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中邑真輔、棚橋弘至、柴田勝頼……新・闘魂三銃士■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」
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中邑真輔、棚橋弘至、柴田勝頼……新・闘魂三銃士■小佐野景浩の「プロレス歴史発見」

2018-04-09 10:22
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    プロレスラーの壮絶な生き様を語るコラムが大好評! 元『週刊ゴング』編集長小佐野景浩の「プロレス歴史発見」――。今回のテーマは「中邑真輔、棚橋弘至、柴田勝頼……新・闘魂三銃士です! 




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    ――
    今回のテーマは中邑真輔、棚橋弘至、柴田勝頼の「新・闘魂三銃士」ですが、彼らがデビューした当時の小佐野さんは日本スポーツ出版内の異動もあって、プロレス現場取材はあまりできていなかった時期なんですよね。

    小佐野
     『週刊ゴング』編集長から編集企画室室長という役職に変わったのが99年1月のことなんですが、編集長としての最後の号は、あの橋本真也vs小川直也なんですよ。

    ――
    とんでもない大事件が最後に起きちゃったんですね(笑)。

    小佐野
     柴田や棚橋はその年の10月にデビューでしょ。中邑真輔は2002年8月のデビューだから、私は現場にいなかったんですよ。全日本プロレスはテレビの解説をやっていたから会場には行っていたし、新日本の会場にも顔を出せるかぎりは出していた。ただ取材ではないから、若手の頃の彼らとは接点がほとんどなかったし、とくにいまでも接点がないのが真輔。棚橋や柴田はその後、接点ができるんだけど、真輔は本当になかった。

    ――
    現場から離れた立場から、1・4事変以降の新日本をどのように見えたんですか?

    小佐野
     プロレスをやりたいのか、格闘技がやりたいのか、もうブレブレでわけがわからない感じ。中邑真輔も格闘技とプロレスどっちつかずで、両方できる人として育てられてしまっていたよね。あの時期だからこそ、そういう宿命を無理に背負わされてしまって「なんて中途半端なプロレスラーができてしまったんだろう……」という感想はあったんだよね。

    ――
    まあ、そう見えちゃいますよね。 

    小佐野
     あとから真輔がプロレスファンだったと聞いてビックリしたんだけど、そうは見えないぐらいプロレスがうまくなかった。サブミッションをやったかと思えば、急にラリアットをやってみたり、わけがわからなかった。サブミッションで勝負するならサブミッションでいけばいいのに、そこでなぜラリアットが必要なのか全然伝わってこないというかね。サブミッションをフィニッシュにするのはやめたほうがいいんじゃないかとすら思ったり。

    ――
    あの当時は総合格闘技が人気でしたし、プロレスでサブミッションを使うことは逆にマイナスなんじゃないか……っていう見方もありましたね。

    小佐野
     説得力がなく見えてしまうということだよね。プロレスリングではプロレスの技で戦って、総合では総合の技術を見せるような使い分けをすればいいんじゃないかって。混ぜたことでよくわからなく見えちゃっていたから。 

    ――
    暗黒・新日本は格闘技っぽさを求められたこともあって……。

    小佐野
     それからゲーム制作会社のユークスが新日本の親会社になったあと、武藤敬司が真輔からIWGPのベルトを奪ったときに「真輔はどうだった?」と聞いたら「いやー、新日本プロレスは、時としてああいう中途半端なレスラーを作っちゃうんだよなぁ」って言っていた。 

    ――
    低い評価だったんですね。

    小佐野
     「かわいそうなのは彼はトップだろ? 下からやり直せないじゃん」って。それが2007年、いまから10年前ぐらいのことだよ。

    ――
    その直後に中邑真輔は覚醒するわけですから面白いですね!(笑)。武藤さんが「ああいうレスラー」とは何を指してるんですかね。

    小佐野
     具体的に誰というわけではないんだけど、武藤は新日本の格闘技かプロレスかのどっちつかずがイヤで全日本に移ったでしょ。「このまま新日本プロレスにいたら俺のキャリアが潰されてしまう」ということで離れた。そういう中途半端なものを中邑真輔からも感じたんじゃないのかな。真輔も最初はどちらかといえば格闘技のほうで売り出されていたわけだしね。 

    ――
    国内2戦目は大晦日『猪木祭り』のダニエル・グレイシー戦でしたしね。

    小佐野
     真輔は8月に安田忠夫戦でデビューして、すぐにロス道場に行ったでしょ。その最中の11月頃、猪木さんと新間(寿)さんが和解したんですよ。

    ――
    そんなことがあったような、なかったような(笑)。

    小佐野
     なぜそんなことをおぼえてるかといえば、2人が和解した席に私がいたんですよ(笑)。

    ――
    あらま(笑)。

    小佐野
     帝国ホテルの『北京』という中華料理屋さんで、桜井康雄さんを仲介人にして2人は和解したんです。私は新間さんから電話をもらって「今日、社長と和解するから取材に来てくれ」と。別の部屋で待機してしばらくして部屋に呼ばれたら、みんな紹興酒を飲まれてて、猪木さんは「これは魔界倶楽部じゃなくて和解倶楽部だな」なんて言ってて(笑)。

    ――
    アントンジョーク!(笑)。

    小佐野
     猪木さんが凄く言いそうだよね(笑)。そのときに真輔の話題が出たんだよ。新間さんが「社長、いまの新日本で一番有望な若手は誰なんですか?」と聞いたら、猪木さんは「いまロスに中邑って奴がいるんだ」と。

    ――
    へえー、まだデビュー戦しかやってないのに。

    小佐野
     そうしたら新間さんは「私はいまだにビンス・マクマホンと繋がりがありますから WWEデビューさせましょう!」なんて新間節が炸裂したわけですよ。

    ――
    さすが新間さんです!

    小佐野
     私にも「おい小佐野!ビンス・マクマホンに送る写真を用意してくれ」なんて言われてね(笑)。それで写真を用意したんだけど。

    ――
    早すぎたWWEデビュー計画があったんですね(笑)。


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