第149号 2015.9.22発行
「小林よしのりライジング」
【今週のお知らせ】
第145回「成立した従米安保法案のペテンを教える」
政府は集団的自衛権行使が「限定的容認」だと言い続けてきたが、「限定的」とするための「歯止め」として設定した「存立危機事態」という条件には全く実体がなく、事実上は歯止めなしの無限定容認となっているのだ。
「存立危機事態」については、もう一つおかしな話がある。
この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。
突然ですが、「里海資本論―日本社会は共生の原理で動く」(片山恭介・NHK里海取材班/角川新書)の書評をブッ込みます。
これは、以前ここで紹介させていただいた「里山資本主義」の続編と言うべきものです。里山の概念とは、人間の暮らしの営みが多年にわたり続くことで、逆に自然の循環・再生が保たれ、生物多様性も増すような樹林地・農用地を指します。本書の里海の概念も、例えば瀬戸内海の内湾では養殖用のカキ筏を復興し、また海底にアマモという海藻の種を蒔いて藻場を漁師たちが復活させると、高度成長期に赤潮が頻発していた海域でも、魚介の棲息が豊かになり海が生き返ったことが紹介されています。
カキは水質浄化能力が高く、カキ筏そのものも水棲生物の産卵場所になり、またアマモにも稚魚を天敵から守る効果があります。このアマモという海藻は、石風呂(サウナ)の床に敷かれると健康効果が発揮されるそうです。さらに使用済みのアマモは、畑に鋤き込めば海の栄養を大地に還す肥料となり、有機野菜の生産にも寄与します。ここに里海と里山が結びつくわけです。これは、庶民の竈の灰さえ業者がかき集めて農家に売り、肥料とすることで成り立っていた江戸期の物質循環社会・循環経済を彷彿させるものです。
さて、瀬戸内海沿岸は元々綿花の産地であり、今治のタオルや倉敷のデニムなどに名残が見られるように綿製品の一大生産地でした。瀬戸内海のある島で、お年寄りの昔の記憶に残る綿花の白い風景を復活させようと奮闘している人は、島の産物を使った料理を次々考えて出すカフェも経営しています。また、以前都会に出ていたけどターンしてきた高齢者を、やはりターンしてきた若者が同郷人として心からの介護する施設があり、そこに食事を提供するのもそのカフェです。そして復活した綿は、かつて瀬戸内海を航行していた海賊も使ったという帆布の工場で綿布にされ、島の産物を使って草木染され、独自ブランドになろうとしています。つまり様々な産業が復活するわけです。
このように著者は、里山と里海、そして都会を結び付け、そこを人が自由に行き来し、市場から独立した地域の独自経済圏を築くことが、暴走するマネー資本主義を克服する希望だとしています。このあたりは、食料とエネルギーを各地域の特色に合わせて自前で賄えば、やがて産業も復活して人口も増え、共同体の新生にも繋がるとするよしりん先生の考察に通じるものがあると考えています。
しかし、これを国レベルで考えると、自前で食料・エネルギー・教育・医療・軍事力…など必需の物品やサービスを出来る限り自国で担保し、貿易を徐々に抑えていくことが必要となります。そのためにはTPPや各種自由貿易協定を拒否せねばならないため、自主外交・自主防衛、つまり自主独立が不可欠となるのであり、つまり環境や経済だけの問題ではなく、政治や軍事の話も関わってくるはずなのです。このあたりが「資本論」をタイトルに冠する著者のサヨク的思考の限界だという気もします(いいがかり・笑)。
いずれにしても、生物としての人間の故郷に近い近代以前(江戸期)の里山・里海へ還ることは、都会に疲れた現代人が心から求めていることだという事実は間違いないでしょう。
そこに至るまでに難問がある! na85
配信ありがとうございます^^;
大変遅くなりました・・・
結局、「アメリカ様のためなら、法の精神などふみじってもいい」と言うのが自称保守派の人たちの考えなんですね^^;
いや~見事な奴隷っぷりですw
しゃべクリは、na85さんおめでとうございます^^
見事なブラックぶりですw
私は、見事な「M」っぷり・・・^^;
そして、モクレンヒメ・・・いやいや、オトタチバナヒメの呪いの言葉が、とてつもなく恐ろしく感じるのは、小林先生かしらw
それから、ライジング関連ではないのですが、トッキーさんのブログで紹介されていた江川紹子の文章の醜いこと醜いことw
いい歳こいて、なにが「にゃり」だ!!って思っていたら、プロフ写真が猫だったのかワン!!w
>諫議大夫さん
1を取って申し訳ないワンw(しつこいかしら?)
>>103 na85さん 「里海資本論」すでに購読済みです。あとがきは「里山資本主義」の藻谷氏が書いていますね。実は地元では不耕起農業をやる傍ら東京湾で操業する漁師を中心に江戸前の海産物を含む魚食の普及を目指して集まる有志たちと組んで子供を中心に漁港や地元の海岸、そして限界集落を中心とする過疎地での生き物調査を来年行おうと計画しています。そして、子供たちに海の生物、里山を中心とする水田や小川、田畑の生き物を調査させ、人は海山川の生き物とともに生態系の中に組み込まれているという日本独自の自然環境を学ばせる場を作る計画を進めています。
私が現在住んでいる地域はもともと綿織物の産業が盛んだった地域で綿花栽培に気候も適している地域でもあります。よって現在でも機織り保存会が運営されています。このほかにも養蚕業が盛んだったことから来年は女子を中心に藁細工や原料の栽培から始める織物の事業を始める予定でして、都心部から参加者を募る予定です。
いわば、里山、里海を一つの新たなる巨大娯楽施設(テーマパーク)にするという事業を進めているのです。瀬戸内海にいまだに眠っている産業と資源があるように、東京を中心とする首都圏にも多くの産業と資源がいまだに眠っていて、近代化した都心部の人々が江戸期以前の知恵と資産をその場で容易に触れる機会をこれから求められていくでしょう。
ついでに、MVP取得おめでとうございます。私はいまだに二回。こんどこそがんばるぞ。
最後になってしまいましたがライジングの感想を
安保法案成立はもはや避けられないと思っていましたが、周囲の人々の安保法案に関する話も国会前のデモのおかげでだれも話題にしなくなってしまいました。それまでは安保法案に批判的な人々も何人かいたのですが、デモを大人たちが大々的に取り上げる様になってきてから「安保法案に反対するとデモをやっている異様な人々と一緒にされる」という雰囲気が出来上がってしまい、ついに「安保法案反対」を口にする人はいなくなりました。
あのデモをやっている人々を見ていると、かつての右翼の街宣車が軍歌や国歌、唱歌の印象を悪くしてしまったように、安保法案反対の印象を悪くするために活動していたとしか思えず、あのようなデモを見るたびにデモやストライキは無条件で拒絶反応を起こすまでになってしまいました。デモそのものを否定するつもりもなければ規制をするという考えまでは行きませんが、私は國内におけるデモは絶対に参加したくありませんし、知人、友人、家族など親しい人でデモに参加するという人がいれば私は絶対に止めると思います。
中には薬害エイズや水俣病など、明確に被害者がいて理に合わない決着を付けさせようと目論む輩がいる限りはデモへの参加も認めざるを得ないと思いますがそれでも如何にして運動に嵌らないようにするか真剣に考え続けると思います。
今月発売の「SAPIO」を買いました。待ちに待った土佐の天才、植木枝盛の登場ですね。安保法案が成立し、法の安定と立憲主義が強く問われる今にとって絶好の時だと思いました。歴史を題材にした物語は、普通、ここまで一つの時代が長く続くと早々と飽きてしまうものなので、歴史物語で一番難しいのが時の流れなのだとつくづく思いますが、「大東亜論」はまったく飽きがこないし、次が無条件で楽しみになります。大東亜という欧米列強の帝国主義に対抗すべく、東洋の王道を築き上げようとした人々が世界で活躍していくまでにどのような物語があったのか、世界にどのような物語を残して行ったのか、先がますます楽しみです。
TPP大筋合意ですか…
自民党は選挙公約で「TPP反対」とか言ってたのに安易にアメリカに屈して交渉に乗ってしまったからなあ…
それが分かっていながら自民党に投票したいわゆる保守系無所属の田舎の農家の連中は、自分で自分の首を絞めることになってしまったのでしょうね。
我が実家がある田舎町では稲が実ってます。この美しい景色がアメリカのせいで歪められたりするのは嫌だな…
あっ、もうSAPIO11月号出てるのか(^_^;)
10月号の大東亜論オープニング2ページの最後、ごーまんかましてる白髪を増やした顔なんですが、ただでさえ歯がギザギザで眉が吊り上ってコワイ顔なのに、全体に白髪が入ると、まさに鬼みたいです(笑)。もうちょっと、白髪の加減を調節してください。もしくは、もう真っ白にしちゃってはどうでしょうか。先を考えて(^_^;)
>>107
私はコワイ顔、好きですよ。
だって中身は仏心であふれてることを知ってるから(笑)
それに、コワイ顔でなければ、ナメた輩がいつまでもナメてくるでしょ(笑)
諫議さん、magomeさん、ボンさん。MVP祝福、ありがとうございました。
ところで「里海資本論」面白いですよ na85
指原がジャニーズと熱愛?ぱるるも?
指原が「恋愛禁止をやめたい」とか言ってるのはそういう意味だったのか、と勘ぐってしまいます。
HKTのトップがこれで他のメンバーに示しがつくのかな?
そもそもジャニーズとスキャンダルになったらその事務所の女性タレントはジャニーズのタレントと共演できないという事実を彼女たちは知っているのでしょうか?
ゆきりんがあんなに叩かれたのに…AKBって今どうなっちゃってるんだろうね…
ライジングのお休みにも関わらず、近頃のブログ記事の圧倒的な濃密さに、いつも以上の知的興奮で、脳みそフル回転、心は狂喜乱舞な1週間でした(笑)
民主党や自民党内の隠れ反従米派が、本気で国を危ぶみ憂いているのなら、腐臭を放つ左右構図のポジション・トークやエンタメ・デモに便乗して人気を得ようとするのではなく、正面から、従米隷米か自主独立か、という論点に持ち込まなければ、難しいでしょうね。民主党やリベラル派がどうにも支持されないのは、その言動が世間から無責任で幼稚な内容に見える部分が大きいと思うので、まずは難題に正面から対峙できる大人への脱皮成長が欠かせないはずです。
もちろん、これは民主党に限った話ではなく、国民全体としてそういった論点での議論を進めなければ、我が国固有の民主制(議論,話し合い)が機能せず、国体の崩壊がますます進んでしまいかねないと思います。左右とも従米民主主義路線のまま従米法案が通ってしまった状況で、従米隷米か自主独立かという論点に持ち込むには、国民的な憲法論議の喚起が非常に重要になってきましたね。
皇后陛下が早い段階から五日市憲法など国民議論の重要性に言及されていた通りでした。(T_T) ゴー宣道場、前回に引き続き楽しみにしています!!
江川紹子の偽善者っぷりには、香山リカや岡田斗司夫らと同じ胸クソ悪さを感じます。ヤツらの偽善臭は、加齢臭よりも肥溜臭よりもハタ迷惑ですね。もう、逃避癖の抜けない偽善者たちをメディアで一々重用せずに、ヤツらが生きていけるかどうかは別にして、真っ当な生業に励ませてやってはどうかと(笑)
SAPIO11月号「大東亜論」読みました。
頭山の食欲、性欲全開ぶりが楽しかったです。特に頭山とお秀の「自由見んけん運動」強烈でした。
それはさておき、ついに植木枝盛が登場しましたね。教科書や歴史の本で名前を見た事あるだけでしたが、今回描かれていたエピソードを読んだだけで、彼の大物ぶりが伝わってきました。「言論の自由の制約は人を猿にする」という彼の言葉は、とても心に突き刺さりました。
「大東亜論」を読んで、植木枝盛の思想や業績をもっと知りたくなりました。あと頭山&植木の「民権数え唄」の奇跡のコラボ、最高でした。ゆずやコブクロも、この二人には敵わないでしょうね。