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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「かわいいだけじゃない!トトロの正体とは?」

2018-09-25 07:00

    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/09/25

    おはよう! 岡田斗司夫です。

    今回は、2018/09/02配信「君はまだ「本当のトトロ」を知らない!『となりのトトロ』のダークサイドとは何か!?」の内容をご紹介します。
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    2018/09/02の内容一覧

    トトロの正体は?

     じゃあ、いよいよ「トトロ」ですね。トトロとは何者なのか?

     これは、バス停の前でサツキがトトロと初めて出会うシーンなんですけど。
    (パネルを見せる)
     このトトロ、公開時の設定では「身長2m。年齢が1302歳」となっていました。
     でも、トトロの年齢については諸説あります。

     諸説の中で最も有力なのは何かというと。
    (パネルを見せる)
     これは『もののけ姫』のラストシーンです。
     人と自然との戦いの末に、原始の森が枯れ果て、死に絶えてしまう。だけど、そんな中、若木が芽生え復活していく森が、最後の最後に画面に映されます。
     この若木の中に、「コダマ」という小さな精霊が1匹だけ生きていて、首を揺らしているという描写があるんですよね。「このコダマがトトロだ」というふうに、後に宮崎駿は言っています。
     これが真実ならば、『もののけ姫』の時代というのは、「鉄砲到来の100年くらい前」というふうに言われているので、室町時代末期の1400年代の半ば。つまり、トトロの年齢は5~600歳ということになります。

     しかし、宮崎駿が語ったこの設定も、実は事情があるんですよ。
     このシーンを担当した二木真希子(ふたき まきこ)さんという天才アニメーターがいるんです。すごく優秀なアニメーターで、もう亡くなってしまった方なんですけど。
     彼女が「このコダマが後のトトロになったということにしてくれませんか?」と、宮崎駿に言ったんですね。
     まず、二木さんがこのシーンを描いている中で、「最後の若木が生えているところに、コダマを1匹だけ出しませんか?」と言うと、宮崎駿は「それ、いいアイデアだね。採用!」と返し、コダマが登場することになった。
     その後、「このコダマが後にトトロになったということにしませんか? でないと、アニメーターとして参加してて、この『もののけ姫』という物語はあまりにもやりきれないです。なんで人間というのはこんな事をしてしまうんだって。最後には希望が欲しいし、これがトトロということにしませんか?」と言ったら、宮崎駿は「ああ、いいね! その設定、採用!」と。
     つまり、宮崎さんは二木さんが考えた設定を採用しただけなんですよね(笑)。

     なので、トトロというのは、公式設定では「1302歳」と書いてあり、その他のいろんなところには「実は『もののけ姫』のラストに出てくるコダマが成長した姿らしい」とか書いてあるんですけど。これらは「後付け」なんですね。
     本当はもっと古い存在なんですよ。

     宮崎さんのインタビューによれば「トトロは3000年以上生きている」と書いてあるんです。
     これは、公式設定での1302歳とか、『もののけ姫』のラストシーンで生まれたという話とは、明らかに桁が違う年齢です。
     ……この辺が「子供が聞いてもしょうがないトトロ」なんですよ。「おじさんが『となりのトトロ』の話をするよー!」と言って、こんな話を始めたら、子供は途中でグーグー寝てしまうと思うんですけど。「大人向けなら、こういう話もできるよな」と思いながら喋ってます(笑)。

     ジブリが公式として出している、文芸春秋の『ジブリの教科書』というシリーズがあります。その『風立ちぬ』の号の中で、鈴木敏夫さんはこんなふうに言っているんですよ。


    もともと宮さんは、トトロについてこんな妄想を膨らませていました。
    かつてこの世には、たくさんのトトロ族がいた。彼らは人類と戦って滅ぼされたが、その生き残りがいろんな時代に登場する。
    中世なら「もののけ」、江戸時代には幽霊、そして、今は『となりのトトロ』……。
    トトロはそういう歴史を背負っている存在なんです。ただかわいいだけの生き物じゃない。恐ろしさも含んでる。


     まあ、なかなかショッキングな発言です。
     『となりのトトロ』を見ている人というのは、普通は「現代の日本は、この話の舞台である昭和30年代の綺麗だった日本から自然が失われてしまった。だから、トトロもいなくなってしまったんだ」と思いがちなんですけど、これは違うんですね。
     「トトロたちはかつて、人間と戦って滅ぼされた」というのが、宮崎駿がもともと思っていた『となりのトトロ』のプロットなんですよ。

     じゃあ、その戦いとは何だったのだろうか?
     と、その前に、もう1つ、トトロの特徴というのを考えてみましょう。

     これは、メイが初めてトトロに出会ったシーンです。
    (パネルを見せる)
     木の洞(うろ)の中にメイが落ちていくと、トトロの住処に繋がっていた。その奥には大きいトトロが眠っているんですけども。この中に不思議なものが映っています。
     トトロの住処には、ほとんど自然なものしかないんですけど、そんな中、唯一「人工物」っぽいものがあるんです。
     この後のカットでアップになるんですけど、実はこれ「縄文式土器」なんですね。

     トトロって、こういう不思議な存在なんですよ。道具なんか使わないのに、なぜか縄文式土器を持っているんです。

    (続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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