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  • 【東アジア共同体研究所(EACI) News Weekly Vol.004「放射能汚染水処理の実態」】

    2015-01-30 19:36  
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    ================================   EACI News Weekly  第4号(1月30日号)  東アジア共同体研究所(East Asian Community Institute )    http://eaci.or.jp/================================「いいね!」で、東アジア共同体研究所の最新情報をお届けします。 Facebook : http://www.facebook.com/east.asian.community.institute================================【目次】【1】《今週のニュース 1/24−30》 政治(2)、経済(1)、国際(1)、社会(1)【2】《UIチャンネル放送予告 No.088》2月2日(月)20時 鳩山友紀夫×村田忠禧(横浜国立大学名誉教授)対談「日中領土問題の起源-公文書が語る不都合な真実」http://live.nicovideo.jp/watch/lv208225387【3】《EACIレポート》2月27日中国新聞政経講演会に孫崎享東アジア共同体研究所所長が登壇【4】《研究員コラム》 ・高野孟(東アジア共同体研究所理事)「放射能汚染水処理の実態」 ・緒方修(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター長)「琉球弧歴史の道」【5】《連載》検証・フテンマ(琉球新報より) 第1部 米国の深層 vol.4「「死んだ」移設案」――――――――――――――――――――――――――――――――――――――【1】《今週のニュース 1/17−23》――――――――――――――――――――――――――――――――――――――【政治】■県検証委が準備会合 辺野古埋め立て(琉球新報 2015.1.29)http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-238052-storytopic-271.html■社説[安倍外交]平和主義の原則を貫け(沖縄タイムス 2015.1.30)http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=100810【経済】■TPP:日米、2月中にも合意の方向 最大のヤマ場へ(毎日新聞 2015.1.29 )http://mainichi.jp/select/news/20150129k0000m020130000c.html【国際】■ 北朝鮮と2国間対話模索 日米韓、首席会合で一致 (日経新聞 2015.1.28)http://www.nikkei.com/article/DGXLASDE28H05_Y5A120C1000000/【社会】■「辺野古に基地をつくるな」7千人、国会議事堂を囲む(朝日新聞デジタル 2015.1.25)http://www.asahi.com/articles/ASH1T5R9NH1TUTIL01W.html――――――――――――――――――――――――――――――――――――――【2】《UIチャンネル放送予告 No.088》2月2日(月)20時 鳩山友紀夫×村田忠禧(横浜国立大学名誉教授)対談「日中領土問題の起源-公文書が語る不都合な真実」http://live.nicovideo.jp/watch/lv208225387――――――――――――――――――――――――――――――――――――――第88回目となります、2月2日(月)20時からのUIチャンネル放送は、横浜国立大学名誉教授の村田忠禧氏をお招きして、鳩山友紀夫×村田忠禧対談「日中領土問題の起源-公文書が語る不都合な真実」(前篇)をお送り致します。【村田忠禧氏プロフィール】1946年神奈川県生まれ。東京大学文学部中国文学科卒、同大学院博士課程中国哲学専攻単位取得満期退学。東京大学教養学部助手、横浜国立大学助教授、教授を経て、横浜国立大学名誉教授。神奈川県日中友好協会副会長。専門は中国現代史、現代中国論、日中関係論著書:史料徹底検証 尖閣領有(花伝社)、日中領土問題の起源―公文書が語る不都合な真実(花伝社) ※会員(月額324円)の方は全編視聴できます。非会員の方は有料(150pt)となります。(会員になるには携帯キャリア決済、カード決済が可能です。個別映像を視聴する場合は、ログイン後、ニコニコポイント150ptにてチケット購入してください)――――――――――――――――――――――――――――――――――――――【3】《EACIレポート》2月27日中国新聞政経講演会に孫崎享東アジア共同体研究所所長が登壇――――――――――――――――――――――――――――――――――――――中国新聞が主催する「中国新聞政経講演会」が2月に開催され、当研究所の孫崎享所長が登壇します。国際情勢や外交の課題について、講演する予定ですので、中国地方の方はぜひ早めに申込ください。■中国新聞政経講演会(2月27日)http://www.chugoku-np.co.jp/event/article/article.php?category_id=4&comment_id=291&comment_sub_id=0――――――――――――――――――――――――――――――――――――――【4-1】《研究員コラム》高野孟(東アジア共同体研究所理事)「放射能汚染水処理の実態」―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 東京電力の広瀬直己社長が23日、福島第1原発構内のタンクに保管している高濃度の放射能汚染水の浄化について、14年度内に全量を処理するという目標達成を断念すると表明した。安倍晋三首相が13年9月、東京五輪招致のためのプレゼンテーションで世界に向かって「福島第1原発事故はアンダー・コントロール」と宣言したが、実際にはその当時、汚染水は何らコントロールされておらず、「嘘つき!」という批判が内外で噴出した。そのため、後追いで安倍が東電に「早く何とかしろ」と強く指示したものの、トラブルが相次いで作業が遅れていた。広瀬社長は「約束が果たせずに申し訳ない。何とか5月末までに」と言ったが、実際にはそれも何の目途も立っておらず、希望的観測にすぎない。このままでは、「安倍は世界を欺いて五輪を東京に持ってきた」と言われかねない大ピンチに陥りつつある。 問題はいくつもあって、第1に、福島第1原発の構内に仮設された地上タンクに、これまで汲み上げた高濃度汚染水27万トンが溜められていて、これを「多核種除去装置(ALPS)」を通してストロンチウムはじめ核物質を除去し、処理済みの水を海に流そうとしてきたが、このALPSが不調続きで、想定の6割程度の稼働に留まっている。第2に、その作業が遅れると、地上タンクが満杯になってしまうが、その地上タンクの増設の余地は限られている上、これはあくまで仮設なので、初期に設置したタンクの劣化による汚染水漏れなどの事故の可能性が高まる。第3に、しかも、この敷地には毎日、1000トンの地下水が流入し、そのうち400トンが破損した原子炉建屋にぶつかって流入し、建屋内に溜まっている汚染水と混じり合うので、汲み出すべき汚染水がドンドン増えていく。第4に、その汚染水増大を抑えるために、建屋の手前に井戸を掘って地下水を汲み上げて海に捨てるという作業を続けているが、その井戸のさらに手前に地上貯水タンクがあってそこから汚染水が漏れて地下水と混じってしまうので、井戸で汲み上げてもそのまま海に捨てられない。第5に、そこで、その井戸と建屋の間に巨大な地中遮水壁を新設して建屋への地下水を食い止めることが計画され、凍土式という工法で工事が始まったが、これがうまく行かず、工法自体に疑問が投げかけられている。仮にうまく行っても、井戸の場合と同じく、地上タンクから漏れた汚染水が地下水に混じっている可能性が濃厚なので、遮蔽した水をそのまま海に流せるかどうか分からない。 結局、建屋とその周辺の汚染水は増え続け、ALPSの処理能力が追いつかず、アウト・オブ・コントロールの状態がますます深刻化している。(高野孟)――――――――――――――――――――――――――――――――――――――【4‐2】《研究員コラム》 緒方修(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター長)「琉球弧歴史の道」―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 琉球弧世界遺産学会が昨年発足した。緒方は会の事務局長を務めている。琉球弧とはなにか?奄美以南の南西諸島のことだ。奄美は一口に言うと、寂しい沖縄という感じ。かつて琉球王国に属し、薩摩から侵攻され、現在は鹿児島県。奄美諸島の南半分は琉球文化圏で琉球舞踊も三線も泡盛もゴーヤー(沖縄ではゴーヤではなくゴーヤーと伸ばす)チャンプルーも同じ。一番南の与論島の学生は修学旅行の時に、いったん沖縄本島へ出て那覇空港から飛行機で出発するくらい。奄美の話はまた別の機会にするとして、ともあれ琉球弧でくくっている意味は、「奄美・琉球の世界遺産」が日本の5番目の自然遺産になりそうだからだ。 ここで世界遺産のおさらいをしておこう。2014年現在の世界遺産の登録数は1007件。日本は全部で18件、文化遺産が14件、自然遺産が4件。沖縄では2000年に「琉球王国のグスクと関連遺産群」が登録されて既に15年が経とうとしている。その割には知らない人が多い。最近の富士山や富岡製糸場に比べても認知度最低を誇る(?!)。これではならじ、県民が沖縄の歴史や文化に関心がないのでは独立も自己決定権も言う資格なし!「どげんかせんと」と焦ったメンバーが集まった。2000年に世界遺産登録までにこぎつけた県の主要メンバー4人のうち3人、文化庁で長年文化財保護に携わった専門家などだ。 沖縄本島内の9資産が世界遺産に登録されている。そのうち5つがグスク(正確にはグスク跡)、あとの4つは御嶽(うたき)、庭園、陵、石門。 全てが人々の祈りの対象となっている。聖地巡りと言っても良い。そこで「沖縄・世界遺産巡り検定」と名付けた検定試検を始めた。3年前から奄美・ 琉球の自然が世界遺産に申請されたので「奄美・琉球世界遺産検定」と名称変更。 東京、奄美、(沖縄本島の)名護、那覇、石垣島の5か所で事前研修と検定を実施した。実はその前に沖縄大学での連続講座開催、世界遺産概論設置などの事前のストーリーがあるのだが、その成果は「世界遺産・聖地巡り」(芙蓉書房出版)に譲る。学会としては初めての試みになるが1月31日(土)に以下のような講演会とスリランカ料理の会を開催する。以下はお知らせ。 講演会とスリランカ料理沖縄大学地域研究所「琉球弧歴史の道」研究班は、各地との文化交流の歴史や世界遺産などの研究を行っている。今回はその成果を発表する1月31日(土) 沖縄大学一部 3時~5時 講演会(三号館102教室)二部 5時半~ スリランカ水プロジェクト支援チャリティ(三号館横の調理室)一部1-「チャンドララール氏と八重山を歩く」(石垣ケーブルテレビ制作)ディリープ・チャンドララール(沖縄大学副学長)石垣島の御嶽やスリランカの仏歯寺、水プロジェクトなど2-琉球のグスク 當眞嗣一(琉球弧世界遺産学会会長) 縄張図(設計図、平面プラン)をもとに琉球の歴史が詰まったグスクを読み解く3-世界遺産に学ぶ花井正光(琉球弧世界遺産学会副会長)世界遺産登録は1007件を越した。地域遺産の保全と活用の視点から考える。二部スリランカ水プロジェクト支援チャリティバザールスリランカの山村における水供給支援活動を紹介し、スリランカからの留学生による地元料理を楽しむ 一部は資料代 300円/二部は材料費 1000円沖縄スリランカ友好協会・琉球弧世界遺産学会           連絡先 070-5812-0881(緒方)        琉球弧世界遺産学会講演会レジュメ1-「チャンドララール氏と八重山を歩く」(石垣ケーブルテレビ制作) スリランカと石垣島の共通点は何か?島同士だから何かあるかもしれない、というかなりアバウトな見込みでスリランカ出身のチャンドララール沖縄大学副学長に石垣島へ同行してもらった。桃林寺という仏教のお寺を訪ね、御嶽(うたき)、カー(河や泉、井戸のこと)、洞窟、お祭りの綱引きづくりを見た。水不足の問題が共通点として浮かび上がった。ほかに似ているところもあるが、あちこち廻るだけの1時間番組では伝えきれない。早い話が彼と私は研究室が通路を隔てて隣り合わせ、そこが最大の共通点だ。 琉球弧世界遺産学会会長でグスクの専門家・當眞嗣一氏によれば、沖縄でも水汲みは難儀で雨乞いの歌や儀式もある、という。昨年の夏は、石垣でも20年ぶりの水不足で、雨乞いの儀式も行われた。翌日、少し雨が降った、というから天に通じたのかもしれない。スリランカの世界遺産「聖地キャンディ」のお祭りに着飾った象(イルミネーションでピッカピカ)の群れが登場する。 先頭に立つのは仏の犬歯、これが雨をもたらすものとされる。農業にとって大事な水。スリランカの貧しい山村ではこの20年間なんの進歩もない。渇水期には甕を頭に載せ、女性たちが約1時間近く山道をたどって水を運ぶ。(講演会終了後、この村に水の供給施設を作るためのチャリティバザールを行う)2-琉球のグスク  2000年の沖縄の世界遺産の登録名は「琉球王国のグスクと関連遺産群」。城ではなくわざわざGUSUKUと名付け、国際的に認められた。ではグスクとは何か。第一人者の當真氏の講演レジュメより紹介する。1-グスクの多義性城の概念があるとしても内容がものすごく多様で複雑な要素が絡んでいることに注意。○按司が領域を治めるために築いたグスク○貿易するための倉庫的機能をもっていたグスク○物見とか烽火をあげるためのグスク○外洋船と接触するためのグスク○隣り村同士が土地の領域、水の利権、あるいはその他のいろいろな理由で争いが生じたらどうするか(避難する場所の確保が必要となる)○本城を中心として出城や支城もある」 以下8ページもあるので省略するが、それぞれの用途に応じたグスクが沖縄には500もある。世界遺産登録申請の際に、視察に来た中国の研究者がびっくりしていたそうだ。3-世界遺産に学ぶ 「世界遺産は地球の品位を守るもの」。これは京都大学名誉教授がボロブドゥール修復完成記念の際の挨拶で述べた言葉だ。ユネスコの世界遺産条約はもっとも成功した条約とも言われている。世界遺産登録物件は石造りの建物が中心で、木造や泥の家は少ない。そこで途中の見直しもされ東南アジアやアフリカからの登録も増えた。しかし依然としてヨーロッパ中心であることは否めない。イタリア、スペインの教会群など我々が見てあまり違いが分からないような建物も多い。が、ともあれ自然遺産については環境保全に一定の効果をあげている。花井正光氏は沖縄エコツーリズム推進協議会会長、琉球弧世界遺産学会副会長。レジュメから一部を引用する。「近年、史跡をはじめとする指定文化財の保存や整備・活用の考え方に新たな手法が加わりつつあることにお気づきでしょうか。地方自治体が取り組む事業においてもこれまでと様相の異なる事例が目立つようになってきました。 ざっというと、地域に所在する多様な文化財を個々に捉えるのではなく、カテゴリーの異なる文化財を、文化や自然環境も含め包括的、統合的に広く捉えて「地域遺産」として理解し、社会・経済・自然環境にかかわる地域の社会生活と一体化させ、現代社会の課題に立ち向かい、現在および将来の世代にとって良好な地域社会の創出のツールのひとつにする取り組みとみてよいでしょう。この取り組みの考え方は、地域遺産を社会生活において現代的役割を持たせることで持続可能な発展に資そうとする世界遺産条約の精神と、実は軌を一にするものなのです。」 繰り返すが奄美・琉球の自然が世界遺産に登録されれば沖縄県は文化・自然の二つの世界遺産を持つ日本では唯一の県になる。やんばるの自然が世界に認められることになる。 しかし日本政府が沖縄の民意を踏みにじり、怪我人を多数だしながら、やんばるで「粛々」と進めている辺野古の埋め立ては、いったいぜんたい何なのだ?もし強行すれば人間の恥ずべき歴史を記す「奴隷の島・ゴレ島、アウシュビッツ、広島原爆ドーム」などに並ぶ負の世界遺産となるだろう。(東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター長 緒方修)――――――――――――――――――――――――――――――――――――――【5】《連載》検証・フテンマ(琉球新報より) 第1部 米国の深層 vol.4「「死んだ」移設案」―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 米軍普天間飛行場の返還・移設問題に当初から関わってきた元国務副長官アーミテージが、