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口に入れたときのハイな気分、収集欲をかき立てるパッケージ、なんだったらメッセージ性。連載「スナック・タイム」では、文筆家・甲斐みのりさんが、男の空腹を満たすためだけではない「嗜好品」としての食べものを紹介。第5回は、GIFにしたい味わい、清水屋製麺の「清水そば・よもぎそば・うどん・よもぎうどん」。
「スナック・タイムという連載を始めたよ」
友人に話すたび、かなりの確率で「ジャンクなコンビニの袋菓子を紹介するの?」とか、「夜の店のリポート?」と返ってくる。スナックという言葉は、スナック菓子やスナックバーのイメージが強いけれど、本来は軽食の意味。スナック菓子は軽い食事代わりに食べられていたから。スナックバーは軽食を出す店だから。菓子やバーが略されて、スナックとだけ呼ばれるようになった。
清水屋製麺「清水そば・よもぎそば・うどん・よもぎうどん」
個人的にはスナックといえば、高速道路のサービスエリアや、ショッピングモールの「スナックコーナー・フードコート」を思い出す。私が子どもの頃は今よりずっと外食をする機会が少なくて、旅行や買いものの途中に屋台のようなセルフサービスのカウンターで、魔法のようにたちまちできあがるそばやうどんを食べられるのが嬉しかった。
この存在感とこの愛嬌
そば、うどん、カレー、丼もの。スナックコーナーの主役たちは、もちろん家でも重宝する。ゆるりと過ごしたい休日の昼食。仕事や会食後のちょっとした夜食に。ぱっと茹でて、ネギや卵をちょちょっとのせて、するっと食べられる乾麺は、普段から切らさず台所に常備。だいたいいつも旅先やアンテナショップで、目にとまった各地のものを買いためておく。
仕事で群馬を訪れたときおみやげにいただいた、こけしの絵のそばとうどん。この子たち、あまりに存在感と愛嬌があるから、食べるのにえいっと覚悟を要した。会津磐梯山の麓、福島県耶麻郡猪苗代町の自然の中で作られているそうで、素朴でほっと安心できる味。作る人のまっすぐ真摯な人柄が、味や香りに現れるのだなあ。
Photo by Ryuichiro Suzuki
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