?・29日付ワシントン・ポストはIs American democracy headed to extinction?の標題の論評を掲載した。主要論点を下記に紹介する。著者Stein Ringenはオックスフォード大学名誉教授で“Nation of Devils: Democratic Leadership and the Problem of Obedience.”の作者である。
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・政府の機能不全の後ろに民主主義の衰退があるのか。・古代ギリシアにおいて、民主主義が瓦解するのにかかったのはわずか250年だ。ギリシアは人民が統治する政治形態を作り憲法が機能しアテネが栄えペルシアの挑戦を退け、指導的国家を形成し、建築、哲学、芸術の宝を生み出した。
・しかし、特権と腐敗と管理の失敗が継続すると、光は消えた。
・2000年後米国憲法
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少し話がそれるけど、水野和夫さんが資本主義の終焉みたいなことをいっていますよね。もちろんものすごい知識から生み出されたことなんだろうけど、要するにもう開発するフロンティアは存在しないし、資本が資本を生むというシステムは成り立たないということだと理解しています。開発する場所のない先進国では、デフレになるし無理に経済成長にしがみつけば国民からの富の収奪をするしかなく、否応なく中間層が没落する。まさに現在起こっていることです。プラスして環境破壊の問題があるし、これ以上の消費を人々に強いるのは犯罪です。大きく見れば地球が生み出す富(農業産物・資源)でどう人々を食わせていくかという問題で、その地球の生産性を回復不可能なほど痛みつければ終わりですよね。
この観点から見て、金融・軍用産業がしていることは全くナンセンスだし、詐欺に等しい。軍需用産業を生き伸ばすために、人々に殺し合いをさせるってどういう発想ですか?資本家の利益を守るために世界の民を餓えさせるってどういう了見ですか?こんな考え方で動かされている世界が永続的に続くわけないじゃないですか?普通に考えて。官僚も良心を失って自分と現システムを守ることしか考えてないし、人々の心も荒れ始めてきている。一つの時代が終焉に向かっているという表現は言い得て妙だと思いますよ。
Stein Ringen氏の指摘の後は何が起こるのか。「金持ちがスーパー金持ちに」なるということは貧富の差が拡大し、富の再配分という政府機能が不全に陥ったとき、政府への苛立ちが爆発する。世界各地に見られる数々の紛争はその現れか。ソ連共産主義の崩壊は民主主義の確かさを証明したと言われたが、その民主主義を維持することは確かに大変なようだ。どうすればいいのか?
奥行きの深い論文であり、読みごたえがあります。特に大きな問題は、「候補者が金を追うのではなく、金が候補者を追う」という民主主義社会の大きな変質は、民主主義の基盤崩壊ととらえられるのではないか。
候補者が権益確保に奔走する時代でなく、お金持ちなるスポンサーが候補者を選択し、お金持ちの意に沿う政治を執行させるということである。極端にいえば、候補者は当選すれば、お金持ちの奴隷というか、ロボット化した人間にならざるを得ないということである。現実的には、ネオコンの支配下に於いて国内政治だけでなく、外交も行われかねないわけであり、権益確保のため、世界各国にデモから始まる混乱が戦争に拡大化している。米国の戦争は、必ず利権がからんでおり,逆に、利権が期待できないところには戦争が起きえないということでもあろうか。米国は民主主義国家というより、裏面的には、巨大資本による全体主義国家が形成されていると見るほうが的を射た言葉なのかもしれない。
こういう良い指摘を孫崎先生は確かな目で選択して私たちに示してくれて私たちは考えそして政治に参加していく。そんな素晴らしい循環プロセスに在って私は幸せです。
この指摘の根本にあるのはやはりお金の管理と分配をどうするかではないかと私は思うのです。ハンナ アーレントはお金が権力を保有し権力がお金を保有しながら際限なく膨張する現象を帝国主義と呼び第二次大戦で崩壊したと書いていますが、そういう帝国主義は全然崩壊せず新自由主義とグローバリズムという美名を借りてモンスターの如く成長しています。
国益とはその国に住むproleの生活と人権を出来るだけ高い水準に維持し、向上させることなんですが、権力のベクトルはそのように動かない。権力がお金に従属しているからですが、そんな環境でいくら選挙しても、元々proleに主権意識がないもんだからどうにもなりません。解決策を考えなくちゃならないのですが、米英型経済政治、そしてそれを見習おうとする日本の経済政治は一度崩壊して出直すというのがいいのかもしれません。
とても癪だけど、ロシアと中国が世界のヘゲモニーを握るかも知れませんね。