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  • “α-Synodos”  vol.267

    2019-09-14 13:42
    257pt
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     “α-Synodos” 
    vol.267(2019/09/15)
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    〇はじめに

    東京は突然、秋になった感じがありますが、いかがおすごしでしょうか? シノドスの芹沢一也です。αシノドスvol.267をお送りいたします。

    本号最初の記事は、堅田香緒里さんへのインタビューです。堅田さんはフェミニズムの立場からベーシック・インカムを研究している論客です。今回は「フェミニズムとベーシック・インカム」の関係についてお聞きしました。ベーシック・インカムというと無差別に人々にお金を配ろうというものなので、ジェンダーとは関係のない中立的な制度のように思われますが、じつはベーシック・インカムの背後にある「思想」こそが重要であって、フェミニズムの視点は不可欠なのだと堅田さんは強調します。

    ついで今月の「学び直しの5冊」。今回は有馬斉さんに「安楽死と尊厳死」をテーマに5冊の本を推薦いただきました。超高齢化社会に突入しつつある日本にあって、「死」の問題が切実な問題になってきました。そうしたなかで、生命維持医療を見送る尊厳死や、知試薬を処方、あるいは投与する安楽死をめぐって、きわめて複雑な議論がなされています。まずは前提となる視座を確保するために、有馬さんのブックリストをご活用ください。

    最近しばしば耳にする「日米地位協定」。みなさんは、これがどのような協定かご存知でしょうか? 先日、中公新書から『日米地位協定 在日米軍と「同盟」の70年』を出版した山本章子さんにご解説いただきました。とても端的かつクリアにご解説いただいたので、「日米協定」の基本はこの記事でおさえられると思います。ぼくもいくつか誤解があったので、大変勉強になりました。

    そして「今月のポジだし」。今回は桜井啓太さんに、「こうすれば日本の貧困対策はよくなる――貧困を測定して公表する」をご提案いただきました。どんな問題であっても、国が対策を行うためにはその前提となる統計データが必要となります。しかし、日本では長い間、貧困の正確な把握がなされることがなく、そのため貧困はなかったものとされてきました。ようやく、「子どもの貧困」の全国調査が行われますが、これを契機に、きちんと貧困を測定してほしいですね。

    「知の巨人たち」、今月は福原正人さんにウォルツァーを取り上げていただきました。「現代の研究者の著名度を訳書の冊数ではかるとすれば、ウォルツァー(Michael Walzer)は間違いなくトップ10に食い込む」とのことですが、たとえばロールズやサンデルなどと比較して、話題に上ることが少ないような気がします。しかし、ウォルツァーはとても重要な思想家です。彼の政治理論の根幹にある価値多元論を中心にご解説いただきました。

    最後は鈴木崇弘さんの連載「自民党シンクタンク史」、今回が最終回となります。鈴木さんが本連載で一貫して主張してきたのは、日本を本当の意味で民主主義社会にするにはどうすればよいのか、ということでした。こうした観点から日本の政治をみたとき、やはり最大の問題は官僚以外に政策形成をするためのリソースがないということに尽きると思います。そのためには、民間に官僚と対抗しうる政策形成のリソースをつくることが大事であって、先の政権交代における民主党の失敗をみてもそれは明らかなのですが、なかなかそうした機運は高まらない。ではどうすればよいのか? 鈴木さんの連載から、みなさん一人ひとりにお考えいただければと思います。

    次号は10月15日に配信です。どうぞお楽しみに!
     
  • “α-Synodos”  vol.266(2019/08/15)

    2019-08-14 13:54
    257pt
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     “α-Synodos” 
    vol.266(2019/08/15)
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    〇はじめに

    毎日、うだるような暑さですがいかがお過ごしでしょうか。「αシノドス」vol.266をお届けします。

    最初の記事は、山本昭宏さんの「平和意識の現在地――〈静けさ〉と〈無地〉の囲い込み」。今年の5月、広島の平和記念公園近くにある平和大橋の欄干に落書きしたとして、器物損壊容疑でアルバイト店員の少年が逮捕されました。このニュースに接したとき、みなさんはどのような感想をもったでしょうか? 不謹慎? ところで、1952年の映画『原爆の子』に映し出された原爆ドームの壁には、多くの落書きがひしめき合っています。われわれはこの落差をどう考えればよいのでしょうか? 現在のわれわれが「平和」をどのような境遇に押し込めているのか、この落差はそれを指し示しているのではないでしょうか。

    ついで「知の
  • “α-Synodos”  vol.265(2019/07/15)

    2019-07-14 11:04
    257pt

    〇はじめに

    今年は梅雨明けが遅れそうですが、いかがお過ごしでしょうか? シノドスの芹沢一也です。「αシノドス」vol.265をお送りいたします。

    最初の記事は、前号でリチャード・ローティの解説をお寄せいただいた大賀祐樹さんによる「こんな「リベラル」が日本にいてくれたらいいのに」です。ローティについての文章を読みながら、大賀さんはいまの日本の「リベラル」についてどう考えているのだろうと興味がわき、再度、寄稿をお願いしました。記事で書かれているように、現在の日本には「リベラル」は存在していないし、また過去にもほとんど存在したことはありません。そしていまこそ、「リベラル」を新しく創造しなくてはならないのです。

    つづいて、「今月のポジだし」。結城康博さんによる「こうすれば介護人材不足は解決する」です。超高齢化社会に突入する日本、介護人材の確保は喫緊の課題ですが、仕事のハードさと賃金の安さも相まって、なり手がいないというのが現状です。では、どうはればよいのか? 介護職員を公務員化する、というのが結城さんの提案する解決策です。

    お次は「学び直しの5冊」。松浦直毅さんによる「アフリカ」を学ぶための5冊です。アフリカというと、紛争、貧困、感染症といった問題に関する報道か、豊かな大自然や伝統文化などの観光情報くらい。しかし、本当のアフリカは? というのもひとつのテンプレートな語りです。そんな「知られざるアフリカ」のイメージから脱却しなければならないという松浦さんが勧める5冊とは?

    ついで、ソーシャルワーカーの山岸倫子さんにインタビューした「困窮者を支援するという仕事」。みなさんは、生活困窮者支援という制度をご存知でしょうか? おそらく、多くの方にとって、数年前にそんな法律ができたなあ、くらいの認識かと思います。生活困窮者支援というのは、生活保護制度の一歩手前の制度。では、具体的にはどのような活動が行われているのでしょうか?

    そして、出井康博さんの「「留学生ビジネス」の実態――“オールジャパン”で密かに進む「人身売買」」。今年の3月、東京福祉大学の留学生が数多く「所在不明」となっていることが発覚し、「消えた留学生」問題としてニュースになりました。ご記憶でしょうか? マス・メディアは東京福祉大を批判し、国会でも問題となりましたが、この問題、決して東京福祉大だけの問題ではありません。その背後には、留学生を食いものにする構造的な搾取構造があります。

    つづいて、穂鷹知美さんの「ヨーロッパのシェアリングエコノミー――モビリティと地域社会に浸透するシェアリング」。ヨーロッパでのシェアリングエコノミーの現状を、スイスのウーバーとアムステルダムのAirbnb、イツのカーゴネックスとスイスのルドテークの事例からレポートしていただきました。課題があるとともに大きな可能性をもつシェアリングエコノミー。これから日本でも広がっていくと思いますので、ヨーロッパの経験に学ぶことは多いと思います。

    最後に、鈴木崇弘さんの連載「自民党シンクタンク史(9)――「シンクタンク2005年・日本」第一安倍政権崩壊後」です。小泉改革の波に乗って船出した自民党のシンクタンクでしたが、船出とともに政治の波に翻弄されました。政権交代前夜、選挙に自民党のリソースが注がれる中、シンクタンクへの関心は急速に失われますが、その存在価値を示すために賢明な活動をした「シンクタンク2005年」。しかし、いよいよ政権交代が現実のものとなります。

    次号は8月15日配信となります。どうぞお楽しみに!