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αシノドスvol.112、飯田泰之×小川仁志 / 「思考停止」としての新自由主義/批判、ほか
2012-11-15 21:00262ptはじめに 荻上チキ
■みなさんこんにちは、荻上チキです。今回も、簡単な告知をば。
■今月末、『彼女たちの売春』(扶桑社)、『僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか』(幻冬舎新書)という2冊の本を出します。前者は、ここ数年間続けていた、出会い系メディアを活用した売春の実態について調査したもの。後者は、現在の政治経済状況を整理しつつ、「効果を求める政治参加」を呼びかけるもの。是非、お手にとっていただければ幸いです。
■さて、今号の巻頭記事は、飯田泰之と小川仁志氏による対談をご紹介。人文哲学分野などで盛んに行われてきた「新自由主義」への批判、その射程と妥当性について、哲学者と経済学者が語り合う白熱トークです。遠慮なしに正面衝突していくやりとりから、スーザン・ジョージとマーティン・ウルフ 『徹底討論 グローバリゼーション賛成/反対』( 作品社)を連想する人も多いかもしれません。
■茨木尚子氏には、10月4日に行われた「当事者のための難病政策を考えるシンポジウム」の意義と、現在の難病政策の問題点について記していただきました。また、難病当事者である白井誠一朗氏による発言も掲載。難病への対策、および障害対策をしっかり前に進めるため、「制度の谷間」を放置し続けないため、ますます議論が注目される必要があります。
■畠山勝太氏と荻上との対談では、マクロデータを元に、「本当に必要な教育政策とは?」を語り合います。教育投資が貧困な日本、いじめ対策のありうる形などを語りながら、統計的アプローチによって教育を議論することの意義についても考えさせられました。
■僕は医学書院の「シリーズ ケアをひらく」が大好きなのですが、シリーズの名物編集者・白石正明氏に、同シリーズにかける思いを寄稿していただきました。「弱さ」にひらかれたシリーズが、いかなる「思想」に貫かれるかが透けて見えてくる、力のこもった文章です。
■今号の synodos journal reprinted は、吉田徹氏の「脱政治化の時代の政治」。選挙が近づいていると叫ばれる昨今こそ、改めて政治の本懐について考えて見ませんか。
■次号は vol.113、12月01日配信予定です。お楽しみに!
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★今号のトピックス
1.対談/飯田泰之×小川仁志 「思考停止」としての新自由主義/批判 経済学と政治哲学の対話(前編)
2.「当事者による難病政策を考えるシンポ」はなぜ必要だったか― ―障害者制度「改革」をすすめるために ………………………茨木尚子
3.難病者の暮らしにくさと「制度の谷間」 ………………………白井誠一朗
4.対談/畠山勝太×荻上チキ 本当に必要な教育政策とは?
5.弱い出版 ――「シリーズ ケアをひらく」編集の現場から ………………………白石正明
6. synodos journal reprinted 脱政治化の時代の政治 ………………………吉田徹
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αシノドスvol.111、大屋雄裕 / 民主政と銀の弾丸、ほか
2012-11-01 19:00262ptはじめに 荻上チキ
■みなさんこんにちは、荻上チキです。さっそくですが、告知をふたつ。
■先日、『社会運動の戸惑い』 http://amzn.to/RdemKQ という本を出版しました。山口智美・斉藤正美両氏とともに、00年代のフェミニズムと保守運動との間で生じた係争を振り返りつつ、当事者である保守運動家らにインタビュー・フィールド・ワークしたものなどをまとめています。運動、政治、宗教などに興味のある方はぜひぜひ。
■もいっちょ、イベントの告知です。11月5日(月)19:15から、飯田泰之『飯田のミクロ』(光文社新書)発売記念イベントが、紀伊國屋書店新宿南店三階の「ふらっとすぽっと」 http://t.co/7kWHwMYz にて開催されます。それと、僕の登壇するイベントが11月13日(火)13:30から、早稲田大学大隈小講堂にて行われます。 http://t.co/kWhdK4tI よろしければご参加ください。
■さて今号は、大屋雄裕氏による寄稿「民主政と銀の弾丸」からご紹介します。「日本の民主主義」を外部から見た者からの素朴な質問に、大屋氏が応答するような仕方で進む講義のような本稿は、「強いリーダー=強力な権限発動」待望といった論調がしばしばささやかれる現在において、改めて民主政治のあり方について考えさせられるタイムリーなものです。
■青木志帆氏の「障害者制度改革の流れ」は、10月4日に参議院会館で行われた、「当事者のための難病政策を考えるシンポジウム」での発言を文字起こしし、加筆していただいたものです。制度の谷間に落とされた「タニマー」たちがいかなる困難を抱えているか、ご自身の歩みと制度の歩みを振り返りながら、丁寧に訴えます。
■藤村龍至氏と南後由和氏の対談、第二回では、社会学者と建築家のお二人に現在の活動を紹介していただきながら、「縮退社会」における思考や政治の作法について考えさせられるもの。社会の変化に合わせて都市の変化を促すため、オーダーに対してスタイリッシュに応じていく二人の活動からは、僕も聞き手として本当に多くの刺激を受けました。
■大好評の安田洋祐氏と與那覇潤氏の同級生対談も、いよいよ今回で最終回。「頭がいい同級生同誌の対話って耽美で萌えるよね」という冗談はさておき、今回はミクロ経済学から見た歴史学、歴史学から見たミクロ経済学といった応答が新鮮です。
■片岡剛士さんの経済ニュース解説は、金融政策や予算概算請求はもちろんのこと、反日デモや自民党総裁選などの経済的影響についても取り上げます。そして今号の synodos journal reprinted は、山口浩さんの論考「『ごめん』ですむなら警察はいらない、という話」、自白偏重の取り調べ問題について切り込みます。
■次号は vol.112、11月15日配信予定です。お楽しみに!
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★今号のトピックス
1.民主政と銀の弾丸 ………………………大屋雄裕
2.障害者制度改革の流れ ………………………青木志帆
3.対談/藤村龍至×南後由和(司会:荻上チキ) 建築と社会学の新しいアドレス 2
4.対談/安田洋祐×與那覇潤 歴史学と経済学の交わるところ「歴史研究と社会科学の接点」3
5.経済ニュースの基礎知識TOP5 ――2012年9月のニュース読解 ………………………片岡剛士
6. synodos journal reprinted 「ごめん」ですむなら警察はいらない、という話 ………………………山口浩
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