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■佐倉みさき/12月25日/23時30分
2014-12-25 23:301
そこには、肩で息をする久瀬くんがいた。
――どうして?
キーホルダーが、復活したから?
そんなわけない、と思った。
あのキーホルダーにかかった魔法は、全部ウソで。
別にセンセイのプレゼントとか、不思議な力とか、そういうのじゃなくって。
ただ、久瀬くんが勝手に言っていただけで。
「どうしているの?」
と私は尋ねる。
「昔、約束しただろ?」
と久瀬くんは答える。
「そんな約束、もう覚えてないよ」
「ほんとに?」
彼は、ベンチの上のキーホルダーを拾い上げる。
「ほら。でも、すげぇ魔法のアイテムがここにある」
私は首を振る。
「ただのキーホルダーだよ」
「そんなわけないだろ」
彼は平然と笑う。
「このキーホルダーでお前が足を止めたから、オレは追いつけた」
間違いなく魔法だ、と彼は言った。
?杠葉奏音§うすしおっ? @solt324c
叫んだ時間:3分
ア -
■久瀬太一/12月25日/23時27分
2014-12-25 23:27
なぜ、こんなに。頭が痛いんだろう?
わからないまま、オレは走る。
彼女と寝転がった芝生を駆け抜けて、まっすぐに走る。
バス停がみえた。そこに彼女がいるのがわかった。
オレは公園と道路を隔てる、1メールほどの段差を跳び降りる。
すぐそこにみさきがいた。
彼女はバス停に置かれたキーホルダーを、じっとみていた。
でも、それに背を向けて。
どこかに歩み去ってしまう。
「みさき!」
と、オレは叫んだ。
みきてぃ @mikeru32
遂にこの時が…
えのっきー @enoki82
( ;∀;)
ねこくん@3Dbell長崎コラ班猫神雅 @kun_inu
クリスマスはまだあと30分あるぜ!
春桜 @haruzakura0312
さあ、感動のフィナーレだ!!
エゴエゴ@ソル唐崎班 @engolisht
えんだあああ
※Twitter上の、文章中に「3D小説」を含む -
■佐倉みさき/12月25日/23時25分
2014-12-25 23:25
キーホルダー。なんで?
足を踏み出せない。
それを手にとりたくて仕方がなかった。
握り締めて、大声で、彼の名前を呼びたかった。
でも。
そうするわけにもいかなくて。
長いあいだ、私はここから足を踏み出せなくて。
目を閉じて、大きく深呼吸をした。
「クリスマスはもう終わりだよ」
と声に出してみる。
それから。
ようやく、次の一歩を踏み出した。
そのとき。
「みさき!」
と、叫び声が聞こえた。
タケヲ @tkyk_enisi
怒涛の更新!
あるみさん @ichiko_015
ヒーローきた!!!!!
神を信じる者@3D小説足引っ張り組 @kamishinzya3d
ヾ(>y<;)ノうわぁぁ終わりだbellが終わちゃう…
※Twitter上の、文章中に「3D小説」を含むツイートを転載させていただいております。
お気に召さない場合は「転載元のアカウント」か -
■久瀬太一/12月25日/23時23分
2014-12-25 23:23
暗闇の中で、一瞬、なにかが光った気がした。
眩しい。直後。
「おい、久瀬! おきろ!」
と、声が聞こえた。
――八千代?
「ここだろ?」
と彼は笑う。
速い速度で車が走っている。
目の前に、あの公園がある。
「ここだ」
間違いない。
と、オレは答えて、ドアを開く。
振り返らずに言った。
「ありがとう」
そして、オレは駆け出す。
「丘の上からみえるバス停だ」
いけ、と八千代が叫んだ。
交響楽 @koukyoraku
主人公きたああああああああああ
みどぽん@(_・ω・)_ダァン!!班 @Mitosiba_ho
ぁぁぁやっちーかっこいいよぁぁぁ
ゲコ@SOL @tuno17169264
はよこいヒーロー!
NO.@3D小説 @constract_96
久瀬くん、最後だ。行って来い。
※Twitter上の、文章中に「3D小説」を含むツイートを転 -
■佐倉みさき/12月25日/23時20分
2014-12-25 23:20
とても寒い。
私はコートのポケットに両手をつっこんで歩く。
あの公園の芝生の上で、ほんの1分くらい立ち止まって、空をみあげる。
空は曇っていて、星はよくみえない。
やっぱり、あのときとは違うのだ。
私は今、ピンチだろうか?
――なかなか難しい命題だな。
と私は思う。
悲しいは悲しいし、苦しいは苦しい。
でも、ほっとした、という風な思いもある。
――昨日、センセイが完全に消えて、プレゼントが生まれた。
物語に関わるすべての人たちが納得する結末?
確かそんな効果だったように思う。
そのプレゼントはおそらく昨夜使われたのだけど、効果はなかなか複雑そうだ。
少なくとも。
――そのプレゼントが使われた直後、おそらく、私は久瀬くんの魔法を忘れた。
あのキーホルダーにこもった、ひとつの約束。
私には絶対に悲しいことが起こらない、という、スペシャルな魔法。
そ -
■八千代雄吾/12月25日/23時10分
2014-12-25 23:10
――女の子を助けるためだ。
とこいつは言った。
なんてクリティカルなセリフだよ、と思わず笑う。断れるわけがなかった。
オレは千葉を南下する。
とはいえ、千葉のどこだよ。
「おい、久瀬。起きろ」
呼びかけてみるが、答えない。とにかく今は車を走らせるしかない。
と、そのとき。
スマートフォンが震える、低い音が聞こえた。
――なんだ?
オレのじゃない。
気がつかなかったが、助手席で眠っている久瀬は、ずっとスマートフォンを握り締めていたようだ。
なにか手がかりはないか、と、そのスマートフォンを手に取る。
そこには。
求めていた情報が、ストレートに乗っていた。
『メリークリスマス! 面倒見がいい男は恰好いいよ!
目的地は千葉のみなと公園というところみたいです。
そこから、丘の上からみえるバス停? にいってください。
それじゃあがんばって。応援してるよー! 臨 -
■星をみた公園3
2014-12-25 22:59
私は交差点の角からじっと、バス停をみていた。
時間がない、と何度目かの時計を確認した。
そのとき。
――きた。
静かな夜に、大きな足音が聞こえた。
それは夜空を照らす強い光のようでもあった。
現実と物語を繋ぐものだった。
目にみえる、わかりやすい奇跡だった。
――これで、クリスマスの今夜のミッションは、すべて完了だ。
彼らの手で生み出したプレゼントは、きっと正しく機能する。
間違いなくそうなるはずだ、と確信した。
【BREAK!!/BAD FLAG-09 ハッピーエンド 回避成功!】
【BAD FLAG-ALL BREAK!!】
はにわさん@がんばらせてください @haniwa82828282
きたああああああああああああああああ
はらぐろ @riana36
よっしゃああああああああああああああああああああああ
weapon提督 @weaponponpon -
■星をみた公園2
2014-12-25 22:55
私は交差点の角からじっと、バス停をみていた。
――まだだ。
バス停のベンチに、まだ彼と彼女の魔法は届かない。
比火@sol @c01010dec
あと5分!!!間に合ええええええええええ!!!!!!
ひろぽん(SOL茨城支部) @hiropon1015
5分が何だ!まだ間に合う!いったれぇぇぇぇぇぇぇ!!!!
あらいかなみP@3D小説 @drmcst_nnn
4分きったぞwwwwちょっと大丈夫かwwwww
ゆゆ子。 @yuzuyoriyuyuko
交差点に居る!!!!!!!!!!!!届いて!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
鯱海星 @syati_hitode
着く?
ゆゆ子。 @yuzuyoriyuyuko
きた?きた????大丈夫???いける??????頑張れええええええええええ(´;ω;`) #3D小説
mille/ミレア@ソル @mille_sol -
■星をみた公園
2014-12-25 22:45
私は彼らよりもひと足先に、あの公園に到着した。
物語は確実に、急速に進んでいる。
ルールの下でいくつもの願いが混じり合い、うごめいて、とても複雑な形になっている。
私は彼らが公園の丘に現れる前に、丘からみえる、大きな道路を一本挟んだ先のバス停に移動した。現状、私と彼らが会う必要はない。
バス停には、薄い青色と赤色の小さなベンチが4つ並んでいる。
――もうすぐこの場所に、彼女が来る。
そのとき、ここに「あの魔法」があれば、それはきっと彼女に届くだろう。
私は、ベンチの上に、彼らへあてたメッセージカードを置く。
願いをこめて。
それから、バス停を後にする。
イヴの夜を自宅で過ごすいい子 @char_c3
更新きた!更新!
朝生 葉月の葉っぱ @A_hazuki
こうしんきた!!!!!
さいとう @jinbe_s
バス停のベンチ!!!
ねこくん@3Dbell長 -
■山本美優/12月25日/22時
2014-12-25 22:00
久瀬くんは、みるからにふらふらだった。
八千代さんにもたれかかった彼に、私はいう。
「行かないでよ」
どうして、久瀬太一は。どこかに行ってしまうんだ。
「ずっと昔、病院を抜け出したって聞いたときから言いたかった」
ただ、ひとつだけ。
「無茶して、勝手にどこかにいかないでよ」
久瀬くんは、意識がないようだった。
でも、うっすらと目を開けて、笑った。
「行くよ」
「どうして?」
「クリスマスだし」
なんだ、それ。
わけがわからなかった。泣きそうだ。
「本当は理由なんて、いらないんだ」
そう言って彼は、また目を閉じる。
「もういいかい?」
と八千代さんが言った。
――いいわけない。
もう一度、いかないでと言おうとして。
なんだか言葉が詰まって。
「助けにきてくれてありがとう」
と私は言ったけれど、彼はもうなにも答えなかった。
ラピス @rapiss
美優ち
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