友人や家族ではなく、その道の"プロ"に相談がしたい――。
そんな働く女性のお悩みに答える連載「お悩みキャリア相談室」では、株式会社Waris(ワリス)共同代表、キャリアカウンセラー、ライターでもある田中美和さんが、読者のみなさんのお悩みに答えます。
第16回目のお悩みは......
35歳、既婚、企業で翻訳の仕事をしています。ずっと会社員として企業の中で働いてきましたが、大きな組織の中ではできることが限られ、もやもやした思いを抱えてきました。もっと自分らしく働きたいと思うようになり、フリーランスになるか、同業の友人と起業したいと考えています。
今、子どもはいませんが、将来子どもを産みたいとも思っています。子持ちの個人事業主になることのメリット・デメリットや注意点があればお聞きしたいです。【35歳、Cさん、関東在住、会社員】
時間と場所にしばられないのが最大のメリット。
迷っているなら、ぜひチャレンジを!
ワーキングマザーにとってのフリーランス(個人事業主)のメリットは、何といっても「時間と場所のしばりが少ない」ことです。これはワーキングマザーにとっては大きなメリットになります。
正社員ですと、たいていの場合、決まった時間に決まった場所へ出社することが必須となります。ところが、子育てには子どもの病気やけがなど突発的事項がつきもの。お子さんが未就学児のうちは病気がちな場合が多く、仕事を頻繁に休まざるをえなくなり、両立を断念する方は少なくありません。
フリーランスの場合は、特定の場所へ出社する必要はありませんから、通勤時間が浮きますし、育児や家事との両立は格段にしやすくなります。
もう1つ、「仕事のボリュームをライフステージに合わせて調整できる」のも、ワーキングマザーにとってはメリットですね。会社員の場合、仕事のボリューム調整や転勤・異動も含めたキャリアパスの主導権は会社が握っています。
フリーランスの場合、仕事のボリュームや内容は自分自身で決めることができます。お子さんが小さいうちはボリュームを絞って、大きくなったら、"仕事モード全開"に......といった判断も容易にできます。
もちろんデメリットもあります。フリーランスには"産休""育休"という制度そのものがありません。企業年金がある会社員に比べて、フリーランスはより自分の力で老後に備えなければなりません。また、仕事の内容や量に応じて毎月の収入が大きく変動することに不安を感じる方や仕事の開拓に難しさを感じる方もいます。
ただ、私自身、フリーランスになって後悔したことは全くありませんし、迷っていらっしゃるなら、ぜひ1度チャレンジすることをおすすめします!
独立前の注意事項としては大きく2つあります。まずは、貯金。フリーランスになってすぐに依頼が来るとは限りません。最低半年間は無給でも生活していけるくらいの貯金はあったほうが安心です。また、フリーランスになって痛感するのが"人のありがたみ"です。"この人に仕事を任せてみよう"と思ってくれる人がいなければ、フリーランスとしては生きていけません。ぜひ、多様な人と豊富な人間関係を築かれることを意識されると良いと思います。
photo by Thinkstock/Getty Images
(文/田中美和)
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