---ワインのスペシャリスト、ウィラハン麻未さんがワイン&フード情報をお届けします!---
上り鰹のシーズン真っ只中ですね。脂がのった秋の戻り鰹も良いですが、春のあっさりとした鰹も素晴らしいです。今年は、とても美味しい宮崎産の鰹にあたり、もともと特に好きでもなかった鰹でしたが大好きになりました。
鰹のお刺身
上り鰹は、脂肪がとても少なくヘルシーなお魚です。ダイエットにも最適! 味もあっさりなので、ミディアムボディ以上の白か、赤ワインのなかでも軽めでタンニンが強くないものを選ぶと良いです。今回は、フランスのピノ・ノワールを選びましたが、フルボディのものもあるので、選ぶ際は注意が必要です。
鰹のお刺身に合うワイン
「アッシュ ドゥ ロスピタレ ピノ・ノワール 」
今回セレクトしたのは、南仏のジェラール・ベルトランの「アッシュ・ドゥ・ロスピタレ」のピノ。愛らしいライトな果実味が、あっさりとした鰹の風味を殺さずに楽しめます。また、お醤油は赤ワインにフレンドリーな調味料なので、心配なしです。加えて、すりおろしたしょうがを少し添えれば魚の生臭さが消えるので、ぜひお忘れなく。
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鰹のタタキ
タタキは外側を炙っているため、スモーキーなニュアンスがあります。基本的にお刺身に合わせるのと同じ考え方でOKですが、ワインはほのかにスモーキーな個性があるものが良いです。
鰹のタタキに合うワイン
レ ダム ユグット
そこで、ブルゴーニュの「ドメーヌ・ベルターニャ」の「オート・コート・ドゥ・ニュイ レ ダム ユグット」をおすすめします。すりおろしたニンニクをつける場合は、ほんの少々にしてくださいね。ガーリックは風味が強いので、つけすぎるとワインの風味が負けてしまいます。
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お刺身を食べたいけれど、ワインは「ドメーヌ・ベルターニャ」が飲みたい。または、お刺身を買ったのにあなたが選んだピノにスモーキーなニュアンスがある......。
そんな時でも大丈夫、安心してください。「煙事」("くまさん"こと料理人、輿水 治比古さんのレストラン)の燻製醤油を、鰹につけるお醤油に少したらして食べてみて下さい。ほのかなスモーキーさが鰹に感じられ、ワインにあるスモーキーな含みとばっちり合います。これで問題解決です!
ワインとフードのマリアージュが完璧にいかなくても、大幅にずれていない場合は必ず解決策があります。解決策を考えるのは、ワインとお料理を合わせていく時の楽しみでもあり、なんだか小学生に戻って足し算と引き算の勉強をしているような気持ちになるのです。それでは、今夜は鰹とピノに乾杯!
photo by Thinkstock/Getty Images
(文/ウィラハン麻未)