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  • 『ペルソナ』ファン要注目! 『幻影異聞録#FE』が面白い。

    2016-01-06 00:35  
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     WiiUのRPG『幻影異聞録#FE』を購入しました。
     アトラスの看板ソフトである『女神転生』シリーズといわずと知れた任天堂のヒット作『ファイアーエムブレム』を悪魔合体させたというソフト。
     さて、どんなもの出来上がるかと期待と不安は高まるばかりであったわけですが――うん、仕上がったものを見てみると、これ、『ペルソナ』ですね。
     いや、ぼくはほとんど『ペルソナ』シリーズだという評判を聞いたから買ったのだけれど、それにしてもほんとうに『ペルソナ』っぽい。
     3、4と徐々にライトになってきている『ペルソナ』シリーズをさらに明るくしたような感じ。
     今回は芸能界が舞台ということもあって、作中の雰囲気はそれはもう明るいです。
     その分、『ペルソナ』シリーズには紛れもなくあった明暗の妙みたいなものが薄れていて、正直、シナリオの出来はもうひとつかという気がします。
     「自分の心のなかの暗黒面=ペルソナと対峙することによって力を得る」という設定がなくなっている分、登場人物への感情移入も少しダウンしている気がするし。
     そういう意味ではもうひとつ、という気にもなりますね。
     なぜだか全然売れていないみたいですけれど、『ペルソナ』外伝と銘打てばもう少し売れたんじゃないかな、などと余計なことを思わせられるソフトです。
     RPGとしての出来はかなり良いだけに、もったいない印象が強いですね。
     そう、このゲーム、戦闘を初めとするテレビゲームとしてのディティールがものすごくよくできています。
     その一点だけに限るなら、名作として知られる『ペルソナ4 The Golden』をも凌ぐでしょう。
     とにかく戦闘シーンの爽快感がすごくて、延々とプレイしていてもほとんど疲れない。1日10時間くらいはプレイ可能かも。
     これで『ペルソナ』における「コミュ」システムのような深みのあるシステムが搭載されていたら文句なしに名作認定できるところなのですが、残念ながらそこはもうひとつ浅い感じです。
     しかし、くり返しますが、戦闘はほんとうによくできているのです。
     今回、プレイヤーがあるキャラクターで敵の弱点を突くと、べつの味方キャラクターが追撃を加えてくれる「セッション」というシステムが設けられているのですが、これが非常に気持ちいい。
     まともに立ち向かっていると手ごわい敵であっても、効果的に弱点を突きつづけることによってセッションが連続してあっさり倒すことができるというカタルシスがたまりません。
     こと戦闘に関しては『ペルソナ』から着実に進歩を遂げているといっていいでしょう。
     まあ、 
  • 『ファイアーエムブレム』への同性婚システムの導入にまずは大きな拍手を送ろう。

    2015-06-25 02:20  
    51pt


     任天堂は6月24日、ニンテンドー3DS向けソフト「ファイアーエムブレムif」(25日発売)で、主人公キャラクターの同性婚が可能になっていることを明らかにした。同社が昨年発売した「トモダチコレクション」欧米版では同性婚ができないことで批判を受け、「次作では努力する」としていた。同社は今回の対応について「ゲーム体験は、当社が事業活動を行う地域社会における多様性を反映させたものであるべき」とコメントしている。http://news.nicovideo.jp/watch/nw1659408

     というわけで、『ファイアーエムブレム』の最新作で同性婚が可能になったようだ。
     『ファイアーエムブレム』の結婚システムはスーパーファミコンの『聖戦の系譜』以来のものであるわけですが、ついにそこに同性同士の関係が導入されたわけで、長年のファンとしてはなかなかに感慨深い。
     より保守的であることも可能であろう局面で、革新を選んだ任天堂の判断にひとまずは拍手を送りたい。
     じっさいにゲーム内でどのような描写になるのかはやってみないとわからないところだが、プレイしてみたいという意欲は増した。
     ただ、「ゲーム体験は、当社が事業活動を行う地域社会における多様性を反映させたものであるべき」といわれると、一抹の違和感を覚えないこともない。
     いや、文言としてはもちろん正しいのだが、多様性を反映させる方法が「主人公を異性、同性ともに結婚させることができるシステムを導入する」ことであるのかどうか、ぼくとしては微妙に迷うところだ。
     というか、『ファイアーエムブレム』一作がその手法を導入することは問題ないのだが、それがスタンダードとして今後のゲームにおいても活かされるべきかというと、そうとは思えない。
     あくまで『ファイアーエムブレム』一作の手法としては高く評価するというのがぼくの判断になる。
     とはいえ、任天堂のテレビゲームに同性愛の描写が導入されることはやはり画期的であり、その判断は偉大な英断であるといえる。
     ぼくとしては、それがなんらかの政治的な強制力を持たない限り、コンピューターゲームに同性愛の描写を増やしていくことには無条件で賛成だ。
     なんといっても、現在の状態が社会の実情を反映していないことは明白だからである。
     敵、味方の双方に一定の割合でLGBTがいることを前提としてシナリオが組まれてもいい。
     というか、そうなることが自然ではないだろうか。
     ただ、そういった配慮をシステムに落としこむときに、同性結婚を許容するという形が唯一の正しいあり方かというと、ぼくはそうは考えないということだ。
     ほかにもいろいろな方法論が考えられるだろうし、「恋愛/結婚描写が存在するゲームの主人公はバイセクシュアルであるべき」といえるかというとそうではないだろう。
     『ファイアーエムブレム』の方法論はひとつのやり方として尊重されてしかるべきだが、ほかのゲームはほかのやり方を考えてもいいと思う。
     LGBTを含む多様性の描写が「唯一の正しいあり方」に収斂していくのではなく、「無数の多様なあり方」に拡散していくことこそが、最も重要だと考える。
     ただ、いままでの国産ゲームでは「異性愛を前提とした異性婚に限定したシステム」以外がほとんどない状況だったのだから、それに比べれば一歩進んだとはいえるだろう。
     まあ、じっさいにプレイしてみないとその革新性についてはなんともいえないということも事実だが。
     いまの時点でああでもないこうでもないということは早計であるかもしれない。
     しかし、