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記事 4件
  • 宮崎駿と富野由悠季、共産主義VS資本主義の勝者

    2014-06-23 19:36  
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    こんにちは、大井昌和です!
    『ターンAガンダム』を見直してわかったのは、これは富野監督にとっての『風立ちぬ』だったんだということ。
    富野監督は表立って宮崎駿をライバル視する発言をする稀な監督です。
    例えば押井守などは宮崎の人格を揶揄し矮小化してなんとか対応するなどであり、正面から宮崎駿に立ち向かう人物は少ないのです。
    そして『ターンAガンダム』は確かに傑作だったのですが、彼は宮崎駿に勝てたのでしょうか?
    富野由悠季は手塚治虫の虫プロ出身の作家です。ご存知の通り、手塚が影響を受けたのはアメリカのディズニー映画です。
    ディズニーは資本主義社会の中でコンテンツ産業のトップを極める存在であり、富野はスタートから資本主義によってクリエイトする環境にいました。
    虫プロを出た後も彼は自嘲気味に言う「おもちゃのCM」アニメを作り続けます。
    それは制作費を出す資本家の意向に添った作品を作るという、まさに資本主義の手先となって作品を作るのが富野でありました。
    他方、宮崎駿はどうだったのか?
    彼はロシアや東欧のアニメに深く影響を受けていますし、ロシア版『雪の女王』はジブリから日本国内に販売されたほどです。
    当然、ロシアは当時ソビエト連邦、共産主義の国家でありましたし、東欧も同じくです。
    そんな宮崎が東映動画に入ったとき、当時の東映動画は世界でも稀な労働組合の闘争の真っ最中でした。
    そしてその闘争の中心人物でもあった高畑勲に師事することになります。
    つまり、宮崎は富野とは鏡のように正反対で、スタートから共産主義的にアニメに関わるのです。
     

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  • 伊集院光さんの「アナと雪の女王」感想と作家を志望するということ

    2014-05-05 21:07  
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    こんにちは、大井昌和です。
    とりあえずは今期のアニメはジョジョの三部かな〜?とか思っていたら、岡田斗司夫さんが「ピンポン」のアニメがすごい!おっしゃってるのを聞いて、こっちに鞍替えしようか迷い中です。
    両方見ればすむ話ではないかとお思いでしょうが、僕もそう思います。がんばります!

    さて今回の記事は、ネットニュースでちらりと目に入った、伊集院光さんの「アナと雪の女王」の感想について、語っていこうかと思います!。

     

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  • 高橋留美子概論〜神様の次に重要な作家〜

    2014-05-02 12:00  

    こんにちは、大井昌和です

    最近Kindle版で発行された「一年生になっちゃたら」(全9巻)がなぜか調子がいい感じっぽいので、デビューから「一年生に〜」までモチーフにしてきた高橋留美子先生について語りたいと思います!


    自分はデビュー前から高橋留美子先生の漫画史においていかに重要か、というのが
    あまり批評界隈や世代的にも理解が足りないと思っておりました。
    僕らの世代はジャンプ世代、それ以前の世代は押井守の「うる星」、そして2000年代のギャルゲーインスパイアもののハーレムラブコメ、という感じで、「高橋留美子」という存在の偉大さへの軽視、または当然そこにあるものとして、忘れがちなものとして感謝の念を忘れているというものです。(水や空気がそこにあるのを当然として無駄にしてしまうかのように)
    それに疑問を持った自分は、とにかく高橋留美子リスペクトで行こう、と漫画を書き始めました。ジャンプ作家

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  • 映画の手法は漫画には使えない10の理由と後、昨日の放送でいただいた質問、「キャラのライン(デフォルメ)について」

    2014-04-03 19:54  
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     こんにちは、大井昌和です。
     あっという間に4月であります。一年の4分の1が既に終了したという悲しい現実。そんななか大井は新連載をはじめたり、ブロマガを頑張ろうとしておりますので、新年度もよろしくお願いいたします!

     この記事も毎回漫画に関連した技術論や批評などを語ってきたのですが、一応記事の内容が時勢に合うように考えて書いております。
     が、今日の記事は特に時勢とは関連がないように見えます。ですが、実は漫画について語るにおいて大前提の部分の一つになります。
     それは、漫画は映画とは違う、という字面では自明に見えることが世間ではそう思われていないという残念な事実があります。
     今日はそれについて、わかりやすく箇条書きであげておきます。
     あと、昨日の放送でいただいた質問「キャラのライン(デフォルメ)について」書いておきます

    映画の手法は漫画には使えない10の理由

    1・映画は秒間24フレーム(最近は30も)の絵を鑑賞するものだが、漫画は一コマを数秒間鑑賞する絵である。つまり、漫画の一コマを眺める間に、映画は100近い絵を眺めるのであって、絵に対する概念が全く違うので、絵に持たせる意味性が全く違う。

    2・連載漫画のストーリーは終わらない。映画のストーリーは2時間で終わる。ゆえに、ストーリーの使い方が全く違う。
     

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