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ニャンとも言えない加藤一二三伝説 Vol.57
2014-10-31 23:30157pt《本文》《本文》
1.将棋まつりを振り返る
本日は、若干季節外れの話題にはなるが、「将棋まつり」のことをまず振り返ってみたいと思う。
将棋界のファンイベントのひとつに、日本将棋連盟と各地の百貨店が主催する「将棋まつり」という催しがある。
たとえば、長野県長野市にある長野東急百貨店で開催される「長野東急将棋まつり」には長年出演してきた。催しは豪華な出演者による充実した内容でありながらも、基本的には入場無料となっている。そしていずれの会場に於いても、プロ棋士同士またはプロ棋士と愛棋家の著名人との席上対局ならびにプロ棋士による大盤解説、プロ棋士による指導対局、書籍サイン会などが主な内容となっている。
「長野東急将棋まつり」は、会場は広かったが連日多くのファンが詰めかけ、将棋を楽しんだ。改めて思うが、来場者は皆さん紳士的な態度で、それでいながら楽しげな様子で、半日、あるいは一日ものあいだ百貨店におられたが、このイベントは将棋界にとってもありがたいことであった。私自身、席上対局(お好み対局とも呼ばれている) も度々指したが、今も鮮やかに記憶に残るのは、対大内延介九段戦、対丸田祐三九段戦、対木下浩一六段戦などである。
丸田九段は長野市の出身で将棋まつりの責任者でもあった。1919年生まれの丸田九段は、95歳となる現在なお御健在であるが、丸田先生が引退後に席上対局を一局戦ったことがある。闘い終わって丸田九段が、「加藤さんは馬力があるねえ」と云われたことが思い出深い。
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