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■八千代雄吾/8月22日/21時
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■八千代雄吾/8月22日/21時

2014-08-22 21:00
    八千代視点
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    「貴方の身柄は、私が預かることになりました」
     うすら寒い笑顔を浮かべて、ファーブルが言った。
     オレはなにも答えなかった。どうにでもなれ、という気持ちだった。
    「貴方に起こることを観察しろ、というのがメリーからの指示です。とはいえ」
     ファーブルが下から、こちらの顔を覗き込む。
    「まるで抜け殻だな。面白味もない」
     どうにでもなれ、という気持ちだった。
     頭の中では彼女の声が渦巻いていた。
     ――急な長期外泊が長引いて、去年渡すはずのクリスマスプレゼントがまだ手元にあるのでした。
     オレは。オレの記憶は。
     彼女と病室で過ごした時間は、なんだったんだ?
     それは悲しい記憶だった。だが、幸福な記憶でもあった。
     少なくともオレにとってはもっとも価値のある、ほかの何事にも変えられない記憶だった。
     ――あれが、ぜんぶ嘘だったっていうのか?
     なにが起こっているのかわからなかった。
     まったく違う記憶と後悔が、胸の中に満ちていた。
     オレは彼女に会いにいかなくて。ただ学校で優等生を演じることに夢中で。彼女からの、電話なんてなくって。
     1年以上も顔を合わせないまま死んだアイの墓の前で初めて泣いた。
     オレは、情けないオレを思い出していた。

           ※

     それから、ずいぶん時間が経った。
     オレはどこかマンションの一室に転がっていた。
     両手は背中に回され、手錠がかけられている。冷たい鉄が手首に食い込む。
    「貴方はプレゼントを失ったそうです」
     ファーブルから聞いたことだ。
    「なぜ、そんなことが起こるのかは知らない。ですがメリーの言葉です。間違いはありません」
     きっとそれは真実なのだろう、とわかっていた。
     敵に捕らわれ、手錠をかけられる。類似した危機なら、これまで何度か体験している。ナイフで脅されたことも、拳銃を突きつけられたこともある。だがオレはいつも笑っていられた。
     いくらでもやり方があったからだ。
     たとえば警察の関係者。たとえば相手の取引先。
     事前に軽く準備をすませておくだけで、いざとなれば電話が鳴った。コールの音が聞こえると、事態が好転した。前もそうだった。次もそうなる。馬鹿みたいに信じられた。
     でも今回は違う。
     もうだめだ、とわかっていた。
     オレは死にかけの幼馴染みにかける言葉も思いつかず、病院のドアを叩く勇気もなかった、ただ気弱に震えていた男のなれの果てだ。
     床に転がったまま震えていた。
     恐怖で思考がまとまらなかった。なにか考えようという気力もなかった。
     ――アイ。
     どうして。
     オレは彼女の声を聞きたかった。
     ずっと、彼女からの連絡を待っていた。
     でもドイルの書き置きなんて不可思議な力を持っていたとしても、死者からのメッセージは届かなかった。
     ――ようやく、彼女の声を聞いたんだ。
     なのに、どうして。
     そんなにも幸福なことが原因で、オレは絶望しなけりゃならないんだ。

           ※

     この数日間、しばしば、ドアの向こうが騒がしくなる。
     ファーブル――あるいはその手下が、誰かと口論しているようだ。
     若い女性の声。
     きっと、悪魔だろう。そう思い当った。
     声を聞く限りでは、ただの少女のようだった。無理に気丈に振る舞っている、そんな印象の声。
     ――オレは君を助けようとしたんだよ。本当に。
     心の中で、どこにもいない誰かに懺悔する。
     ――アイの言葉を聴くついでだ。でも、本当に助け出すつもりだったんだ。
     それはきっと、どこかのヒーローに対する懺悔だ。
     オレは彼から、勝手に希望を奪い取り、そして今勝手に絶望している。読者の反応

    リコリス@単冠湾泊地 @lycoris_alice05 2014-08-22 21:03:29
    @sol_3d
    _人人 人人 人人 人_
    > 突然のやっちー <
     ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄


    ヘタレゲーマー @hetaregamer1 2014-08-22 21:00:29
    ここで八千代視点だと  


    エゴエゴ @engolisht 2014-08-22 21:02:52
    八千代!? 予想外すぎる  


    八幡 @yawayawayawata 2014-08-22 21:01:58
    八千代!? なぜここで!  


    らら@柚 @rara_1108 2014-08-22 21:05:58
    ここでまさかの八千代  


    あさって @sakuashita1 2014-08-22 21:03:04
    絶望しないでええええ 


    アジュ麻呂@太陽戦士ソル @ajumaro7956 2014-08-22 21:03:39
    ファーブルが本性をだしてる!! 


    Jill@Sol軍事班 @Noirfennec 2014-08-22 21:10:31
    ブルスコてんめぇぇえええ


    砂荒らし@sol千葉実働バス班兼軍事班 @nabunabu2 2014-08-22 21:13:20
      ブルスコがいつもどおりの二流っぷりで私安心しました。


    かめ@kameaaa32 @kameaaa32 2014-08-22 21:06:35
    八千代の番号に電話してみたけど繋がらない。悲しい  


    八幡 @yawayawayawata 2014-08-22 21:08:35
    突然の八千代にうわぁああと声が出た。
    そっちも気になるが、我らの主人公は大丈夫なのか!!  





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    お気に召さない場合は「転載元のアカウント」から「3D小説『bell』運営アカウント(  @superoresama )」にコメントをくださいましたら幸いです。早急に対処いたします。
    なお、ツイート文からは、読みやすさを考慮してハッシュタグ「#3D小説」と「ツイートしてからどれくらいの時間がたったか」の表記を削除させていただいております。
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