• このエントリーをはてなブックマークに追加

記事 20件
  • なぜ電車内にベビーカーを持ち込む母親は嫌われるのか?(2,098字)

    2015-02-27 06:00  
    110pt
    今、「電車内ベビーカー問題」というのがあるという。「電車内ベビーカー問題」とは、混んでいる電車内にベビーカーを押した母親が乗ってこられると迷惑に思う人が多い、という問題だ。「赤ん坊を育てるのは大変だからベビーカーには理解を示してほしい」という人がいる一方で、「赤ん坊はだっこしろ」という人も根強くいて、特に高齢の女性に迷惑に思う人が多いそうだ。
    さらにいえば、「そもそも混んでいる電車に赤ん坊を連れて乗る必要はあるのだろうか?」という疑問を呈する人もいた。その疑問を呈した人は、けっこうな勢いで炎上していた。「幼い子供を抱えた母親への無理解がひどい」というわけである。
    「電車内ベビーカー」問題は、子育てへの理解不足が原因ではないと思う件
    この炎上案件が興味深かったので、今日はそのことについて書いてみたい。
    さて、炎上というのはどういうときに起きるかといえば、それは二つの勢力がぶつかり合うときであ

    記事を読む»

  • 教育考:その7「子供を見限るにはどうすればいいか」(2,090字)

    2015-02-26 06:00  
    110pt
    子供の成長を促すためには、子供を見限る必要がある。なぜなら、そこで親子双方が傷つくので、ともに成長を果たせるからだ。

    では、子供を見限るにはどうすればいいか?
    子供を見限る方法は、難しくもあるが簡単でもある。要は、巷間に流布しているコミュニケーション術と逆のことをすればいい。他人にしてはいけないことを、我が子にするのだ。
    まずにしなければならないのは、子供を「なめる」ことだ。見くびるのである。そうして、恩着せがましい愛情を抱くのだ。
    「恩着せがましい愛情」とは何か? それは、「自分がいなければこの子は生きてはいけない」と思うことである。そうして「自分がこの子を守っていく」と思うのだ。
    これは、別段難しいことではない。子供が生まれたなら、誰もが自然と抱く感情だ。
    そう、子育てというのは、実は特段難しいものではないのである。誰もが素直に思う感情を、そのまま表せばいいだけなのだ。
    しかしながら

    記事を読む»

  • [Q&A]クリエイターにとって「企画力」とは?(2,048字)

    2015-02-25 06:00  
    110pt
    1
    [質問]
    いい作品には、そのクリエーターの元々持っているものと企画力が上手く融合していると思います。
    売れた作品は企画のよさばかり語られがちですが、決してそうではないと思います。
    ハックルさんはクリエーターの資質と企画力についてどのように考えておられるか教えて下さい。
    [回答]
    先日、とある絵画コレクターの方から、「絵画の価値」というものについて、面白い考え方を伺いました。その方によれば、「三つある」らしいんです。
    一つは、技術。やっぱり、長年の修練で積み上げた素晴らしい技術がないと、絵としての価値がない。
    二つは、時代性。今というこの時代をどうとらえるかというのが、芸術には欠かせない。これは、宮崎駿さんも似たようなことを言っていました。映画というのは、いつの時代を描いたものでも、今という時代を反映させたものでないとダメなんだと。
    三つは、これまでの絵画史の上に積み重ねる価値があるかどうか

    記事を読む»

  • ライトノベルの書き方:その7「物語の持つ天邪鬼な力」(1,510字)

    2015-02-24 06:00  
    世界が第三次世界大戦(核戦争)の恐怖に苛まれる頃、人類の滅亡をテーマにした小説はたくさん作られ、たくさんのヒット作が生まれた。
    人間には、破滅願望というわけではないのだが、そういう自らの不安を描いてくれる小説を読みたくなるという天邪鬼な傾向がある。
    そこで今回は、その構造について考えてみたい。
    なぜ、人類の滅亡を恐れる人々は人類の滅亡が描かれた物語を読みたいのか?
    理由は、怖い物見たさということもあるだろうが、それ以上に、そういう物語を読むと「安心」するという心理的な構造がある。
    小説の一つの特徴というのは、それが「フィクション(嘘)」だと知っていながら読むということだ。それでいながら、物語に熱中し、主人公に感情移入して、ハラハラドキドキする。
    このとき、フィクションの中に自分の不安が描かれていれば、人はそれを「嘘」だと受け取る。そうして、現実世界ではそれが起こらない――というふうに認識す

    記事を読む»

  • 「イクメン」が気持ち悪い理由(1,745字)

    2015-02-23 06:00  
    110pt
    ぼくは「イクメン」が気持ち悪い。そしてぼくが気持ち悪いものは、たいてい理由がある。その社会的背景がある。そこで今日は、イクメンがなぜ気持ち悪いかを考えてみたい。
    そもそも、人がなぜ子育てするかといえば、「楽しい」からだ。人間は、赤ん坊を育てることに楽しさを覚えるようにプログラムされている。それは本能のようなものだ。だから、食事や睡眠、あるいはセックスと一緒の種類なのである。
    その誰もが喜んでやる行為を、わざわざ名前をつけて称揚しているのが、まず気持ち悪い。「イクメン」がもてはやされるなら、大食漢は「ショクメン」、三年寝太郎は「ネルメン」、セックス依存症は「セクメン」としてもてはやされるべきだ。最近はセックスレスの人が増えているから、これはあながち冗談とはならないかもしれない。
    さて、しかしながらなぜ「イクメン」が話題になるかといえば、それは子供を育てることに「苦痛」を感じている女性が増えて

    記事を読む»

  • これからの人類に最も必要な能力とは(2,107字)

    2015-02-20 06:00  
    110pt
    堀江貴文さんが作った「755」というトークアプリで堀江貴文さんとトークした。
    岩崎夏海 vs ホリエモン座談会
    今日は、この対談で思ったことを書いてみたい。
    この対談で思ったことは、「やっぱり多くの日本人(特に若者)が、問題の本質を認識していないのではないか?」という疑いだった。この疑いはかねてから抱いていたが、それが強化された形だ。
    堀江さんには若者のファンが多いが、ぼくははっきりいって彼らのほとんどが堀江さんを誤解していると思う。どう誤解しているかというと、「堀江さんが新しい道を切り拓いて実力主義の社会を作ることで、今、老害世代に虐げられている自分たちにもチャンスが巡ってくるのではないか」というふうにだ。
    はっきりいって、そういう事態は起こらない。堀江さんが志向し、切り拓こうとしているのは、バングラデシュやパキスタン、インドネシアやベトナムなどの第三世界から、能力があってガッツもある若

    記事を読む»

  • 教育考:その6:「他人を傷つける方法」(1,748字)

    2015-02-19 06:00  
    110pt
    骨董商の、弟子に大金を渡して、実際に骨董を買ってこさせ、鍛える――という育て方は非常に興味深い。この方法だと、弟子に責任を負わせられるので、追い込み、真剣にさせることができる。それによって成長を果たすというわけなのだが、同時に自分も大金を支払っているので、責任を負うし、追い込まれるし、真剣になる。そうして、師弟ともに成長を果たすのだ。
    これは、他人(弟子)を傷つけることによって自分もまた傷つけられる――それによって双方とも成長する、という構造になっている。「痛みなくして成長なし」の法則を、双方に適用した形だ。だから、他人を上手に傷つけられれば、自分もまた傷つけることができ、成長を果たせる。
    そのためここでは、どうすれば他人を上手に傷つけられるか?――ということについて考えてみたい。
    ところで、上の骨董商の例で面白いのは、「師匠が弟子によって育てられる」ということだ。そして、そこで師匠がどう

    記事を読む»

  • [Q&A]『ハックルベリー・フィンの冒険』で一番のお勧めの訳は?(1,199字)

    2015-02-18 06:00  
    110pt
    [質問]
    『ハックルベリー・フィンの冒険』で一番のお勧めの訳、出版社はどこでしょうか? また、その他のものとどう違いますか。
    [回答]
    新潮文庫版の村岡花子訳がおすすめです。なぜかといえば、一人称が「ぼく」だからです。その他の訳では、田舎訛りを強調しようとして「おら」などという訳になっているのですが、知的なハックにそぐわないんですよね。
    [質問]
    ハックルさんは裁判に関わったことはありますか。それによって、失われたもの、得られたものを教えてください。
    [回答]
    裁判に関わったことはありません。従って、それによって失われたもの、得られたものもないです。
    ただ、離婚をする際、家庭裁判所の調停を仰ぎました。そこで思ったのは、「家庭裁判所は結局女性の味方なんだ」ということで、男女の不平等を痛感しました。
    [質問]
    瞑想や、気功などには本当に何かを改善する効果はあるのでしょうか? それとも、本人の思

    記事を読む»

  • ライトノベルの書き方:その6「ライトノベルのタブーを考える」(1,738字)

    2015-02-17 06:00  
    110pt
    ライトノベルがヒットするためには目新しさ――新奇性が必要だ。
    では、新奇性を打ち出すにためはどうすればいいか?
    最も簡単なのは、「タブー」を冒すことだ。タブーを冒せば、とりあえず新奇性は打ち出せる。
    では、ライトノベルのタブーとはなんだろう?
    今回は、そのことについて考えていく。
    ライトノベルのタブー――それはもちろんいくつかあるが、そのうち最大のものの一つといえば、「主人公が不幸になる」ということだ。
    ライトノベルのターゲットというのは、多くの出版社や著者が、何の疑問もなく「非リア充(現実で上手くいっていない人)」に設定している。なぜかといえば、実際そういう人が読者の割合として多いからだ。
    非リア充というのは、もっといえば「モテない男女」だ。恋人がおらず、それゆえ鬱憤が溜まっている。だから、憂さ晴らしにライトノベルを読む。
    そういう層に向かって「主人公が不幸になる」話を書いても受けない。

    記事を読む»

  • ぼくとデジタル文化:大学以降編(1,845字)

    2015-02-16 06:00  
    110pt
    1
    大学を卒業するとき、ぼくは卒業制作で建築設計をしたのだが、そのパースに簡易なCADを使った。PCはPC-9801VMだったように思う。それで、ワイヤーフレームのパースを書いたのだ。ただ、その頃はワイヤーフレームでも本当にカクカクとしか動かなかったので苦労した。レンダリングにものすごく時間がかかったのを覚えている。
    大学を出て、秋元康さんの会社に就職した。ちょうどその頃、ケータイ電話が普及し始めていた。ぼくの先輩たちは、初めは車載電話を持っていた。1991年のことだ。今では考えられないが、先輩たちは出先で電話するときはわざわざ車に乗っていた。運転しながら電話していたのだ。当時はそういう時代だった。それがまた格好良かった。
    ほどなくしてケータイ電話が普及するようになった。ただぼくは、お金がなくて持てなかったので、初めはポケベルを持っていた。93年くらいのことだ。
    それで、事務所から呼び出しがあ

    記事を読む»