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記事 7件
  • 日米廻り舞台 検証フテンマ             第3部揺らぐ「承認」 vol.26「世界の目」(琉球新報提供)

    2014-04-21 17:11  
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    世界の目 米アカデミー賞受賞の映画監督オリバー・ストーンと昨年夏に名護市辺野古を訪れた米アメリカン大教授のピーター・カズニックは、依頼先の反応の良さに驚いた。辺野古に日米両政府が計画している新たな基地の建設に対し、反対する声明文を発表しようと、世界的に著名な有識者らへ呼びかけ人として名を連ねることを依頼していた。 県知事仲井真弘多の昨年末の埋め立て承認を受けたものだったが、短期間で賛同者が次々と集まった。ことし1月8日、29人の呼び掛け人で声明を発表。その3週間後、呼び掛け人は103人にまで膨れ上がった。メンバーはノーベル平和賞、ピュリツァー賞、アカデミー賞受賞者らそうそうたる顔ぶれだ。 「私が話すと、ほとんど全員が喜んで即座に参加を表明した。多くの識者がこの(普天間)問題を知っているからなのだろう」。カズニックは話す。 名護市長選で辺野古移設反対の民意が示された直後に代替基地設計などの受注業者を募集するなど、安倍政権は強権的な姿勢を示している。沖縄の世論など意に介さないといった態度だが、カズニックは「われわれの次の行動はより活発になる」と強調。「世界中の人々が見ていることを認識させ、国際社会から圧力を与えることがわれわれの仕事だ」と力を込める。 声明発表後、識者らは 
  • 日米廻り舞台 検証フテンマ             第3部揺らぐ「承認」 vol.25「県幹部の声」(琉球新報提供)

    2014-04-18 10:24  
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    県幹部の声 「驚くべき立派な内容」「140万県民を代表して感謝」 県知事仲井真弘多が首相安倍晋三と官邸で会談した昨年12月25日。県のある部長は仲井真の発言や周囲の様子から、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた埋め立てを仲井真が承認すると悟っていた。 「もう絶望的だ。あそこまで議会で(県外移設と)発言して県民を期待させ、後処理をどうするのか分からない」。問題の先行きを案じる言葉がついて出た。 「承認を断り続ければ、国から訴訟を起こされ、厳しい結果になることは必至だ。承認せざるを得ない」。部長はそう考えたこともあったが、仲井真は昨年の6月県議会で埋め立ての可否について「政治的判断は否定、排除されない」と述べるなど、不承認への県民の期待を高めていた。だが最終盤で世論を逆なでするように承認に突き進んだ。その過程に、部長は失望を禁じ得なかった。 「知事は振興と基地は別に考えていたはずだが、 
  • 日米廻り舞台 検証フテンマ             第3部揺らぐ「承認」 vol.24「国に同調」(琉球新報提供)

    2014-04-17 18:39  
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    国に同調「政府が安全保障問題について緊張感を持ってやっている時に、辺野古の埋め立てにノーと言えるのか」-。県知事仲井真弘多は、与党県議らを前に口を開いた。 昨年12月27日、埋め立て承認の発表を前に仲井真が知事公舎に与党県議を集めた際の発言だ。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設と、尖閣問題を背景とした防衛力強化の動きを絡めたものだった。県議の一人は「知事から聞いたことのない話だった」と驚いた。 それまでの仲井真は「尖閣があるから沖縄だけに(基地)を集中すべきだとという暴論はおかしい」などと、移設問題に絡めて沖縄の地理的優位性を強調する政府の説明にむしろ否定的な発言を重ねていた。だが気が置けない与党議員らの前で、埋め立て承認に関する率直な心境を吐露した際の説明は、政府の主張に同調するかのような内容だった。 仲井真は承認を拒んだ場合、その後の基地問題や振興策の「展望が開けない」との見解も示し、それまで否定してきた基地と振興のリンクを肯定するような発言もした。承認を断った場合に、振興計画などが 
  • 日米廻り舞台 検証フテンマ             第3部揺らぐ「承認」 vol.23「”身内”の批判」(琉球新報提供)

    2014-04-16 11:49  
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    ”身内”の批判 昨年12月上旬、国頭村長宮城久和は南風原町内の陸上競技場にいた。那覇近郊の国頭村出身者らがつくる郷友会「北斗会」の大運動会に参加するためだ。 自民党衆議院議員、国場幸之助も参加していた。宮城は例年なら各字ごとのテントに国場を連れて行くが、そのときはできなかった。 その2週間前、国場を含む県選出・出身の自民党国会議員5人が、米軍普天間飛行場の「辺野古移設容認」に転じていた。 国場は県外移設を掲げているが、事実上、辺野古移設は認めた形だ。同郷関係の後輩に対し「こういうときにこそ、支えないといけない」と宮城は感じつつ、公約撤回に「違うのではないか」との思いも拭えず、例年通りの 
  • 日米廻り舞台 検証フテンマ             第3部揺らぐ「承認」 vol.22「米の見方」(琉球新報提供)

    2014-04-15 11:41  
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  • 日米廻り舞台 検証フテンマ             第3部揺らぐ「承認」 vol.21「焦る国」(琉球新報提供)

    2014-04-14 13:35  
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    焦る国 「シュワブ(H25)埋立設計」 「シュワブ(H25)水域生物等調査検討(その1) 「同(その2)」 防衛省沖縄防衛局のホームページに1月21日、3件の入札情報が載った。防衛省が、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向け、代替基地の設計や環境調査などの受注業者を募る入札の公告だ。その2日前に投開票された名護市長選で、移設を明確に拒否する現職稲嶺進が大差で再選されていた。地元が反対の民意を示した直後に移設関連の入札公告を行うのは、あくまで移設に突き進もうとする政府の意思表示だった。 この入札3件と、防衛局がその3日後に新たに受注業者を募る入札を公告した辺野古陸上部のボーリング調査業務の計4件について、履行期限は全てことしの「11月30日」とされていた。12月に県知事の仲井真弘多の任期が満了するのを前に知事選が実施されるころに重なる。沖縄にとって重要な時期だ。普天間飛行場が再び最大の争点になるとみられる次期知事選までに、新たな基地建設に向けた作業を可能な限り進めておきたいという意図が見える。 知事の埋め立て承認取り消しを求める行政訴訟を起こした原告弁護団事務局長の三宅俊司はこうみる。「知事選前に成果を搬入させ、(移設を)既成事実化しようとしている。埋め立てを承認した知事の在任期間中にやってしまえということなのだろ。国が焦っているのは確かだ」 政府関係者はこう明かした。「(米軍普天間飛行場の)辺野古移設にかかる調査などに対して 
  • 日米廻り舞台 検証フテンマ             第3部揺らぐ「承認」 vol.20 「強気の裏側」(琉球新報提供)

    2014-04-11 11:14  
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    強気の裏側1月19日午後9時50分すぎ。那覇市寄宮の知事公舎玄関で記者団の取材に応じた県知事の仲井真弘多は、前もって態度を決めていたかのように強気の姿勢を前面に出した。米軍普天間飛行場の移設問題を最大の争点に同日投開票された名護市長選で、仲井真が強く推した移設推進の新人候補が、移設阻止を掲げる現職稲嶺進に敗れることが確実な情勢となっていた。 記者「民意が示されたが、受け止めは」 仲井真「これは優れて名護市の有権者の方々の投票結果だ。まだ(投票差の)数字が出ていないから、生煮えの答えしかできない」 記者「これまでの姿勢を変えることはないのか」 仲井真「有権者の意向は、これはこれとして無論、大きなものがある。だが、それを受けて私が何か今までの(埋め立ての)承認を変えることはできないのではないか。もう、承認しましたからね。今からどうこうというのは」 普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けて既に下した埋め立て承認の判断は、市長選の結果に