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2015年1月の記事 6件

コマの距離〜付かず離れずの関係〜(これからの漫画の描き方の話をしよう)

コマの距離〜付かず離れずの関係〜(これからの漫画の描き方の話をしよう) 改めてあけおめです、大井昌和です!  流浪の漫画家として今年もいろんなところで漫画を描けるように精進してまいります! 新年明けて数日、元旦も一応事務所に顔を出し、2日からはみっちりお仕事してましたが、皆さんもそろそろお仕事や学校始まる頃だと思います。嫌な気分にもなるでしょう。つい昨日、ニコニコ動画の時報ちゃんで、そんなブルーなメッセージも入っていました。そんな時は漫画なりアニメなり、いろんなコンテンツを楽しんでください! 文明社会は娯楽があるというのが定義だと自分は考えております。それゆえ漫画などを描いてお仕事になるわけですが、ありがとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします! さて今回の記事は「これからの漫画の描き方の話をしよう」シリーズですが、自分が新人の頃、結構悩んだ問題、「コマの距離」です。 ・・・ところで。最近「ですます調」をやめたのは理由がありまして。やっぱり文章打ってる時の勢いとキータッチの量を減らすためには、ですます調じゃないなあ、という感じでやめました。ここの近況報告はですます調の方が打ちやすいんですけどね〜。 多分思考の違いが文体の違いになるのだと思いますが、ちゃんとしたことを書くときももう少し口語に近い文体にしたいので、いろいろ試していきたいとは思ってます。 ■ 自分が新人の頃、かなり頭を悩ました問題がある。 漫画を読んでる頃は全く気付かず、いや気付かれてははいけない。しかし漫画を描こうとすると大きな問題として現れるのが(自分の場合は)コマとコマの距離と枠線の太さだ。 こう言われてももしかしたら全くピンとこないかもしれない。それくらいさりげないが、初めて描くときには回答が全く見えない問題だった。 例えばアイシールド21を読んでいると途中から作家は数センチの間を開けるようになり、高橋留美子と福本伸行ではコマの間の距離は違う。 なぜ違うのか!? これが漫画を描き始めた頃全くわからなかったのだ。 なるほど、作家の絵柄の個性によって見やすい距離があるのだろう。 だが、その根拠は何なのか? 「見やすい」という論理的根拠を編集すら提示することはできなかった問題がこの「コマの距離」だ。 そうしていくうちに自分は師匠のところにアシスタントに行くことになり、その兄弟子のところに行くようになった。 すると弟子筋はこのコマの距離をなんとなく引き継いでいた。 なるほど、両者絵柄は違うもののスクリーントーンをよく使う。そこらあたりに推測をつけて納得をしようとしたが、しかし自分は自分の漫画でトーンを多く使う予定がなかった。 そうこうしていくうちに連載が決まったのだが、そのときですらまだ、コマの距離の正解を見つけていなかったのだ。 仕方なく連載の中でミリ単位で上下を繰り返し試し続けていく。 たてのコマの距離は6〜8.5ミリ、横のコマの距離は3〜4ミリくらいを0.5単位で試行錯誤をしていたと思う。 枠線の太さも5〜8ミリ(これはミリぺんの規格上1ミリづつしか動かせなかったが)。 そんな中、アイシールド21の連載の途中で、コマの距離がドカンと開くのを見る。 なるほど、自分以外の作家もこの距離の正解が分からないから試すのだ、とひどく安堵した。 おそらく自分のコマの距離が安定したのはデビューして7〜8年ほど時間がたったときだ。 そのときに自分が出した結論がこれ。  

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大井昌和とスタジオひまわり

大井昌和:現在原作含め連載7本の漫画家。代表作おくさん、ちいちゃんのおしながき。 スタジオひまわり:大井昌和創設の漫画製作事務所。

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