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ニコニコVASE(ヴェイス)公式チャンネル開設!
コメ0 VASE(ヴェイス)オフィシャルブログ 43ヶ月前
バーチャルプロダクション「VASE(ヴェイス)」のニコニコチャンネル「ニコニコVASE(ヴェイス)公式チャンネル」が開設!VASE(ヴェイス)が誕生して1年が経ち、このチャンネルを開設できたこと常日頃VASEをあたたかく応援してくださる皆様のおかげです。本当にありがとうございます。毎月1回、第3金曜日(予定)に...
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6月23日(金)21時より『MIZTAVLA「CHIMAIRA-キマイラ-」編』放送決定!
コメ0 ViSULOGチャンネル 90ヶ月前
6月23日(金)の「ViSULOGチャンネル」は、『MIZTAVLA「CHIMAIRA-キマイラ-」編』と題して、MIZTAVLAの皆さんをお迎えしてお届けします!【出演】ゲスト:MIZTAVLA天の声:山本貴也 (ViSULOG)【放送日時】2017年6月23日(金)21時〜
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キマイラ鬼骨変 一章 獣王の贄(にえ) 10
コメ3 キマイラ鬼骨変 134ヶ月前
10 九十九(つくも)の見ている前で、久鬼が静かになっていった。 騒いでいた顎(あぎと)たちの声がおさまってゆき、猫が喉を鳴らすような、低い唸り声のような、甘えるような、そういう声を発するようになった。 獣毛が抜け落ちてゆく。 久鬼の全身から生えていたものが、ゆっくりと、身体の中に消えてゆ...
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キマイラ鬼骨変 一章 獣王の贄(にえ) 9 (2)
コメ5 キマイラ鬼骨変 134ヶ月前
啖(くら)えだと? 啖えだと? いいだろう、啖ってやろう。 おれは、噛みついた。 そいつの身体に牙をたててやった。 ぞぶり、 肉を噛みちぎってやった。 生あたたかい血の味が、口の中に広がる。 なつかしい味だ。 美味(うま)い。 呑み込む。 食道を通って、胃の中へ。 どこにある胃か。 すでに、おれの...
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キマイラ鬼骨変 一章 獣王の贄(にえ) 9 (1)
コメ2 キマイラ鬼骨変 134ヶ月前
9 そいつは、見たことのある顔をしていた。 森の中から、ふたりで、ずっとおれに話しかけてきた、あの声を発していたやつらのかたわれだ。 説教師(マニパ)ツオギェル―― そう名のっていたっけ。 そいつが、話しかけてくるのである。 もう、やめろ――と。 もう、いいではないかと。 なんだか、うるさい...
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キマイラ鬼骨変 一章 獣王の贄(にえ) 8 (6)
コメ10 キマイラ鬼骨変 134ヶ月前
巫炎にとっては、あるいは、九十九や吐月は、敵側の人間と見られてもしかたのない関係にあった。 久鬼玄造(くきげんぞう)が、巫炎を保冷車の中に閉じ込め、九十九も吐月も、その久鬼玄造と一緒にこの現場に駆けつけているのである。 それにしても、どうして、巫炎はあの保冷車の中から抜け出すことができたのか。 ...
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キマイラ鬼骨変 一章 獣王の贄(にえ) 8 (5)
コメ5 キマイラ鬼骨変 135ヶ月前
しかし、久鬼は、そこに立ったが、すぐには動かなかった。 久鬼の本体――人間の久鬼の顔が、半分、もとにもどっていた。 吊りあがっていた眼尻の角度がわずかに緩やかになっている。 久鬼は、不思議そうな顔をしていた。 今、自分に何が起こったのか、それがわからないという顔だ。 九十九も、久鬼を見つめながら...
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キマイラ鬼骨変 一章 獣王の贄(にえ) 8 (4)
コメ15 キマイラ鬼骨変 135ヶ月前
「九十九くん……」 吐月(とげつ)が、何ごとかを察したように、一歩、退がる。 吐月に声をかけてはいられない。 今やろうとしていることに、全神経、全細胞、それこそ髪の毛一本ずつまで、使って集中しなければならない。 肉体が、別のものに化してゆくようだ。 大地になる。 地球になる。 重力になる。“石”をやっ...
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『水曜夜は冒険者!』ミスタラ英雄戦記On the Table~:ステージ7&8B:魔獣が住む森/ノームの村を助けろ!!:ディスプレ
コメ0 水曜夜は冒険者! -記事アーカイブ- 135ヶ月前
第7回目のそのまえに 水曜夜は冒険者――会場はおなじみ、東京は代々木のホビージャパンの会議室から。本日の参加者は、ローズマリー以外の5人。生まれ故郷の――そして、秋の落ち葉をくるくる回す仕事を放りだして逐電していた本来の仕事場である――フェイワイルドに戻ったローズマリーは、ノームたちの村を助けるどころで...
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キマイラ鬼骨変 一章 獣王の贄(にえ) 8 (3)
コメ7 キマイラ鬼骨変 135ヶ月前
それに、久鬼(くき)が反応した。 いや、反応したのは、久鬼ではなく、久鬼の内部にいる獣であったのかもしれない。 跳んだ。 久鬼の身体が、宙へ跳んだのだ。 幾つもある脚の筋力が使用されたのか、異形の翼が利用されたのか、その両方であったのか。 翼はただ一度、 ばさり、 と、打ち振られた。 そして、久...
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キマイラ鬼骨変 一章 獣王の贄(にえ) 8 (2)
コメ5 キマイラ鬼骨変 135ヶ月前
「おれを、救う?」 久鬼が、つぶやく。 久鬼の眸に、さらに光が点る。「ああ……」 久鬼は、溜め息のような呼気を吐いた。 一度、二度、眸を閉じたり開いたりした。「夢を、見ていたようだ……」 視線を、周囲にめぐらせた。「長い、夢だ……」 腕を持ちあげる。 その腕を眺める。 左右の手を。 そして、指を。 指...
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キマイラ鬼骨変 一章 獣王の贄(にえ) 8 (1)
コメ5 キマイラ鬼骨変 136ヶ月前
8 九十九は、その獣の正面に立っていた。 無数の首が持ちあがり、無数の眼が九十九を見ていた。 しかし、同時に、同じくらいの無数の首と口が、 げええ、 がああ、 血肉の塊(かたま)りや、何かわからないどろどろとしたものを吐き出し続けていた。 幾つかの口が、体内に溜っている毒素を、赤黒い鶉(うずら)の...
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キマイラ鬼骨変 一章 獣王の贄(にえ) 7
コメ9 キマイラ鬼骨変 136ヶ月前
7 何故、宇名月典善(うなづきてんぜん)がここにいるのか。 龍王院弘(りゅおういんひろし)はそう思った。 自分の方が、かつての師、典善にそう問いたかった。 自分が、典善のもとから去ったのは、このままでは、いつか自分はこの師と闘うことになると考えたからだ。 言い出したのは、典善からだ。 出てゆけと言...
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キマイラ鬼骨変 一章 獣王の贄(にえ) 6
コメ4 キマイラ鬼骨変 136ヶ月前
6 (わたしの名は、ツオギェル) その声はそう言った。 中国語である。 巫炎(ふえん)の言葉のイントネーションから、中国語を母国語とする人間であると考えたのであろう。 ツオギェル!? あの、ツオギェルか。 巫炎は、その名を心の中で繰り返した。(あの狂仏(ニヨンパ)修行僧のツオギェルか) 巫炎もまた中...
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キマイラ鬼骨変 一章 獣王の贄(にえ) 5
コメ8 キマイラ鬼骨変 136ヶ月前
5 それは、そこにいた。 上から、木洩れ陽(こもれび)のように注ぐ、青い月光の中だ。 幸いにも、こちらが風下(かざしも)だ。 音も、匂いも、向こうへは伝わりにくい。 草の中にうずくまり、一本の橅(ブナ)の幹に身体の一部を預けている巨大な獣。 グリズリーよりも、ホッキョクグマよりも、肉の量感...
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キマイラ鬼骨変 一章 獣王の贄(にえ) 4 (4)
コメ5 キマイラ鬼骨変 137ヶ月前
「人は、愚かだ」 吐月はまた、少し笑ったようであった。 「例外はない」 「ありませんか」 「ないね。人は皆、誰も愚かだ。人を好きになる、人を愛するというのは、その愚かさごと愛するということなのだよ」 わずかに沈黙があった。 風が、頭上で、葉を揺らす音、足が落葉を踏む音ばかりが、しばらく響いた。 「...
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キマイラ鬼骨変 一章 獣王の贄(にえ) 4 (3)
コメ93 キマイラ鬼骨変 137ヶ月前
吐月―― かつて、本気で覚者になろうとした男だ。 高野山で修行をし、チベットに入ってカルサナク寺で、陳岳陵――つまり、久鬼玄造と出会っている。 「わたしはね、外法の中に、その手がかりがあるのだと、ずっと考えていた……」 カルサナク寺の地下で見た、アイヤッパンを中心とした『外法曼陀羅図』。 そこで見...
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キマイラ鬼骨変 一章 獣王の贄(にえ) 4 (2)
コメ17 キマイラ鬼骨変 137ヶ月前
落葉を、踏んで歩く。 紅葉した楓や、ダケカンバの葉が、地に重なっている。 九十九(つくも)の、重い体重がかかるたびに、そこから落葉の匂いがより濃くなってゆくようであった。 枯れ葉の匂いではない。 落葉ではあるが、枯れて枝から離れたものではない。色こそ緑ではないが、充分に湿り気を含んだ、みずみず...
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キマイラ鬼骨変 一章 獣王の贄(にえ) 4 (1)
コメ5 キマイラ鬼骨変 137ヶ月前
4 一瞬、九十九三蔵は、出遅れていた。 最初に、宇名月典善が疾(はし)り、それに、菊地良二が続いた。 身を潜めていた所から、ライフルを持った男たちが、宇名月典善の後を追った。「九十九くん、きみは、ここにいなさい」 久鬼玄造が、九十九の動きを制するように、そう言ったのだ。 玄造は、八津島長安(やつ...
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キマイラ鬼骨変 一章 獣王の贄(にえ) 3 (2)
コメ23 キマイラ鬼骨変 137ヶ月前
どれだけ時間が過ぎたであろうか。 その時、銃声が聴こえた。 たあん…… という音。 近くはない。 しかし、それほど遠くというわけでもない。 だが、銃声とわかる。 間違いない。 そしてまた、 たあん、 たあん、 と、合わせて三発の銃声を、龍王院弘は聴いた。 どこかで、何かあったのか。 あの獣が、ど...
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キマイラ鬼骨変 一章 獣王の贄(にえ) 3 (1)
コメ19 キマイラ鬼骨変 138ヶ月前
3 龍王院弘(りゅうおういんひろし)の身体は、まだ震えていた。 しでの幹に背を預けていなければ、その場にへたり込んでしまいそうだった。 膝が、がくがくとしている。 全身が細かく震えている。 全ての力を、あの一瞬で使いきってしまったようであった。 筋肉に、強い負荷がかかった後、その部位が震えること...
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キマイラ鬼骨変 一章 獣王の贄(にえ) 2 (2)
コメ10 キマイラ鬼骨変 138ヶ月前
あの時、自分の肉と心は、憎しみで満たされていた。 憎悪。 哀しみ。 絶望。 怒り。 そういうものに身も心も支配された時、訓練したことの何もかもを、自分は忘れ果てていた。 愛する妻―― 久鬼千恵子。 そして、息子の麗(れい)。 妻の胎内にいる、子供。 それらの生命が、すでにこの世のものでないと思い...
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キマイラ鬼骨変 一章 獣王の贄(にえ) 2 (1)
コメ64 キマイラ鬼骨変 138ヶ月前
一章 獣王の贄(にえ)2 巫炎(ふえん)は、闇の中で腕を組み、胡坐(あぐら)をかいている。 保冷車の中だ。 いや、正確に言うのなら、保冷車の中に入れられた檻の中だ。 ジーンズをはき、Tシャツを着て、その上に綿のシャツをひっかけている。 闇の中だが、眼を開いている。 開いたその眸が、青く光っている...
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キマイラ鬼骨変 1 一章 獣王の贄 (1)
コメ37 キマイラ鬼骨変 139ヶ月前
菊地良二は、月を見あげていた。天にかかる歪(いび)つな月だ。その月の横を、銀色に光る雲が動いている。ずんぐりした、岩のような男だ。