第393号 2021.3.23発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…東京五輪・パラリンピック開閉会式のクリエイティブディレクターだった演出家・佐々木宏が内部のグループLINEでのアイディア会議で、渡辺直美にブタの格好をさせて「オリンピッグ」という案を出していたことを週刊文春にすっぱ抜かれ、「女性蔑視」だと非難を浴びて辞任に追い込まれた。そもそもこの事件で奇妙なのは、肥満体の女性芸人を「ブタ」に例えたら「女性蔑視」になるのか?ということである。人の容姿を笑いのネタにするのはいけないことなのだろうか?
※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…前回は「二重マスク」の義務化がはじまりつつあるアメリカで、マスクを燃やしてしまう楽しいお祭り「マスク火刑式」が行われたことを紹介したが、政府のコロナ政策に反対し、自由と基本的人権の回復を求める運動は、世界各地に広がっている。その様子をレポートしておこう。
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!エヴァンゲリオンシリーズにどんな印象を持っている?大震災の後は1日も早く経済再開をとなったにも拘わらず、なぜコロナではそうならないの?将来、歴史からどう評価されたい?プロレスのヒールで一番怖いと感じたのは誰?ワクチンパスポートの導入をどう思う?少年Aの手記を非難していたけど、少年Aには表現の自由はないの?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第414回「太ってるから人気出た芸人はダメか?」
2. しゃべらせてクリ!・第350回「の巻〈前編〉」
3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第208回「自由を求める各国市民の闘い」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第414回「太ってるから人気出た芸人はダメか?」 東京五輪・パラリンピック開閉会式のクリエイティブディレクターだった演出家・佐々木宏が内部のグループLINEでのアイディア会議で、渡辺直美にブタの格好をさせて「オリンピッグ」という案を出していたことを週刊文春にすっぱ抜かれ、「女性蔑視」だと非難を浴びて辞任に追い込まれた。
週刊文春は記事のタイトルを『「渡辺直美をブタ=オリンピッグに」東京五輪開会式「責任者」が差別的演出プラン』として、「渡辺直美をブタに」というアイディアこそが最大の問題であるかのようにポリコレ棒を振り回してスキャンダラスに煽り立てた。
どんな卑怯な手段を使っても「女性蔑視発言」を仕立て上げ、ポリコレの問題にして騒ぎ立てさえすれば、誰でも失脚させることができる時代になったのだ。
そもそもアイディア会議というものは、戯れにどんなものでも言ってみるのが基本であって、それを禁じられたらクリエイティブなことなんかできやしない。
しかし今やポリコレ優先、創作など二の次というのが世界的な潮流になってしまっていて、創作者であるわしにとってはそれが不愉快でならない。
週刊「SPA!」編集部も一度ヒステリック・フェミのポリコレ軍団に目をつけられて、あわや「新潮45」の二の舞かという思いをして以来、どうしようもないほど臆病になってしまった。
「よしりん少女像」の章はボツにされたし、他の雑誌に持ち込めば即掲載で、単行本にも収録した。「SPA!」だけが掲載できなかったのだ。
「ポリコレ修正」を要求されると、延々と時間をかけて説得しなければならないので、仕事が進まないし、ストレスが溜まる。
「ちょっと持ち帰って、もう一度考えてみます」なんて言われることがあり、そうなるとものすごい不愉快を溜め込んだまま寝なければならなくなって、その欲求不満が翌日にまで持ち越されてしまう。
アイディアというものは、脳の前頭葉にドーパミンという快感物質が噴出している状態でないと、面白いものが浮かばない。不愉快は創作活動にブレーキをかけることなのだが、それが創作者にとってどれだけ辛いことなのかが、誰にも分かってもらえない。
どうして誰も彼もそんなにポリコレに弱いのか? ポリコレ軍団の言ってることなんか、100万パーセント間違っているじゃないか。
ポリコレ軍団は自分が「リベラル」と思っているのだろうし、「平等主義者」なのは間違いない。特に「男女平等主義者」なのだろう。
差別に反対するのがリベラルで、差別に反対するリベラルは善人であり、差別に反対するためなら言葉狩りでも弾圧でも粛清でも何でも正義であるという思い込みが強いのだろうし、その思い込みにマスコミも、エセ知識人も逆らえない状態になっている。
実は「リベラル」なんて名称は定義が曖昧で、その正体は「枯れ左翼」「うす甘いサヨク」、自由より平等を重んじる「極左」と言った方が実態に近づける。しかもSNSという匿名の武器を使って、個人より集団で破壊衝動を満たす卑怯者なのだ。
極左ポリコレ軍団は、世の中に破壊しかもたらさない悪魔である。奴らが今回のようなことをやった時には、ネットを使える者は全員でこれに抗議し、叩き潰すようにしなければならない。そういう反動勢力を作らなければ、社会は破壊されるがままになってしまうだろう。
最近は極左ポリコレ軍団に怯えた企業や雑誌社が、CMを中止したり、作家に自主規制の圧力をかけてくるようになった。
先日は『ゴー宣』でわしが引用した女性読者の文章まで、修正してくれと言ってきた。他人の文章を勝手に改変させるなんて、あまりにも非常識で絶対にOKしなかったのだが。
果たして、その作品が発表されても、誰も抗議して来ない。
そもそも今回の「ブタ鼻」事件で奇妙なのは、肥満体の女性芸人を「ブタ」に例えたら「女性蔑視」になるのか?
マスコミ知識人は、「女性の容姿を笑いものにするのはいけない」とかきれいごとを言っているが、渡辺直美は、最初から自分の肥満体を利用して出てきたのだ。
コメント
コメントを書く>>402
あらら。失礼しました( ノ;_ _)ノ
よりによって仏陀の誕生日と間違った。
>>392
一瞬だけ、御会いしただけですからねー。
でもさすがにそのコスチュームは無理(笑)
常連ヅラ(大して買わないくせに)して「読書のすすめ」さんと話してる奴がいたら、そいつが私です。
医者や弁護士のくせに、PCRが『治療』じゃなく、『検査』なのがわからんのか?
PCR検査すれば、皆が安心して旅行できる?普通にすりゃいいじゃん。
だいたい『皆が幸せになれる』とか、こういう言葉を使うのは
【ネズミ講】ですから!!
言葉をなぞるよりも、理念が大事。
嫉妬するよりも、自分の頭で物事を考えて見極めることが大事。
過去に囚われるより、現在を見据えて、結果を出すことが大事だと思います。
>>410
独り言です。
ゴー宣道場の進化を見ていると、
ぽっと、何となしに上の思いが出てきたので。
>>399
101010さま
そうなんですか。それが本当なら嬉しいです。
希望の持てる情報ありがとうございます。
>>392
まー様
いつも応援メールを下さりありがとうございます。いつも、好き勝手なことをこの場をかりて発信させていただいていますが、それは、皆さまがお読みになるという緊張感をもって書く故にできる自分の考えを整えるという、とても私にとって重要な作業ができる安心できる場であるからです。いろいろなご意見をもたれる方が集う場ですから、もし、私の意見に異論があれば、どんどん仰って頂きたいと思っています。それは、自分の考えを推敲する良ききっかけとなりますので。
そして、まーさんのように、いつも温かい言葉をかけていただくのも、良い励みとなります。いつもありがとうございます。
ありがとうございます。
お手数をおかけします。
お掃除、お掃除♪
サッサッサー〜♪
ゴー宣「太ってるから人気出た芸人はダメか?」を読みました。とても面白かったです。そして、とても怖かったです。
ポリコレフェミニストは、人間の本能や理性に甘えていて、またナメていると思いました。
共産主義国家から、良い物が生まれたなどとは聞いたことが無いですね。
妙な形で抑制すれば、歪な形で噴出してしまいますね。
過去から、歴史から学ばず、設計主義的な左翼なのでしょうね、やはり。
デブ専の男は絶対に居ますね。以前より、カミングアウトしやすくなっていたのではないでしょうか。元々、おかしくないと思いますが。デブ専の女性も居ますものね。
太っている異性の方が、子孫を残してくれると判断するから選ぶのだと思います。
渡辺直美やゆりやんは、野沢直子や綾部のようになって欲しくないですね。センスのある人ほどアメリカを見てしまう気もしてしまいます。勿体ない。
小林よしのり先生は、世界一、常に真っ新な精神状態と脳ミソでいて欲しい作家さんです。邪魔をしないでください!
ツマラナイ世の中にしないで頂きたい!!
損失、損害は、計り知れないものになります。
トンデモ見聞録「自由を求める各国市民の闘い」を読みました。メディアは、どこの国でも、やはり問題有りなのですね。
人間社会の宿命なのでしょうか。高度情報化社会になる前までは、ここまで社会に影響を与える存在ではなかったのでしょうか。
第一次世界大戦は分からないですが、第二次世界大戦では、情報戦が勝敗を分けたとも聞きました。
真実が、正義となる世の中になって欲しいです。
木蘭先生の最後の言葉が響きます。客観性を備えた常識を持ち続け、戦略的に戦っていきたいです。