昨今日本でも多くのフェムテック企業が登場し、長らく大手企業によって支えられてきた女性の健康を取り巻く環境は大きく変わろうとしています。女性特有の悩みや健康面における課題をさまざまな企業が解決し、同時に社会全体に対してその実態を啓蒙していくことで連鎖的に多くの商品やサービスが登場しています。そんな中、生理に対するイメージそのものを変えつつ、より自分らしく生きたいと願うZ世代をターゲットにした生理用ナプキンがアメリカのKotexから発売されました。

味覚は個人によって感じ方が大きく変わるものとして知られています。美味しいのか美味しくないのか、甘いのか甘くないのか、塩味が強いのか弱いのかなど、さまざまな切り口によって議論が可能で、味の好き嫌いは老若男女を問わず誰もが共感できる話題と言えるでしょう。そんな議論を意図的に巻き起こすべく、あらゆる味覚の中でも個人差が強く影響する“辛味”の意見をユーザー側に求めたマクドナルドのCMが公開されました。

2022年にロシアのウクライナ侵攻が勃発した際に、エストニアはウクライナ人の受け入れを真っ先に行った数少ない国の1つでした。戦争から逃れ一時の平穏を手に入れるために多くの人々がエストニアに避難する中で、政府そのものは難民を受け入れる姿勢を見せてはいたものの、民間企業の多くは難色を示してしまうという大きな課題が浮き彫りになりました。その中でも最も深刻な問題は、不動産業界がウクライナ人難民に賃貸物件を貸し出すことを渋ってしまうというもの。中には“ウクライナ人お断り”という差別にも近い表現を何のためらいもなく使う不動産業者も見受けられ、ウクライナ人難民からすれば逃げ込んだ国で住む場所を見つけることができないという事態が発生してしまっていたのです。

特定の国や地域に根ざした料理は、時にその国の文化だけでなく歴史さえも体現してしまうことがあります。日本で言うならば寿司が歴史的に関東と関西で異なるものであったり、うどんに使われる出汁の種類が地域によって違ったり、それぞれの起源を辿ることでどのようにしてその文化が出来上がったのか、そしてそれが現代においてどのような影響があるのかを知ることができます。南米大陸の北端に位置するコロンビアにおいては、デザートをはじめとした多くのメニューにコンデンスミルクが使われており、牛乳と砂糖が歴史的に重宝されてきた歴史があることが伺えます。そんなコンデンスミルクの老舗ブランドLa Lecheraは、100年もの間コロンビア国民に愛されてきたことを記念するために、最新技術と歴史的な出来事、そして菓子職人が誇る伝統的な技能を組み合わせることで未だかつてない“歴史的なコンセプト”のデザートを開発しました。

食品ブランドの広告表現において、その味や栄養素の訴求だけでなく、実際に食事を楽しんでいる様子やその食品を食べることで得られる満足感を比喩を用いながら表現する手法は非常に有効であると言われています。ケチャップをはじめとした卓上調味料大手のハインツは、自社のケチャップが置かれている食卓ではたとえ愛おしいペットであってもお裾分けをすることがなくなるほど美味しいという場面を描くことで、定番ブランドならではの存在感を思わず納得してしまうほどの説得力で表現しました。

ほぼ商品説明のないパッケージながら、商品棚に並んだときのインパクトは相当なもの。駄菓子の代表格であるベビースターだからこそ、「こだわること」がニュースになり、パッケージの異彩さも相まった大胆な施策となりました。

目まぐるしく進化していく人工知能や情報技術の発展に伴い、世界中の国々でサイバーセキュリティを強化する重要性が注目されています。大規模な情報流出に繋がりかねない企業はもちろんのこと、個人レベルでもパスワードをはじめとした認証システムを見直すことで悪意ある第三者から身を守ることができる可能性を大幅に上げることが可能になります。そんな情報管理の重要性を訴えつつ、一見すると関係のない自社商品をアピールすることにも成功した一石二鳥な施策が大手パスタブランドBarillaから公開されました。

オーダーメイド枕の店まくらぼが、社員約200人が参加して睡眠の質を競う「睡眠ダービー」の開催決定。睡眠不足の人が多い日本の社会に一石を投じる、眠りを科学する企業ならではのユニークな施策がありました。

1970年代の資生堂のクリエイティブワークにフォーカスした展覧会。SNSが主流となった今だからこそ、ビジュアル・イメージとコピーとの間にあるギャップや余白から生じる物語性に満ちた作品から次なるヒントが得られそうです。

捨ててしまえば水質汚染の原因になるだけの藍染排水を、その潜在的な機能と安全性に着目して化粧品として開発する発想の転換はお見事。まだまだ、こうした意外な形でのビジネスの種や社会課題の解決の道はあるのだと気づかされました。