は次々と打ってきた節がある。

 増税を延期する条件として首相は「リーマン・ショックや(東日本)大震災級の事態」をずっと挙げてきた。

 だが年明け以降、「世界経済の大幅な収縮」が条件に加わり、さらには「税率を上げても、税収が上がらなくては元も子もない」と、増税に伴い景気が悪化する場合も延期を排除しない考えを示し、ハードルを自ら下げた。

 首相の経済ブレーンたちは増税延期と共に景気テコ入れの財政出動を提唱し、外堀を埋める役割を果たしてきた。

 極め付きは、中国経済の減速などから先行き不安が高まる世界の経済状況に、5