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高卒の就職慣行を改める
高校を卒業して就職しようとする場合、多くの都道府県では、学校が生徒一人に企業一社を推薦して応募させる仕組みが採用されています。
これは高校を卒業して就職を希望する生徒すべてを就職させるための仕組みとして長年続いてきました。
しかし、この慣行もあって、高卒者の23%が、自分が就職した企業を十点満点で零点と評価しており、高卒者の6%が3か月以内に、9%が半年以内に離職しています。
この問題を解決するためにも受入保留アルゴリズム(DA)を活用することができます。
生徒は自分が入社したい企業を希望する順番にリストアップして申告し、第一志望の企業から内定が出れば、第二志望以下の企業からは内定が出ません。
自分が志望する順番に応募することができ、内定は一つなので、一人の生徒に内定が集中したり、内定がもらえない生徒が出たりすることはありません。
また、ある生徒が志望する企業から内定をもらえなかったときは
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公立高校入試の単願を改める
少数与党の悲哀で、野党の賛成を得ないと予算案を衆議院で可決することができないため、野党の支持を得るために、私立高校を含めた高校の無償化を進めることとなってしまいました。
私立高校まで無償化の対象にすれば、私立高校に人気が集まり、公立高校の地盤沈下は避けられません。
私立高校入試の競争が激しくなるため、結局は塾通いが増えますが、塾の費用は無償化の対象になっておらず、塾の費用を出せる家庭とそうでない家庭で格差が生まれることになるでしょう。
この問題は別途取り上げることにしますが、予算案が衆議院を通過した現在、それでもできることをやらなければなりません。
現在、ほとんどの都道府県では、公立高校の入試に単願制、つまり一人の生徒が一つの公立高校にしか出願できない制度、かつすべての公立校を単一の試験で選抜しています。
単願制には、公平性の観点から大きな問題があります。
単願制の下では、家庭の経済力に不
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年金問題を解説する-2 国民年金の問題
現在の国民年金にはいくつもの問題があります。
現在の国民年金は、第一号被保険者は収入の多寡にかかわらず、月額16,980円の年金保険料を負担しなければなりません。
所得が少ないほど所得に対する年金保険料の負担率が高くなる、すなわち、逆進的なものになっています。
他方、第三号被保険者は保険料負担なしで満額の基礎年金を受給することができます。基礎年金を受け取るためには、受給に対応する保険料を負担する必要があります。
年金保険料を480ヶ月納めて、満額68,000円の基礎年金を受給することができますが、所得が少なく、保険料を負担することができず、保険料を免除してもらうと、その分、将来の年金が減額されます。
保険料を免除されても、基礎年金の半分は国庫負担であるため、480ヶ月すべての保険料免除を受けても基礎年金は満額の半分を受給することができます。
しかし、保険料を免除ではなく未納にしてしまうと、年
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