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記事 5件
  • 町山智浩の言霊USA 第415回 「SWATting(スワッティング=警察の特殊部隊を送り込むイタズラ)」

    2018-01-18 05:00  
     カンザスのウィチタは、西部開拓時代にカウボーイが牛を運んだ町として知られる。大草原のど真ん中にある平和な地方都市だ。
     12月28日、ウィチタの警察に911電話があった。彼は父親を射殺し、家族を人質に自宅に立て籠もっているという。SWAT(特別武装戦術部隊)が現場に急行した。銃撃戦に備えて、最新型の高性能ライフルとボディアーマー(防弾服)で重武装した特殊部隊だ。
     問題の一軒家を取り囲み、狙撃班が配置についた。「武器を捨てて出て来い」と勧告すると、ドアが開いて男が現れた。その模様は警察のビデオに記録されている。銃声一発。男は死んだ。撃った警官は「男が腰に手をのばしたから」と釈明した。死んだ男、アンドリュー・フィンチ氏(28歳)は銃を所有しておらず、射殺されたはずの父親も元気だった。
     イタズラ電話だった。 
  • 町山智浩の言霊USA 第414回 「Bad in bed(床下手)」

    2018-01-10 05:00  
     1942年のアメリカ映画『キャット・ピープル』のヒロインは、異性と肉体関係を持つと豹に変身してしまう猫族の末裔。結婚しても、自分が豹に変身するのを恐れて、処女のまま。すると夫は別の女性に心を移してしまう。嫉妬にかられた彼女は豹となって浮気相手を襲い……。この映画のキモは変身したヒロインを決して見せないこと。観客は猫族の話が事実なのか、セックス恐怖の妄想なのか最後までわからない。ナスターシャ・キンスキー主演で撮られたリメイクは特殊メイクで変身シーンを見せてしまって、その両義性を台無しにしてしまった。 
  • 町山智浩の言霊USA 第413回 「You’re sixteen.(君は16歳)」

    2017-12-27 05:00  
     オードリー・ヘップバーンの映画の相手役の多くは父娘ほど年が離れていた。オードリーが25歳で出た『麗しのサブリナ』(54年)の相手役ハンフリー・ボガートは当時55歳で30歳上。28歳で出た『昼下りの情事』(57年)の相手役ゲイリー・クーパーは56歳。同じく28歳で出た『パリの恋人』(57年)の相手役フレッド・アステアは58歳で、34歳で出た『シャレ―ド』(63年)のケイリー・グラントは59歳だった。今、観るとけっこうキモい。
     そんなことを思い出したのは、アラバマ州上院議員選挙で共和党のロイ・ムーア候補のロリコン・スキャンダルがあったからだ。 
  • 町山智浩の言霊USA 第412回 「Complicit(なあなあ)」

    2017-12-21 05:00  
     こないだ日本に帰った時、テレ朝の「報道ステーション」に出たんだけど、ちょうどイヴァンカ・トランプが来日して盛り上がっていた。富川キャスターから「イヴァンカさんのアメリカでの評判はどうですか?」と尋ねられて、「日本みたいに人気はないですね。ファッション・ブランドもデパートでボイコットされたり」と話したら、なぜかネットで「町山って奴は親日家のイヴァンカさんになんて失礼なことを!」って怒ってる人がいっぱいいた。
     あのさ、オイラはアメリカでの評判を言っただけだし、あの年まで一度も日本に来たことない「親日家」なんているか? 
  • 町山智浩の言霊USA 第411回 「Snowflake(雪の結晶。ゆるふわ世代)」

    2017-12-14 05:00  
     感謝祭が終わると、アメリカの街はクリスマス・シーズンに向かい、雪の結晶を拡大したステッカーが店のショーウィンドーを飾る。
     雪の結晶をスノーフレークという。「スノーフレークには同じ形のものが二つない。人だって同じ。人に優劣なんかない。みんな唯一無二の特別な存在なんだ」みたいなことがよく言われる。特に親や先生が子どもたちに言うことが多い。日本なら「みんなちがって、みんないい」とか「世界に一つだけの花」みたいに。
     ところが最近は違う意味になってきた。