仕事で責任ある立場を任されている人も多いカフェグローブ世代ともなると「部下を褒める」ことはあれど「褒められる」機会は少ないのではないでしょうか。でも、褒められ上手になることが自分自身の心と、日頃のコミュニケーションの質を高めるって知っていましたか?
■ 謙遜は美徳......ではない!?
「○○社との契約、おめでとう! すごいね」「最近痩せた? キレイになったよね」など、同僚との会話で挨拶代わりに交わされる軽い褒め言葉。みなさんは、どのように返していますか? 多くの女性が「そんなことないよー」などと謙遜しているのでは? 日本人は、謙遜を美徳と考えている部分がありますが、これはとても勿体無いこと。「そんなことない」と否定してしまうと、本当に「そんなことないあなた」になってしまうからです。
■ 否定は女をくすませる
脳は、自分が発した言葉を「事実」として受け止める習性があるそうです。だから、自分について否定的なことを言うとその通りの自分になってしまいます。
例えば、誰もが羨む一流企業におつとめのAさんの場合。Aさんが任された大きなプロジェクトが大成功! 一段落していると知った同僚のBさんは「すごいね! 大成功だね」と労いの気持ちを込めて褒めたそうです。するとAさんは「そんなことないよ。思い通りに進まなかったし、まだまだダメ」と返ってきたのだとか。
がっかりしたBさん曰く「彼女の自虐スパイラルに巻き込まれそうだから、付き合うのを控えるわ」と。当初はデキる女と評価が高かったAさんでしたが、いつも他人を羨んで満たされない様子に「どことなく不満気な人」「自分や周囲を追い込みすぎるタイプだから、一緒に仕事したくない」と噂されるように。
■ ベストな返答は「ありがとう」
では「そんなことないよ」の替わりに、何と言えばいいのか。私がすすめる『褒められテクニック』は、「ありがとうございます」と返すこと。
私が銀座ホステスになりたての頃、あるお客様がこっそり教えてくださいました。「どんな些細なことでも、褒められたら、にっこり笑って、ありがとうございますと返しなさい。お世辞であったとしても、全部吸収して自分の力にしなさい」と。このお客様は、褒め言葉にはパワーがあるということを言いたかったのだと思います。
自分をポジティブに評価する言葉を聞いたら、素直に「ありがとうございます」と返す。そうすれば、褒められた内容どおりの自分になることができます。「ありがとう」は、自分を磨くことができ、相手をもハッピーにする魔法の言葉です。謙遜してしまいそうになったら、すかさず「ありがとう」。自分もポジティブな言葉のパワーを得て自己評価を高く持てる上、コミュニケーションもスムーズになるはずです。
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(文/岡田愛香)