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■謎まとめ/7月24日/クロスワード
2014-07-25 01:205
※ここには読者が解き明かした謎の内容が記されています。自らの手で謎を解き明かしたいという方は、この記事を読み飛ばして次ヘ進んでください。
《読み飛ばす》
達句英知 @tac9999
ちょっとクロスワード解いてきます。
茜崎 蓮@強くてニューゲーム? @akanezakiren
クロスワードって最後に言葉になるように指定されるマスが絶対あるけどこれなくね?
歩くラノベ図書館@かわいいは正義 @sodoatodaisuki
たて1クトゥルフ
OMG @omg_red
クロスワード解いた後どうするんだ……? いいや、とりあえず解こう
しゅんまお@くま @konkon4696
縦02:ひげ #3D小説
ヌケニン @nukeninhasaikyo
クロスワード...とりあえず分かったところを垂れ流すスタイルでw
横の46は死霊使いかな?
鬼村優作 @captain_akasaka
1.クトゥル -
■久瀬太一/7月24日/25時15分
2014-07-25 01:151
カーラジオから、ニュース番組が流れていた。 大手企業のメール文が流出。ある電子機器に発火の恐れ。――間違いなくニュースなのだろうが、どれも、これまでにも何度も聞いたような話ばかりだ。
次のニュースです、とカーラジオが言った。
本日の25時10分ごろ、フクダ電子アリーナ前の交差点で大型トラックが電柱に激突する事故が発生。原因は運転手の居眠りとみられています。幸いなことに死傷者はありませんでした。
――マジかよ。
きっと、そうなのだろうと思っていた。
でも事実をみせつけられると、衝撃をうける。
あのメールがなかったら、バスから見た事故が現実になっていたのだろう、きっと。
「ミステリーね」
と宮野さんが言った。
「たかだかトラックが電柱にぶつかった程度の事故が、どうしてニュースで流れるのよ?」
思わず反論しそうになったが、確かに宮野さんの指摘は正しい。わざわざ電波に乗せ -
■久瀬太一/7月24日/25時05分
2014-07-25 01:05
いつの間にかオレは、ソルを頼りにしていた。
宮野さんに適当な道を指示しながら、じっとりと滲んだ手でスマートフォンを握りしめていた。
そのスマートフォンが、震える。
ソルからだ。――ソルが鳴らすベル。
オレはメールを開く。
※
カーナビがいじれるようならGLOBOという施設を避けてください
※
GLOB? そこで事故が起きるのか? カーナビはない――そういえば、返信していなかった――が、GLOBOの場所なら、検索すればわかる。オレは慌ててスマートフォンを操作する。
最寄りのGLOBOは、フクダ電子アリーナの傍にあるようだ。
――アリーナ?
あの、バスの窓からみた、巨大で平べったい建物か?
オレは地図アプリを航空写真にし、交差点の様子を確認する。
――あった!
あの、銀色の謎の球体。
航空写真からでも、それが視認できた。
――こ -
■謎まとめ/7月24日/事故の場所特定
2014-07-25 01:04
※ここには読者が解き明かした謎の内容が記されています。自らの手で謎を解き明かしたいという方は、この記事を読み飛ばして次ヘ進んでください。
《読み飛ばす》
KURAMOTO Itaru @a33_amimi
音叉3本ってのはYAMAHAのロゴね
えのき @enoki82
まず窓の外にみえたのは、大型の電器店
続いて、奇妙な丸い物体がみえた。
更にその先にはヤマハのロゴ(みっつの音叉)
道路の向こうに巨大だから平べったく見える建造物
どっかのだれか @doccano_dareca
リミットは30分か? 先にこっちの特定だ!
えのき @enoki82
なんか丸い球体にうつりこんでいる赤い看板が家電やなのかな
moyalist @moyalist6
「奇妙な丸い物体」に映り込んでる景色からすると、そんなに都心ではない?まだ千葉か?
amor000(ムゲン) @nagaeryuuiti
クロ -
■久瀬太一/7月24日/24時55分
2014-07-25 00:55
当然だが、スマートフォンのアラームは鳴らなかった。
宮野さんが眠っているあいだにまた、ソルからのメールがあった。
※
カーナビをいじって、ルート変更できないかやってみてください
※
残念だが、この車にカーナビはついていない。
とはいえ、ルートを変える、というのは正しい方法のように思えた。
そう考えていると、宮野さんがうめき声をあげ、目を覚ます。
まぶたを持ち上げて、こちらをみて、
「あれ?」
と宮野さんは言う。
彼女は車内の時計に視線をやった。
「もう30分、経ってるじゃない」
そうですか、とオレは答える。
彼女はスマートフォンを手に取り、首を傾げて、それからオレをみた。
「プリン」
疑わしそうな目だ。
オレは彼女に、コンビニの袋を差し出す。
「お、高いやつじゃない」
と、中を覗き込んだ宮野さんが弾んだ声を上げた。
「ええ。だ -
■久瀬太一/7月24日/24時35分
2014-07-25 00:351
タイマーをいじって寝かせたままにすることはできませんか?
※
そう、メールが入っていた。やはりソルからだ。
確かに上手くやれれば、効率的なやり方かもしれない。
オレは買ったプリンをひっさげて、軽まで走った。
宮野さんはまだ運転席で眠っているようだった。眉間に皴を寄せて、不機嫌そうな表情で目を閉じている。ずいぶん蒸し暑いから、寝苦しいのかもしれない。
そっと、ドアを開く。
宮野さんの眉間に深い皴が入り、うっすらと目を開く。
「30分、経った?」
と彼女は言った。
オレはなるたけ、平静を装って首を振る。
「まだまだですよ」
「そう。ちゃんと、プリン……」
よほど疲れているのだろう。宮野さんはまた瞼を落とす。
彼女の寝息が、静かに聞えてきた。
その寝顔は幼くみえて、あのバスの窓からみえた彼女の姿とのギャップに、少しだけ胸が痛くなる。
オレは音を立て -
■久瀬太一/7月24日/24時20分
2014-07-25 00:201
最寄りのコンビニに向かって歩きながら、オレは考える。
――くそっ。事故が起こった場所はどこだ?
バスの窓からみえた景色。考えるが思い当らない。あの、謎の球体。特徴的だが、見覚えはなかった。
――本当に事故は起こるのか?
それを避ける方法はあるのか? たとえば、オレがこのまま車に戻らなかったならどうなる? 宮野さんはオレを置いて帰るだろうか? その途中で、やはり事故に遭うのだろうか?
わからない。でも2台目のスマートフォンが手元にある以上、すべて夢だとも思えなかった。
オレは2台目のスマートフォンのホームボタンを押してみる。
機種もケースもオレが持っているものと同じだが、バスで受け取ったスマートフォンはほとんど新品だった。なんのアプリも入っておらず、アドレス帳の登録もなかった。
――と、その時。
手の中のスマートフォンが震えた。
オレはメールボックスを開く。
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■久瀬太一/7月24日/24時05分
2014-07-25 00:05
まぶたを持ち上げる。
目の前に、宮野さんがいた。
「なに寝てんのよ」
彼女は不機嫌そうだ。
辺りを見渡す。あの停留所だ。戻ってきた? ――いや、全部、夢か。
そりゃそうか。謎のバスが現れたり、その窓の外に未来が見えたりなんてこと、あるはずがない。
「バスは?」
と宮野さんが言った。
「……いや」
「ま、くるはずないか。噂じゃ、バスがくるのは水曜日だしね」
今日は木曜だ。そう、だから、バスが来るはずなんてない。
宮野さんは、オレの眉間の辺りを指さす。
「罰ゲーム。プリン買ってきて」
「罰って、なんの」
「あんた寝たでしょ。私は働いてたのに。許せないわ」
宮野さんはさっさと深緑色の軽自動車に乗り込んでしまう。オレも軽に近づき、窓越しに言った。
「どうしてプリンなんですか?」
「食べたくなったから。コンビニのでいいわ」
「車で行けばいいでしょ」
「嫌よ。私だって眠いもの -
■久瀬太一/7月24日/24時
2014-07-25 00:0031
発車のベルが聞こえた。その音はずいぶん遠くから聞こえたような気がした。
低いエンジン音と共に、バスが走り出す。
「水曜日の噂は、クリスマスの謎に繋がっている」
ときぐるみは言った。
「クリスマス?」
今はまた7月だ。
「そう。クリスマス。水曜日のクリスマスだ」
彼はその不気味な顔で、じっとこちらをみる。
「水曜日のクリスマスには100の謎がある。ひとつ目の謎はもちろん、なぜサンタは遅れたのか、だ」
「100もあっちゃ困る。締め切りは目の前らしいぜ」
「大丈夫だよ。君が思っているよりは余裕がある」
「サンタが遅れたってのは?」
「そのまんまだよ。君もよく知っている彼さ。みんな大好きな彼が遅刻したんだ」
わけがわからない。
窓の外から、繰り返しオレンジ色の光が射した。断続的に、カウントダウンのように。
どうやらトンネルの中に入ったようだ。ずいぶん長いトンネルだった。この -
■久瀬太一/7月24日/23時50分
2014-07-24 23:501
今ごろになって、睡魔がやってきたようだった。
まぶたが重い。何度か重力に負けて、首が傾いた。ここの時間は停滞している。静かで、まどろんでいる。
この2時間ほどで起こったのは、犬の散歩をする女性と、ランニング中の初老の男が目の前を通過していったことくらいだ。
彼らは何度も、ちらちらとこちらをみていた。こんな時間に、もうバスのやってこない停留所に座っているのだから、仕方のないことだ。
蒸し暑い夜だ。どこかから夏の虫が、か細く澄んだ音で鳴くのがきこえた。
オレは眠気に負けて、目を閉じて、夏の空気のせいだろうか漠然と昔のことを思い出す。
幼いころ、友達が少なかったというのは嘘じゃない。父親の転勤が多かったせいで、あまりひとつの場所には留まっていられなかったのだ。
――友達、か。
オレはある少女を思い出す。
もう記憶にもやがかかっているくらい、幼いころ仲の良かった女の子。
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