読み人知らず。論考「ウクライナ戦争にどう向き合うか」
今、ウクライナ戦争にどう向き合うかが問われている。その向き合い方によって、日本の進路は真逆なものになるのではないか。
■二つの「東のウクライナ」
 今日、ウクライナの惨劇には言葉を失う。国そのものが廃墟になり、その出口が見えない。
 このウクライナの悲惨を見ながら、そこに近未来の日本の姿を見、警鐘が鳴らされている。
 岸田首相は、今日のウクライナに明日の東アジアを見て、防衛力の強化を訴えた。
 そこで想定されているのは、中国による「台湾有事」だ。それに対抗して、「反撃能力」が言われ、「専守防衛」が古語にされながら、防衛費の倍増が当然のこととしてまかり通っている。
 一方、「東のウクライナ」には、全く異なるもう一つの意味がある。それは、ウクライナのように、米国の代人に押し立てられて戦争するなという意味だ。
 同じ「東のウクライナ」でも、全く違った意味。それは明らかに、ウクライナ戦争に対する見方の違いに由来している。