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正解はあります:その26(1,776字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 44ヶ月前
「正解はない」という考え方は、きわめて20世紀的なものだ。20世紀とともに現れて、そして20世紀とともに消えていく価値観である。なぜ20世紀的かというと、20世紀になってから大量に現れた「産業機械」を操るため、人はオペレーターとして動員されなければならなかった。もっというと、機械の一部にならなければならな...
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正解はあります:その25(1,986字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 44ヶ月前
今、「正解はない」という考え方が流行っている。大多数の人が心から信じているし、そこまでいかなくともつい頼ってしまう人は少なくない。しかし、これには少なからず問題がある。なぜなら、「正解はない」という考え方だと、それに頼る余り、逆に思考を放棄してしまって、考える力を失ってしまうからだ。そして考える...
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正解はあります:その24(1,851字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 44ヶ月前
その昔、人間には、自分は「生きている」のではなく「生かされている」という価値観があった。また、「命は借りもの」「天からの授かりもの」という価値観もあった。しかし、近代になって人間のできることの可能性が大幅に広がると、人々は「生かされている」から「生きている」という主体的な感覚を強めるようになった...
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正解はあります:その23(1,809字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 44ヶ月前
「自分はなぜ死んでいないのか?」その答えは、「生きようとする意思」と「生きるための条件」の二つが整っているからだが、しかしこれらを「一体」と考えると、その前提条件として立ち上がってくるのが「身体の健康」である。なぜなら、身体の健康がなければ生きようとする意思は生まれないし、同時に身体の健康は生き...
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正解はあります:その22(1,695字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 45ヶ月前
「正解」というものは、「哲学的に考える力」が身につけばおのずと感知できるようになる。そうして「正解は人それぞれ」などと考えなくなる。また「哲学的に考える力」は、哲学的な問題を「論点ずらし」をせず、素直かつ真摯に考えればおのずと身につく。そこでここでは、試しに哲学的な問題について論点ずらしをしない...
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正解はあります:その21(2,208字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 45ヶ月前
「正解」というものの存在を知るには、哲学的感度を高める必要がある。そして哲学的感度を高めるためには、普段から哲学的な思考をする必要がある。普段から哲学的思考をするためには、最も身近な哲学的命題について、まずは考えてみる――というのが適当だろう。それが何かというと、「自分はなぜ生きているのか?」とい...
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正解はあります:その20(1,853字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 45ヶ月前
今回は、前回に引き続き「自分はなぜ生きているのか?」という哲学的な問いについて考えてみたい。「自分はなぜ生きているのか?」その直接的な答えは大きく二つあり、一つは「生まれたから」、もう一つは「まだ死んでいないから」だ。そして、前回は「なぜ生まれたか?」について考えたため、今回は「なぜまだ死んでい...
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正解はあります:その19(1,904字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 45ヶ月前
今回は、「自分はなぜ生きているのか?」という哲学的な設問について、その解答を徹底的に考えてみたい。なぜなら、これを考えることによって哲学する力が鍛えられ、そうなれば「正解はない」という考え方が決定的に誤っていると、やがて理解できるようになるからだ。ただ、そこで注意したいのは考えるときにメタレベル...
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正解はあります:その18(1,302字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 46ヶ月前
「正解はない」という考え方は、基本的に「思考力のなさ」から生まれる。だから、思考力を身につければ、自然と「正解はある」という考え方を持てるようになるだろう。それゆえ、「思考力を持つ」ことこそだいじになってくる。あるいは、思考力を鍛える必要というものが出てくる。では、思考力はどうすれば持てるか? ...
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正解はあります:その17(1,509字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 46ヶ月前
「正解は人それぞれ」という考え方は、実はとても「楽」だ。どう「楽」かというと、深く考えなくて済む。人は、あまり深く考えたがらない。それは、深く考えてしまうと、「分からない」という事実に向き合わされるからだ。人は、「分からない」という状態をとても嫌う。なぜなら、それによって「不安」を覚えるからだ。...
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正解はあります:その16(1,770字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 46ヶ月前
「正解はない」という考え方は、論理的には簡単に論破できる机上の空論に過ぎない。しかし、これを信じ込む人が現代において圧倒的多数なのは、それだけ「机上」に生きている人が多いからだろう。「机上に生きている人」にとっては、空論の方がむしろ実感に近いのである。では、「机上に生きる」とはどういうことか?一...
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正解はあります:その15(1,765字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 46ヶ月前
「人間とは何か?」そうした質問をする人が、今日では格段に減った。なぜなら、現代では時代遅れの古くさい問いに聞こえるからだ。青臭い、哲学かぶれの、幼い子供のような問いに聞こえる。昔はそうではなかった。70年代くらいまで、哲学的な議論は盛んに行われていたし、またそれをバカにする人もいなかった。しかし80...
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正解はあります:その14(1,689字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 47ヶ月前
「絶対」というものを否定する人は多い。「世の中に絶対はない」という物言いは、「世の中に正解はない」というくらいにポピュラーで、多くの人がそれを心から肯定している。しかしながら、これは極めて当たり前で、本来は言うまでもないことなのだが、絶対は「ある」。例えば、分かりやすいのは「絶対零度」や「絶対速...
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正解はあります:その13(1,573字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 47ヶ月前
今の世の中には、「正解はない」という考え方がかなり蔓延している。それは、第二次大戦の敗戦後に戦前・戦中の軍国主義に対する反動からそうなったということもあるが、それ以上に大きかったのは、それで戦後社会が上手く回せた――ということがある。特に、高度経済成長期はむしろ「正解はない」という嘘をまかり通らせ...
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正解はあります:その12(2,306字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 48ヶ月前
正解に辿り着くためには「友だち」が邪魔になる。しかし人は、友だち抜きではなかなか生きていけない。それは、過去においては絶対だった。現代では、絶対でこそなくなったものの、やはりその呪縛は強い。しかしながら、その呪縛から逃れないと、現代では生きていきにくい。なぜなら現代は、かつてないほど正解を求める...
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正解はあります:その11(1,673字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 48ヶ月前
今回は、「友だちをどう捨てたらいいか?」また、「捨てた結果どのように正解に近づきやすくなるか?」について考えてみたい。まず、「友だち」とは何か?それは、「『自分が好きな自分』を引き出してくれる相手」のことである。人は、いい友だちの前でこそ、自分が好きな自分でいられる。例えばぼくは、やはりくだらな...
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正解はあります:その10(1,808字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 48ヶ月前
最近、『ブループリント』という本を読んだ。ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史 - Amazonこの本の中に、まさに「『友達』とは何か」ということが、二章くらい割かれて書かれていた。主に、「友だちの人類史」について書かれている。その中で、人類にとって友だちがいかに重要な存在だったか、また...
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正解はあります:その9(1,595字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 48ヶ月前
1995年を境に「友だち」の価値は大きく変わった。では、1995年に何が起きたのか?それは、Windows95が発売されたのだ。これをきっかけに、パソコンが爆発的に普及した。それに伴って、インターネットも爆発的に普及した。そうして、情報が一気にフラット化し、きわめて安価で手に入るようになったのだ。情報が安価で手に...
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正解はあります:その8(1,792字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 49ヶ月前
正解に辿り着くためには、大変な労力を要する。しかし、今の時代は正解に辿り着かないとなかなか気持ち良く生きていけない。途中まで生きていけたとしても、晩節を汚す。余談だが、最近ではネットで晩節を汚す人をよく見る。炎上して晩節を汚しているのだ。そして炎上する人というのは、たいてい正解に辿り着こうともし...
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正解はあります:その7(1,859字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 49ヶ月前
正解に辿り着くためには、「苦しさを楽しむ」というのが有効だ。では、どうすれば苦しさを楽しめるか?一番は、筋トレをすることだ。筋トレをしていると、苦しさを楽しめるようになる。ではなぜ筋トレをしていると苦しさを楽しめるのか?それは、筋トレを終わった後、必ず「筋肉を躍動させたこと」の喜びを実感できるか...
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正解はあります:その6(1,666字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 49ヶ月前
人生は苦しい。これは「正しい」ことであり、異論の余地がない。そして、苦しい人生を楽しむには、「苦しさを楽しむ」しかない。この矛盾した領域に、無意識的にでも辿り着かないと、充実した人生は歩めない。意識的に到達できると、人生はずいぶんと楽なものになる。ただし、そこには落とし穴がある。それは、その苦し...
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正解はあります:その5(1,710字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 49ヶ月前
最初の妻と離婚した後の5年間、ぼくは自分の好きなことを貫いた。則ち、小説だけを書き続けた。理由は単純で、小説が書きたかったというだけだ。しかし、それで他の仕事ができなくなり、年収は95万円まで落ち込んだ。生活が、これ以上下はないというくらいに落ち込んだ。そうして今度は、生活の苦しさから死にそうになっ...
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正解はあります:その4(1,692字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 50ヶ月前
今回は、「どうすれば労力をかけずに正解に辿り着けるか?」ということについて考えてみたい。世の中には、正解がある。ないと信じ切っている人も少なくないが、彼らは自分の矛盾に意識の層では気づいてない。そのため、深層心理に不安定なところがある。だから、議論をすると彼らはすぐに論点をずらす。論点をずらした...
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正解はあります:その3(1,718字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 50ヶ月前
今回は、「正解はない」という価値観が広まった経緯について見ていきたい。……といっても、結論はシンプルだ。それは「終戦」だ。終戦で、この考え方は日本に一気に拡散し、また瞬く間に定着してしまった。そうなった理由の推察も、とても容易だ。戦前戦中、日本には「正解はある」という価値観が当たり前にあった。その...
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正解はあります:その2(1,780字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 50ヶ月前
「正解」はなぜなくなったのか?また、いつからなくなったのか?「正解はない」という考え方は、我々の骨身に染みている。この言葉は、疑ったことのない人がほとんどだろう。あるいは、「正解はある」といわれても、ピンと来ない人も多くいるに違いない。そこで今回は、そもそも「正解はある」とはどういうことか――とい...
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正解はあります:その1(1,702字)
コメ2 ハックルベリーに会いに行く 50ヶ月前
「正解はない」という言葉が便利に使われるようになって久しい。「子育てに正解はない」「芸術に正解はない」「プログラミングに正解はない」最近では「科学に正解はない」という言葉ですら普通に受け入れられている。逆に、この言葉が当てはまらないのは「数学」と「テスト」くらいなものだろうか。しかしぼくは、以前...