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日米廻り舞台 検証フテンマ 第3部揺らぐ「承認」 vol.24「国に同調」(琉球新報提供)
2014-04-17 18:3931pt国に同調「政府が安全保障問題について緊張感を持ってやっている時に、辺野古の埋め立てにノーと言えるのか」-。県知事仲井真弘多は、与党県議らを前に口を開いた。 昨年12月27日、埋め立て承認の発表を前に仲井真が知事公舎に与党県議を集めた際の発言だ。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設と、尖閣問題を背景とした防衛力強化の動きを絡めたものだった。県議の一人は「知事から聞いたことのない話だった」と驚いた。 それまでの仲井真は「尖閣があるから沖縄だけに(基地)を集中すべきだとという暴論はおかしい」などと、移設問題に絡めて沖縄の地理的優位性を強調する政府の説明にむしろ否定的な発言を重ねていた。だが気が置けない与党議員らの前で、埋め立て承認に関する率直な心境を吐露した際の説明は、政府の主張に同調するかのような内容だった。 仲井真は承認を拒んだ場合、その後の基地問題や振興策の「展望が開けない」との見解も示し、それまで否定してきた基地と振興のリンクを肯定するような発言もした。承認を断った場合に、振興計画などが -
日米廻り舞台 検証フテンマ 第3部揺らぐ「承認」 vol.23「”身内”の批判」(琉球新報提供)
2014-04-16 11:4931pt”身内”の批判 昨年12月上旬、国頭村長宮城久和は南風原町内の陸上競技場にいた。那覇近郊の国頭村出身者らがつくる郷友会「北斗会」の大運動会に参加するためだ。 自民党衆議院議員、国場幸之助も参加していた。宮城は例年なら各字ごとのテントに国場を連れて行くが、そのときはできなかった。 その2週間前、国場を含む県選出・出身の自民党国会議員5人が、米軍普天間飛行場の「辺野古移設容認」に転じていた。 国場は県外移設を掲げているが、事実上、辺野古移設は認めた形だ。同郷関係の後輩に対し「こういうときにこそ、支えないといけない」と宮城は感じつつ、公約撤回に「違うのではないか」との思いも拭えず、例年通りの -
日米廻り舞台 検証フテンマ 第3部揺らぐ「承認」 vol.22「米の見方」(琉球新報提供)
2014-04-15 11:4131pt -
日米廻り舞台 検証フテンマ 第3部揺らぐ「承認」 vol.21「焦る国」(琉球新報提供)
2014-04-14 13:3531pt焦る国 「シュワブ(H25)埋立設計」 「シュワブ(H25)水域生物等調査検討(その1) 「同(その2)」 防衛省沖縄防衛局のホームページに1月21日、3件の入札情報が載った。防衛省が、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向け、代替基地の設計や環境調査などの受注業者を募る入札の公告だ。その2日前に投開票された名護市長選で、移設を明確に拒否する現職稲嶺進が大差で再選されていた。地元が反対の民意を示した直後に移設関連の入札公告を行うのは、あくまで移設に突き進もうとする政府の意思表示だった。 この入札3件と、防衛局がその3日後に新たに受注業者を募る入札を公告した辺野古陸上部のボーリング調査業務の計4件について、履行期限は全てことしの「11月30日」とされていた。12月に県知事の仲井真弘多の任期が満了するのを前に知事選が実施されるころに重なる。沖縄にとって重要な時期だ。普天間飛行場が再び最大の争点になるとみられる次期知事選までに、新たな基地建設に向けた作業を可能な限り進めておきたいという意図が見える。 知事の埋め立て承認取り消しを求める行政訴訟を起こした原告弁護団事務局長の三宅俊司はこうみる。「知事選前に成果を搬入させ、(移設を)既成事実化しようとしている。埋め立てを承認した知事の在任期間中にやってしまえということなのだろ。国が焦っているのは確かだ」 政府関係者はこう明かした。「(米軍普天間飛行場の)辺野古移設にかかる調査などに対して -
日米廻り舞台 検証フテンマ 第2部官僚の壁 vol.19 「新基地建設の是非」(琉球新報提供)
2014-04-10 11:2931pt新基地建設の是非 米軍普天間飛行場の辺野古移設は必要か。その疑問は、実は防衛省内にもあった。地方協力局長の井上源三は2009年10月12日、米国務次官補キャンベルらに尋ねた。 「グアムの海兵隊だけで(東アジア)地域の十分な抑止力を持つのではないか。不測の事態には伊江島(補助飛行場)と下地島(空港)が補完すれば良いのではないか」 在沖海兵隊がいなくても有事の際はグアムから対応可能なのではないかとの疑問だ。米側はこれに反論する。 「グアムだけに依存すると時間、距離、その他運用上の課題が出てくる」。中国の軍拡も背景に「緊急時は(沖縄の)最低3本の滑走路が必要だ」と強調した。嘉手納基地に2本、普天間に1本滑走路がある現状の維持が必要との見解だった。ただ裏を返せば有事に嘉手納基地以外の滑走路が使えれば、平時は戦略上問題はないとの認識でもあった。 井上はこうも尋ねる。 「グアムのアンダーセン空軍基地にヘリパッドを建設中だ。最大60機を再配備できる。さらに緊急事態には高速鑑定を使用することで米軍は有効に対応できるのでは」 在日米軍副司令官のジョン・トゥーランは -
日米廻り舞台 検証フテンマ 第2部官僚の壁 vol.18 「『抑止力』の虚構」(琉球新報提供)
2014-04-09 14:0331pt「抑止力」の虚構 普天間飛行場の移設を含む在日米軍再編は民主党政権下の2012年2月に大きな転機を迎える。日米両政府が同飛行場の名護市辺野古移設を進めるため、それまで普天間移設と「パッケージ」と説明してきた在沖米海兵隊のグラム移転や嘉手納より南の米軍5基地の返還を、普天間移設から切り離したのだ。その再編見直しの協議で米側は海兵隊のグアム移転について、日本側にある変更を提案した。「まさかと思った。06年の米軍再編合意から全く変わっていた」。米軍再編に関して長年携わった日本政府高官は、米側からの提示に驚いた。 合意は在沖海兵隊については司令部要員を沖縄から移転し、地上戦闘部隊を残す計画だった。しかし見直しで米側が示した案は、逆に地上戦闘部隊の大半を沖縄から出すというものだった。 だがこの変更は日本政府にとって極めて都合が悪かった。なぜなら -
日米廻り舞台 検証フテンマ 第2部官僚の壁 vol.16 「『年内結論』の背景」(琉球新報提供)
2014-04-05 09:0031pt『年内結論』の背景米軍普天間飛行場の県外移設協議に関し、2010年4月に外務、防衛両省の実務担当者を首相公邸に集めた秘密会合の中身が翌日報道され、首相の鳩山由紀夫(当時)は大きなショックを受けた。 〈会ったことも内密にするはずだった。意思疎通を図りながら秘密裏に協議しようと誓ったにもかかわらず、なぜ〉 同席していた官房長官の平野博文(当時)に尋ねたが、外部に漏らしていないという返事だった。鳩山は外務、防衛の実務者を疑う。会合に出席していた一人は取材に対し「ほぼ名指しで批判された。全く納得がいかない。鳩山さんは首相だ。当然従うつもりだった。疑われたのは非常に心外だった」と振り返った。 その日の報道はもちろん記者たちの日常の取材活動の成果の一つにすぎないが、鳩山にとっては「リークされた」と、腹心の官僚らに疑心暗鬼を深める転機となった。民主党政権の県外移設検討作業で致命的だったのは、鳩山が移設先 -
日米廻り舞台 検証フテンマ 第2部官僚の壁 vol.15 「面従腹背」(琉球新報提供)
2014-04-04 10:0831pt面従腹背 涙を浮かべ、就任わずか8カ月余りでの退陣を表明してから約3年。元首相の鳩山由紀夫はことし5月、国会議事堂周辺の事務所でくつろいだ様子を見せた。苦悩に満ち、うつろな目をしていた在任終盤の表情はない。 昨年11月、首相野田佳彦が衆院を解散したのを機に、26年身を置いた政界から引退した。今は国内外での講演活動をする一方、自身が3月に立ち上げた「東アジア共同体研究所」の活動として、沖縄の基地問題を含めた外交・安全保障などの分野で積極的に意見を発信している。 鳩山は2010年6月、普天間飛行場の辺野古移設回帰を受けた社民党の政権離脱や「政治とカネ」の問題の責任を取り、首相を辞任した。指導力を発揮できず、場当たり的な普天間問題への対応には「稚拙」「迷走」「失政」などと厳しい批判を浴びた。大きな挫折感を味わった。 だが退陣後は講演会などで首相時代の普天間問題の内幕を明かしている。「辺野古に戻してしまった後悔の念がある。この問題は決着していない」。発言を続ける理由だ。 県外移設を実現できなかった原因に自信の力不足を挙げた上で、外務、防衛官僚らが「県外」の方向で努力しなかったと率直に指摘している。 10年4月。首相在任中の鳩山は自らが設定した「10年5月末」の普天間飛行場の移設先決定の期限に向け、じりじりと追い詰められていた。期限まで2カ月を切っていた。 政権交代を果たした09年8月の衆院選では普天間移設の「最低でも県外」を掲げた。政権発足後、移設先探しを担った官房長官平野博文は、 -
日米廻り舞台 検証フテンマ 第2部官僚の壁 vol.14 「脱官僚・脱米依存に反撃」(琉球新報提供)
2014-04-03 09:0031pt脱官僚・脱米依存に反撃2009年の民主党政権発足直後から防衛省防衛政策局長の高見沢将林らが、普天間移設などの在日米軍再編見直しを掲げた新政権を批判する発言を米政府に水面下で伝えていたことが明らかになっている。高見沢は本紙の再三の取材申し込みに応じていないが、内部告発サイト「ウィキリークス」が公開した米外交公電には自らの政権を批判する日本の官僚がほかにも登場する。 鳩山政権発足から2日後の09年9月18日。来日中の米国務次官補キャンベルは、外務省アジア大洋州局長の斎木昭隆(元外務事務次官)と会談する。外相岡田克也について「非常的に知的」「省の諸問題を理解している」と称賛する斎木。だが民主党政権が「脱官僚依存」を掲げていることには警告も忘れなかった。「プロ集団である官僚の誇りをもし新政権が破壊しようとすれば、それは失敗に終わるだろう」 斎木の批判は続く。民主党が衆院選マニフェスト(政権公約)で -
日米廻り舞台 検証フテンマ 第2部官僚の壁 vol.13 「防衛省の進言」(琉球新報提供)
2014-04-02 11:4731pt防衛省の進言駐日米大使ルースと顔を合わせた防衛省防衛政策局長の高見沢将林が口を開いた。論点は、近く予定されていた米国防長官ゲーツの来日についてだった。 「米軍普天間飛行場の移設問題では、長官から北沢俊美防衛相に米側の考えを率直に話すことが不可欠だ。普天間問題は防衛相にとって最優先事項になる」-。高見沢はこうルースに進言した。 さらに伝える。「防衛省は、長官に(辺野古移設の)現行計画が唯一実現可能な計画であることを強調してほしいと望んでいる」 2009年9月に首相に就任した民主党代表の鳩山由紀夫は選挙で普天間移設の「最低でも県外」を掲げ、党のマニフェスト(政権公約)でも在日米軍再編の見直しを明記していた。だが政権発足から1カ月足らずして、実務を担う防衛省高官は政権の方針とは違う正反対の要求を米側に訴えていた。 同年10月20日のゲーツの来日を前にしたルースと防衛官僚の会談は、内部告発サイト「ウィキリークス」が公開した
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