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『ベイビーステップ』と『灰と幻想のグリムガル』に共通する感性を見た。
コメ1 弱いなら弱いままで。 93ヶ月前
ペトロニウスさんの最新記事が面白かったので触発されてぼくも何か書いてみようと思います。http://d.hatena.ne.jp/Gaius_Petronius/20170316/p1別に書こうと思っているのですがラジオでしゃべったのですが、鶴巻和哉監督の『龍の歯医者』の男の子も女の子も、旧世代の宮崎駿や庵野秀明に比較すると、自意識の在り方が...
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星を見る少女と廃墟に立つ少年。『この世界の片隅に』と『風立ちぬ』に「世界」を見る。
コメ0 弱いなら弱いままで。 97ヶ月前
先日、映画『この世界の片隅に』を観て来ました。素晴らしかった。まだ未見の方はぜひ、何らかの手段を用いてこの世紀の傑作を見てほしいと思います。『シン・ゴジラ』、『君の名は。』を初めとして豊作だった今年を締めくくる一作といえるでしょう。 そして、今年の数ある名作のなかでもベスト・オブ・ベストという...
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電子書籍第26冊目、27冊目、28冊目、29冊目。
コメ0 弱いなら弱いままで。 98ヶ月前
Kindleで電子書籍『ファンタジー漫画書評集 竜と剣と公子のバラッド』、『海燕漫画批評集「恋と銃弾」』、『海燕映画批評集(2): 「若き革命家の肖像」』、『『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』リアルタイム評論集「「狂気」の向こう側へ」』の4冊を出版しました。よろしければお読みください。 おかげさまで、Kindle St...
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「地獄」から「天国」へたどり着くためのルートとは。
コメ1 弱いなら弱いままで。 99ヶ月前
恋愛工学の話は終わったと書きましたが、どうにも書きたいことが湧いて出てくるので番外編をひとつ。いや、まだ続くかもしれないので「番外編1」としておきましょうか。 この話、いつまでも延々と続くような気もする。いいかげんいやになっている人もいるでしょうが、ぼくは書きたいことを書きたいように書くのだ! ...
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『フルバ』にも『カレカノ』にも罪はない。少女漫画と「真実の愛」幻想。
コメ0 弱いなら弱いままで。 99ヶ月前
恋愛工学に始まった「ナルシシズム/エロティシズム」の話は前回で一応完結しているのですが、今回はおまけ篇として宿題になっていた少女漫画の話を書いておこうと思います。 まずは、「『彼氏彼女の事情』『フルーツバスケット』がアラサー女子の恋愛観にもたらした闇」という記事を引用しましょう。http://papuriko...
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映画『君の名は。』のわりとどうでもいいポイントについて(ネタバレ)。
コメ1 弱いなら弱いままで。 100ヶ月前
新海誠監督のアニメーション映画『君の名は。』を観て来ました。 えーと、あれですね、これは一切のネタバレなしで感想を書くと、「恋っていいよね」くらいしかいえなくなる類の映画ですね。あるいは「おっぱいっていいよね」でもいいけれど。 しかもネタバレ厳禁タイプのシナリオ。まあひと言でいうと傑作だったん...
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天使と欲望のパラドックス。
コメ2 弱いなら弱いままで。 100ヶ月前
昨日、一週間のあいだうちに滞在していた甥っ子が帰宅しました。疲れた。マジ疲れた。やはり子供は幼い頃から可愛がって育てなければならないと考える善良で親切なぼくは、全身全霊をあげて遊んであげたのです。 それはもう、映画には連れていくわプールには連れて行くわ、博物館には遊びに行くわ、カートには乗せる...
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『シン・ゴジラ』が単なる愛国ポルノではありえない理由を『風立ちぬ』を通して説明する。
コメ2 弱いなら弱いままで。 100ヶ月前
ふと思い立って、もういちど宮崎駿監督の『風立ちぬ』を見ています。『シン・ゴジラ』を見た後だと、この作品の歴史的意義がよくわかる気がしますね。この映画に関しては、ペトロニウスさんがこう書いています。 これが、何を表しているかといえば、宮崎駿が、 今の時代は少年を主人公にする物語が描けなくなった ...
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それは「犯罪界のナポレオン」と呼ばれた男の物語。竹内良輔&三好輝『憂国のモリアーティ』が面白い!
コメ1 弱いなら弱いままで。 100ヶ月前
『ジャンプスクウェア』で新連載が始まった 『憂国のモリアーティ』が面白いです。 「憂国のモリアーティ」。もう、このタイトルだけで傑作に違いないと確信できるわけなのですが、そうです、あの「犯罪界のナポレオン」モリアーティ教授を主人公にした物語なのです。 といっても、もしかしたら知らない人もいるか...
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興奮と戦慄の超濃密庵野映画『シン・ゴジラ』を見のがすな!
コメ1 弱いなら弱いままで。 101ヶ月前
映画『シン・ゴジラ』を見てきました。もうネットでは評判になっていますが、あまり冴えなかった前評判をくつがえす大傑作。 ちなみにネタバレにならないように簡単に説明すると、えーと、えーと……なんもいえねえ。ちょっとした情報ですらバラせない感じの作品で、ぶっちゃけ「面白い」とか「傑作」と述べることもは...
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作家は読者の奴隷ではないし、そうなってはいけない。
コメ0 弱いなら弱いままで。 101ヶ月前
『妹さえいればいい。』最新刊を読み終えました。 前巻はほぼギャグ一辺倒で、面白いことは面白かったのですが、お話そのものは何も進んでいない印象がありました。 しかし、この巻では劇的に物語が進行します。いやー、面白いですね。ぼくはこういうものをこそ読みたいのだと思う。 物語が進むとは、ただ状況が変...
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フェミニストはオタクの敵ではないのです。
コメ2 弱いなら弱いままで。 101ヶ月前
ども。海燕でゲス。 フェミニストとして高名な北原みのりさんが「萌えキャラ」を批判してこんなことを書いているでゲス。 ハッキリ言いますが、大人の女の多くは、少女ファンタジーにしがみつく大人の男を、キモイと思っています。萌えキャラがキモイ、というよりも、萌えキャラを重宝し濫用する男社会がキモイ。少...
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竹本泉は天才だ! 猫好き必読の名作漫画『ねこめ(~わく)』を読もう。
コメ0 弱いなら弱いままで。 101ヶ月前
竹本泉『ねこめ(~わく)』を3冊ほど続けて読みました。 このシリーズ、第8巻まで続いた『ねこめ~わく』の続編にあたるのですが、続編とはいっても何も違いはありません。ええ、そのまま。まさにそのままです。 そもそもこの漫画の新作を読むの20年ぶりくらいなのだけれど、何ひとつ変わっていないなあ。 連載は...
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雷句誠、驚異の新作! 『VECTOR BALL』は少年漫画の新次元を切り拓く。
コメ0 弱いなら弱いままで。 101ヶ月前
えー、特に前置きもなくいきなり本題に入りますが、雷句誠さんの漫画『VECTOR BALL』が面白いです。 このあいだのLDさんとのラジオでも話したんだけれど、いやー、この漫画、まだ第1巻しか出ていないいまの段階ですでにド傑作の匂いがします。 少し前までは「この漫画、ほんとうに面白いのだろうか???」とクエス...
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『ROOKIES』より面白い! 不良スポーツ漫画の名作『ANGEL VOICE』の秘密とは?
コメ0 弱いなら弱いままで。 101ヶ月前
ども。『ポケモンGO』配信が待ちきれない海燕です。 ぼくはiPhone使いなのだけれど、iOS版もAndroid版と同時に出るかなあ。出たら夏休みに遊びに来る甥っ子といっしょに遊ぶ予定。 さて、きょうはいまひとつ知名度がないサッカー漫画の名作『ANGEL VOICE』の話。 あまり知っている人は多くないかと思いますが、『チ...
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オススメのBLと百合を紹介するよ!
コメ0 弱いなら弱いままで。 101ヶ月前
文乃ゆき『ひだまりが聴こえる』を読みました。 『さらば、佳き日』の作家によるボーイズ・ラブ漫画です。 最近、BL漫画と百合漫画ばかり読んでいるような気がするなー。 べつに腐男子というわけでもないけれど、未発見の秀作を探していると自然とそのジャンルになるんですよね。 で、この作品、難聴の青年を主人...
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漫画を真に受けなくて何を真に受けるのだ!
コメ0 弱いなら弱いままで。 101ヶ月前
茜田千『さらば、佳き日』を読みました。 てれびんが例の動物的直感(一応は動物の範疇だろう)でどこからか見つけ出してきた作品なんですけれど、これは素晴らしかったです。 ひさびさに漫画読んでいてぞくぞくした。 おそらく好みが分かれる作品ではあるだろうけれど、ぼくとしては非常にオススメの漫画なので、...
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積み重なった「成功」を確定させるにはどうすればいいのか。
コメ2 弱いなら弱いままで。 101ヶ月前
ハリウッド映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』を観ました。 20年以上前にロサンゼルスに実在したギャングスタ・ラップ伝説のグループの栄光と没落を描いた作品です。 とても面白かったのですが、あまりにも日本人の常識からかけ離れた物語なので、情報なしで見ると戸惑うかも。 とはいえ、あるいはその戸惑い...
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個人の立場が平等になればなるほど、幸福になる才能の格差があきらかになる。
コメ2 弱いなら弱いままで。 102ヶ月前
いまさらながら永田カビ『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』を読みました。 すでに各所で話題のこの本、人気のあまり品切れが続き、電子書籍刊行の予定が早まったそうです。 読んでみると、じっさい面白い。30歳を目前にして「さびすぎ」る日常を送る著者が、一念発起して「レズ風俗」へ行きちょっとだけ人生...
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なぜ一部の男性たちはボーイズ・ラブを嫌悪し非難するのか。
コメ0 弱いなら弱いままで。 102ヶ月前
溝口彰子『BL進化論 ボーイズラブが社会を動かす』を読んだ。非常に面白い一冊だ。 ぼくにボーイズラブ作品一般の知識がないために完全に理解したとはいい切れないが、それにしてもセンス・オブ・ワンダーを感じさせるような素晴らしい読書体験だった。 この本はBL(ボーイズ・ラブ)小説ないし漫画の「進化」を語...
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『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』は「ダメ部活もの」の到達点か。
コメ0 弱いなら弱いままで。 102ヶ月前
『ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?』を最終話まで見ました。 いやー、面白かった。今季のアニメは豊作で、『カバネリ』とか『くまみこ』とか『マクロスΔ』とか面白そうな作品が色々あったけれど、終わってみるとこれがいちばん楽しかった。 うーん、何なんでしょうね。特にどこが新しいとも思えないんだけれど...
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非モテを「属性」のせいにはできない。
コメ3 弱いなら弱いままで。 102ヶ月前
皆さん、お元気でしょうか。ぼくは趣味で大学受験をするべく地道に勉強しています。 世界史とかいまやり直すと非常に面白い。人類の歴史は戦争に次ぐ戦争で、そのたびに善悪とか文明対野蛮という二項対立的なフィクションが作られるんだなと実感しますね。 人間はどうしたって自分を中心に考えるわけで、ちょっと文...
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「何もない自分」を競争市場で売るにはどうすればいいか。
コメ0 弱いなら弱いままで。 102ヶ月前
ちきりんさんの『マーケット感覚を身につけよう』を読み終えました。 どうしても読みやすい本から読んでいくことになってしまいますね。 積読のなかには以前述べた『権力の終焉』や、コリン・ウィルソンの『至高体験』といった、難解とはいわないまでもかなり読みづらい本も混ざっているのですが、そういう本は必然...
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教養主義が崩壊した時代における教養とは。
コメ0 弱いなら弱いままで。 102ヶ月前
積読の夏です。 いやー、目の前に読みたい本が溜まって溜まって、くらくらします。 少なく数えても十数冊は積読していて、しかもそのほとんどがお堅いハードカバーと来る。 いったいどこから崩したらいいものだと迷いますが、『フルーツバスケット』でこういうときは目の前の作業に集中することと語られていたので...
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『風立ちぬ』再考。堀越二郎はほんとうに冷血の天才なのか。
コメ0 弱いなら弱いままで。 102ヶ月前
瀬名秀明の『瀬名秀明ロボット学論集』と並行して、杉田俊作『宮崎駿論』を読んでいる。何度目かの再読である。 宮崎駿の漫画や映画を題材にした批評書は何冊も出ているが、この本は際立って面白い。 宮崎駿の過去の全作品を素材に、表現論、自然論、さらには宮崎駿その人の人物論に至るまで、縦横に語りつくして...
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天才ではない者が勝利を勝ち取る条件とは。
コメ0 弱いなら弱いままで。 103ヶ月前
いつもいっている気がしますが、今週の『ベイビーステップ』が面白いです。 自分の目と身体で直接ウィンブルドンを体験し、「世界の頂上(トップ)」を肌身で感じたエーちゃんが、いよいよ「世界の頂上」を目指して戦い始めます。 いままであいまいだった目標が具体的に定まった意味は大きく、エーちゃんはふたたび...
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『HUNTER×HUNTER』は「人間的な共感」の境界を示す。
コメ0 弱いなら弱いままで。 103ヶ月前
『HUNTER×HUNTER』最新刊をくり返し読み込んでいます。 一度読んだだけでは理解し切れないレベルの複雑さと情報量。 「グリードアイランド篇」もそうだったけれど、端から端まで完全に把握して読んでいる人は少数派なんじゃないかなあ。 ということは100パーセントわからなくても読めるシンプルな構造があるという...
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学校なんて行かなくていい、とはいうものの。
コメ0 弱いなら弱いままで。 103ヶ月前
有名ブロガーのちきりんさんと格闘ゲーム界の「神」梅原大悟さんの対談本を読みました。 なんでも3年にわたり、100時間以上対談しているそうで、本になったのはそのなかの精髄といえる部分なのでしょう。 話のテーマは「学校」。 本来、プロゲーマーのウメハラは「学校の授業はみんな寝ていた」という学校嫌いで知...
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「障碍者」までのディスタンス。
コメ0 弱いなら弱いままで。 103ヶ月前
たむらあやこ『ふんばれ、がんばれ、ギランバレー!』を読みました。 タイトルからわかるように(わからないかな?)、10万人につきひとり、ふたりという難病「ギランバレー症候群」にかかった著者の漫画形式での闘病記です。 はっきりいってプロレベルの画力や構成力があるとはいいがたく、読んで面白いものとはい...
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頑張って生きるのが嫌な人が自由になる方法。
コメ0 弱いなら弱いままで。 103ヶ月前
「頑張って生きるのが嫌な人のための本」。おお、ぼくのことだ、と思って読んでみました。 タイトルはこんなですが、中身は「自由」を巡る真面目でまっとうな思索です。 著者は若くして亡くなった友人「K」に対し語りかけるかのように文章を綴っていきます。 自由を追求したあげく、死を選んでしまった「K」。その...
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映画『同級生』はキラキラ系青春ボーイズ・ラブ。男子も見てみるといいよ!
コメ0 弱いなら弱いままで。 103ヶ月前
アニメ『同級生』をレンタルして見ました。 ボーイズ・ラブ漫画の名作として名高い『同級生』の劇場映画版です。 原作も読みましたが、いやー、このアニメ版は素晴らしい出来。 それはもう胸キュンものの作品となっております。 BL好きの女子はもちろん、男子もバイアス抜きで見てみるといいんじゃないかな。 と...
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『HUNTER×HUNTER』における新世界とは「物語破壊の装置」である。
コメ0 弱いなら弱いままで。 103ヶ月前
全読者待望の『HUNTER×HUNTER』最新刊が出ました。 さっそく電子書籍で落として読む、読む。もちろん雑誌で追いかけてはいたけれど、あらためてまとめて読むとあらためて面白いですね。 前巻で、長かった「キメラアント篇」に続く「会長選挙篇」が完全に終わって、この巻から「暗黒大陸篇」が始まります。 いままで...