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自転車買ったら、昼食が変わった。それが案外、QOL上げる近道かもね!|みんなの自転車
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自転車買ったら、昼食が変わった。それが案外、QOL上げる近道かもね!|みんなの自転車

2021-01-08 21:30
    とどのつまり、手島さんはおいしい昼ご飯にありつくために、10万円の自転車を買いました。歩いて行けない場所まで自転車で行って、昼食のレパートリーを増やすってわけです。

    「そこまでして?」と言いそうになって、はたと気づきます。

    ついついマンネリ化してしまう毎日の行動にこそ、つぶさに目を向け、わざわざ、こだわってみる。ささいなことで、途端にQOLはぐ〜んと上がったりするものです。

    なんだ、10万円の自転車買っても、むしろお釣りがくるんじゃない?

    名前(職業):手島嶺翔さん(宿泊業)
    年齢:24歳
    愛車:CARTELBIKES「AVENEU LO」
    価格:10万円
    自転車歴:6ヶ月

    大きな出費は、“住み込み”のうちに

    手島さんが東日本橋のホステルで住み込みで働きはじめて、間もなく2年が経ちます。ふだんはレセプション担当ですが、地下に併設されたバー&ダイニングで、ホールに立つこともあるそうです。

    自転車を買ったのは、半年ほど前のこと。一緒に働く先輩から、「家賃や光熱費がかからないいまのうちに、高い買い物はしておいたほうがいい」と助言され、ならばと、自転車を買うことにしたのだとか。

    選んだのは、西麻布のストリートバイクショップDINERのプライベートブランド、CARTELBIKES。なかでも「AVENEU LO」は、ストリートに特化したタフでスタイリッシュな一台です。

    「このブランドのことも、同僚が教えてくれて。ちょうどシンプルなクロモリフレームに憧れていたので、ドンピシャでした! 完成車を購入しましたが、今後は要所要所にレザーのカスタムを加えていきたいと思っています。まずはサドルを、BROOKSに替えたいな〜!」

    「要は、カッコつけたいだけ」

    手島さんの自転車は、シングルスピードの固定ギアタイプ。いわゆる“ピストバイク”(*前後輪ともにブレーキをつけています)です。

    もとは競技用の自転車ですが、十数年前にストリートシーンで人気に火が付き、いまや、街乗りとしての市民権をすっかり獲得しています!

    念のため簡単に説明すると、ピストバイクはペダルとクランクが完全に連動しているため、ペダルを後ろに回すと自転車は後ろに進みます。

    その仕組みを利用して、ブレーキなしで減速することも可能。”スキッド”と呼ばれるトリックです。要は、回転する後輪を無理やり止めることで、地面との摩擦を生むってわけ。

    慣れるまでは扱いが難しいものの、ひるがえって、体と自転車がダイレクトにつながっている感覚を味わえるのも特長。いちどモノにしてしまえば、“自転車を操っている”という感覚を、まじりっけなく堪能できるってわけです!

    「YouTubeの動画を参考にしたり、車のいない広い道でひたすら練習したりして、基本のスキッドはようやくマスターしました。まぁ、ブレーキがついていて普通に止まれるので、たんなるカッコつけなんですが(笑)」

    カッコつけ、上等! 

    せっかくお気に入りの自転車なんだから、持ち味はいかんなく発揮してナンボでしょう。ズシューッと軽快な音を鳴らしながらリアタイヤを滑らせるサマは、小気味よくて、ずっと見てられるな〜!

    10万円の自転車は、昼食のレパートリーのために

    自転車は、そもそもは、昼食のため。

    「共用のキッチンがあって自炊もできるのですが、ホステルのゲストが使っていることも多くて。なにかと気を遣ってしまうので、昼はたいていひとりで外食しています。でも、徒歩圏内だと行ける店が限られてしまうし、そのためだけに電車に乗りたくはないし……。自転車があれば、そうしたストレスが解消されるだろうなと思っていたんです」

    昼食ひとつ、と言ってしまえばそれまでですが、されど。毎日のことだけに、昼にどこでなにを食べるかって、意外とQOLに直結したりするもの! 

    で、どんな店を開拓したの?

    「八割方、ラーメンなんですが(笑) よく行くのは、神田にある『鬼金棒』という辛味噌ラーメンの店。近所で見つけた町中華の『華』にも、最近ハマっています。初めて行ったときには餃子を2個サービスしてくれて、帰り際に、なぜか韓国のりをくれました(笑)」

    徒歩とも電車とも違う、自転車ひとつで暮らしが変わる。思わぬ出合いもそこらじゅうに転がっていたりして、毎日の充実度は、ひとまわりもふたまわりも大きくなる。

    街に根ざしたホステルで働く手島さんには、とりわけ、日々のささいな発見が、ひいては、世界中からやってくるお客さんのもとにもきっと届いていくはず!

    Photographed by Masahiro Kosaka

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