「どんな逆境も、それを乗り越える能力という賜物によって祝福される」と述べるのは、生まれつき四肢のないNick Vujicicさん。そのことは、ピッツバーグに住む27歳の男性Michael “Mike(マイク)” Timbleさんにとっても真実となりました。
チェルノブイリ領域のウクライナで生まれたときから両腕がないマイクは、9年間育った孤児院からピッツバーグに住む家族に養子として引き取られ、その後デュケイン大学で政治学を学ぶようになりました。
そんな彼が初めて乗った自転車は、かろうじて備わっている腕の「付け根」部分に届くパイプをハンドルに代えて改造したもの。しかし、それもやがて古くなって乗れなくなり、しばらくして新たにシングルスピード自転車を購入したのです。
スポーツ競技などにも使用される軽量型の新しい自転車、もちろんそのままでは乗れません。
カスタマイズ出きる技術者探しは難航しましたが、遂に、友人を通してMaestro Frameworks社のMichael Brownさんと出会うことが出きたのです。ブラウンさんは情熱的なマイクと出会い、自分の技術を用いて特殊なハンドルの制作に着手します。
ブラウンさんは何時間も自転車に座り込み、マイクのハンドリングワークをイメージし、ホイールが安定するための重量を見つけ出し、それまでマイクが乗っていた改造自転車のハンドルをレトロフィットすることによって、2ヶ月掛けて遂に「U型」の片腕ハンドルを考案するに至ったのです。
驚くべきことに、マイクはものの30分でこの新しい自転車に乗れるようになりました。ブラウンさんの持つ「乗りたいと思うどんな人のためにも自転車を改造できる」という信条は、マイクの事例を通しても十分に示されるものとなったんですね。
6:00以降の終盤で、スイスイと走る姿が見られます。とても慣れた様子に感動を覚えます。
逆境と思えるものでも、それを乗り越えることは可能なんだと、彼らが教えてくれている気がします。一人で難しいなら、友達を通して、仲間を得て、知恵と頭と情熱を持って取り組むことで、「克服」というハッピーがそこに待っているんですね。
Bicycle for Armless Man[Well Done Stuff]