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  • NTTドコモ前田新社長、ネットワーク品質改善を誓う  石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.563

    2024-05-11 20:30  
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    石川 温の「スマホ業界新聞」

    2024/05/11(vol.563)

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    《目次》
    1.NTTドコモ、前田義晃副社長が社長に昇格
    —-ユーザー視点での事業運営を進め、通信品質への不満解決を誓う
    2.5G JAPANが日本全国10万基地局に協業を拡大
    —-KDDIは「Sub6を2波」で差別化を図る
    3.ソフトバンク、LINEヤフーにセキュリティガバナンス強化を求める
    ----ショップでは本人確認怠り「SIMスワップ」発生
    4.今週のリリース&ニュース
    5.編集後記

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    1.NTTドコモ、前田義晃副社長が社長に昇格
    —-ユーザー視点での事業運営を進め、通信品質への不満解決を誓う
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    NTTドコモは2024年5月10日に2023年度決算説明会を開催。終了後、新社長に昇格した前田義晃副社長が登場し、メディアに所信を語った。
    前田新社長は「ユーザー視点での事業運営を進めていく。ドコモのサービスを使う中で感じる要望や不満を常に真摯に受け止め、速やかに応えることでユーザー体験、CX向上に取り組んでいく」として「通信品質への不満やサービスの使い勝手など一つ一つの声と誠実に向き合い、解決していく」と意気込みを語った。
    アスキーの連載でも執筆したが、前田新社長が起用されたことで、まずはどこも経済圏の拡大に注目がいくが、それよりもまずは「ネットワーク品質の改善」が喫緊の課題であることは間違いない。
    その点、前田新社長はコンテンツやパートナー開拓の経験が豊富な一方、技術屋ではなく、ネットワーク関連は「門外漢」という印象が強い。この辺りのハンデをどのように埋めていくかが注目と言えそうだ。
    今回、NTTドコモの会見終了1時間後にKDDIの決算会見が開かれた。せっかくなので、同じく「経済圏の拡大」が得意な印象の高橋誠社長に「前田社長が就任したNTTドコモへの受け止め」を尋ねたところ、
    「前田社長が就任して良かったなぁ、と。今、グローバルの方々と話していると、ベースとグロースの考え方が定着してきた。我々は通信と付加価値と言ってみたり、ビジネス領域でもベースとグロースと言っているが、グロース領域がこれから拡大していくのは流れとしてはその通り。そこに強い前田さんが社長に就任するだけに、我々としてもしっかりやっていきたい。
    とは言ってもベースは通信。僕は上位レイヤーの人としてみられているが、元々は通信屋。これからは通信の品質、5G展開、衛星連携が重要になってくるのではないか」とした。
    確かに、今回の決算会見を見ていても、KDDIの高橋社長、さらにソフトバンクの宮川潤一社長は経済圏の拡大に触れているだけでなく、ネットワークの品質の向上に加えて、AIとの取り組みについても語っている。
    ソフトバンクは自社で大規模言語モデルを作り、展開していくのに対して高橋社長は「ソフトバンクがWindowsなら、うちはLinux」として、Metaなど海外製大規模言語モデルをベースに、国内ベンチャーと開発しつつ、全国にネットワーク基盤を整備する方向を示している。
    NTTドコモに関しては、AIはNTTグループの「Tsuzumi」任せなところがあり、NTTドコモとしてAIを同サービスや自社ネットワークに取り込むのかが気になるところ。
    今回、NTTグループの決算会見での時間配分が全くなっておらず、前田新社長に対する質疑応答がほとんどなかっただけに、改めて、前田新社長が、じっくりと「この先、NTTドコモをどうしていきたいのか」を語る場を設けてもらいたいものだ。
    この4年、NTTドコモはすっかりメディアを遠ざけてきたので、是非とも前田社長にはメディアを通して、ドコモユーザーに向けた情報公開をしていってもらいたい。

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    2.5G JAPANが日本全国10万基地局に協業を拡大
    —-KDDIは「Sub6を2波」で差別化を図る
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     今週、ちょっと驚きだったのが、KDDIとソフトバンクによる「5G JAPAN」が協業範囲を拡大するという話だ。これまで地方、5Gのみの協力体制であったが、今後は全国展開を行い、5Gだけでなく4Gでも共用基地局を活用し、全国で10万基地局まで拡大するという。コスト削減効果は1200億円にもなるという。
     ソフトバンクの宮川潤一社長は「2020年だったか、当時のKDDI田中会長にMWCの帰りに偶然遭遇。『5G投資はこれまでとは桁違いになり、今の体力で日本全土をカバーするのは厳しい』という話になった」というのが5G JAPANの発端だったという。
     ただ「日本全体で10万局というのは全く足りない。やりきるためには、一緒にできるところは一緒にやっていく。共創し合うところは割りきる。技術面に関する取り組みなので、今後もチャンスがあれば、運用やトラブル時、災害時などで協力する体制作りを一緒にやっていこうという話になる。6Gについても、もっと協力するところが多くなるのではないか」とした。
     確かに5Gや6G時代に向けて、今まで以上の基地局整備が必要となれば、コストを優先し、インフラシェアリングに走るのは理解できる。
    ただ、NTTドコモは「ネットワーク競争は終焉した」として、自前の基地局を売却。真っ先にインフラシェアリングの導入を進めたらネットワーク品質の低下が起き、ユーザーの不満を買った。
     5G JAPANを展開するKDDIとソフトバンクもNTTドコモの二の舞になったりしないのか。
    高橋社長は「海外を見ても、こんなに別々の会社で基地局設備を打っている国はない。インフラ投資が厳しくなる中、協調できるところは協調していく。一方、5Gのエリアカバレッジはうちは93%ぐらいだが、それよりも生活導線が大事だったりする。また、山小屋のカバレッジを工夫するなどの取り組みは競争領域となる」とした。
    さらに「差別化のポイントだが、我々はSub6を2波持っている。これはドコモさんと我々だけになる。ドコモさんはいろいろと今課題はお持ちになっているようなので、その意味においては、Sub6の2波を最大限使えるのは我々KDDIだと思っていて、ここは大きい。
     加えて、スターリンクとの関係があって、衛星との直接通信は差別化になる」とした。
     ここ数年、ネットワーク品質といえばソフトバンクのイメージだが、KDDIはSub6を2波とスターリンクをどのように活かせるか。今からソフトバンクとKDDIのOpenSignalの調査結果対決が楽しみだ。

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    3.ソフトバンク、LINEヤフーにセキュリティガバナンス強化を求める
    ----ショップでは本人確認怠り「SIMスワップ」発生
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    ソフトバンクは2024年5月9日、2024年3月期決算説明会を開催。
    プレゼンや質疑応答では総務省から行政指導が出ているLINEヤフーの資本関係やセキュリティガバナンスについて、多くの時間が割かれた。
     LINEヤフーでは、セキュリティ問題を解決していく中で、NAVERとの業務委託関係を順次終了していく。ただ、総務省からはNAVARとの資本関係解消を促されている。
     宮川社長は「LINEヤフーからの強い要請を受け、セキュリティガバナンスの強化や事業戦略の観点で、NAVERとの資本の見直しについて協議している」と語る。
     ソフトバンクとしては、PayPayとLINE、ヤフーのID連携を見据えた展開を期待していたが、今回の騒動により、ID統合は先送りとなってしまった。流石に総務省からの行政指導を解決しないことにはどうしようもないのは間違いない。
     ソフトバンクとしてはLINEヤフーのセキュリティガバナンスを高めることで、なんとか事態を収束させようとしているようだが、当のソフトバンクがマイナンバーカードで「やらかしている」ことを考えると、もはやLNEヤフーの問題だけではなく、グループ全体での取り組みが必要となってくるのではないか。
     ここ最近、「偽造マイナンバーカード」によって、携帯電話が機種変更され、契約が盗まれ、キャッシュレス決済されるという「SIMスワップ問題」が起きている。
     とはいえ、原因を突き詰めれば、マイナンバーカードのICカード情報が偽造されたと言うわけではなく、あくまで券面上がアナログ的に偽造されただけに過ぎない。
     ソフトバンクショップにおいて、本人確認をする際、ICカード情報のチェックは行わず、目視だけでの確認だったため、第3者が機種変更でき、勝手に機種変更され、SMSにひもづく情報などが盗まれてしまったというわけだ。
     宮川社長は「店頭ではマイナンバーカードの原本の確認と本人確認の二重チェックを進めて運用している。
     今回の問題になったのは、一部店舗でその運用が不十分だったということでご迷惑をおかけした。この二重チェックの徹底を指示したところで、これから同じようなことが起こらないようにする。システムで対応することにしたので、速やかに順次店頭に導入していく」とした。
     デジタル庁としては、ソフトバンクにマイナンバーカードの安全性について泥を塗られた感があり、同庁関係者は「あればひどい」とお冠だ。
     実際、マイナンバーカードによって機種変更が行われ、キャッシュレス決済されるなどの実害が出てしまっている。
     ソフトバンクにとってLINEヤフーは他人事だけでなく、ソフトバンク自身も今一度、個人情報の取り扱いについて、セキュリティガバナンス体制を見直す必要がありそうだ。

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    4. 今週のリリース&ニュース
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    毎週、膨大に出されるキャリアやメーカーからのプレスリリースや、話題のニュース記事をピックアップ。ニュースとしての重要度とともに、キュレーションしていきます(ただし災害関連を除く)。

    ■5月2日(木)
    楽天モバイル、お子様のスマホデビューを応援する「最強こどもプログラム」を開始
    <重要度★★★★★>
    https://corp.mobile.rakuten.co.jp/news/press/2024/0502_02/
    連休の谷間の平日最終日夕方に発表会を開いても、世間に伝わらないような。もったいない。

    楽天モバイルと楽天シンフォニー、Stage Xと戦略的協業の覚書を締結
    <重要度★★★>
    https://corp.mobile.rakuten.co.jp/news/press/2024/0502_01/
    ミリ波を中心としたキャリアって大丈夫なのかな。

    ■5月8日(水)
    ドコモ、「Galaxy A55 5G SC-53E」を発売
    <重要度★★★★★>
    https://www.docomo.ne.jp/info/news_release/2024/05/08_01.html
    ドコモロゴがないのが最大の注目点。

    ドコモ、「AQUOS R9 SH-51E」「AQUOS wish4 SH-52E」を発売
    <重要度★★★★★>
    https://www.docomo.ne.jp/info/news_release/2024/05/08_02.html
    ドコモは扱うけど、KDDIは今回もスルーなのか。

    ドコモ、新しいiPad ProとiPad Airを発売
    <重要度★★★★★>
    https://www.docomo.ne.jp/info/news_release/2024/05/08_03.html
    いつでもカエドキプログラム+じゃないのね。

    「Galaxy A55 5G」をauとUQ mobileから5月下旬以降に発売
    <重要度★★★★★>
    https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr-70_3342.html
    ソフトバンクからはやっぱり出ないのか。

    「Google Pixel 8a」をauから5月14日に発売
    <重要度★★★★★>
    https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr-71_3343.html
    グーグルはなぜかアップルスペシャルイベント直後に発表。

    au、「11インチiPad Pro (M4)」「13インチiPad Pro (M4)」「11インチiPad Air (M2)」「13インチiPad Air (M2)」を5月15日に発売
    <重要度★★★★★>
    https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr-82_3351.html
    こちらも2年の支払いが前提だからなぁ。

    KDDIとソフトバンク、5Gネットワーク共同構築の協業範囲を拡大
    <重要度★★★★★>
    https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr_s-2_3337.html
    コラムにて。

    「 Google Pixel 8a 」を5月14日に“ソフトバンク”で発売
    <重要度★★★★★>
    https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2024/20240508_01/
    最近、Pixelは圏外問題が発生しているけど。

    「AQUOS wish4」を“ワイモバイル”で発売
    <重要度★★★★★>
    https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2024/20240508_02/
    ワイモバイルには相性いいかも。

    「AQUOS R9」を“ソフトバンク”で発売
    <重要度★★★★★>
    https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2024/20240508_03/
    Snapdragon 8シリーズを使わなかったのに驚きだけど納得。

    新しいiPad ProとiPad Airを5月15日に“ソフトバンク”で発売
    <重要度★★★★★>
    https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2024/20240508_05/
    新トクするサポート(プレミアム)で購入できるので、今回はソフトバンクで予約。

    ■5月9日(木)
    KDDIグループ、2040年度ネットゼロ達成目標を策定
    <重要度★★>
    https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr-76_3347.html
    2040年まで覚えているかしら。

    「Redmi Note 13 Pro 5G」をauとUQ mobileから5月16日に発売
    <重要度★★★★★>
    https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr-72_3346.html
    Xiaomi 14 Ultraも扱えばいいのに。

    2024年3月期 決算発表
    <重要度★★★★★>
    https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2024/20240509_01/
    コラムにて。

    Cubic Telecom株式の取得に係る国際協力銀行との限度貸付契約および国内金融機関4行が参加するシンジケートローン契約を締結
    <重要度★★★★★>
    https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2024/20240509_02/
    日本メーカーでホンダに続くところはどこかな。

    ■5月10日(金)
    2023年度決算および2024年度業績予想について
    <重要度★★★★★>
    https://www.docomo.ne.jp/info/news_release/2024/05/10_02.html
    コラムにて。

    「NTTドコモ・グローバル」を設立
    <重要度★★★>
    https://www.docomo.ne.jp/info/news_release/2024/05/10_01.html
    国際事業を手掛けるNTTデータとは別立てになるのね。

    組織の新設など
    <重要度★★★>
    https://www.docomo.ne.jp/info/news_release/2024/05/10_03.html
    井伊社長の置き土産かしら。

    役員の異動について
    <重要度★★★★★>
    https://www.docomo.ne.jp/info/news_release/2024/05/10_00.html
    予想外すぎた。

    自己株式の消却に関するお知らせ
    <重要度★>
    https://news.kddi.com/kddi/corporate/ir-news/2024/05/10/7405.html
    ふむふむ。

    自己株式の取得及び自己株式の公開買付けに関するお知らせ
    <重要度★>
    https://news.kddi.com/kddi/corporate/ir-news/2024/05/10/pdf/press_20240510.pdf
    そうですか。

    AI時代のビジネスプラットフォーム「WAKONX(ワコンクロス)」始動
    <重要度★★>
    https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr-84_3353.html
    NとXの間にハイフンが欲しい感じ。

    環境変化に対応した事業戦略「新サテライトグロース戦略」を策定
    <重要度★★★>
    https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr-83_3352.html
    環境、変化してますなぁ。

    2024年3月期決算について
    <重要度★★★★★>
    https://news.kddi.com/kddi/corporate/ir-news/2024/05/10/7409.html
    減益だったせいか、他のネタ多め。

    経済産業省による「クラウドプログラム」の供給確保計画の認定について
    <重要度★★★>
    https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2024/20240510_01/
    役所の予算だけではGAFAに太刀打ちできそうにない。

    楽天モバイルとJTOWER、屋内インフラシェアリングで提携した施設・物件数が100件を突破
    <重要度★★★>
    https://corp.mobile.rakuten.co.jp/news/press/2024/0509_01/
    楽天モバイルにとってはJTOWERはありがたい存在よね。

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    5. 編集後記
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    アップルのスペシャルイベントを取材しにロンドンに現地2泊で行ってきました(国内で開催されたいくつかの発表会に行けず、本当に残念)。
    今回、アップルはグローバルメディアはロンドン、アメリカメディアはニューヨーク、中国メディアは上海に集めたようです。
    なぜ、ロンドンだったのかは結局、よくわからず。
    個人的には「クパチーノ勤務のアップル関係者が海外出張したかっただけではないか」と推測しております。
    ただ、ロンドンは午後3時からのスタートでしたが、日本は夜11時、ニューヨークは午前10時開始ということで、世界的に同時視聴しやすい時間帯で良かったのではないでしょうか。

    ではまた。
  • 楽天モバイルがプラチナバンドを試験発射  石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.562

    2024-05-04 20:30  
    237pt
    1.楽天モバイルがプラチナバンドを試験発射
    ----都心部に点在する「穴」を埋めることはできるのか
    2.クアルコムの半導体売上げが好調
    ----日本は「ネットワーク利用制限の撤廃」で端末販売に懸念
    3.ネットで被害が拡大する「なりすまし広告」
    ----安心安全なインターネットは実現できないものなのか
    4.今週のリリース&ニュース
    5.編集後記
  • 楽天モバイルがeSIMの不正乗っ取りに注意喚起  石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.561

    2024-04-27 20:30  
    237pt
    1.楽天モバイルがeSIMの不正乗っ取りについて注意喚起
    ----安心安全に使えるeSIM環境を業界を挙げて取り組むべき
    2.NTTドコモ、「前田義晃副社長が社長昇進」と一部メディアが報道
    ----「脱・通信依存」よりも「通信品質の再建」が最優先事項
    3.GIGAスクール構想・第2期に各社動き出す
    ----ChromeOSのさらなるシェア拡大はあり得るか
    4.今週のリリース&ニュース
    5.編集後記
  • Nothingが日本市場展開に本気モードへ  石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.560

    2024-04-20 20:30  
    237pt
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    石川 温の「スマホ業界新聞」

    2024/04/20(vol.560)

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    《目次》
    1.Nothingが新木場でイベントを開催して日本展開を強化
    ----ChatGPTをいち早く取り入れ、他社と差別化
    2.楽天ポイントカードアプリに楽天ペイと楽天Edyが統合へ
    ----iPhoneで楽天Edyが支払える日は来るのか
    3.NTTコミュニケーションズが無線区間を優先制御する「5Gワイド」を開始
    ----スライシング導入に向けた布石でノウハウを蓄積
    4.今週のリリース&ニュース
    5.編集後記

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    1.Nothingが新木場でイベントを開催して日本展開を強化
    ----ChatGPTをいち早く取り入れ、他社と差別化
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    イギリス・Nothing Technologyは日本でイベントを開催。フルワイヤレスイヤホンとして「Ear」「Ear(a)」を発表した。
     今回、Nothing Technologyとして日本市場を強化するため、日本におけるマネージングディレクターとして黒住吉郎氏を起用した。同氏は4月1日にNothing Technologyに入社し、3週間弱でイベントのプレゼンに立ったことになる(その前から準備はしていたようだが)。
     黒住吉郎氏はかつてソニーでXperiaの開発に従事。その後、ソフトバンクや楽天で経験を積み、ソニーに戻ってオーディオを担当。直近ではアップルにもいたことがある。つまり、メーカー、キャリア、Android、iOSというスマホだけでなくオーディオにも精通しているという人物だ。
     Nothing Technologyは初代の広報体制がダメダメだったので、あんまりいい印象は抱いていなかったのだが、今回からは広報体制も見直され、かなりしっかりと立て直されている感がある。
     黒住氏にインタビューした記事は来週、どこかの媒体に掲載される予定だが、取材のなかで印象的だったのが「スマートフォンに搭載されているNothing OSは、アンディ・ルービン氏が手がけていたEssentialを引き継いでいる」という話だ。
     確かに調べてみると、Nothingが2020年に閉鎖したアンディ・ルービン氏のEssential Productsの知財を買収したと報じられている。
     アンディ・ルービン氏は「Androidの父」とも呼ばれていたが、Googleを退社後、「Essential Phone」を発売したが、閉鎖に追い込まれていたのだ。独特なユーザーインターフェースで注目されていたが、計画中のプロダクトが発売されることはなかった。
     そもそもNothingはMeizuからOPPOに移籍し、OnePlusを立ち上げたカール・ペイ氏が共同創業者となっているメーカーだ。
     初代が発売されたころは「透明な筐体でビカビカ光るだけのスマホ」という程度の印象でしかなかったが、今回はChatGPTをいち早く取り入れるなど、フットワーク軽く、しっかりと話題性を提供してきた感がある。
     Nothingとして日本市場を強化してきたということは、キャリアへの納入を狙っているのは間違いない。
     果たして、Nothingを取り扱うキャリアは出てくるのか。また、Nothingはキャリアが扱ってもいいと思える品質、サポート体制を提供できるのか。
     Nothingが今度、どのように進化していくのか、また日本で成功できるのか注目しておきたい。

    ■Nothing、日本本格展開発表会
    https://youtu.be/X8YrOqL2IPg

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    2.楽天ポイントカードアプリに楽天ペイと楽天Edyが統合へ
    ----iPhoneで楽天Edyが支払える日は来るのか
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     楽天ペイメントは2024年12月頃に「楽天ポイントカード」アプリと「楽天ペイ」アプリを統合すると発表した。その後、電子マネー「楽天Edy」アプリも統合していくという。
     確かに楽天の金融やポイントサービスは古くからそれぞれが独立してアプリを提供しており、利用シーンに応じて、別々のアプリを起動しなくてはならなかった。個人的にもポイントを貯めるためにポイントカードアプリを起動することはあっても、結局、その後はPayPayやd払い、au Payアプリを起動していまい、楽天ペイで支払うことはほぼ皆無であった。
     他社は金融や決済サービスをまとめて一つのアプリで提供しているところが多いため、他社に追随するというのは当然のことだろう。
     ただ、個人的に気になっているのが、楽天Edyも統合するなら「iPhoneで決済ができるようになるのか」という点だ。
     楽天EdyはAndroidでは決済ができるものの、なぜかiPhoneではアプリはあっても、支払いには非対応のままとなっている。SuicaやiD、QUICPay、waon、nanacoなどはとっくの昔に対応しているのに、楽天Edyは置いてきぼりなのだ。
     楽天EdyのiPhone非対応問題について、数年前から決算会見などの質問しても、明確な答えが返ってきたためしがない。
     今回、「アプリを一つに統合する」と鼻息荒く宣言したので、質疑応答で「楽天Edyアプリを統合するということはiPhoneでも楽天Edyで支払いができるようになるのか」と聞いたところ「他社のポリシーについては私が申し上げる立場にはない。我々としては、可能な限りユーザーにとって利用が最大化できるように期待している」(楽天ペイメント、小林重信社長)とのことだった。
     さらに突っ込んで「楽天としては努力しているが、(アップルの)ドアが開かないということか」と尋ねたところ「申し上げるところにはないが、会社としては圧倒的なオープン戦略を掲げており、ユーザーが期待しているのあれば、拡大していきたい。今後もオープン路線を強化していきたいのは変わらない」との回答であった。
     個人的にはかつてはEdyのヘビーユーザーであったが、決済系サービスはすべてiPhoneで行うことにしたため、楽天Edyを使う機会がなくなってしまった。
     楽天ペイメントとしては「楽天Edyは地方のスーパーなどで、カードによる利用頻度が極めて高い」ということであったが、楽天ポイントカードアプリにまとめていくのであれば、やはり楽天EdyをiPhoneで使えるようにしないことには、ユーザーの期待には応えていないような気がするのだが。
     結局、楽天EdyがiPhoneで使えない問題は、何が障壁になっているのだろうか。

    ■楽天ペイメント事業戦略説明会
    https://youtu.be/4naFc6EYsLI

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    3.NTTコミュニケーションズが無線区間を優先制御する「5Gワイド」を開始
    ----スライシング導入に向けた布石でノウハウを蓄積
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    NTTコミュニケーションズは、無線区間のリソースを優先的に割り当てる機能を実装した「5Gワイド」を4月22日より提供を開始する。
    5Gワイドは、一般のユーザーに比べて通信が安定し、速度の向上も期待できるという。通常のドコモ5G契約端末で利用可能。5Gエリアだけでなく、LTEエリアでも対応しているという。
    技術的には契約しているユーザーに対して、QoSを与えるというものらしい。「5Gワイド」という名称ではあるが、コア側の処理の話であり、無線区間においては「5Gに接続していたら、他の5Gユーザーよりも優先される」「4Gに接続していたら、他の4Gユーザーよりも優先される」となっている。
    5Gにおける「スライシング」は、無線部分だけでなく、伝送区間やコア装置まで対象のユーザー・用途に応じた「リソース分離」なのに対して、5Gワイドは無線区間のみ対象ユーザーを「優勢制御」するだけに過ぎない。
    NTTコミュニケーションズでは2024年中に開始するスライシングに向けた先行的な取り組みとしては5Gワイドを位置づけている。
    そのため、とりあえず、5Gワイドを提供し、実際にどれくらい実用性があり、また需要があるのかを見極めたいようだ。
    ただ、混雑時も他の回線よりも優先制御してくれるのであれば、例えば、繁華街やイベント開催時など、人で混雑している際も、優先制御が割り当てられるのであれば警察や消防、自治体の連絡手段としての需要はかなり高そうだ。
    また配付資料にもあったが、テレビ局などの中継回線としてのニーズもかなり大きいだろう。個人的にも、ソラコムのように1枚からSIMカードが契約できるのであれば、普段、記者会見のYouTubeライブ配信で使っている回線を5Gワイドにしてみたいと思うほどだ。
    ただ、こうした優先制御のサービスは実際に通信をしてみても「ちゃんと機能しているのか」がわかりにくいというのが難点だろう。
    終了後の囲みでも聞いてみたが、5Gワイドに接続しているときにはスマートフォンのアンテナピクト表示が金色に輝くくらいの演出は欲しいものだ。
    5Gのメリットでもある「スライシング」でも、キャリアが儲かるビジネスをモデルを描くには、やはり、顧客が「使ってみて、5Gの良さを実感」できなくてはならない。
    通信品質はなかなか目に見えないため「5Gワイドやスライシングの効果を可視化できるツール」はいまからでも準備すべきではないだろうか。

    ■NTTコミュニケーションズ 法人における5Gの最新動向とユースケースを徹底解説
    https://www.youtube.com/live/jSi_54yMkN8?si=jFXpo0uqdEIVOAtj

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    4. 今週のリリース&ニュース
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    毎週、膨大に出されるキャリアやメーカーからのプレスリリースや、話題のニュース記事をピックアップ。ニュースとしての重要度とともに、キュレーションしていきます(ただし災害関連を除く)。

    ■4月15日(月)
    特になし。

    ■4月16日(火)
    ドコモの森を活用した生物多様性保全ゲーム「もりまもり」を提供開始-
    <重要度★★>
    https://www.docomo.ne.jp/info/news_release/2024/04/16_00.html
    希少生物のNFTってみんな欲しいのかしら。

    「新トクするサポート(プレミアム)」を4月18日に“ソフトバンク”で提供開始
    <重要度★★★★★>
    https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2024/20240416_01/
    LEITZ Phone 3に向けてかしら。いずれにしても良い取り組み。

    ■4月17日(水)
    4月17日に成立した改正NTT法への見解
    <重要度★★★★★>
    https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr_s-1_2778.html
    ソフトバンク、楽天モバイルも同時にリリース

    ■4月18日(木)
    「Redmi 12 5G」を4月25日に“ソフトバンク”で発売
    <重要度★★★★★>
    https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2024/20240418_01/
    お安い。

    楽天モバイル、関東地方の5G(Sub6)エリアを2024年内に最大1.6倍まで拡大
    <重要度★★★★★>
    https://corp.mobile.rakuten.co.jp/news/press/2024/0418_01/
    近畿はもともと衛星地上局との干渉の影響が少なかったということですね。

    ■4月19日(金)
    生成AI開発を支える大規模計算基盤の整備に1,000億円投資
    <重要度★★★★★>
    https://newsroom.kddi.com/news/detail/kddi_nr-55_2775.html
    OpenAIが日本語に本気になってきたいけど、ソフトバンクを含め、日本勢は対抗できるんだろうか。

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    5. 編集後記
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    日経電子版や各ウェブ媒体で連載コラムを書くのがメインのお仕事になっているため、記者会見の現場に行っても、ストレートニュースの記事を速報で書くということがほとんどありません。
    その代わりというわけで、最近では記者会見の現場からYouTubeでのライブ配信をするようになりました。
    もちろん、企業や広報のポリシーで「生中継は禁止」というのは十分、理解できます。そこに逆らうつもりは全くありません。
    しかし、もし生中継や録画したもののYouTube配信を禁止するのであれば、記者会見の告知メールにキチンとその旨を記載していただきたい。
    こちらは重たい機材を持って会場に足を運んでいます。もし禁止なら、そもそも機材を持たずに出かけます。
    もし、同じ時間帯に複数の記者会見が被ったら、発表内容だけでなく「生中継できるか」どうかで、どちらに行くかを判断します。
    何も記載していない案内メールにもかかわらず、記者会見開始直前に「生中継も録画配信もしないでください」と言ってきたり、「生中継は禁止」というルールだけだったはずなのに、YouTube配信後に「非公開の発表会なので配信は取り下げてください」というのは本当に困ります。
    また、同じく発表会を動画で上げているライターの中山さんは「発表会中の通訳さんの発言はカットして欲しい」と言われて困り果てていました。通訳さんが動画への2次利用を拒んでいるのは否定しないので、2次利用に寛容な通訳さんを起用するか、あるいは通訳さんの音声は別ラインで提供するなどして欲しいです。
    そもそもインターネットや通信回線、半導体を売っている会社が、メディアのDXを拒む記者会見を開くというのは理解に苦しみます。

    ではまた。
  • NTTドコモとAmazonの協業に三木谷楽天会長の心中は  石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.559

    2024-04-13 20:30  
    237pt
    1.Amazonで「dポイントが貯まる、使える」サービス開始
    ----あからさまな「楽天対抗策」に三木谷会長は何を思う
    2.ソフトバンクがF1日本GPに向けてネットワーク容量を3.6倍に拡大
    ----総務省資料から見る「2.5GHz帯TD-LTE」最強説
    3.サイドローディング導入を急ぐ内閣官房 デジタル市場競争会議
    ----情報通信消費者ネットワークの長田三紀氏が意見書を提出
    4.今週のリリース&ニュース
    5.編集後記
  • 各社社長の入社式祝辞を読んでみた  石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.558

    2024-04-06 20:30  
    237pt
    《目次》
    1.「お客さまの期待を越える信頼とたくさんの感動を生み出していくことを期待」
    ----NTTドコモ・井伊基之社長入社式祝辞
    2.「ワクワクする未来を発信し続けていきましょう」
    ----KDDI・髙橋誠社長入社式祝辞
    3.「皆さんも、私にアイデアをぶつけてほしい」
    ----ソフトバンク・宮川潤一社長入社式祝辞
    4.「このダイナミックな舞台で挑戦していってもらいたい」
    ----楽天グループ・三木谷浩史会長
    5.今週のリリース&ニュース
    6.編集後記

    記事を読む»

  • ソフトバンク、ワイヤレス充電の民主化狙う  石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.557

    2024-03-30 20:30  
    237pt
    1.ソフトバンクがワイヤレス電力伝送ラボを開設
    ----「無線充電の民主化」にキャリアの知見を生かす
    2.KDDIと森ビルがデジタルツイン対応ホールを運営
    ----スマホ向けにどこまで臨場感を伝えられるか
    3.通信業界キーマンが懸念する「台湾有事」
    ----電力、GPS、ネットへの侵略にどう対応するか
    4.今週のリリース&ニュース
    5.編集後記
  • 楽天モバイル「学割」投入で他社と同じ土俵に立つ  石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.555

    2024-03-09 20:30  
    237pt
    1.楽天モバイルが22歳以下「最強青春プログラム」を発表
    ----独自路線より「同じ土俵」で戦う方向転換
    2.アップルが全編iPhoneで撮影した「ミッドナイト」を公開
    ----各スマホメーカーの「映画も撮れます」アピールが過熱
    3.TBSテレビがAWSを活用した報道支援システムを構築
    ----地方局とスタッフの「情報共有」を加速
    4.今週のリリース&ニュース
    5.編集後記
  • MWC会場での関係者との立ち話で見えてきた「Band41最強説」  石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.554

    2024-03-02 20:30  
    237pt
    《目次》
    1.KDDIが日本企業の存在感を出すためにMWC初出展
    ----5G活用に困るキャリアのためにコンサル会社が幅を利かす
    2. MWC取材の醍醐味は業界関係者との「立ち話」
    ----バルセロナで再確認した「Band41最強説」
    3.アップルはSpotifyに不当な扱いをしているのか
    ----欧州委員会がアップルに多額の制裁金を課す可能性
    4.今週のリリース&ニュース
    5.編集後記
  • KDDI、ローソンの次は果たしてどこに?  石川 温の「スマホ業界新聞」Vol.553

    2024-02-24 20:30  
    237pt
    1.KDDIがつながるモビリティの取り組みを説明
    ----モビリティの安全性を高めるにはスマホ活用が近道
    2. KDDI、ローソンの次は果たしてどこだ?
    ----ネットとリアルをつなげるための新たなパートナーとは
    3.MWC Barcelona 2024開幕直前
    ----2024年に注目の企業とソリューション
    4.今週のリリース&ニュース
    5.編集後記