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「夏の終わりとたまごサンド」
コメ6 草の根広告社 88ヶ月前
「まだ五時半じゃないか」 眠い目を擦る僕の顔を娘が嬉しそうに叩いている。子供が早起きだというのは本当だというのをこのところ身を以て思い知らされている。あと1時間、いや、あと30分寝ていたいという絶妙なところで起こされる。とはいえ泣き声ではなく、笑顔と平手打ちで起こされるのが救いなのだけれど。
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This is water.
コメ0 草の根広告社 88ヶ月前
古くなって不具合が目立ち始めたノートパソコンを買い換えた。設定やデータを完全移行するかどうか迷っているときに、ある本でこの寓話と出会った。
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「空は空で、青は青だっただろうか」
コメ2 草の根広告社 88ヶ月前
もしも僕が頭上に広がる青の大きさに初めて感動した人類だったならば、それに「空」という名前をつけただろうか。そもそも海と同じその色を「青」と名付けただろうか。さらに言えば、自分が圧倒的に小さな存在に過ぎないことを時に激しく、時にやさしく波打ちながら教えてくれるその水を「海」と名付けただろうか。
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「人を育てるということ」
コメ0 草の根広告社 89ヶ月前
人を育てるなんて柄じゃないと思っていたし、そもそも育て方なんて検討もつかなかった。だから若い放送作家志望の子に「仕事を教えて下さい」と言われても、いつも「仕事なんて教わるものじゃないよ」と答えた来た。
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「親はなくとも子は育つ」
コメ2 草の根広告社 89ヶ月前
4ヶ月の赤ん坊の胸を足で数回踏みつけて殺害した疑いで母親が逮捕。4歳の子供に暴行を加え、脳挫傷などの重傷を負わせた疑いで両親が逮捕。寝たきりの母殴られ死亡、38歳長男を逮捕。3300万人の高齢者のうち600万人が要介護を認定されている中、介護を苦にした親族による認知症高齢者の虐待は年間一万六千件余り。毎...
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「それは模倣なのか、それとも本能なのか」
コメ4 草の根広告社 89ヶ月前
仕事中、デスクチェアーの下に気配を感じる。またか、と、椅子を回転させないよう注意しながら振り返ると、9ヶ月の娘が座面のバーに掴まって立っている。目が合うとニッと笑う。でも驚くのはそこからだ。娘はただ掴まり立ちをしているのではない。バーを両手で掴んだまま腰を落としてはまた立ち上がるという動きを繰...
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「よく笑い、よく泣いて」
コメ4 草の根広告社 89ヶ月前
生まれたときは嘘みたいに柔らかかった娘の足の裏がだいぶ硬くなってきた。這い這いや掴まり立ち、柔道の受け身みたいな遊び(仰向けに寝転がった姿勢で両足を床に叩き付けるのに合わせて「どん、どん」と声を掛けてやると嬉しそうな顔をする)なんかをするようになって足の裏に筋肉がついて来たのだ。自分の足で立って歩...
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「7月7日の宵祭り」
コメ8 草の根広告社 90ヶ月前
数日前、母から小包が届いた。開けると小さな甚平が入っていた。母は裁縫が得意で手作りの布製品を浅草の外国人客向けの土産として売ったりしているのだ。
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「秩序が生まれた日」
コメ4 草の根広告社 90ヶ月前
万物をつくる者の手をはなれるときすべてはよいものであるが、人間の手にうつるとすべてが悪くなる。哲学者ルソーは著書「エミール」にそう記している。たとえば、トマトの苗を自然のままではなく剪定したり、誘引したりして自分たちの都合の良いように(たくさんの実が収穫できるよう)育てるように。そんな不自然な行...
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「加害者の親、被害者の親」
コメ2 草の根広告社 90ヶ月前
これまでもニュースなどで時折り目にして来た「加害者の親」とか、「被害者の親」という立場の想いが頭では分かっているつもりで、実はちっとも分かっていなかったのではないかという自戒の念に駆られている。
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「情けなくも愛おしい感情」
コメ4 草の根広告社 90ヶ月前
植物には種が元来持っている性質がある。しかし同じ種でも、環境や育てる人、肥料によってどんな実をどのくらいつけるのか。野菜ならどんな味になるのかは大きく変わって来る。
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「女性に厳しいのは女性だと感じるのは気のせいだろうか」
コメ6 草の根広告社 90ヶ月前
女性に厳しいのは女性だと感じるのは気のせいだろうか。もちろんそれが世界の一部の印象に過ぎない偏った考えであると分かった上であえて言うのだけれど(僕の偏った意見がより良い現実を見せて貰えるきっかけになればと信じて)、生き方が多様化する女性たちが自分と違う生き方に不寛容な社会を作り出しているのは同じ...
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「日曜日のしゃぼん玉」
コメ4 草の根広告社 91ヶ月前
母親ってのは本当にすごい。娘の理不尽なぐずりや単なるワガママとも思える行動に対しても「はいはい」と笑顔を絶やすことがない。僕はダメだ。ついつい相手が赤ん坊だということを忘れて「やれやれ」という疲れた顔や仏頂面を見せてしまったりする。いや、妻がすごいのだろうか。「うー(怒)」「うー(怒)」などと対等...
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「僕なりの匙の投げ方」
コメ6 草の根広告社 92ヶ月前
2017年4月20日現在において一番の問題なのは、北朝鮮の核・ミサイル開発でもなければ、米軍の圧倒的な軍事力による圧力でもない。ましてやそんな一触即発の危機的状況すら追い風にこの国が戦争のできる独裁国家への道を着々と突き進んでいるように思えてしまうことでもない。申し訳ないけれど今、一番の問題は
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「いまさら何を話せばいいんだろう」
コメ4 草の根広告社 92ヶ月前
気がつくと、父と二人きりだった。灰色の壁に夕陽が射し込んでいた。顔を背け合い互いの気配を伺っていた。長い沈黙に押しつぶされそうになる。金縛りにでもあったみたいに身動きが取れない。18歳で家を出てから30年近くまとまった話をしたことのない父親と、いや、一緒に暮らしていた時だって母親と比べれば何の...
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「本当は同じじゃないのかもしれない」
コメ3 草の根広告社 93ヶ月前
ゆで卵の白身は食べられるけど、目玉焼きは黄身しか食べたくない」と言って「わかる、それ」という人に会ったことがない。だいたいが「同じなのにどうして?」と質問責めにされるのだけど、その理由を未だにうまく言葉にできないのが子供の頃からの唯一の悩みと言っていいかもしれない。