Different strokes for different folks / 十人十色
会話をするときに、どんなシチュエーションにも大概当てはまる「それっぽい返し」って存在すると思いませんか。人の話を聞いて自分が思ったことをうまく言語化できない時や、あまり理解できなかったけど素直に分かりませんと言えない雰囲気の時に、私はそういう返し方をしてしまうことがあります。例えば「まぁ…人それぞれですもんねぇ」とか。大抵のことは人それぞれなので、こいつ分かってないな、と悟られる状態を回避もしくはちょっとだけ先延ばしにすることができます。あまり褒められたことではないのですが、そうでもしないと黙り込んでしまって会話が進まなくなりそうなので、そうやって考える時間を稼いでいるのです。そして、外国語を学ぶときは特にそんな返しのバリエーションがあればあるほど良いのではないかなと思います。会話の中で毎回必ず的確な返答をしながら話を広げられたら理想だけど、私の場合、母国語だってそううまくはいきません。当たり前のことだろうが何だろうが、それっぽい言葉を何となく返しているうちに自分の考えや相手に質問したいことが徐々に見えてきて、本当の会話に辿り着くことができる気がしています。ちなみに「人それぞれですもんねぇ」を英語で言う表現はいくつかあるのですが、私の個人的なお気に入りはこちら。Different strokes for different folks, right?Strokeは「一撃を打つ」などの他に「撫でる、慰める」という意味を持つ単語。Folksは「民族、人々」を表します。全体で「異なる人には異なる慰め方がある」といったニュアンスのフレーズです。また、プロボクサーだったモハメド・アリが「相手によって合う一撃(パンチ)は異なる」という意味合いで言ったこともあるそう。これの最後にright?とつけるだけで、「それっぽさ」のレベルがちょっと上がる気がします。自分の上っ面だけ取り繕うような会話はできるだけしたくない。けど、「それっぽい返し」は適当な返事ではなく、相手との会話を続けたい気持ちの表れであり、私なりの誠実さなのです。(本当に適当な時も、あるっちゃある)
うまく話せないのに、実のある会話をしている人っぽく擬態してしまう時が、たまーにあっても良いじゃない。会話の進め方は、人それぞれなんだから。***
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こちらは、本編の中から”Learn the world”というコーナーを抜き出したものです。(更新は2022年9月分までなので、アーカイブとして聞いてくださると嬉しいです)
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のどちらかを毎回お届けしています。
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2024/03/10(日) 19:39
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