第158号 2015.12.8発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…明日・12月9日、『大東亜論』第二部「愛国志士、決起ス」が発売される。この作品で描いているのは明治初期に起きた動乱、いわゆる「不平士族の反乱」である。しかし、この動乱を「不平士族の反乱」と呼んだ時点で、もう日本人ではない!!明治維新以後、失われた「日本人のエートス」とは何か?西洋文明に対して負けることを覚悟で蜂起した、志士たちの気持ちを理解できるかどうか?それは日本人としてのアイデンティティを持っているかどうかを判断するリトマス紙となるのだ!
※「ザ・神様!」…ついに恋しいミヤズヒメとの再会を果たし、めでたく男女の契りを結んだヤマトタケル。しかし、そこで生まれた小さな心の緩みが、運命の大きな分かれ道に!?父・景行天皇の愛を渇望し、哀しい戦いに身を投じ続けたヤマトタケルの物語、いよいよクライマックスへ!
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!モノの見方はどのように育んできた?ストーカー行為を繰り返す老人が増えている!?日本が対テロの有志連合に加わる可能性はある?友人に『ゴー宣』を勧めたい!どの作品から読ませるべき?「ふるさと納税」をどう思う?史実を元にフィクションを作る場合、史実通りに描くべきでは?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第154回「『大東亜論』【愛国志士、決起ス】について」
2. しゃべらせてクリ!・第118回「最高ハッピー!艶子サンタのラブラブクリスマスぶぁ~い!の巻〈前編〉」
3. もくれんの「ザ・神様!」・第70回「ヤマトタケル物語・その11」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 読者から寄せられた感想・ご要望など
7. 編集後記
第154回「『大東亜論』【愛国志士、決起ス】について」『大東亜論』第二部「愛国志士、決起ス」が明日・12月9日に発売される。
日本人は明治以降、急激に西洋化を推し進め、近代主義・合理主義を受け入れることで、ずいぶん精神性を変化させた。日本人ならではの道徳や信仰など、魂(エートス)の部分が薄まってきた。
エートスというのはアリストテレス倫理学では、人間が行為の反復によって獲得する持続的な性格・習性のことだと分析される。ある社会的集団・民族を支配する倫理的な心的態度のことである。
武士のエートスは、「恩義に厚い」「自己犠牲の精神がある」「潔い」「恥を知る」「惻隠の情がある」など、封建的な忠義の精神から出来上がってきた。
だが、明治維新以来の近代化は、当然、武士のエートスを揺るがせずにおれない。
現代の日本人は大東亜戦争の敗戦後、GHQの占領統治によって、さらなる洗脳を受けているので、もはやエートスなき日本人に頽落したかもしない。
そんな中で、果たして『大東亜論』がどう読まれるか?興味深い実験である。
「愛国志士、決起ス」で描いているのは明治初期に起きた佐賀の乱、萩の乱から西南戦争に至る、いわゆる「不平士族の反乱」である。
だが、そもそもこの一連の内戦を「不平士族の反乱」と称するところに一番の問題がある。その名称で呼んだ時点で、もう「日本人ではない=日本人のエートスを持っていない」と認定してもおかしくないくらいだ。
当時の士族たちは、西洋文明にすり寄る政府を打倒しようとしたのであり、その点においてはイスラム原理主義者と共通する部分がある。
これを単なる「反乱」としか理解しないのは、要するに「西洋文明こそが正しい」という価値観に染まりきっており、西洋文明に異を唱える者は「反文明」の単なる不平分子だという評価しかできなくなっているということだ。
つまり、既に日本人の価値観を喪失しているのである。
明治初期の動乱を「不平士族の反乱」の一言で片づけ、その意義を考えてこなかった戦後日本人は堕落しきっていたのだ。
だからこそ9.11テロが起きた時も、フランスでテロが起きた時も、途端に準白人化して「テロとの戦い」を叫び出す自称保守が続出するのである。一体、これのどこが「保守」だというのだろうか?
本当に日本人の感覚を持っているのなら、あんなに簡単に西洋人の方に同化できるわけがない。やはり、日本人のエートスが希薄になっているのである。
「愛国志士、決起ス」に登場する者たちは、いずれも負けることを覚悟で蜂起し、次々に死んでいく。
主人公たる頭山満以下、後に玄洋社を興す面々も、たまたま蜂起の前に手入れを食らって獄につながれていたから生き残っただけで、そうでなければ全員萩の乱か福岡の変に参戦し、死んでいただろう。
命を懸けて、抵抗せざるを得ない者たちがいた。
西洋文明に対して、負けることがわかっていても戦わざるを得ないという「誇り」を持つ者たちがいた。
その気持ちがわかるかどうかが、日本人としてのアイデンティティを持っているかどうかを判断するリトマス紙となるのだ。
決起した志士たちには、時の藩閥政府はまるで西洋に洗脳されてしまっているかのように見えたであろう。
単に断髪し、洋装して、西洋文明を受け入れているからということだけではない。
コメント
コメントを書く【ライジング版流行語大賞】
[名言部門]
◆右脳で真実を見抜く女性の力は、やっぱり世の中に必要なのだ。
◆「個」は生産の現場からしか形成出来ない
◆自分は卑怯者かもしれないと常に意識しておくこと
◆消費者はどうしても権力者になる
◆知らんがな
◆信仰の告白
◆スクラップは簡単だが、ビルディングは恐ろしく難しい
◆『デモ・クラシー』と『デ・モンストレーション』は違う
◆『武士の個人主義』と『足軽の集団主義』
理由を書き忘れていましたので、再度、書き込ませて頂きます。
カレー千衛兵さん、こちらの方で、どうか、宜しくお願い致します。
m(__)m
【ライジング版流行語大賞】
[名言部門]
◆右脳で真実を見抜く女性の力は、やっぱり世の中に必要なのだ。
*女性に認められてこそ、本物なのでしょうね。
◆「個」は生産の現場からしか形成出来ない
*公と私の葛藤あってこその、生産なのだと思いました。。
◆自分は卑怯者かもしれないと常に意識しておくこと
*常に自省を忘れてはいけないと思いました。
◆消費者はどうしても権力者になる
*“どうしても”と付けられると、抗いたくなりますね。
◆知らんがな
*「これしかない」って程の絶妙なツッコミですよね♪
◆信仰の告白
*凄く言い得て妙だと思いました。
◆スクラップは簡単だが、ビルディングは恐ろしく難しい
*“恐ろしく”という所に実感がこもっていて、説得力があると思います。
◆『デモ・クラシー』と『デ・モンストレーション』は違う
*これは、周囲に出来るだけ広めたいです。
◆『武士の個人主義』と『足軽の集団主義』
*もう、目から鱗でした。希望も持てましたし、特に印象に残った言葉です。
【ライジング版流行語大賞】
[珍言部門]
◆H大好き40歳
*あまりの理不尽さに、大爆笑でした。木蘭先生は、笑いの神様にトコトン愛されているのだと思う♪
(*´∇`*)
◆カジュアルに死んでる
*これは、もう、木蘭節の真骨頂ですね。“カジュアルに”って…。
( ̄▽ ̄;)
◆ケツも拭かないやつは人間でもペットでも嫌い
*これは自分自身にグサッと来ました。効いた~。
(^_^;)
◆笹さんのせいだからね
*出た。先生の真骨頂。女性に対してのSっぷりが存分に発揮されていましたね♪
(^○^)
◆知ってたんですか!!
*この回は、神回だったと思っています。トッキーさんの切れ味鋭い、なんともいえない可笑しみのあるツッコミに笑いっぱなしでした♪
(*^▽^*)
◆なんだか、ものすごくフランクだぞ、清麻呂公!
*ものすごくセンスのあるツッコミですよね。ホント、フランクでしたよねえ♪
( ^∀^)
◆ヨシュラン
*思いっきり吹き出しました。先生は、やっぱし面白い♪
(*≧∀≦*)
【神エピソード グランプリ】2回目を投票します!
第56回「もくれんの『中国びっくり取材紀行』・その1」・・・いつもカワイイもくれん先生の身体を張った渾身の顔写真(というかヘアスタイル)掲載に大ウケでした(爆笑)
「ザ・神様!」グランプリ投票します!
○キャラクター グランプリ
オトタチバナヒメ
あんな、大人な女性になりたい・・・かっこよすぎます!!
○神エピソード
第50回 数あるモクレンヒメの過去エピソードの中で、私は一番面白かったです!
なぜこんなに面白いことが起こるのか・・・モクレンヒメはすごい神様です!!
引き続き投票します!
【平成27年度ライジング版流行語大賞 [名言部門]ノミネート 67語】
◆「武士の個人主義」と「足軽の集団主義」
よしりん先生と堀部先生の動画が非常に面白く、
武士のことを知ることによって、公と個を改めて考えるようになりました。
【平成27年度ライジング版流行語大賞 [珍言部門]ノミネート 60語】
●顔面サトラレ
ブログを読んでいたら思わず吹き出してしまいました。
顔面サトラレな人いますよね~。
香山リカのいいがかりのような反論を、ユーモアで受け流すよしりん先生に感動しました。
【平成27年度ライジング版今年の出来事 ノミネート】
11月8日:第51回ゴー宣道場「とりま民主主義ってデモか?」 初の地方開催、関西ゴー宣道場。
個人的には高森家に豆太郎が来たことも思いで深いですが、
とにかく楽しかった関西ゴー宣道場に1票投じます!
私は一番最前列に座らせて頂いたとこもあって、よしりん先生が近いからとにかくドキドキしましたー
笑いが絶えなくてとても楽しかったです!
>>33 トロさんへ
>愛子さまの小説。私は感銘をうけました。
>ちなみに自分は、2回立ち読みに行って済ませた不道徳者です(汗)
いえいえ。トロさんが教えてくださいましたので、
私は本屋さんで取り寄せました。
これって「巡り巡って道徳的」ですよね ^O^
初めてコメント欄に投稿するのは
気が引けて勇気が必要だったとのこと。
だけど、おかげさまで助かりました!
どうもありがとうございました !
最近、コメント欄に初めて投稿された方が増えて、
ものすごく嬉しいです♪♪
これからも無理のない範囲で、投稿してくれたら、さらに嬉しいです☆☆
このコメントをもちまして、「ザ・神様!」グランプリ2015の『キャラクター グランプリ』と『神エピソード グランプリ』の投票を締め切らせていただきます。
ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。
『ザ・神様に、きいてみよっ!』は、まだ受けつけておりますので、どしどしお送り下さい!
今週もライジング配信ありがとうございますvv
ストレスを感じたくないからと逃避=エスケープして、まるでストレスがないかのように振る舞っていても当然ストレスはなくならず増え続けていきます。それによって発せられる警告もストレスを感じたくないからと感じないようにし続けた末路は、本人にとっても周りにとっても最悪なものでしかありません。
これは日本人に多いというAIDS発症の事例に似ていると感じます。
HIVウイルスに感染しているかもしれないにも関わらずその事実を知るのが怖いからと検査を受けずに過ごしていた結果、AIDSを発症したことでやっとHIVウイルスに感染していたことが分かったという事例が4割にものぼっているとのことです。
今はHIVウイルスに感染していることを早期に発見し治療すれば、生涯AIDSを発症することもなく寿命が済むともないそうです。HIVも他の病気と同じように正しい知識と治療を受ければ何も怖い病気ではないのです。
どうも逃げた方がいいものといけないものをはき違えてるんじゃないかと思います。ストレスも病気も早期発見が大切であり、早期に対処すれば本当に感じたくない最悪の事態を回避することができるのです。
ときに逃げることも必要なのでしょうが、それはあくまで一時的な対処であって、逃げ続けることはできません。事実と向き合って受け入れる勇気が足りないと思います。
このコメントをもちまして、「ザ・神様!」グランプリ2015『ザ・神様に、きいてみよっ!』への投稿受付を終了させていただきます。
ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。