フィルムアナリストのロブ・アガー氏が、『マトリックス』の細部に見られる奇妙な事実をまとめて動画にしたとio9が伝えました。普通なら気づかずに流してしまうような細かいものもあるので、感心させられると思いますよ。
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■スミスが出してきたネオのファイルの右上には「The One」と書かれており、モーフィアスはネオのことを「He is the one」と言っている。
■モーフィアスがネオにマトリックスの世界のことを説明するシーンに1985年のAWA Deep Image Radiola Televisionが登場するが、このAWAブランドは映画終盤でネオがモーフィアスを救出するシーンに登場する電波塔にも書かれている。
■預言者オラクルの元を訪ねるネオとモーフィアスは、赤いタイルの装飾壁の前を通るが、そこには赤い文字で「アートアタック」(イギリスの子供向け工作番組のタイトル)という文字が書かれている。
■ネオがロビーで派手な銃撃戦を繰り広げるシーンに登場する警備員が読んでいて、銃弾でまっぷたつに引き裂かれる新聞の名前は「The City Defender」。このような名前の新聞は発行されたという記録がないので、映画のために作られた小道具だと考えられる。
■サイファーが『オズの魔法使い』を匂わせるセリフを言い、後にオラクルの家で『Night of the Lupus』(1972年のscience fictionホラー映画)が映るテレビの前で遊んでいる少女のブロックに「OZ」という文字が書かれている。
■この少女のブロックには「OZ」の文字だけでなく、ヘリコプターの絵も描かれている。このヘリコプターは終盤でビルに激突するヘリコプターを意識していると考えられる。
■ネオがトーマス・アンダーソンだった頃に働いていたオフィスに置かれている2冊の電話帳は、のちにオラクルの家の冷蔵庫の上にも置かれている。
■映画のラストで、流れるように動く数字の上に「System Failure」という文字が登場するが、この文字が現れる直前に表示されている数字を見てみると、米国の緊急通報用番号である911が含まれている。
■HDバージョンの『マトリックス』がリリースされた時にブロガーが指摘していたことでもあるが、トーマス・アンダーソンのパスポートの有効期限が2001年9月11日(アメリカ同時多発テロ事件が発生した日)となっている。
■トーマス・アンダーソンが勤めていた脊柱を彷彿させるビルにデカデカと掲げられている社名は「METACORTEX」で、「CORTEX」という意識の部分で重要な役割を果たす脳の表層組織を意味する文字が含まれている。つまり、「METACORTEX」とは「一段と高い階型の意識」という解釈ができるかもしれない。
しかし、社内にある社名表記は「CORTEX」ではなく、「CORTECHS」でテクノロジーを意味する文字となっている。
■ネオがエージェントスミスをあしらうまでに強くなった時に使われたBGMは、『2001年宇宙の旅』でスターチャイルドが地球を見下ろす際に使われているリヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」を参照している。
電話帳が2回登場するというのは単なる小道具の使い回しでしかないでしょうし、911の数字の上に「System Failure」が云々というのは単なる偶然だと思います。しかし、社名の辺りは製作者側も意識して作ったことではないでしょうか。
この動画を見ていたら、改めて『マトリックス』をじっくり鑑賞したくなってきました。
[via Superpunch via io9]
(中川真知子)
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