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荻上チキ責任編集
“α-Synodos”
vol.166(2015/02/15)
特集:ジェノサイド
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★今号のトピック
○はじめに
1.長有紀枝氏インタビュー
「人間の安全保障」はどこを向いているのか
2.稲角光恵
国際法はジェノサイドを処罰できるか?――ジェノサイド条約と国際刑事裁判所の光と影
3.藍原寛子
ルワンダ大虐殺から20年
4.伊藤正子
韓国軍によるベトナム人戦時虐殺問題――戦争の記憶と和解
5.石田勇治×荻上チキ
「世界史上最大の悪」ホロコーストはなぜ起きたのか
6.山本ぽてと
草にすわる(2)――会社を辞めました(中編)
○編集後記
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○はじめに
花粉が飛び始めました。つらいです。鼻や目や耳に花粉を感じ、自分の感受性の強さに恐れ入っております。自分の感受性くらい自分で決めたい! みなさんどうお過ごしでしょうか。
今号は「ジェノサイド」を特集します。人間の安全保障、ジェノサイド条約、ルワンダ大虐殺、韓国軍によるベトナム人戦時虐殺、ホロコーストなど、様々な角度からジェノサイドを追いました。
まず、長有紀枝さんへのインタビュー「『人間の安全保障』はどこを向いているのか」です。長さんは「人間の安全保障」をはじめて聞いた時、「新鮮味の無い概念」「包括的すぎる」と感じていたようです。しかし、深く研究していくうちに、その包括的な視点の重要性に気が付きます。最前線で人道支援に関わっていた長さんから見た「人間の安全保障」につてお話を伺ってきました。
2本目は稲角光恵さんによる「国際法はジェノサイドを処罰できるか?――ジェノサイド条約と国際刑事裁判所の光と影」です。ジェノサイド条約・国際刑事裁判所の誕生など、許されざる犯罪としてジェノサイドを処罰するシステムが構築されました。しかし、ジェノサイドの立証が難しいなど、様々な問題も抱えています。その光と影について、ご寄稿いただきました。
次に、「ルワンダ大虐殺から20年」を藍原寛子さんにご執筆いただきました。厳重体制の中で行われた追悼式典、PTSDで倒れる女性たち、刀や銃弾の痕が残る無数の頭蓋骨、平和の架け橋になろうとする福島の女性……ルワンダ大虐殺から20年、現地での取材を基にルワンダの「いま」に迫ります。
つづいて、伊藤正子さんによる「韓国軍によるベトナム人戦時虐殺問題――戦争の記憶と和解」です。負の記録を残そうと奮闘する韓国NGOと、「過去にフタをして未来へ向かおう」とするベトナム政府。韓国とベトナム双方でどのように虐殺が語られていったのか、「嫌韓」ブームの中で語られがちなこのトピックを、丁寧に追います。
特集最後の記事は石田勇治×荻上チキの「『世界史上最大の悪』ホロコーストはなぜ起きたのか」です。今年1月、アウシュビッツの解放から70周年を受け、安部首相はイスラエルのホロコースト記念館を訪問し、「ホロコーストを二度と繰り返してはならない」と改めて述べました。なぜ大量虐殺は起ってしまったのか。その背景に迫ります。
最後に新連載2回目「草にすわる――第二回会社をやめました(中編)」です。今回は、ホットケーキを食べながら文学少女・智子さんが会社をやめるお話を聞いてきました。(みなさん勘違いされていますが、山本ぽてとと、編集部の山本は別人の設定です。よろしくお願いします。)
今回もてんこ盛りの内容ですので、どうぞお楽しみください!(山本)
【お詫びと訂正】
前回の「編集後記」内において、「ペルーでオラウータンの人権が認められた」と書いてしまいましたが、正確にはアルゼンチンでした。ペルーとアルゼンチンのオラウータンの皆さまに、多大なご迷惑をお掛けいたしましたことをお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。
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