日本にも魅力的なホテルやホステルが増えていますが、一風変わったデザインホテルが、東京近郊の横浜にあるんですって。
吉村靖孝建築設計事務所設計による「ベイサイドマリーナホテル横浜」は、白をベースとした、シンプルでクリーンな空間。
メゾネットになっているため天井が高く、縦に2段重なった窓も相まって、かなりの開放感です。
ただ、このホテルの魅力は内装だけではありません。何よりも1番の特徴は、建物自体にあるのですが……この形何かに似ていると思いません?
実はこのホテル、31室ある客室がすべて、船で運ぶ「コンテナ」と同じ規格で作られているんです。
メゾネット型の客室は、コンテナ型のユニットを縦に2個重ねて作られています。
このホテルがコンテナ型をしている1番の理由は、コスト。
設計を担当した吉村靖孝建築設計事務所は、建築費を抑えるために、タイで大枠の建物を作り上げることで人件費を抑えました。かつ、建材ではなく完成したコンテナ型のユニットを、コンテナ船に乗せて輸入することで、輸送コストを非常に安くあげることができるんです。
日本に着いてからは、縦にコンテナ型のユニットを積み上げ、内装を仕上げるだけなので、工期も短縮でき、結果的には人件費も削減できます。
こういったさまざまな面でのコストカットのために、このホテルはコンテナ型になっているのですね。
でき上がった客室は、ベイサイドマリーナという場所柄を活かし、波間に浮かぶ船を意識したランダムな配置に。
すべての客室から海が見え、かつ相互の視線が気にならない、よく考えられた配置になっています。
ちなみに吉村靖孝建築設計事務所では、コンテナの手法を応用して、東日本大震災の被災地向けにコンテナ住宅を提供する「エクスコンテナ・プロジェクト」という活動も行なっています。
コンテナがこんなに快適な空間になるのか! という驚きの体験をしたい方は、ぜひ泊まってみてください。
ベイサイドマリーナホテル横浜神奈川県横浜市金沢区白帆6-1
045-770-1301 ベイサイドマリーナホテル横浜[YASUTAKA YOSHIMURA ARCHITECTS]
Photograghed by Yasutaka Yoshimura