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どうすれば真の自信を持てるのか。『3月のライオン』が描く「自分の大きさ」を知る方法。(2287文字)
コメ1 弱いなら弱いままで。 145ヶ月前
羽海野チカ『3月のライオン』の最新刊が発売されました。すでに雑誌ですべて読んでいますが、あらためて単行本で読んでみました。いい! いままでの展開にまさるとも劣らぬスリリングだったりハートウォーミングだったりする展開が続く第8巻です。今回は第9巻に収録されるはずのエピソードから気になる台詞を取り出して...
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天才作家が描く「日常系」。吉田秋生『群青』に別格の凄みを感じる。(1672文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 145ヶ月前
吉田秋生さんの『海街Diary(5) 群青』のレビューです。いやー、素晴らしかった。あたりまえの日常をただユーモラスに描き出しているだけのようでありながら、そこらの「日常系」が束になっても敵わないほど深い世界観を感じさせる作品となっております。いったい何が違うんだろうなあ。とにかくこういう作家がいてく...
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復讐の甘く苦い味。『HUNTER×HUNTER』が描く世界の残酷な真実を見る。(2688文字)
コメ1 弱いなら弱いままで。 145ヶ月前
『HUNTER×HUNTER』の番外編「クラピカ追憶編」の感想にかこつけて「人間の本質」について語っています。ちなみにここで引用しているペトロニウスさんの記事は、ぼくがペトロニウスさんと知りあうきっかけとなったものです。もう6年半も前のことになるんですね。時が経つのは早いなあ。光陰矢のごとし。いや、そのあいだ...
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セックス&バイオレンス! はてしない暴力と陵辱の螺旋つづく『ウルフガイ』を読む。(2044文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 145ヶ月前
平井和正原作の漫画『ウルフガイ』全12巻がおもしろかったので、紹介記事を書いてみました。いやあ、何しろ原作は70年代の発表ですし、あまり現代に受けそうな物語ではないかもしれませんが、ぼくは好きですねえ、こういうお話。セックス&バイオレンス! 吹き荒れる暴力と陵辱の嵐! ある種なつかしいような、そうい...
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漫画家で考える「慣れ」と「燃えつき」。どの程度のテンションが適切なのか見きわめよう。(2557文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 145ヶ月前
ぼくが大好きな『月刊少年マガジン』で『capeta』が盛り上がっています。盛り上がっているのですが、ぼく的に見ると完全に盛り上がりきってはいないかな、と。超一流の漫画家であるところの曽田さんに対してはどうしても過剰に注文してしまう一面があるわけですが、やっぱりもっと行ってほしいな、と。で、その理由につ...
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パワーインフレを止められるか? 岐路に立つ『HUNTER×HUNTER』の選択とは。(2152文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 145ヶ月前
『HUNTER×HUNTER』がいま、何度めかの物語の岐路に立っているように見えます。はたしてこのままスケールアップし、「パワーインフレ」を続けるのか。それとも別の手段で物語を進めていくのか。予断を許さない展開とはこのことです。しかし、連載はいつものように止まったまま。読者としては、このスローペースの連載に慣...
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俺の妹がこんなに健気なわけがない? 山本周五郎の時代小説に究極の妹萌えを発見した。(2349文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 145ヶ月前
大好きな作家であるところの山本周五郎の珠玉の妹萌え小説(?)『あんちゃん』について語っています。ここだけの話、山本周五郎の作品には、ふつうにラブコメとして読んで楽しめるものが少なくなく、特に「わたくしです物語」などは、「お前、わかっていてやっているだろ」といいたくなるような秀抜なラブコメとして読...
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無限の平行世界を描き尽くす! 『紫色のクオリア』漫画版が素晴らしい出来。(1048文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 145ヶ月前
漫画版『紫色のクオリア』の紹介です。数年前に上梓され、一部で熱狂的に支持されるにいたった作品のコミカライズであるわけですが、いや、これが素晴らしい出来なのですよ、旦那。ライトノベルを漫画化した作品には、成功したものも、そうでないものもあるわけですが、これは大成功に属するでしょう。原作の一ファンと...
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全153冊すべて200円! 栗本薫『グイン・サーガ』を電子書籍でそろえる。(1163文字)
コメ1 弱いなら弱いままで。 145ヶ月前
『グイン・サーガ』については、ぼくは膨大な言葉を抱えているのですが、いままでそれをはっきりとした形で表に出したことはありません。ブログに書いてしまうには、あまりに量的に多すぎるものになるからです。そうはいってもブログ以外にぼくに発表媒体はないので、いずれここで書いてしまいたいと思っていますが、い...
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嫉妬は成長を阻害する。『GIANT KILLING』に学ぶ自分を高める競争のしかた。(2340文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 145ヶ月前
だれかと競争する時、勝利するためにはふたつの方法が考えられます。ひとつは自分を高めること、もうひとつは相手を貶めること。このふたつのやり方のうち、どちらが正しいやり方なのかはいうまでもありません。そして、正しい道から足を踏み外してしまった人間は決して前へ進んでいくことはできません。その歪みは最終...
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人形たちの戦争。『ファイブスター物語』のヒロイン、ファティマとは何者なのか。(2178文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 145ヶ月前
ファティマ。それは『ファイブスター物語』を、否、永野護のキャラクターデザインを象徴するキャラクター。あまりにも美しく、弱々しく、病的なまでに繊細なその印象は、見るものを魅了します。しかし、いったい彼女たちはほんとうは何者なのか? 作者は彼女たちに何を託して生み出したのか。そのデザインのどこにほん...
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降りそそぐ夾竹桃の謎と絢爛たるトリック。連城三紀彦の傑作長編『敗北への凱旋』を読む。(1407文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 145ヶ月前
本格ミステリの世界では、天才という桂冠を与えられた作家が何人かいますが、連城三紀彦もそのひとりでしょう。そのトリックの華麗さ、解決のあざやかさはほかに比類がありません。破天荒なトリックを仕掛ける作家ならほかにいくらでもいるでしょうが、それを圧倒的ななめらかさでやってのけるのが連城なのです。『敗北...
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1冊85円! 森薫の奇跡の名作『乙嫁語り』既刊4巻を電子書籍で入手する。(2061文字)
コメ1 弱いなら弱いままで。 145ヶ月前
『乙嫁語り』。森薫の新たな最高傑作となるだろう奇跡の作品です。その素晴らしいとしかいいようがない内容については、本文のなかで語っていますが、この作品を既刊すべて1冊85円で入手できるというのですから、驚いてしまいます。いまこそチャンス! 電子書籍ストアで買ってしまいましょう! あなたの魂を風かおる大...
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『3月のライオン』の「差別構造」に物語の限界を見る。(5262文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 145ヶ月前
「Something Orange」からの転載記事です。べつに『3月のライオン』を批判しているわけじゃないから(いや、ある意味では批判しているんだけれど)、ファンのひとは怒らないようにお願いします。この議論はけっこうクリティカルなものだと思っていて、なかなか良い記事なのではないかなーなどと自画自賛しています。長い...
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狂気か、前衛か、退行か。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』のストレスフルな映像世界。(2176文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 145ヶ月前
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』については、いままでも何本か記事を書いてきましたが、またべつの視点からの記事です。ぼくはこの映画、十分に楽しんで見たんですけれど、世間では賛否が二分しているようです。それはそうでしょう。創り手の側もおそらくそうした反応を予想して創っている。何とも難儀な映画です。しか...
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小さく不思議な「偽物の恋」の物語。こうの史代の傑作『長い道』を読みのがすな!(1204文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 145ヶ月前
こうの史代という作家は、歴史に残すべき傑作をすでに何本も描いています。これからものす作品のなかにも、そういうものがいくつも生まれてくるでしょう。しかし、それらの名作のなかでもぼくにとって最愛というべき作品は『長い道』を置いてありません。いくつものふしぎな展開を通して描かれる、小さな小さな恋の物語...
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ウルトラ格差世界の戦い。『ファイブスター物語』非情のシステムを解析する。(2913文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 145ヶ月前
永野護『ファイブスター物語』はきわめてオリジナリティの高い物語です。そのデザインもそうなのですが、作品世界を支配する価値観が非常にオリジナルなものがあると思います。それは完全実力本位の非情な世界であり、弱い者は強い者にどうやっても勝つことができないようにできているようです。この世界、ジョーカー太...
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祝アニメ化! 『恋愛ラボ』に見る脱ハーレムラブコメの豊かな可能性。(2118文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 145ヶ月前
『恋愛ラボ』はぼくがいまいちばん続きを楽しみに待っている漫画のひとつです。うう、ヤンがどうやってマキとくっつくのか、気になって夜も眠れん! このたびアニメ化されるそうで、とにかく楽しみでなりませんが、でも、この作品、構造的に問題含みだよなーなどと感じないこともない。そこで「脱ハーレムラブコメ」作...
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またしても戦慄の問題作! 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』をネタバレなしで語る。(2003文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 145ヶ月前
そういうわけで、『ヱヴァ』を観て来ました。いやいや、事前の予想をさらに上回ってくるほどの凄まじい作品でした。前回までは「素晴らしいな」「おもしろいな」で済んだのですが、しょせん『ヱヴァンゲリヲン』がそれだけの作品で終わるはずもありません。こうなることはあらかじめ定められていたことだったのです。い...
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映画『ゴティックメード』の簡単な感想を述べておこう。(676文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 146ヶ月前
『ゴティックメード』の簡単な感想です。ほんとうは詳細なネタバレ感想を書きたいところなのですが、旅先なのでままなりません。愛用のエディタがないんですよ! Google Chromeはダウンロードしてサインインしたら設定が再現されましたが。いやあ、おもしろかったですね、『ゴティックメード』。神作品です。でもまあ、...
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才能とは何なのか。『ベイビーステップ』を読んでその本質を考える。(2069文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 146ヶ月前
天才論ふたたび、です。ぼくはこの世に才能の差というものがないとは考えません。あきらかに生まれつきの才能の差はあって、それはときに絶対的なものですらあるようにも思えます。しかし、それにしても才能とか天才という言葉はあまりに安易に使われすぎていないか。どこか幻想なり錯覚が含まれているのではないか。そ...
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本格ミステリのマイルストーン『りら荘事件』を読む。(1295文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 146ヶ月前
『りら荘事件』。現代に生きのこる本格ミステリの古典的名作にして、天才探偵星影龍三もののふたつしかない長編のひとつであり、鮎川哲也のキャリアのなかでも鮮烈な印象をのこす作品です。「尼りりす」とかいうありえない名前の女性が出てきたりして微妙に時代を感じさせますが、そういうところ以外はまったく古びてい...
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【有料記事】2010年代を切り開く奇跡の傑作『水の森』を読もう!(2339文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 146ヶ月前
漫画『水の森』の紹介です。この作品もおもしろかったですね。ぼくはしょっちゅう傑作傑作、名作名作とさわいでいますが、でもそのつど本気でそう思っているのです。まあ、なかには時間が経ってから考えてみれば「そうでもなかったな……」というものもありますが(あるのかよ)、その点、『水の森』は本物。ぼくのその年...
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【無料記事】『ファイブスター物語』一冊に何人の人物が出てくるのか数えてみた。(1617文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 146ヶ月前
永野護『ファイブスター物語』で一巻につき何人の登場人物が出ているのか数えています。ええ、それだけの記事です。この作品、ほんとうに半端なく登場人物が多いので、読者はよく付いていっているなあ、と思います。おまけに数年単位で連載を休むしね。それだけされても付いていかざるをえない魔性の魅力があるともいえ...
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【無料記事】藤田和日郎が語るヤン・ウェンリー。(3892文字)
コメ22 弱いなら弱いままで。 147ヶ月前
田中芳樹『銀河英雄伝説』の主人公(の、かたわれ)ヤン・ウェンリーはぼくにとって最大のキャラクターです。非常に大きな影響を受けていますし、いまでも底知れないところがあるように思っています。漫画家の藤田和日郎さんがそのヤンについてTwitterで語っていたので、それに便乗しこの不世出のキャラクターについて思...
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【有料記事】本格ファンタジーの傑作『チャリオンの影』。(3469文字)
コメ1 弱いなら弱いままで。 147ヶ月前
ロイス・マクマスター・ビジョルドの長編ファンタジー小説『チャリオンの影』の紹介です。ビジョルドは、日本でこそ「知る人ぞ知る」作家ではありますが、アメリカでの人気は相当のもののようです。じっさい、おもしろい! ユーモアと逸脱に満ちたその作品はしばしば忘れがたい印象を残します。もう少し早いペースで翻...
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【有料記事】『詩羽のいる街』は山本弘のインナースペース。(2744文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 147ヶ月前
山本弘『詩羽のいる街』のレビューです。ぼくは長編に限るなら山本さんのほぼ全作品を読んでいる山本弘ファンなのですけれど、そのあくの強さには時々辟易させられます(お前がいうなって話かもしれませんが)。かれの思想はきわめて善良ではありますが、やっぱり一面的だと思うんですよね。そういう違和感について書い...
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【有料記事】バビロニアの女神の名を与えられた天才作家タニス・リー。(2061文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 147ヶ月前
タニス・リーはぼくが最も好きな作家のひとりです。ひたすらに美しくまた邪悪な世界を描くその技量は無二のもので、まさに「天才」という称号がふさわしい作家といえるでしょう。『悪魔の薔薇』は彼女の短篇集なのですが、いやあ、レベルが高い。それぞれに異様な作品ばかりで、読み耽るほどにその悪夢的な世界に耽溺さ...
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【有料記事】日本初の疫学小説『エピデミック』は読みごたえ十分の力作。(1465文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 148ヶ月前
これも以前書いた記事ですね。『エピデミック』。ぼくが大好きな小説のひとつです。川端裕人さんというひとは、新作を書くたびに毎回、新しい学問をテーマに選び、それについて深く勉強してエンターテインメントに仕立てあげるというなかなかとんでもないことをしている方で、ジャーナリストとしても知られています。読...
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【有料記事】『池袋ウエストゲートパーク』は時代をカットする。(1521文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 148ヶ月前
石田衣良の『池袋ウエストゲートパーク』はぼくの最も好きな小説シリーズのひとつです。いったん完結してしまいましたが、また再始動するときをじりじりと待っています。このシリーズ、とにかく文体が素晴らしい。これほどシャープでしかもユーモアに満ちた文体を操る作家は、日本に何人もいないでしょう。物語より文体...
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【有料記事】伝説の暗黒超傑作『ブライトライツ・ホーリーランド』を語る。(4019文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 148ヶ月前
10年ほど前に書いた、古橋秀之の最高傑作『ブライトライツ・ホーリーランド』の書評です。書評ですが――いったい何なんでしょうね、これは。あきらかに書評とかそういうシロモノじゃないですよね。この文章がぼくの最高傑作だというひともいるのですが、青くさいものが嫌いなひとは大嫌いだろうなあ、ということも想像が...
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【有料記事】天才連城三紀彦、最高傑作。奇跡の短篇集『戻り川心中』を読む。(2016文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 148ヶ月前
天才という言葉は安売りされすぎているきらいがありますが、連城三紀彦というひとだけは本当に天才だな、と思います。その作品の洗練、美学、頽廃、いずれも余人にはとうてい真似できるものではありません。綾辻行人をして「とてもこうは書けない」と言わしめたその連城の、最高傑作、それが『戻り川心中』です。悪いこ...
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【有料記事】10分でわかる『グイン・サーガ』。(7963文字)
コメ1 弱いなら弱いままで。 148ヶ月前
全100巻以上に及ぶ『グイン・サーガ』をわずか10分でわかるよう解説しようという、無茶といえばこれ以上ないくらい無茶な記事。もともとは栗本さんがまだご存命の頃に書いた文章ですが、いまに合わせて修正してあります。何もかも皆、過ぎ去っていく――そうしてまた新たな物語が生まれる。世界とは、そうしたものなのでし...
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【無料記事】10分でわかる『銀河英雄伝説』。(4374文字)
コメ10 弱いなら弱いままで。 148ヶ月前
田中芳樹の名作スペースオペラを10分でわかるよう紹介しています。ところどころ無理がありますが、そこはもとが無理な企画なので、ご了承くださいませ。ところで、スペースオペラとは本来、宇宙ものの冒険活劇に対し、ホースオペラ(西部劇)をもじって皮肉っぽくつけられた名称であって、「宇宙のオペラ」を意味するも...