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  • 一問一答「あなたは、将来のためにどんな習慣が大切だと思いますか?」【キャリアを決めるトリガー習慣】

    2022-10-29 12:00  
    330pt
    あなたは、将来のためにどんな習慣が大切だと思いますか?

    今回は、異業種への転職についての相談をもとに、将来の成功を左右する日々の習慣について解説させてもらいます。

    Q. 転職活動中です。営業で身につけた顧客とのコミュニケーション能力をどのように活かすことができると説明したらいいでしょうか?ちなみに、異業種なのでそこで培った知識は活かせないです。

    まず後半が間違っています。
    異業種だからといって知識を活かすことができないわけではありません。
    異業種で培った知識を、そのコミュニケーション能力を使ってプレゼンすると基本的には面接にも通るはずです。

    今の業界で培った知識や経験と、これから挑戦したい業界は関係ないと思ってしまうともったいないです。
    全く関係のない業界であっても、自分がそれまでの仕事で培った能力を使えば貢献できると説明する能力がコミュニケーション能力です。

    ですから、そのコミュニケーション能力を、説明しなくてはいけない人はコミュニケーション能力がない人です。
    コミュニケーション能力がある人は、それをわざわざ説明しなくても普通に話をするだけで伝わります。
    全く関係のない業種で培った能力が、なぜその職種で活かすことができるのか、このことをコミュニケーション能力を発揮して説明してください。

    以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。

    成功を決めるトリガー習慣

    キャリアの成功に関するトリガー習慣について紹介させてもらいます。

    僕たちは10代後半から様々なキャリアを積み重ねていきます。
    その結果、成功する人もいればそうでない人もいて、人それぞれ様々な人生があるわけです。

    そんな中で、若い頃にどんな習慣を身につけていれば、将来的に仕事に対する満足感が高くなるのか、あるいは、収入が増えるのか、そんな研究から若い頃に身につけておいて欲しい習慣について解説させてもらいます。
    早ければ早いほど身につけておいた方がいい7つのトリガー習慣があります。
    まだそんな若い頃に身につけておいてもらいたい習慣について紹介させてもらい、そこから、それぞれの世代でどのような要素で収入が決まるのかということまで解説させてもらいます。

    多くの研究で、人は中学生ぐらいから収入の差が生まれ始めるといわれています。
    その頃からの人間関係や身に付けるものによって、将来の収入の差が徐々に大きくなるということです。
    もちろん、ある程度年齢を重ねてから成功する人も中にはいますが、多くの成功者は若い頃から特定の習慣を身につけていて、その差が年齢を重ねれば重ねるほど開いていきます。

    基本的な習慣の身に付け方はこちら
    ちなみに、良い習慣を身につけて悪い習慣をなくすための方法については、こちらを参考にしてみてください。
    こちらで基本的な習慣の身に付け方を学んでもらい、その上で今回紹介する内容を理解して頂けると、皆さんの人生に対してより効果的だと思います。

    短期間で〝よい習慣〟が身につき、人生が思い通りになる! 超習慣術

    キャリア選択の方法はこちら
    仕事選びで悩む人も多いでしょうが、そんな人にはぜひこちらの本を読んでもらいたいと思います。

    科学的な適職 4021の研究データが導き出す、最高の職業の選び方

    諦めず挑戦し続ける方法はこちら
    人生で挑戦し続けるマインドを作るにはどうすればいいのかということを教えてくれる本です。
    絶対に読んでもらいたい素晴らしい本です。

    マインドセット「やればできる! 」の研究

    成功につながるトリガーとは?

    キャリアの成功に大切な習慣にはどんなものがあるのかということを調べた研究によると、人生にとってより良い行動や思考、スキルにつながる7つの習慣が明らかになっています。

    1,808人の労働者を対象にした研究で、キャリアの成功・経済的な成功・肉体的な成功・内面的な成功・親としての成功、これら5つの成功を評価しています。
    人生の成功を5つのカテゴリーに分類しています。

    キャリアでの成功
    いい仕事をしたり、仕事の成果を評価されて地位が上がったり、やりがいのある仕事をできるかどうかです。

    経済的な成功
    仕事のやりがいや意義を感じていても、経済的にはそれほど恵まれないということもあります。
    そういう意味で、経済的な成功とキャリアの成功はこの研究では区別しています。

    肉体的な成功
    健康面の充実はもちろん、自分の体を自分で評価できるかどうかです。

    内面的な成功
    自分の人生に満足できているかどうか、自分の内面を見つめた時に、良い人生だったと思えるかどうかです。
    主観的な成功と言い換えてもいいかもしれません。

    親としての成功
    幸せな家庭があって自分として満足できるかどうかです。

    これら5つの成功が揃えば当然とても幸せなはずです。
    みんなに評価される素晴らしい仕事に就いてお金もあり、肉体も健康的で美しく、内面的にもとても充実していて、そして、素敵な家族に囲まれているわけです。
    最高に幸せな状態です。

    これら5つが人生の幸せだと定義した上で、その全てを手に入れるために重要になる要素は何なのかということを調べています。
    それぞれの項目において、習慣・才能・決断・運などがどれくらい影響しているのか調べた研究になっています。

    つまり、それぞれ5つの成功について影響を与えているのは、「良い習慣を身につけること」「特殊な才能を持っていること」「正しい決断をすること」「ただ運がいいだけ」、一体何なのかということを調べています。

    この結果、やはり習慣が大事なようです。

    習慣は才能の2倍ものインパクト!
    多くの人はキャリアの成功の46%を正しい習慣を身につけることが寄与したと考えていました。
    成功の46%は正しい習慣が原因だったとされています。

    ちなみに、決断は24.7%、才能は19.5%ということですから、正しい習慣は、正しい決断や素晴らしい才能の2倍以上もインパクトがあると多くの人が認識しているということになります。

    人生で成功する人ほど毎日の習慣を大事にしています。
    正しい決断や生まれ持った才能よりも、人生の成功に影響を与えるのではないかとこの研究では示されています。

    人生は確かに生まれ持った才能や決断、様々なことによって変わっていくものですが、それら全てを変えることは難しいです。
    そんな中で最も僕たちの人生を左右しているものは「習慣」です。

    「習慣」が人生を決める!
    人間は運命の奴隷です。
    ただし、運命は習慣の奴隷です。
    人によっても違いますが、少なく見積もっている研究でも、人間の人生の50%は習慣的な行動によって成り立っているとされています。
    研究によっては7割とか8割とされているものもあります。

    だからこそ良い習慣を身につけることが僕たちの人生を左右します。
    実際に、人生で成功した人はその良い習慣を大切にしていたということです。

    ちなみに、自分はそんなに仕事にモチベーションもないという方もいるでしょうが、そんな人こそ習慣を大切にしてみてください。

    自分が仕事に向いていないと考えている人には、生まれつきの才能よりも習慣の方がはるかに大事になってくるということも研究では示されています。
    仕事にやる気がないという人こそ、習慣に注目した方が結果的に満足できる人生になっているということです。

    研究チームのコメントによると、「人生の成功に関しては良い習慣に勝るものはありえない」と言われています。
    「どんなに運が良くても才能があっても、頭が良くても決断力があっても、習慣や日頃の行いを補うことはできない」とされています。

    頭が良くても正しい習慣がなければ堕落します。
    才能があっても正しい習慣がなければ能力を開花させることもできません。
    いくら運が良くても正しい習慣を身につけてパフォーマンスを安定させることができなければチャンスを掴むこともできません。

    7つのトリガー習慣

    この研究では、多くの人が成功の原因になったと言われている習慣についても教えてくれています。
    良い習慣を量産してくれるトリガーになる習慣です。

    成功習慣 その1 「NOと言う前にYESと考える」
    人は新しいことにチャレンジしたり、変化を目の前にした時に、つい、NOと言いたくなります。
    人生ではリスクを取りたくないから、チャンスかもしれないと思ったところで怖いからやめておこうと考えてしまいがちです。

    そんな頭の中にNOと浮かんだ時に、一旦、YESと言ったらどうなるか考えてみてください。

    例えば、新しい仕事のチャンスがあって迷っているとします。
    その新しい仕事は、確かに仕事も大変で忙しくなるかもしれないけれど大きなチャンスがあります。
    自分の成長にも繋がって、将来的には自由とお金が手に入るかもしれません。
    とはいえ、リスクもあるし自分には能力がないかもしれないと不安になってNOと言いそうになったら、「NOと言う前にYESと考える」ことを思い出してください。

    YESと言うための理由を考えます。
    今のままならNOかもしれませんが、YESと言えるようになるにはどうすればいいのか? どのようなことを頑張ればいいのか? どのような結果が期待できればいいのか? と考えてみてください。

    このように考えると視野が広がります。
    人は断る事によって自分を守ろうとしますが、大事なのはそれを自信持ってYESと応えることができるように整えることです。

    成功習慣 その2 「自分のコンフォートゾーンの外で成長する」
    人は年齢を重ねれば重ねるほど自分の心地よいコンフォートゾーンの中で生活しようとします。
    そうなると新しい刺激がなくなりアイデアも出なくなります。
    今の自分に凝り固まってしまいます。

    今はそのコンフォートゾーンに入れば安全だと考えるかもしれませんが、そのコンフォートゾーンにも新しい人はどんどん入ってきます。
    今までは自分の独占状態だったかもしれませんが、今ある仕事の成果を全て持っていかれる可能性もあります。

    ですから、自らコンフォートゾーンの外に出て成長を目的にしないと成功することはありません。

    成功習慣 その3 「成長の機会にオープンでいる」
    特に30代ぐらいまでは、自分の成長の機会にオープンでいる方が圧倒的に得です。
    自分が成長できることにはチャレンジするべきですし、成長できるかもしれないと思うのであれば、多少損する可能性があってもチャレンジした方がいいです。

    若い時に失敗したとしても、その失敗は後からいくらでも取り返すことができます。
    若い時にリスクを取ったりチャレンジしておかないと、年齢を重ねてからチャレンジするのはもっと難しくなります。

    自分の成長の機会には、何歳になってもオープンでいるようにしてください。

    成功習慣 その4 「自分の直感を信じる」
    投資のような世界であれば、バイアスに惑わされないように自分の直感を信じすぎないことも重要ですが、キャリア選択や仕事選びに関しては、自分の直感を信じた方がうまくいくという研究結果が示されています。
    自分の直感を信じて仕事を選んだ人の方が、そうでない場合よりも1.5倍も良い仕事に就くという研究もあります。

    自分の直感を信じて仕事を選ぶようにしてください。
    その仕事が将来認められるかどうかということは誰にもわかりません。
    将来成長する業界や仕事が明確にわかる人がいれば、そこに就職するよりも株に投資した方がいいです。
    どんな業界や仕事が将来成長するのかは誰にもわかりませんし、自分がどこで成功できるのかもっとわかりません。

    だからこそ自分の直感を信じて少しでも早く挑戦することが重要です。
    それでダメだったら次の挑戦をするだけです。
    挑戦する頻度を増やすほど成功する可能性は高くなります。

    そんな習慣を身につけておくことが重要だということです。
    皆さんは、頭の中にNOと浮かんだ時に、一旦、YESと言ったらどうなるか考えてみてください。
    自分のコンフォートゾーンの外に出て成長することを大切にしてください。
    何歳になっても自分の成長の機会にはオープンであり続けてください。
    そして、仕事選びに関しては直感を大切にして挑戦する頻度を増やしてください。

    残りの成功習慣と仕事もプライベートも充実して幸せな人生を送っている人の特徴については、続きをチェックしてみてください。
     
  • 一問一答「あなたの心に残るスピーチはどんなものですか?」【人を動かす話し方】

    2022-10-27 12:00  
    330pt
    あなたの心に残るスピーチはどんなものですか?
    今回は、自分の声に自信がなくて堂々と話すことができないという方の相談をもとに、人の心を動かす話し方について解説させてもらいます。

    Q. 自分の声に自信がなく堂々と話すことができません。どうしたらいいでしょうか?

    声に関しては気にしすぎているだけの可能性もあります。声というものは人によって全く違うものです。
    例えば、アニメの声優さんの声も、日常生活で聞こえてきたら、いい声だと感じないことも少なくないと思います。これもそのキャラクターにその声が乗っかっているので、いい声に聞こえるということです。
    ですから、声にそんなにコンプレックスを感じる必要はないと思います。

    僕も結構高い声ですから、心理学的には説得力を出すことを考えるとあまり良くない声です。
    ですが、普段声が高いので、逆に声のトーンを少し変えると効果が表れやすいということもあります。
    このように使い道を変えれば、それが強みになる場合もあるかもしれませんし、声以外の話す内容や論理構造、身振り手振りといった対策もできると思います。
    声の使い方は工夫することができますが、声色や声質というものは変えることができないものなので、そのようなことに対しては変にコンプレックスを抱えるよりも、使い道を考えた方がいいと思います。

    以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。

    人の心を動かす話し方とは?!

    歴史に名を残してきた人たちが、民衆や集団を動かすために使っていた大衆扇動でも使えるようなテクニックの中から、今回は話し方のテクニックについてまとめていきたいと思います。

    例えば、リンカーンやキング牧師、チャーチルなど歴史を動かしてきた数々の人たちがいます。
    リンカーンやチャーチルなど、あるいは、ヒトラーなど、素晴らしいことを成し遂げた人もいれば悪い人もいますが、民衆の動かし方としては驚くぐらい共通点があります。
    動かす方向が間違っていたというだけで、例えば、ヒトラーであればユダヤ人の虐殺などを行ってしまい、人道的にも問題ですし悲しい歴史でもあります。

    ところが、そこで使われている技術自体は、大衆扇動という考え方ではほとんど同じです。
    例えば、以前に流行っていた「#〇〇さんに抗議します」という Twitter のハッシュタグがありますが、これはTwitter を使ったという点では新しいタイプの大衆扇動だとも言えます。

    基本的には、みんなが支持しているように見せるというものです。
    何百万人がツイートをしているという数字が出ることで、社会的証明によって人を説得しようとするものです。
    そういう意味では、非常に古典的なテクニックではあります。

    このように時代が変わっても人の心が動く要素というものは変わりませんので、そんな中から、今回は話し方にポイントを絞って紹介させてもらいます。

    「シュムージング」
    まず1つ目のテクニックとして、シュムージングというテクニックを紹介します。
    これを使うと、他人が皆さんのためにお金を使ってくれるということさえもできるテクニックです。
    スピーチの中で使うこともできますし、相手が身銭を切ってまで皆さんの味方をしてくれる可能性が上がるかもしれないというテクニックです。

    これは他人に影響を与えて味方にする方法として、古くから使われているテクニックで、これは本題を切り出す前に自分のことをネタにした雑談を挟むという会話の手法です。

    これを聞くとたいていの人は当たり前ではないのかと思う人が多いのではないでしょうか。
    ところが、多くの人がしているのは自分のことをネタにするということではありません。
    例えば、最近のニュースや天気、トレンドなど自分とは関係のなさそうなものをまずネタにすることが多いと思います。

    ですが、相手を味方にしたいと思うのであれば、一番最初に話すべきは自分をネタにした雑談を挟むべきで、これをシュムージングと呼びます。
    これを行うことによって相手の心を相当引き付けることができるということがわかっています。

    2002年に行われた研究で、スタンフォード大学の研究チームがシュムージングの効果について確かめることを行ってくれています。
    およそ100人の学生に対して、慈善事業に対する寄付を募るということを指示しました。その際に参加者たちを3つのグループに分けて、どのグループが最も効果的に寄付活動を行うことができたのかということを調べています。

    いきなり寄付をお願いするメールを送ったグループ
    メールの最初に、自分の故郷の話や好きなスポーツチームの話など自分についての雑談を書いた上で、寄付をお願いするメールを書いて送ったグループ
    相手に電話で自分の趣味などをテーマにした他愛のない雑談をして、その電話を切った後に、寄付をお願いするメールを送ったグループ

    つまり、いきなり本題だけのメールを送ったグループと、そのメールの冒頭に自分についての雑談を書いてからメールを送ったグループ、そして、寄付のお願いをするメールを送る前に、電話をして他愛のない雑談をしていたグループに分けて、どのグループが最も寄付を募ることができたのかということを調べようとしたわけです。

    その結果、寄付のお願いのメールをする前に、自分をネタにした雑談(シュムージング)を行なっていたグループは、寄付をもらうことができる確率が20%もアップしていました。
    1.2倍も相手の協力を引き出すことに成功していたというわけです。
    さらに、メールだけでシュムージングをするよりは、事前に電話をしてシュムージングをしてから、改めてメールで寄付のお願いをするということを行ったグループの方が成功率が高くなっていました。

    プラスアルファの条件もつけて実験を行ってくれています。
    事前に相手と直接会ってシュムージングを行い、その後に本題をメールで送るというグループも作ったところ、この場合にはさらに寄付金額が高くなったということが分かっています。

    大事な話は直接会った時に?
    僕たちは、直接会った時に大事な話をしようと考えるのではないでしょうか。大事な話は直接会った時にするようにして、その時に決めようとすると思います。
    これはもしかすると間違っているのかもしれないということが、この研究から見えてくることです。

    つまり、直接会った時には、皆さんの人となりや皆さんの人格がわかるようなシュムージングを行い、趣味・出身・大切にしていること・好きなブランド・好きな漫画など、他愛のない話だけれど自分に関するネタで相手と共有できる話をしておいて、お願い事は、それが終わってから時間をおいて、当日や翌日にメールで行った方が、むしろ相手は協力的になってくれるかもしれないということがこの研究からわかるわけです。

    もちろん、一度目に実際に相手と会った時にシュムージングを行い、その次にもう1度会った時に本題のお願いをするというのが一番いいわけですが、もしそんなに頻繁に会えないとか一度しか会えないと言うのであれば、直接会っている時にお願いをするよりも、実際に会っている時にはシュムージングを行い相手からの信頼を勝ち取っておいて、それから改めてメールなどでお願いする方が印象も良くなるし相手からの協力を得る可能性も高くなるかもしれないということです。

    少なくとも、自分に関する他愛のない話を事前に行うだけで、それがメールの冒頭に入れる場合であっても、電話で行う場合であっても、およそ1.2倍ぐらいは相手が協力的になってくれる可能性が上がるわけです。

    自分の人格を印象付けることが重要
    自分の話をすることが苦手だとか自己開示が苦手な人、世間話や時事ネタについては雑談することができても、自分の趣味の話や好きな女の子の好みなどの話ができない人は、それができる人に比べて20%も相手が協力してくれる可能性が少なくなってしまうということになります。

    このように考えると、自分の話をちゃんとすることができるというのはとても大切なことです。
    直接会っている時には、自分の人格を相手に印象付けるということを行うようにして、仕事の話やお願い事などはまた次に会った時、あるいは、メールでお願いするぐらいの方が信頼感としては非常に良いということになります。

    いきなり本題から入る人や、散々雑談をして盛り上がった後にいきなりスイッチを切り替えて仕事の話をする人がいますが、これは今回の研究から考えると、あまりよろしくはありません。
    直接会った時にはシュムージングを行い、次にまた会った時や改めてメールの中でお願いをする方がいいのだろうと思われます。

    人は信用した相手の話しか聞かない
    このような効果が現れる原因としては、人間というものは信用した相手の話しか聞かないからです。
    しかも、この信用というものがどのようにして生まれるのかと言うと、相手の人となりが理解できて、その情報が相手の心にちゃんと響いて処理された上で、記憶になったところで初めて信用というものになります。

    ですから、いきなり会ってすぐに人となりなどを話されてもピンとこないけれど、会っている時にいろいろと人となりを話して、それが自分の中で納得できた時に初めてその相手の情報を受け入れるというわけです。

    いきなり会って自分をネタにした話や自己開示をして楽しく会話をして、友達のように楽しく盛り上がったとしても、ところで本題なのですがと仕事の話をされて、急に冷めたり結局自分に何か売り込みたいだけだったのかと思うこともあると思います。

    このようなことが起きてしまうので、相手が皆さんの情報をちゃんと受け入れるまでは時間を置くようにするか、2回目の約束を取り付ける、あるいは、改めてメールでお願いするようにした方が良いのではないかということがこの研究から示唆されているわけです。

    皆さんは、ひとまず初対面の相手と雑談をする時には、自分のことをネタにした話をしたり、出身や趣味でもいいですし、皆さんの人となりがわかるような雑談を取り入れるようにしておきましょう。
    その上で、本題の話は後からメールを送るぐらいでも構いませんので、特に一度目はシュムージングで自分の信頼感を高めるということを大切にしましょう。

    影響力を高める声の使い方
    では、声の使い方や具体的な話にこれから入っていきたいと思います。
    影響力が高くなる声のピッチについての研究があります。

    相手に対して自分の影響力を与えることができるかどうか、その相手が皆さんの話に興味を持ち影響を受けるかどうかということは、喋り始めの最初の3秒で決まるということがわかっています。
    この最初の3秒を意識することによって、かなり説得力の高い会話ができるようにはなります。

    2016年にイリノイ大学が191人の男女を集めて行った研究で、他人を自分の意見に賛同させるためには何が必要なのかということを調べてくれています。

    全員に対して、月に旅行に行く場合にトラブルに備えて何を持っていくのかというような質問を行い、それを考えた上でディスカッションを行ってもらい、自分がこれを持っていくべきだという考えに対して他人をどれぐらい賛同させることができるのかということを調べたものです。
    そのディスカッションの様子を全て動画で撮影して、それぞれの口調や声のピッチの変化などをチェックして、それを音声解析ソフトで解析しました。
    つまり、会話の内容ではなく、声のトーンや口調などによって相手が説得に応じる可能性が変わるのかということを調べようとしたわけです。

    自分がトラブルに備えてこれを持っていくべきだと考えている自分の主張に対して、多くの人を説得することができる声のトーンや口調というものはどんなものなのかということを調べました。

    普通に考えると、話している内容に意味があるのであれば、声のピッチや口調などは関係がないはずです。
    つまり、何を持っていくかということ自体が大切で、そこに説得力が関わるというのであれば、話し方による差は出ないはずです。

    ところが、実際にはそうではなく、その結果わかったこととしては、最初の1語目から3語目を発する際に声のピッチを大きく落とすことによって、その話の内容に関わらず相手は納得しやすくなるということが確認されています。

    話し始めの声のトーンを下げる
    つまり、僕たちが相手を説得したいと思い話し始める時には、最初の一瞬でいいので声のトーンを落として話し始めておくと、説得に応じてもらえる可能性が高くなるということです。
    最初の1語目から3語目を発する際の声のトーンを大きく落とすということをすることによって、話の内容と関係なく相手が納得しやすくなるというわけです。

    この影響度についてそれを正確に測定することは難しいことですが、およそ5%から8%ぐらいは相手に対する影響力が変わるのではないかということがいわれています。
    5%から8%と言われると少ないように思う人もいると思いますが、影響力としてはかなり大きいものです。しかも、話し始めの声のトーンを変えるだけでこんなにも変わるわけですから、それであれば使った方がいいということになります。

    このような効果が出ることについて、研究チームは、声のトーンが低いことによって、人間はその人に威厳や支配力を感じるからだと言われています。
    ですから、声の低い人は基本的には周りに影響を与えやすいわけで、声の高い人はこのような影響力をあまり使えないような気がするかもしれませんが、実際には、話の初めの部分だけ意図的に声のトーンを落とすということをするだけで、相手に対する影響力を高めることができて説得に応じてくれる可能性が高くなります。

    話の冒頭の部分だけ声のトーンを意図的に落とすようにしてみてください。

    これは普段であれば人と会って最初というよりは、自分が一番相手の心に残したい言葉を言う時には声のトーンを下げるということを意識してみてください。
    細かい説明や挨拶は普通にしゃべってもらい、自分が最も言いたいところが決まっているのであれば、その部分の話し始めを声のトーン落として喋るという感じです。

    ちなみに、このテクニックをオンライン会議などで使うのであれば、最初の1語目から3語目ぐらい声のトーンを落として、誰よりも最初に言葉を発した方がいいと思います。

    例えば、会議やプレゼンの場面であれば、座る位置としては、人は真ん中あたりにいた方が重要人物だと思われやすいということもわかっています。
    それと同時に、会議においては一番最初に発言した人が最も重要人物だと思われやすいです。
    ですから、オンライン会議の場で使うのであれば、まず最初に発言するようにして、その時の話し始めは声のトーンを落とすようにしてみてください。

    会話の速度と影響力
    早口が影響力の増加をもたらすのかということについてはメリットとデメリットがあります。

    相手に対して行う会話の速度と相手に与える影響力に関する研究というものは結構たくさんありますが、はっきりとした結論はあまり出ていないという状況です。

    例えば、1976年にサザンカリフォルニア大学が行った実験を見てみると、1分あたり195語という結構なスピードで話した場合と、1分あたりに102語という半分ぐらいの遅めに話した場合の2パターンを比べたところ、早口の方が情報の信頼性が高いような印象が増えて、結果として相手に対する影響力も上がったということが確認されています。

    早口で話すことによって、自信や知性、客観性や知識量が多いという印象が増すということです。
    ですから、同じ内容であっても早口で話すことによって、自信があるように見えたり頭が良さそうに思われたり、それが客観的な情報であるように思われるということです。

    ただ、これは古い研究なので、1990年代になるとこの結果は一度覆っています。
    早口のデメリットも出ていて、例えば、1991年にジョージア大学が行った実験を見てみると、学生たちに対して2種類のメッセージを伝えるということを行っています。

    学生たちに対して、21歳を超えるまではアルコールを飲んではいけないという発言と、21歳を超えるまでアルコールを飲んではいけないというのはおかしいという正反対の2つの発言を学生たちに伝えました。

    その際に学生たちには2種類のスピードでメッセージを伝えています。
    1分あたり144語という少し遅い話し方で伝えた場合と、1分あたりに214語というかなりのスピードの早口で伝えた場合で、学生たちがどれだけそのメッセージを受け入れるのかということを調べました。

    つまり、基本的には学生たちは早くお酒を飲みたいわけで、どちらの話し方の方が、学生たちがお酒は21歳までは飲んでは駄目だと受け入れる確率が高くなるのかということを調べようとしたわけです。

    その結果わかったこととしては、元々の自分の考えと反するメッセージを伝えられた場合には、早口の方が相手に影響力を与えやすかったということです。
    一方で、遅い話し方の場合は説得力が低下するということです。

    要するに、この実験では、早くお酒を飲みたいと思っている学生に対して、21歳まではお酒を飲むべきではないということをゆっくり話してしまうと、むしろ反対されたということです。
    逆に、そんな学生たちに対して同じ内容でも早口で伝えると、それに納得してくれる確率が高くなったということです。

    つまり、僕たちが早口で伝えた方がいいことは、その内容を相手が知らない場合や、相手が自分がこれから伝えようとしている内容に反対しているということがわかっている場合で、そのような場合には早口で喋った方が説得力は上がります。

    一方で、こちらが伝えようとしている内容を既に相手が知っているという場合や、納得してくれるということが確実だという場合には、ゆっくりと喋った方が相手からの賛同を得る確率が高くなるということです。

    要するに、味方にはゆっくりはっきりと喋ってください。敵もしくは新しい相手に対しては早口でよどみなく喋ってください。

    自分の考え方に合っているメッセージを伝えられた場合は、遅い話し方の方が相手に対する影響力を与えやすいということです。早口で伝えようとすると説得力は下がります。
    逆に、自分の考えとは違う、あるいは新しいメッセージを伝える場合には、早口で伝えた方が影響力を与えやすく、ゆっくりと喋ると説得力は下がります。

    なぜこのような効果が起きるのかということについては、自分が気に入らない考えや自分にとって都合が悪い情報をゆっくりとしたスピードでコンコンと伝えられると、その間に自分を正当化する余裕を相手に与えてしまいます。
    つまり、喋っている間に相手に反論する余地を与えてしまいます。その結果として影響力が低下するということです。

    一方で、早口で喋られるとそれについていくので精一杯になるので、その結果として相手から反論しようという感覚がなくなってしまうということです。

    このように考えると、早口の人は敵や知らない人に対しての説得には向いています。
    ところが仲間内での会話となるとデメリットが多い場合もありますので、話すスピードは使い分けるようにしたほうがいいです。

    このようなことを歴史を動かしたような偉人たちは当たり前のように使っていました。
    自分に賛同してくれる信頼できる人たちと、一対多数で民衆に向けて喋る時では、話すスピードも使い分けていたわけです。

    ここから先は、さらに相手やオーディエンスを話を聞く気にさせて、説得に応じやすくさせたり心を動かすための方法について解説していきます。
    ぜひ続きもチェックしてみてください。
     
  • 一問一答「あなたは、目の前に何があると最もやる気が出ますか?」【報酬と達成感】

    2022-10-25 13:40  
    330pt
    あなたは、目の前に何があると最もやる気が出ますか?

    今回は、DaiGo師匠が珍しくやる気がない日に、その理由を聞かれた質問をもとに、ゲームが与えてくれる報酬を仕事や勉強に活用する方法について解説させてもらいます。

    Q. やる気がない理由は何ですか?

    いつものリズムを崩してしまったからです。
    それと放送内容を考えるリサーチの段階で煮詰まったということもあります。

    普段やる気が出ない時には、かなり激しめの運動をしてごまかします。
    やる気がないと感じた瞬間に外に出て、自然の中で激しい運動をして、それによってやる気がない状態を吹き飛ばすというようなことをいつもはしています。

    今日はお昼にすごい成功者の方に食事会に誘われ美味しいワインをいただきました。
    お昼にお酒を飲むデメリットは、やる気がなくなった時に運動で吹き飛ばすことができないことです。
    さすがにお酒を飲んでいる時に運動することはできません。

    お酒が抜けたらガンガン運動をしてやる気は一瞬で戻ると思います。
    運動できない状態ではやる気を復活させることができません。

    以上がDaiGo師匠がやる気がない理由でした。

    ゲームを利用して成功するには?!

    多くの人はゲームをしている時にはとんでもない集中力を発揮できます。
    仕事や勉強はやる気が出ないけれど、ゲームであればいくらでもできるという人が多いと思います。
    興味がないゲームでも、少しやってみると楽しくなったりします。

    ゲームは脳の報酬系を刺激して、「もっとやりたい」という感覚を作ります。
    ドーパミンは期待のホルモンなので、「もっと!」という行動への期待感を作り出すホルモンです。
    人間の脳はこの期待感にとても弱くできています。

    報酬と達成をゲームは上手に使っています。
    これを皆さんの仕事や勉強に応用することができれば、皆さんはゲームに感じるレベルのモチベーションを人生で感じることができます。

    「もっと!」という欲望が、人類が絶滅する可能性があった時代には、生存に有利に働いていました。
    ところが、科学や技術を進歩させ遥か先の未来を計画する能力を得た人類は、技術も情報も潤沢な環境に恵まれていて、この現代では「もっと!」がもはや生存上は重要で無くなっています.
    ですが、人間の脳はそんなに変わっていません。

    そんな中、これから先人類はさらに技術を発展させ、AI が作り出した情報や環境、感覚や体験を味わうようになると思います。
    今あるものも、これから手にするものも、報酬と達成を理解した上で上手に活用して楽しみながら、より良いバランスを見極めて、人生をより良い方向に進めていくためのやるべき事も求めて成長していくために、ドーパミンと報酬に対する捉え方を学んでいただけたらと思います。

    ゲーミフィケーションのおすすめ本
    ゲーミフィケーションができるようになると、本当に作業がすべて楽になりますし、これが綺麗にハマると気が狂ったかのように作業効率は高まります。

    ゲーミフィケーションに関しては、人によって合う合わないがあると思いますが、一番わかりやすいのはこちらの本だと思います。

    GAMIFY ゲーミファイ―エンゲージメントを高めるゲーミフィケーションの新しい未来

    こちらの本は、ゲーミフィケーションを実際のビジネスで使うためのフレームワークについて解説してくれている本です。

    ゲームにすればうまくいく ―<ゲーミフィケーション>9つのフレームワーク

    ゲーミフィケーションを自分のビジネスに活かしたり、商品やサービスを販売したいというのであれば、こちらの本が参考になると思います。

    「ついやってしまう」体験のつくりかた 人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ

    3つの報酬タイミング

    報酬と達成のタイミングは人によって違います。
    ですから、想像力を働かせて試していくことが重要ですが、基本的には3つのポイントに留意してください。
    ①ランダム報酬
    ②固定報酬タイミング
    ③時間依存報酬

    この3つを工夫することができるようになれば、皆さんは報酬タイミングをコントロールして、自分の仕事や勉強に対するモチベーションも上手に保ち続けることができるようになります。

    1. ランダム報酬
    人間には中毒のように熱狂的にハマってしまうものがいろいろとあります。
    ギャンブルでも恋愛でも同じですが、人間は定期的に与えられる報酬よりも、ランダムでもらえたりもらえなかったりする報酬に強く刺激を受ける傾向があります。

    これを自分のやるべきことをやるためのご褒美に取り入れることができているでしょうか?

    ほとんどの人が自分に報酬を与えていなかったり、ランダム化できていないと思います。
    給料日も毎月同じですし、大抵のご褒美のタイミングは定期的に決まっています。
    自分へのご褒美もランダム化していないと徐々に慣れてしまいます。
    ランダム化されていない報酬には徐々に飽きてしまいます。

    これを日常生活に取り入れるのであれば、サイコロを使ってください。
    例えば、一定のタスクを終えたらサイコロを振って、「1か6が出たらコーヒーを飲んでいい」という感じで、サイコロの目に応じてご褒美を設定するということもできます。

    サイコロがない場合はスマホでもいいと思います。
    例えば、きりのいいところまで本を読んだり、筋トレを一定回数やり終えたら、画面を下に向けていたスマホを自分のタイミングでひっくり返します。
    その時に 、「時間の一番下の桁の数字が偶数だったらアニメを見ていい、奇数だったら残念」という感じで報酬を決めておきます。

    もちろんこのタスクがあまりに長くなるとやる気がなくなってしまいます。
    読書だったら15分など、無理なくできる1回のタスクに対してご褒美を設定してください。
    1/2ぐらいの確率になるわけですから、その確率で休憩を取っても問題ないレベルに設定してください。

    このようにすると、次の休憩を目指してもう一度頑張ろうと考えることができます。
    これによってモチベーションが続きます。

    自分なりのご褒美とルールを
    月に1回とか1週間に1回の大きなご褒美としては、もう少し確率を下げて達成感を感じられるように工夫できます。
    例えば 、「筋トレ」「HIIT」「読書」というタスクが3つあったとします。
    それぞれに対して、いつもより早く終わらせようとタイムアタックで頑張り、それぞれの時間を記録します。
    それぞれの時間を記録して、かかった時間の下一桁が揃ったら自分にご褒美を与えていいとします。

    これは、2回連続3回連続で下一桁が揃ったらご褒美という感じでも使えます。
    実際の自分のモチベーションと確率を自分なりに調整しながら工夫してみてください。
    数字が揃うことに喜びを感じるので、そんな大きなご褒美でなくてもモチベーションが出てきます。
    自分なりのご褒美とルールを設定してみてください。

    くじ引きの要素を取り入れてもいいと思います。
    例えば、六角形の鉛筆で、それぞれの面に「5分休憩」「10分休憩」「15分休憩」「アニメ1本」「腕立て30回」「スクワット30回」と、罰ゲームも含めて書いておいて、勉強や読書が一定時間できたらそれを転がしてご褒美を決めます。

    どんな方法でも良いですが、ご褒美にランダム性を設けて楽しんでください。
    罰ゲームも軽く含めておくと、失うものもあることで高揚感が生まれます。

    罰ゲームがあるから楽しくなります。
    人は不安になるからこそ新しいことに挑戦したくなります。
    ですから、ご褒美にはランダムで罰ゲームも入れてもらい、その罰ゲームも含めて楽しんでください。
    罰ゲームだったらどうしようかと不安を感じている状況が高揚感を作ります。
    その高揚感がモチベーションに繋がります。

    2. 固定報酬タイミング
    もらえる報酬の多寡はランダムですが、その報酬をもらえるタイミングは固定しておく必要があります。
    何がもらえるのかということはランダムで、それがもらえるタイミングは固定してください。

    「あと◯◯分頑張れば、◯◯が手に入るかもしれない」
    どこまでやればいいのかがわからなければやる気にはなりませんし、そこまで頑張れば求めているものが手に入るかもしれないという欲望がモチベーションになります。
    終わりが見えないと人はやる気になりません。
    勉強でも筋トレでも終わりが見えてくると楽になります。

    これは読書でも同じで、読み始めた時には今何ページ読んだのかということを気にしながら読むと思いますが、1/3とか1/4ぐらい読んだ頃からは、残りのページ数を意識した方がモチベーションが続きます。

    もし、仕事中にサイコロを振ったり鉛筆を転がすのは難しいという場合には、チェックポイント方式を使うこともできます。

    例えば、仕事であればお昼休みに入る時間、仕事が終わる時間、お風呂に入る前の夜9時など、自分の仕事や生活のリズムに合わせていくつかのタイミングを決めて、それぞれのチェックポイントで一定のタスクをこなすことができていたらご褒美とします。
    時間を区切ることでモチベーションが続きやすくなります。

    ここから先は、残りの時間依存報酬とご褒美をより上手に使ってやるべきことをサクサクと終わらせる方法について解説していきます。
    ぜひ続きもチェックしてみてください。
     
  • 一問一答「あなたが守りたい正義は何ですか?」【説得型論破の技法】

    2022-10-22 12:00  
    330pt
    あなたが守りたい正義は何ですか?

    今回は、スピリチュアルの人を黙らせたいという方の相談をもとに、相手にNOという隙間を与えないための説得型論破について解説させてもらいます。

    Q. スピリチュアルな人を黙らせる方法を教えてください。

    こちらはリチャード・ドーキンス博士というイギリスの有名な方が書かれた本ですが、キリスト教がベースの国で神様は妄想だと、欧州においてはかなり珍しい考え方をもたれている方の本です。
    科学的に宗教というものについて考え、僕たちに妄想に頼って生きている場合ではないということを教えてくれる素晴らしい本です。
    論理的に神を否定して、であれば何を信じて生きていけばいいのかということを教えてくれます。

    これは普通に読み物としてもとても面白いですし、宗教との決別がテーマになっていますので、スピリチュアルっぽい人を論破する時にも使えますし、マルチ商法や引き寄せの法則などが好きな人を秒速で論破することもできます。
    それぐらい深い議論がされている本なのでよければチェックしてみてください。

    神は妄想である―宗教との決別

    コミュニケーションで優位に立てる6種類の論破テクニック

    心理学的には、論破ではなく論理的誤謬と言います。
    つまり、論理的には間違っているけれど、なぜか納得してしまったり、言い返せないコミュニケーションテクニックです。
    いわゆる詭弁やレトリックと言われているものです。

    論破と詭弁のおすすめ本
    今回のおすすめの本としても、論破や詭弁のテクニックについて参考になる本を紹介しときます。

    レトリックと詭弁 ─禁断の議論術講座 (ちくま文庫)
    こちらもとても参考になりますし、特に言い負かされたくないという人は読んでおくといい本だと思います。


    反論の技術―その意義と訓練方法 (オピニオン叢書)
    何か言われた時に言い返すことができないという人は、反論の技術を学んでおくことで対応できるようになります。
    そのためにはこちらの本が役に立つと思います。

    1. 循環論法
    結論を根拠として使う話法です。
    結論と根拠で、言っている内容は同じだけれど、表現の仕方を変えて使います。

    人は相手の話を聞く時に、結論と根拠がどれだけ理にかなっているかということに注目します。
    冷静に考えると、結論も根拠も同じことを言っていても気づかない人が多いです。
    表現を変えてるだけで、同じことを言っているわけですから、「確かにその通りだ」と納得してしまいます。

    ですから、伝えたいことがあるのであれば、その結論を表現を変えて根拠としても使うわけです。

    例えば、難しいテーマではありますが、中絶が合法かどうかという議論があったとします。
    ここで循環論法を使うのであれば次のようになります。
    (※あくまで例ですので、その判断や主張をするものではありません)

    「女性には子供を産むかどうか選択する自由がある。だから、中絶は合法であるべきだ。」

    結論を根拠にします。
    「中絶は合法だ」と言うだけであれば論理的に説得できないので、「女性には子供を産むかどうか選択する自由がある」「誰にだって自分で人生を決める自由がある」という当たり前の結論を根拠として使います。

    中絶するかどうかというのは、当然、子供を産むかどうかの選択です。
    同じことを言っているだけなのに、表現を変えて納得させる話法です。

    この結論と根拠をもう少し離して使うこともできます。

    「人間には誰しも自分の人生を自分で決める権利がある。あなたにもその権利があるし、私にもその権利がある。自分の人生を他人に決められたり強制されることはあってはならない。自分の人生は自分で切り開いていくものだから。ですから、女性にも自分の子供を産むかどうかを選択する自由があるはずだ。だから、中絶は合法としておかなければならない。」

    つまり、人間が自分の人生を自分で決める自由という話をして、その中に女性が自分の子供を産むかどうか選択できる自由について触れます。
    それを根拠として、中絶は合法にするべきだという結論を主張するわけです。

    2. お膳立て
    まずは相手が反論できないことを先に言って、それに続いて自分の言いたい主張を述べるテクニックです。
    本来の議論をする前に、相手が反論できない話をして認めさせます。

    例えば、アメリカ政府がテロ行為に関係があると疑われる人の iPhone をハッキングするために Apple に協力を求めたことがありましたが、それに対して Apple は断って、「 Apple はテロリストに協力するのか?」という問題が起きたことがあります。
    この問題について、 Apple に否定的な主張をする人を論破するのであれば次のようになります。

    「その前に前提として、一般的に考えて無実の善良な市民のプライバシーを政府が勝手に覗くことに関してはあなたも反対ですよね?」

    この質問に対して相手は当然合意するはずです。
    認めさせた上で、次のように主張します。

    「ということは、テロリストと思われる理由で iPhone をハッキングできるようにすると、その可能性があるというだけで一般の人の iPhone を覗くこともできてしまうので、それは問題だと思いませんか?」

    これは会社の中でも使えます。
    例えば、新しい企画に否定的な上司や同僚がいて説得したいのであれば次のようになります。

    「その前にまずは確認したいのですが、大前提としてここにいる皆さんは、我が社の発展とさらなる利益を追求するためにここに集まっているという認識で間違いないでしょうか?」

    自分の会社の利益を願っていない人なんていません。
    それを納得させた上で、その目的達成のために自分たちの新しい企画があり、それにより更なる発展を目指すことができると説得します。

    人は前提となる部分や前置きを否定しないと、本論の部分を否定することもできません。

    3. 自明性
    自分の意見がすでに自明で世の中や業界に広く受け入れられていると匂わせる話法です。
    説得する相手が複数いる一対多数の場合に使える方法です。

    人は皆が同じ意見を持っている時に、自分だけ違う意見を持っているとは言いづらい性質があります。
    周りの人はみんな知っているのに、自分だけ知らないというのは怖いものです。
    ですから、学校でも先生の話をみんな理解している時に、自分だけ理解できていなくても、それを言い出しづらくて手を挙げることもできなかったという経験がある人も多いはずです。

    例えば、次のような前置きを使います。

    「この件については皆さんもすでに周知の事実だと思いますが…」
    「この件については最近のビジネス誌でも良く紹介されているので、当然皆さんもご存知だと思いますが…」
    「この方法は様々な研究でも成功例が確認されている方法ですが…」

    ここから先の残りの3つについては、会員限定で紹介していきます。
    誰かの考え方や態度を変えたい、どうしても説得したい相手がいるという方も多いと思います。
    ぜひ続きもチェックしてみてください。
     
  • 一問一答「あなたがもっと学びたいことはどんなことですか?」【知的謙遜】

    2022-10-20 12:00  
    330pt
    あなたがもっと学びたいことはどんなことですか?
    今回は、知的謙遜を鍛える方法についての質問をもとに、皆さんだけでなく皆さんの周りの人の知的謙遜も鍛えるための方法について解説していきます。

    Q. 知的謙遜を鍛える方法が知りたいです。 仕事中などにバカな事を言ってる人をついバカにしてしまいます。 動画も3回ぐらい見たんですが、なかなか自分に落とし込めなくて… 何かコツとかありますか?

    ついつい人をバカにしてしまうということは僕もしてしまうことがあります。
    僕は、相手を馬鹿にするようなことを考えてしまった時に、「自分がこのようなバカなことを考えてしまったのはいつだっただろうか」と考えるようにしています。そうすると、意外と幼い頃ではなく大学の頃だったりするということに気づくこともあります。
    もうひとつ、「自分に同じようにバカなことは何かあるだろうか」ということを考えます。
    自分にも自分より上の人たちにバカだなと思われているところがあるかもしれないので、それはどこだろうかと考えます。
    このように考えると結構知的謙遜がはたらくようになります。

    以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。

    周囲の人を成長させる人とは?

    自分がリーダーになったり、集団の中で他の人に気づいてもらいたいことがある時に、どうすればいいのかということを解説させてもらいます。

    ビジネスでもある程度成功すると停滞する時があります。
    どんな人でも同じで、ある程度生活に満足することができるようになると、学ぶことを怠って停滞してしまう時があります。

    仕事でも最初はとてもやる気があったのに、ある程度自分の力でこなすことができるようになると、スキルや技術を身につけたり学び成長するための努力が失われていきます。

    これは職場でも家庭でも大切です。
    仕事の仲間や同僚、大事な家族や子供、自分の大事な人に気づいてもらった方が、自分の人生にとってもいいのは間違いありません。

    チームや家族が、どうすればお互いに高め合いながら成長することができるのかということを解説していきます。

    自分の知的謙遜を高める5つの方法
    まずは、自分の知的謙遜を高める方法として、2016年のジョージタウン大学のクリスティーン・ポラス氏が、知的謙遜の中でも、特に「他者へのリスペクト」と「自分の立場を変える」というポイントに的を絞って、重要なポイントを5つにまとめてくれていますので、そこから解説していきます。

    「他者へのリスペクト」
    他人へのリスペクトがないと、自分の力だけで生きていくことになります。
    それは自分自身の可能性を失うことでもあります。
    自分とは違う考え方であっても、相手のリスペクトがないと考え方を理解しようとする気もなくなってしまいます。
    他人の視点も理解することで、知らないと逃してしまうチャンスを見つけることもできます。

    これが知的謙遜で一番重要なことです。
    DaiGo師匠も他人へのリスペクトがなかったとしたら、他人の意見に耳を傾けることもできなかったでしょうから、ニコニコで自分の好きなことだけしていれば良いと考え、YouTube に挑戦したりすることもありませんでした。
    そうなると当然ですが今のDラボもありません。

    人は年齢を重ねれば重ねるほど他者へのリスペクトが薄らいでしまい、知的謙遜がなくなっていきます。
    これがチャンスを失う原因です。

    「自分の立場を変える」
    自分がこれまで積み上げてきた常識から逃れるためには、自分の立場を変えるということが必要になります。
    自分よりも優れた能力を持っている人、自分が信じていることよりも可能性のある理論、これまで信じていたことよりもアップデートされた情報、常に自分のポジションを移していくことができなければ、これらから学ぶことも成長することもなくなります。

    常に客観的に見ることが重要です。
    自分が今していることや信じていることが常に正しくてベストだとは限りません。
    常に新しい常識を受け入れていく必要があるのかという観点を持ち、もし必要があるのであれば、自分の立場をどのように変えていけばいいのかということを考えることが大切です。
    これを柔軟に考えることができないと、あっという間に時代に取り残されます。

    ポイント1 :与える
    他人により多くを与えるギバーは、他人と人間関係を深めることができます。

    人間は様々なタイプの人と付き合っていないと、他人の意見を受け入れることができません。
    周りの人と深い人間関係を作ると、人はそれぞれ考え方も違うわけですから、その人間関係はどうしても面倒になります。

    表面上だけ付き合っているのであれば、それぞれの考え方はそんなに出ないでしょうから、考え方の違いで悩むこともありません。
    ですが、深い付き合いになればなるほど、相手との考え方の違いに気づくようになります。

    そこで、その違いも受け入れた上で、自分とは違っても優れている点に目を向けることができるかどうかです。
    これを考えることができるかどうかで、知的謙遜の能力は変わってきます。

    だからこそ、他人により多くを与えるギバーになる必要があるわけですが、何でも与えればいいということではなく、次の3つのポイントに留意して与えるようにしてください。

    ①情報的リソース
    他人に伝えることができる自分の専門知識や技術や経験を与えてください。
    他の人よりも自分が持っていて、周りから求められるであろう経験や情報を伝えてください。
    もちろん、そのために自分で調べても構いません。

    ②社会的リソース
    新しい人間関係を紹介するようにしてください。
    人を紹介するだけであればお金がかかるわけでもありませんし感謝されます。

    ③個人的リソース
    自分の時間や使えるリソースで他人のために何かをしてあげるようにしてください。

    この3つのリソースを与えることが重要なわけですが、クリスティーン・ポラス氏によると、主に情報的なリソースと社会的なリソースを重要視した方が良いとされています。
    それはどちらも減ることがないからです。
    情報も人間関係も与えても無くなるものではありませんし、相手は一度それを与えられると、そこからずっとメリットを得ることができます。

    ポイント2 :成果を分ける
    自分を助けてくれた人の全てが win-win になるように成果は分けるようにしてください。

    従業員を対象にした研究でも、仕事の成果を独り占めすることなく、チームの全員に分けるリーダーのもとであれば、チームメンバーの仕事に対するエンゲージメントは3倍も高くなったということが示されています。

    ですから、特に継続的に取り組んでいくのであれば、成果は独り占めせずに全員で分けた方が、その後の結果や成果も大きくなっていきます。

    もちろん、ここでいう成果はお金だけではありません。
    誰のおかげで結果が出たのか、称賛も人それぞれの働きに注目して分けてください。
    大きな結果や最終的な成果だけでなく、そこに至るまでそれぞれの人が果たした役割に目を向けて、称賛の声も小さな壁を越えたり達成をするたびに与えてください。
    周りの人にわかるように褒めてあげてください。

    ポイント3 :褒めのスキルを磨く
    他人を褒めることが苦手な人も多いと思います。

    定期的に他人を褒めることができる人は、「他人の視点」を持つことができるということが示された研究があります。
    他人を褒める人の方が、多角的な視点を持つことができて、チャンスをつかむ可能性が高くなるということです。
    余計な思い込みに惑わされる可能性も少なくなります。

    とはいえ、人によってはみんなの前で褒められることが苦手な人もいますし、逆に、みんながいる前で褒められることに喜びを感じる人もいます。
    これについては、これまでの嬉しかった褒められた経験などを相手に直接話を聞いた方がいいです。
    過去の嬉しかった経験の話から、その人が周りに人がいる状況で褒められた方が嬉しいのか、一対一で褒められた方が嬉しいのかということを確認してください。

    ポイント4 :フィードバックスキルを磨く
    フィードバックスキルは、他人から意見を求められた時に自分の意見を返す力です。

    相手にとって適切なフィードバックを返すためには、相手が何を考えているのか理解しておく必要があります。
    相手の立ち位置や考えについて適切に把握することで、上手にフィードバックを返すことができます。
    この適切なフィードバックは、自分の知的謙遜を鍛えるためにも役に立ちます。

    ただし、ここで重要なのはネガティブなフィードバックも返すということです。
    とはいえ、相手に言いづらいこともあります。

    この言いづらいことをどうすれば言うことができるのかということについて、クリスティーン・ポラス氏は2つのポイントを示してくれています。

    ①フィードバックサインを決める
    相手に心の準備をしてもらうための、自分なりの前置きやフレーズを決めておいてください。

    研究で示されている例としては、「特定の音楽を流したら厳しいフィードバックをする」とあらかじめ決めておくという方法が紹介されています。

    例えば、「これからグサッとくることを言うけれど…」と前置きをあらかじめ相手と決めておいてもいいですし、毎週金曜日の夕食の時には、食事の前に5分だけ時間をとって言いにくいことを言うというような方法でもいいと思います。

    状況やサインを決めておくことで、相手は話を聞く気になります。
    ネガティブなフィードバックを急にされると反論したくなったりします。

    ②「自分だったら」と想像する
    ネガティブなフィードバックを与える際には、事前に「自分だったらどのようにそのフィードバックを伝えられたら話を聞く気になるだろうか」と考えてください。
    自分だったらと考えた上で、どうすれば相手が受け入れてくれるのだろうかと考えます。

    ポイント5 :意義の共有
    自分のしていることが、周りの同僚や仲間、家族にどのように役に立っているのか、周りの人と確認するようにしてください。

    自分のやりたいことばかり考えていると、人はどんどん自分のことしか考えられなくなります。
    自分のしていることが、周りの人にどのように役に立っているのか相手に質問してください。
    そんな話をお互いにすることによって、人は持ちつ持たれつの関係になります。
    これによって、他人の視点も他人のいいところも認めることができるようになります。

    自分の使命や目的を周りに共有しておくことも重要です。
    自分のしたいことや目的を主張するのではなく、それぞれお互いに共有して助け合いながら、持ちつ持たれつの関係を作ることが重要です。

    ここから先は、親や上司など、人を導く立場にある人が知的謙遜を鍛えるためにどうすればいいのかということを解説していきます。
    ぜひ続きもチェックしてみてください。
     
  • 一問一答「あなたは自分の人生をどのように変えたいですか?」【コンフォートゾーン脱出法】

    2022-10-18 12:00  
    330pt
    あなたは自分の人生をどのように変えたいですか?

    今回は、副業に挑戦したいけれど、やりたいこともなく面倒だと感じて行動できない人の相談をもとに、コンフォートゾーンを抜け出して変化と成長を続けていくための方法について解説させてもらいます。

    Q. 昔からやりたいことがなく興味があることもありません。興味がないことをやるということがめんどくさいと感じて動けずにいます。今年は何か副業に挑戦したいと思っていますが、私はどうすればいいでしょうか?

    興味がないことをやるのが面倒だと感じて動けないというのは、新しいことに対して恐怖を感じるのと同じくらいやばい状況です。

    人間はやってみないと自分が興味を持てるかどうかはわかりません。
    自分がやってもいないのに興味がないと思うのは、新しいことに対して恐怖を感じているのと同じ意味です。
    人間にとってのデフォルトは「変わりたくない」です。
    リスクを取りたくないし、今生きることができているのであれば、変わることはしないで生きていこうとするのが人間の本能です。

    自分が変わることを恐れるのは人間の本能です。
    そのことに人間は色々な理由をつけようとします。
    「それはリスクだから」と言って行動しない人もいれば、「自分は安定しているから別に興味はない」と言う人もいます。
    全て同じです。

    自分が変わることを恐れているということを理解してください。
    興味がないことをやるのが面倒だと感じるのであれば、普通に会社員でいればいいと思います。
    会社員として言われたことを行って一定のお金をもらうプロ会社員になればいいと思います。

    何かしたいと思っているけれど、興味がないことをやるのが面倒だと思っていたら何もできません。
    やりたくない事をやらないで自分が変われると思わない方がいいです。
    誰でも好きなことができればいいですが、それがいきなりできる人はいません。
    必ず嫌なことや苦しいことを通り過ぎないとできるはずがありません。

    嫌なことや苦しいことがあるから、ほとんどの人は変わりません。
    ということは、それを通り抜けることができれば、僕たちは他の人から抜きんでることができます。
    それができないのであれば、悪いことは言わないので普通の人生を歩んだ方がいいと思います。

    以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。

    コンフォートゾーンを抜け出し変化と挑戦を

    新しいことに挑戦して人生を変えたいと思っている人は多いと思いますが、自分が変わるためには一度不安定になる必要があります。
    今自分がいる安定しているところから抜け出さないと人間というものは変わらないわけです。
    そんなコンフォートゾーンから抜け出すにはどのようにすればいいのかということを解説させてもらいます。

    賢い人は常に変化を前提に考えます。
    これは変わらないものは基本的に世の中には無いからです。
    ところが、頭の悪い人は現状維持しようとしてしまいます。

    コンフォートゾーンは自分にとって心地が良い状況です。
    コンフォートゾーンにいると、何かに取り組んで改善させたり、変化しようとする気分にはなりません。

    例えば、運動した方が健康にも良いしかっこいい体になるということがわかっていても、しばらく運動していないと運動していないのが心地いい状態になってしまいます。
    そこから抜け出したくなくなり、運動したくないという気分になります。

    起業したり新しい会社に転職したり、自分のやりたいことに挑戦したいと思っていても、今の職場も人間関係も居心地が良くて抜け出すことができず、いつまで経っても変わることができない人も多いと思います。

    人はこのコンフォートゾーンに長くいればいるほど変化が怖くなります。
    変化に伴う恐怖が怖くなります。
    確かに、今のその状況がずっと続くのであれば問題はないのかもしれません。

    ですが、今の状況で満足していれば成長はありませんし、その状況がずっと続くとは限りません。
    コンフォートゾーンにずっといると、変化に耐えることができなくなり、あっという間に取り残されたり足元をすくわれたりします。

    科学的に正しいコンフォートゾーンの抜け出し方
    人生でも仕事でも、人間関係や恋愛でも、コンフォートゾーンから抜け出す方法を知っておくことが重要です。

    ちなみに、コンフォートゾーンとそうではないゾーンの2つだけではありません。
    実際には、4つのゾーンがあります。
    この4つのゾーンがどのように絡み合い、僕たちはそれを使い分ければいいのかということを解説させてもらいます。

    人はただ変化したり挑戦すればうまくいくのかと言うとそういうわけではありません。
    今の状況が苦しいから、そこから逃げるためにコンフォートゾーンを抜け出す人もいますが、それは失敗する可能性が高い抜け出し方です。
    仕事でも恋愛でも、今の状況から逃げたいという理由でコンフォートゾーンから抜け出すと、同じ失敗を繰り返すだけです。

    僕たちがコンフォートゾーンから抜け出す理由は自分の成長のためです。
    自分にとっての成長や自分のやるべきことを見つけるために、コンフォートゾーンの抜け出し方について知っておいてください。
    これを知っていると挑戦するのが楽しくなります。

    変化と成長のための4つの領域
    変化したり新しいことに取り組む際に面倒だというだけであればまだマシです。
    今自分がいる場所がコンフォートゾーンになると、その面倒だという気持ちに恐怖の感情が加わってきます。
    そんな状況を乗り越えて、継続的に成長していくための方法を紹介していきます。

    1. Comfort(安心)ゾーン
    2. Fear(恐怖)ゾーン
    3. Learning(学習)ゾーン
    4. Growth(成長)ゾーン


    1. Comfort(安心)ゾーン
    安心できて自分でコントロールできる状況です。

    2. Fear(恐怖)ゾーン
    学習と成長を続けていくためには、このゾーンを通り抜けるしかありません。
    逃げ出したくなる感情が伴う最も居心地が悪い状況です。

    何が起きるのかがわからなかったり、これまでの経験や常識が通用しません。
    このゾーンに踏み出すのが一番難しいです。

    ですが、重要なのはこの先があるということを理解しておくことです。
    この先があるということを知っておくだけでもかなりモチベーションが変わります。

    3. Learning(学習)ゾーン
    Fear(恐怖)ゾーンに一定期間いると、その状況に少しずつ慣れたり、それまでの自分の経験や常識が通用しない状況でも、次の展開を予測することができるようになったり、まだ経験とまでは言えないけれど仮説が立てられるようになります。

    スポーツであれば、なんとなくコツが掴めそうな感じがして、失敗することが多いけれど徐々に楽しくなってくる状況です。
    新しいスキルを身につけて、課題や問題に対処する方法を学び始めるタイミングです。
    それまでのコンフォートゾーンが拡張するイメージです。

    4. Growth(成長)ゾーン
    Learning(学習)ゾーンで十分な時間を過ごすと成長の段階に入ります。
    ここまで来ると自分の成長を実感することができます。

    新しいスキルを見つけてそれまでできなかったことができるようになったり、仕事であれば成果が出るようになります。
    目に見えた成果を実感できるようになり、ここまで来ると自分が何かを達成したということを体感として理解できるので、それによって満足感や快感を得ることができます。

    この4つのゾーンを繰り返すことによって、人は成長することができるしモチベーションを感じて何かに取り組むことができるようになります。

    Growth(成長)ゾーンにしばらくいると、徐々に詰まったりComfort(安心)ゾーンが広がってつまらなくなります。
    そうなったら、Fear(恐怖)ゾーンに踏み込んで恐怖に徐々に慣れて、Learning(学習)ゾーンに入りGrowth(成長)ゾーンへと少しずつ進んでいきます。
    これを繰り返していくのが人間の成長です。

    恐怖を乗り越える方法
    人はこの4つのゾーンを繰り返して変化と成長を続けていきます。

    恐怖を乗り越える唯一の方法は、「先を見ること」です。
    その恐怖の正体を細かく分析することもいいですが、その恐怖を乗り越えた先にどんな喜びがあるのか、自分がどんな学習と成長を手に入れることができるのか、これを知っておくことが重要です。
    それを知らずにただ怖いだけでは誰だって進みたくはありません。

    先を見ることができれば恐怖を乗り越えることができます。

    もし皆さんが変化と成長を続けていきたいのであれば、過去に皆さんが成し遂げたこの4つのゾーンの経験を3つ紙に書き出してみてください。

    初めて自転車に乗ろうとした時には、誰でも何度も転んで恐怖も感じたはずです。
    何度も転んでは挑戦しているうちに、ペダルを漕ぐことで安定するような感覚を少しずつ覚えたと思います。
    様々な仮説を試して少しずつ自転車に乗れるようになり、そのスキルを使って買い物に行ったり友達と遊んだりできるようになりました。
    いろんな楽しみを感じることができて、自分の中での達成感に満たされたはずです。

    このような経験を思い出して紙に書き出してみてください。

    自分にとってダメな状況だとわかっていても、それがコンフォートゾーンになっていることもあります。
    例えば、絶対に別れた方がいいダメ男だとわかっていても離れられないのも、それが予測可能で自分にとってコンフォートゾーンになっているからです。

    DaiGo師匠がテレビに出ていた頃は、嫌なこともたくさんあって、テレビではずっとやっていくことはできないとわかっていました。
    その状況で大丈夫なのかと不安で仕方がありませんでした。
    ですが、予測可能な状況だったのでそれがコンフォートゾーンになっていました。

    そこで自分で動画配信をするというのはまだしたことがない領域でした。
    ニコニコを始めてみたところ、初日は会員3人だけの状況から始まり、少しずつ様々な仮説を試して工夫を続けました。
    その試行錯誤を続けた先で徐々に成果が出始めました。
    今では動画配信に何の不安も恐怖も感じませんし、そこから先で一気に成長につながりました。

    皆さんにもこの4つの段階を乗り越えた経験がいくつもあるはずです。
    皆さんで今まで成し遂げたことをこの4つの段階に当てはめて整理してみてください。

    そして、このループを繰り返していくことが重要です。
    DaiGo師匠の場合であれば、  Growth(成長)ゾーンでニコニコの1位を獲得して、そこがComfort(安心)ゾーンになっていると感じたので、次のステップに踏み出すために独自の動画配信の方向に進みました。
    その結果、今のDラボがあります。

    ここから先は、これらの4つのゾーンでの向き合い方と皆さんの変化のステージを知るためのテストについて解説していきます。
    皆さんが今どの段階にいるとしても、変化と成長を続けていくためにはぜひ理解しておいてほしい内容になります。
    ぜひ続きもチェックしてみてください。
     
  • 一問一答「あなたはどんな人が苦手ですか?」【やる気低下対策法】

    2022-10-15 12:00  
    330pt
    あなたはどんな人が苦手ですか?

    今回は、上司に手柄を横取りされてしまうという方の相談をもとに、皆さんのモチベーションと生産性の観点から、職場の人間関係を活用する方法について解説させてもらいます。

    Q. 25歳女です。部署を任されていますが直属の上司に手柄を横取りされます。私が提案した改善案も全て自分が改善したとトップに報告します。実際に女だからと話が通じない場面もあります。どうすれば正当な評価を受けるでしょうか?

    大事なのは、改善策を作る能力であり改善策そのものではありません。
    その直属の上司は、あなたの改善策を使えば使うほどあなたを手放せなくなります。
    そして、地位が上がれば上がるほど、あなたが離れていくことを恐れるので、結果的には、裏からその上司をコントロールできる立場になれます。

    給料を上げる交渉もできるようになるでしょうから、もう少し頑張って籠絡させた方がいいと思います。
    その籠絡させる方法についてはこちらの本が参考になると思います。

    悪いヤツほど出世する

    以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。

    職場の人間関係を利用してやる気を上げる!

    職場の人間関係が嫌で、やる気がなくなってしまった人も結構いると思います。
    そんな人のための、職場に嫌な人がいても、逆にそれを利用して自分のやる気を高める方法について紹介させてもらいます。

    今恵まれない職場にいるという人も多いと思います。
    嫌な奴がいて、職場に行くとやる気がなくなってしまうとか、仕事は好きだけれど、人間関係がどうにも面倒でやる気が出ないという人もいると思います。

    仕事と人間関係を考えるためのおすすめ本
    この本は皆さんにぜひ読んでもらいたい本です。
    一緒に働く相手として、賛同できない人や好きではない人、信頼できない人と協働する方法を教えてくれます。

    自分1人で出来る事は限られていますので、いつかはこのような人と共に働かなければならない時も来ます。
    そんな時に、もはや敵とも言えるような相手と、どのように関わればいいのかということを教えてくれるありそうでなかった本です。

    敵とのコラボレーション――賛同できない人、好きではない人、信頼できない人と協働する方法

    人間関係のストレスというものは思っている以上に大きいものです。
    マインドフルネスは、今この瞬間に集中するために人間の注意力をコントロールするためのトレーニング方法です。
    余計な人間関係のストレスに惑わされないためには、こちらの本も使ってみてください。

    マインドフルネス・ストレス低減法ワークブック

    自分に対する自信が低い人は、他人に期待されていないとか評価されていないと感じると、ますます自分はダメな人間だと思い込んでしまいます。
    そうならないためには、こちらの本を使って自分をある程度認めることができるようになってください。
    ワークブック形式で自分を受け入れることができるようになる本です。

    自分のコンプレックスやネガティブな面を受け入れることができず、職場の仲間に言いづらいという方はぜひ使ってみてください。

    マインドフル・セルフ・コンパッション ワークブック

    組織内の人間関係についてはやはりこちらの本が参考になります。

    悪いヤツほど出世する

    上司との関係が悪いというよりも、脅してきたり潰そうとしてくるような上司がいる場合には、ブラック職場になりますので違う対策が必要になります。
    ブラック職場で人生を無駄にしないためにこの本も参考にしていただけたらと思います。

    ブラック職場があなたを殺す

    職場の人間関係の影響

    職場での人間関係というものはとても重要です。
    ウォーレン・バフェットも若者に「どんな仕事をするべきですか?」と質問された時に、尊敬できる人と働けることが一番だと答えています。

    人間がどんな仕事に就くと幸せになれるのかということについては明確に断言することは難しいです。
    自分が好きな仕事に就ければ必ずしも幸せになれるというわけではありませんし、自分がそんなに好きではない仕事に就くと必ずしも不幸になるというわけではありません。
    自分がその仕事を好きかどうかということで、長期的な幸福度が変わることはありません。

    ですが、人間関係では大きな影響を受けます。
    尊敬できる人や一緒に働くことで楽しく思える人がいることが重要です。

    とはいえ、職場の人間関係に恵まれないこともあります。
    人間関係に恵まれた職場にいる人はそれでいいと思いますが、人間関係に恵まれない職場にいる人は、どうすれば成果を出すことができるのでしょうか?

    仕事がデキない人への対処は?
    まず、職場の人間関係の問題として、ただ仕事がデキない人がいるということもあると思います。
    このような人がいた場合、その人をサポートした方が良いのでしょうか? それとも無視するべきなのでしょうか?

    結論としては、サポートしてもいいですが、「競争の中でのサポート」というものを心がけていないと、皆さんのモチベーションが下がってしまいます。
    デキない人をただサポートしたりアドバイスするのではなく、チーム戦や個人戦にしてサポートすることが重要です。
    サポートよりも競争を意識させるようにしてください。

    デキない人に周りがただ目を向けると、それに巻き込まれて組織全体のモチベーションが下がります。
    全体の生産性を高めたいのであれば、チーム戦や個人戦で競走を取り入れるようにしてください。
    残酷な話ではありますが、仕事がデキない人にヘタに対処すると組織全体が足を引っ張られます。

    ペンシルベニア大学が行った研究で、競争を重視することによってモチベーションは上がるけれど、サポートを重視するとモチベーションが下がるということが示されています。

    ですから、助け合うことを意識するよりも、チーム戦でも個人戦でも良いので競争を意識するようにしてください。

    この研究では、700人の学生を対象にフィットネスクラブに通ってもらう実験を行っています。
    全体を4つのグループに分けて比較しています。
    個人戦 :個人の成績が掲示されて、他の参加者に勝つと景品がもらえる
    チームサポート :みんなで励まし合いながら頑張る
    チーム戦 :数名のチームを組んで、チームの成績が掲示されて、他のチームに勝つと景品がもらえる
    コントロール群 :特に何もせず普通に取り組んでもらう

    それぞれのフィットネスへの参加率や運動の習慣化について比較しています。

    その結果、個人戦とチーム戦で参加した人たちは、コントロール群に比べてフィットネスへの参加率が90%も高くなったそうです。
    個人戦でもチーム戦でも競うことでモチベーションはほぼ2倍になるようです。
    一方で、チームサポートで参加した人たちは、何もしないコントロール群よりも参加率が低くなっていました。

    研究チームのコメントとしては、社会的な相互作用を競争という方向で使うことによって、個人のモチベーションを高めることができると言われています。

    勝利するための助け合いが重要
    この研究は、別に助け合ってはいけないということを言っているわけではありません。
    助けることを目的とするのではなく、個人戦またはチーム戦で競争を意識した方がモチベーションが上がるということです。
    特に、チーム戦となると、チームで勝つためにはそれぞれの弱点を補ったり、自分に余力がある時には教えあったりする必要があります。

    チーム戦にした時には、人はお互いに効率よくサポートしあうことができます。
    ところが、ただサポートすることを目的にしてしまうと、傷の舐め合いのような状況になってしまうということです。

    研究チームも、チームサポートを意識すると、やる気がないメンバーに注意が向いてしまい、参加者全体のモチベーションが下がってしまうと言われています。

    助け合うのを目的にするのではなく、みんなで成長したり勝利するために、弱い人を助けたり、その人の強みを活かすことを考える方向に進むべきだということです。
    競争というものはモチベーションを上げるために不可欠のもののようです。

    職場の空気を読むべき?
    職場での空気を読むのが面倒だと感じたことがある人も多いと思います。

    結論としては、職場の空気を読もうと思えば思うほど、皆さんのモチベーションは低下してしまいます。
    職場では出来るだけ空気を読もうとせず、自分のキャラを出すように意識してください。

    もちろん、周りの仲間や同僚に迷惑をかけないことは重要ですが、無理をして空気を読もうとする必要は全くありません。
    自分の素のキャラを出して、自分がどんな人間なのかアイデンティティを開示した方がモチベーションが高くなります。

    2014年のカンザス州立大学の研究で、自分のアイデンティティを隠すとそれがストレスになり、人間関係や仕事の問題を抱えてしまうということが指摘されています。
    これは宗教的なアイデンティティとモチベーションについて調べた研究ですが、海外の人にとっては宗教的なアイデンティティは自分の根幹になる部分だと思います。
    ということは、日本人でも自分の考え方やそのキャラを出すことで、モチベーションに良い影響を与えることができるのではないかと考えられます。

    この研究では、キリスト教の人を対象に、自分の宗派を周りの人に明らかにしているかどうかということをチェックしています。
    宗教がそれぞれの信念や生き方に与えている影響と職場でのモチベーションレベルをチェックした上で、自分の宗派をオープンにしているかどうかが、モチベーションに影響を与えるのかということを調べています。

    自分の素のキャラをオープンにするメリット
    宗教を自分の生活の中で重要視している人ほど、職場で自分の宗教を開示している可能性が高いということでした。
    そして、職場で自分のアイデンティティをオープンにしている人ほど、仕事に対するモチベーションが高くなり、仕事や生活に対する満足度の向上に繋がっていたということです。

    つまり、自分のアイデンティティを大事にしている人ほど、職場でそれをオープンにします。
    職場で自分のアイデンティティをオープンにしている人ほど、仕事に対するやる気が向上して、結果や成果も出て仕事も楽しくなり、人生に対する満足度や幸福度も高くなります。

    ヘタに空気を読んで自分のキャラを偽ったりする必要はありません。
    ある程度空気を読んでもいい場合もあるでしょうが、自分の素のキャラや価値観をオープンにしないとなると、モチベーションも上がらないし幸福度も上がりません。
    その上、周りからは誤解されて人間関係も悪化してしまう可能性もあります。

    ですから、周りに迷惑をかけない範囲であれば、自分の求める生き方や重要な価値観、あるいは、仕事に対する向き合い方を堂々とオープンにしてください。
    それを明確に出せば出すほど、自分のアイデンティティを自分で認めることになりますし、モチベーションも幸福度も高くなります。

    空気を読んで自分の素のキャラを偽ると、ストレスによって人間関係に悪影響が起きます。
    空気を読めないと陰口をたたかれる人もいれば、空気を読んでいないけれど周りから認められている人もいます。
    この違いは、自分のアイデンティティを周りに理解してもらっているかどうかです。

    例えば、自分の趣味や好きな活動をしている時の写真をデスクに飾ったり、自分の普段の趣味について話題に出して、できれば同僚も誘ってみたりしてみてください。
    自分のアイデンティティに関する話題を日常の中で共有するようにしてください。

    ここから先は、人間関係のストレスの対処法や漠然とした仕事へのやる気のなさへの対処法など、多くの人が職場で悩むであろう問題についてその対策法まで紹介していきます。
    続きもぜひチェックしてみてください。
     
  • 一問一答「あなたは、どうしてもやる気が出ない時に、どんな工夫をしますか?」【ゼロからはかどるやる気の科学】

    2022-10-13 12:00  
    330pt
    あなたは、どうしてもやる気が出ない時に、どんな工夫をしますか?
    今回は、仕事に対するやる気を感じないという看護師の方の相談をもとに、ゼロからはかどるやる気の科学について解説させてもらいます。

    Q. 看護師として働いていますが、仕事に対してやる気も向上心も感じません。このままではダメだと思いながら、ただ日々が過ぎて人生に焦りや不安を感じています。こんな自分はダメだと思いつつ何をしたらいいのか分かりません。何かアドバイスをお願いします。

    おそらくコロナとは関係ないような気がします。
    自分はダメだと考えてしまうというのは、いわゆるバーンアウト:燃え尽き症候群のような状態だと思います。
    おそらく医療従事者としてすでにかなり頑張っていると思います。
    そんな頑張っている自分は偽物で、本当の自分はダメな人間だと考えてしまいます。

    これについてはバーンアウトの対策の動画を参考にしてみてください。
    自分がダメなのではなく、そう思ってしまうぐらい磨り減っているということだと思います。

    以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。

    やる気がなくなるバーンアウトの要因

    仕事でも勉強でも、やる気が出れば捗るし成果も出ます。
    なかなかやる気が出ないという人が多いと思いますが、やる気が出なくても行動できる方法を知っておいてください。
    やる気を出して行動するというよりも、やる気が出なくてもできることについて勉強していただけると、とにかく手をつけて、しばらくやっているとやる気が出てくるということもあります。

    本当に慢性的にやる気が出なくなったり、その結果、バーンアウトになってしまう人もいます。
    今回はそれを防ぐために、知らず知らずにモチベーションを下げてしまう要因から、バーンアウトを防ぐ方法まで解説していきます。

    天職探しの闇
    天職探しは不幸の入り口になってしまいます。

    もちろん、今自分がしている仕事が天職だと思っている人は間違いなく幸せです。
    ただ、天職を求めて探すのは不幸の始まりです。

    2015年の南フロリダ大学の研究で、378人の大学教育研究員を集めて、自分の仕事が天職だと思うかということをチェックしました。
    その回答と、仕事へのモチベーションやキャリアへのコミットメント、人生の満足度とを比べています。

    この研究では、天職への人間の立ち位置は3種類あるとされています。
    片思い派:どこかに天職はあると考えているけれど、まだ見つからない
    両思い派:今の自分の仕事が天職だと考えている
    ゼロ派:そもそも天職なんて考えたことがない
    つまり、天職を探している人と今天職に就いている人、そして、そもそも天職について考えたこともないという3種類に分けています。

    その結果、天職を探している人たちは、天職を探したことさえない人たちよりも、仕事へのモチベーションが低かったということです。
    天職を求めると、仕事へのモチベーションが下がっていくということです。

    当然ですが、今天職に就いていると考えている人は、全体的に仕事へのモチベーションが高く、人生に対する満足度も高くなっていました。

    しかも、天職を探している人は、特に考えてもいない人よりも、肉体的にも精神的にも不健康な傾向があったそうです。
    メンタルを病んで体を壊しやすい上に、モチベーションも低かったということです。

    あなたは自分が望む仕事をしていますか?
    そう尋ねられてはっきりと望む仕事をしていると答えられる人は少ないかと思います。

    カル・ニューポート氏は、人は夢に見た仕事に就きたいと思うけれど夢なんか追っても幸せにはなれないということを様々なデータをもとに喝破されています。
    望む仕事に就けないのは夢を追っているからということです。

    なぜ夢を追っても望む仕事には就けないのでしょうか。

    彼が行った調査で、自分の仕事はまさに天職だと思っている人達を探し、その人たちにインタビューを行うということをしています。
    その結果、自分の仕事を天職だと思っている人たちの多くは自分の人生の目的を事前に決めていませんでした。
    自分はこの仕事を自分の天職にしたいと事前に思ってはいなかったけれど、結果として天職を得ているということです。
    夢を追って天職に就いたわけではなかったということです。

    辛い仕事やしんどい仕事をしていたとしても、それを続けながら仕事を楽しんでいるうちに気がついたら天職になっていたとか、最初は全く仕事に興味を持つことができなかったけれど、いつのまにか情熱を持てるようになっていたという調査や研究結果も多数あります。

    これについてはハーバード大学のダニエル・ギルバート氏も同じような事を言っています。
    人間は自分の幸せを予測することがとても苦手で、どうすれば幸せになるのかを予測することができないので、夢を追い続けて、いざたどり着いてみると思いのほか幸せを感じなかったりもします。
    僕たちがこうなったら幸せだと思い描いていることは、実際にそうなってみないとわからないわけですから、好きで選んだ仕事でも嫌気がさしてしまうこともあります。

    天職に就いた人はほとんどが偶然です。

    チャンスをつかむ方法その1 :ジョブクラフティング
    自分でやりたいことや天職について考えるのであれば、ジョブクラフティングというテクニックを使ってもらい、仕事に楽しみを感じられるようになった方がいいです。
    そんな方法についてはこちらの本を参考にしてみてください。

    科学的な適職 4021の研究データが導き出す、最高の職業の選び方

    チャンスをつかむ方法その2 :弱い紐帯理論
    そもそも、天職探しのきっかけさえもないという方は、社会学者のマーク・グラノヴェッター氏の弱い紐帯理論を参考に、転職などで人生を大きく変えてくれるようなチャンスを見つけられるようになってください。

    人生を大きく変えてくれるようなチャンスや機会というものは、仲の良い友達からもたらされることは意外と少なく、人生を変えるためには、僕たちが全く知らないような世界に飛び込んだり、知りもしなかったような情報から刺激を受ける必要があります。

    時間が経過するとともに、このような薄いつながりや人脈を持っている人の方が評価されやすくなるし、給料の増加率も高くなるということが確認されています。

    今までとは違う人間関係や仕事の可能性が見えてくると、それが天職につながる可能性があります。
    チャンスを広げるということを考えてみてください。

    チャンスをつかむ方法その3 :運任せ
    仕事を選ぶ時に、自分は運がいいと思って直感で決めると、そうでない人よりも良い転職ができるという研究があります。

    皆さんは、天職に就くことを考えるのではなく、ジョブクラフティングを使うか、弱い紐帯理論に頼る、あるいは、直感に任せて新しい仕事を選んでみる、これらがいいのではないかと思います。

    モチベーションを下げる4つの「わからない」

    モチベーションが激減してしまう理由は色々とあります。
    そんな中で、4つの「わからない」という感情がモチベーションを激減させてしまうという研究があります。
    ①価値がわからない
    ②できるかわからない
    ③感情がわからない
    ④間違いがわからない

    2018年の南カリフォルニア大学の研究で、仕事のやる気に関する数百件の研究をまとめてレビューしてくれています。
    働いている人たちのモチベーションの欠如が起きる原因について調べてくれています。

    モチベーションが下がる原因としては、もちろん細かい原因は人それぞれいろいろあると思いますが、大きく分けて4つの原因に区別することができるとされています。

    自分のモチベーションが下がった時、あるいは、下がり始めたと感じた時には、原因がどこにあるのかということを考えてみてください。
    4つのうち一番大きいのはどれかと考えると、理由が見えてきますので、そこに対して対処すればいいということになります。

    モチベーションが下がる理由その1 :価値観の不一致(価値がわからない)
    仕事に対する価値がわからないとなると、やる気が出てこなくなります。

    非常に多くの企業で、働き手が仕事に価値を感じられなくなるという問題が起きています。
    多くの経営者や上司は、この問題に対処することができません。

    多くの上司たちは、自分自身のモチベーションが部下にも当てはまるだろうと考えてしまい、自分がモチベーションを上げる時の方法や考え方を押し付けてしまいます。

    例えば、自分が若い時には、厳しく叱咤激励されたりプレッシャーを与えられることでモチベーションが上がったからといって、同じことを求めたり押し付けてきます。
    時代も違えば人も違うわけです。
    自分の方法が他人にも当てはまるとは限りません。

    この問題を解決するためには、仕事における4つの価値観を押さえた上で、どの価値観が自分に当てはまるのかということを考える必要があります。
    自分、もしくは、相手が、どの価値観に基づいて仕事をしているのかということを冷静に見る必要があります。

    仕事における4つの価値観
    価値観のタイプその1 :知的欲求の価値
    その仕事でどれぐらい好奇心を満たすことができるかというものです。
    新しいことを知ることができたり、新しい経験をできることに価値を感じます。

    価値観のタイプその2 :自己同一性の価値
    いわゆる自分のアイデンティティのようなものです。

    自分に対するキャラクターやイメージと、この仕事が合っているかどうかです。
    例えば、自分が論理的な人間だと思っている人であれば、それを活かして分析したり戦略を立てる仕事が向いています。
    自分を論理的な人間だと思っている人に対して、感情や根性を押し付けようとしてもやる気が出るはずはありません。

    価値観のタイプその3 :重要性の価値
    組織やチームでの使命のようなものがあると思います。
    その目標を果たす上で、自分が果たす仕事がどれくらい重要な意味を持っているのかという感覚です。

    価値観のタイプその4 :差引の価値
    その仕事を行うメリットとデメリットを考えて、差引した時にちゃんとメリットが残るのかどうかです。

    仕事をする上では嫌なこともあると思いますが、そのマイナスを引いても自分にとってのプラスが残るかどうかです。

    仕事における価値観というものは大きく分けるとこの4つだけです。
    仕事に価値を感じることができないという人は、この4つのどれかが原因でモチベーションが下がっています。
    どれが当てはまるのかということを考えて、そこに対処したり工夫することで、仕事に価値を感じられない感覚はかなり薄らぐのではないかと思います。

    もしどれに当てはまるのかが分からない時には、それぞれ1週間ずつかけて、ひとつずつ試してみるのもいいと思います。
    その中で一番しっくりくるものに対して対処するようにしてみてください。
    複数当てはまる場合には優先順位をつけて行うようにしてください。

    ここから先は、モチベーションを下げてしまう残り3つの原因についてと、バーンアウトの原因と対策について解説していきます。
    ぜひ続きもチェックしてみてください。
     
  • 一問一答@あなたが、"あのおかげで今がある"と思える経験はどんなものですか?」【過去を受け入れて前に進む方法】

    2022-10-11 12:00  
    330pt
    あなたが、「あのおかげで今がある」と思える経験はどんなものですか?

    今回は、生まれた環境を理由に、仕事や人間関係に自信を持つことができないという方の相談をもとに、前回に引き続き過去を受け入れて前に進むための方法について解説させてもらいます。

    Q. 幼い頃の家庭環境が悪かったせいか、仕事でもプライベートでも自信を持つことができません。恋愛でも人間関係でも、どうせうまくいかないのではないかと余計なことばかりを考えてしまいます。どうすればもっと楽しく生きることができるのでしょうか?

    過去にとらわれて動けない人も、未来に対する恐れで動けない人もいますが、過去が悪いわけでも、未来が悪いわけでもありません。
    それは自分の感情と向き合うことができていないということが原因です。

    過去に失敗したとしても、その失敗をバネにして成長したり大きな成功を成し遂げる人もいます。
    ところが、過去の失敗をトラウマと捉えてしまい、いつまでも前に進めなくなってしまう人もいます。
    この違いはなんなのでしょうか。
    人によっては過去を自分のものとして前に進む力に変えることができるのに、過去にとらわれて前に進めなくなる人もいます。

    結局のところこれは、過去に対する自分の感情を受け入れることができているのか、未来に対する自分の感情とうまく付き合うことができているのかということです。
    過去に対する後悔やトラウマも、未来に対する恐れも、全ては自分の感情とうまく付き合うことができているかということに集約されるわけです。
    自分の感情とうまく付き合い、前に進むためにこの本はとても役に立つと思います。

    弁証法的行動療法 実践トレーニングブック‐自分の感情とよりうまくつきあってゆくために‐

    弁証法的行動療法というのは、過去を自分のものとして受け入れて、未来に対してまだ起きてもいないことをムダに不安に感じてしまう状況を改善してくれるものです。

    まだ挑戦もしていないのだから、未来にそんな不安が現実化するかどうかなんてわからないのに、その不安にとらわれて行動できないという人も多いと思います。
    過去にとらわれて今動くことをやめてしまう人もいれば、未来に対する不安から今動くことをやめてしまう人もいます。
    この両方を解決する方法として、この弁証法的行動療法というものが役に立ちます。
    そんな弁証法的行動療法を実践的にトレーニングするための内容になっています。

    結局、過去や未来にとらわれる人は、自分自身の感情の処理の問題で前に進めないわけで、今が苦しいとか自分がダメだと思い込んでいる状況にいる人は、それは状況がダメなのではなく、その状況に対する自分の感情が自分を追い詰めています。

    ですから、そこで解決するべき問題は、そのほとんどが自分自身の感情の問題です。
    貧しい状況をバネにして大きな成功を手にする人もいれば、とても恵まれて裕福な家庭に生まれ他人から羨まれるような環境にいても、自分で自分を傷つけたり壊してしまう人がいます。
    これは結局、自分の感情と上手く付き合えていないということが問題なわけです。

    変えられない過去を受け入れて前に進む方法

    前回に引き続き、変えられない過去を受け入れて前に進むための方法について解説していきます。

    トラウマまで行かなくても、人間には少なからず忘れたい過去や乗り越えたい過去があります。
    嫌な思い出や失敗は誰しもあります。
    これを乗り越えていかなくてはならないわけですが、いつまでも忘れることができなかったり、そんな過去のせいで失敗が怖くなり前に進むことができなかったりします。

    前回の前半では、8つのコーピング・ステートメントから、最も重要なワークとして求心的な受容のワークを中心に、それを乗り越える方法を解説させてもらいました。

    一問一答「あなたがここ最近で苦しかったのはどんな時ですか?」【過去を受け入れて前に進む方法】

    人は様々なものを抱えながら生きていくわけですが、それを乗り越えるためにマーシャ・M. リネハン博士が開発した弁証法的行動療法をもとにした、過去の乗り越え方を引き続き解説していきます。

    感情機能のワーク
    これは自分が抱いている感情にどんな機能があるのかということを考えてみるトレーニングです。
    紙に書き出しながら行なってください。

    目の前の状況に耐えられない人やトラウマを抱えやすい人たちは、往々にして自分の感情をぼんやりとしか捉えていません。
    そのせいでネガティブな感情に圧倒されてしまいます。

    何のためにその感情が湧いてきているのかということを細かく分析することができていないために、嫌な感情に対して100か0かで判断してしまいます。
    そうなると目の前の状況に耐えられなくなります。
    このような人は少し嫌なことがあっただけで、この世の終わりかのような心理状態になってしまいます。

    今この瞬間に向き合うためにも 、自分の感情にどんな機能があるのかということを理解しておく必要があります。
    僕たちの内側に湧いてくる感情には意味があります。
    それを理解するためのワークを紹介しておきます。

    以下に紹介するワークと質問を使って、自分の感情の働きについて意識を向けるようにしてください。
    怒りの感情にも悲しみの感情にも目的があります。
    その感情に流されるのではなく、自分が今なぜその感情を作り出したのかということを考えてみてください。

    ステップ1 :先週のことを思い出し、自分が感情的な反応した出来事について考えてください
    先週のことを振り返り、自分が感情的になってしまった時のことを思い出してください。
    怒って友達に当たってしまったということでも構いませんし、上司に嫌味を言われて机を蹴ってしまったということでも構いません。

    ステップ2 :その出来事に対して皆さんがどのように解釈したか考えてください
    その感情的になってしまった出来事があり、皆さんはそれをどのように解釈したか考えてみてください。

    例えば、上司に嫌味を言われて机を蹴ってしまったというのであれば、人によっては、最低な上司だからもう会社を辞めたいと思うかもしれませんし、机を蹴ってしまうなんて子供っぽいことをしてしまったと自分を責めてしまうかもしれません。

    その出来事を自分がどのように解釈しているかということです。
    自分の感情というよりは、その出来事を自分がどのように解釈しているかです。

    ステップ3 :その時に抱いた感情の強度を100点満点で採点してください
    例えば、怒りの感情を感じていたのであれば、人生でこれ以上はないというぐらいのレベルが100点です。
    なんとなくの直感で構いませんので採点してください。

    ステップ4 :以下の質問を使って感情の機能を特定します
    以下の質問に自問自答しながら、何のためにその感情が生まれたのかということを考えていきます。
    感情の機能は大きく分けて3つあります。
    どれに当てはまるのかということを考えていきます。

    ①情報伝達の機能
    その感情は他人に何かしらの情報を伝えましたか?
    あるいは、他人の行動に何かしらの影響を与えましたか?
    もし、そうであればその機能を説明してください

    人間は怒りを感じたり楽しみを感じた時には、その感情を使って、相手に自分の気持ちを伝えようとしているか、それによって相手の行動を何かしら変えようとしています。
    その感情は他人に情報を伝えるためのものだったのか? それとも、相手の行動を変えるためのものだったのか? ということを考えます。
    もしそうであれば、その目的は何だったのかということを考えます。

    もし1人で怒ったり落ち込んでいるだけであれば、情報伝達の目的ではないということです。
    もし相手がいたということは、自分は情報を伝えたかったのか、あるいは、何かしら相手に影響を与えたかったということになります。

    ②動機の機能
    その感情はあなたの行動に方向性を与えたり、動機をアップさせたりしましたか?
    もし、そうであればその機能を説明してください

    自分のその感情によって自分の行動が変わったり、それによってモチベーションが上がったり下がったりしたのかということを考えます。

    人間の感情はモチベーションになることがよくあります。
    怒りを感じたり悔しさを感じることで、もっと前に進もうと思える人もいます。
    怒りの感情も悲しみの感情も、それを動機としてモチベーションにすることができます。

    そのようにできるのであれば、その自分の感情には動機の目的があるということになります。

    ③結論の機能
    その感情はあなたに何らかの情報を与えましたか?
    あるいは、あなたの認識に影響を与えましたか?
    それとも、何らかの結論を出すのに役立ちましたか?
    もし、そうであればその機能を説明してください

    自分が感じている感情は、これら3つの方向性しかありません。

    その感情を使って相手に情報を伝えたり行動を変えようとする他人に向けた感情の使い方、自分のモチベーションにする使い方、そして、感情によって何かしらの自分の行動を決定したり、自分に影響を与える使い方、この3つです。
    要するに、自分に影響を与えるか、他人に影響を与えるか、モチベーションを上下させるかの3つです。

    これらの質問を使うことで、感情が与える機能を理解することができるようになり、苦しい状況に耐えたり辛い状況を乗り越える力を高めることができます。

    皆さんも怒りや悲しみの感情が湧いてきた時には、その感情にどんな機能があるのかということを考えてみてください。

    例えば、奥さんが旦那さんにひどいことをされたとします。
    もし、自分の悲しい気持ちを伝えたいのであれば情報伝達の機能です。
    もし、落ち込んでいるけれど、このままではいけないと考えて、運動してもっと魅力的な女になってやると思っているのであれば動機の機能です。
    もし、あまりにも悲しい気分になりすぎて離婚したいと思い始めているのであれば、それは結論の機能です。

    このワークを使っていただけると、一歩引いて自分の感情を観察することができるようになるので、無駄に感情に飲まれてしまうことがなくなります。

    ダイアリーカード
    これは弁証法的行動療法の結構メジャーなテクニックです。
    自分の衝動について学んで、その衝動をコントロールする力を鍛えるワークになっています。
    これも紙に書き出しながら行うようにしてください。

    トラウマや嫌な過去を乗り越えるためにも自己コントロール能力は必要ですし、乗り越えることで自己コントロール能力はさらに鍛えられていきます。

    ステップ1 :自分が衝動的に行動してしまった時間を書き出す
    まずは、皆さんが忍耐力を発揮することができず、衝動的に行動してしまったことについて思い出して、その日時を書き出してください。

    ステップ2 :その衝動が起きたきっかけを書き出す
    その衝動が起きたきっかけについて、事細かく思い出して書き出してください。
    誘惑に負けたきっかけではなく、どのようなきっかけでその衝動が起きたのかです。

    ステップ3 :その衝動が起きた際の感情を書き出す
    その衝動が起きた時に、自分がどんな感情を感じたのかということについて、事細かく書き出してください。

    衝動が起きた時や誘惑に負けそうになった時、人は自分の中での言い訳を探しています。
    そんな自分の頭の中で渦巻いた言い訳や感情をできるだけ具体的に書き出します。

    ステップ4 :そこで取った行動とコーピング・リストを思い出して書き出してください
    そこで結果的にとった行動を書き出すと同時に、衝動を抑えるため 、あるいは、使えばよかったのに使えなかった自分が衝動を抑えるためのコーピング・リスト(自分のストレスや衝動を抑えるための自分だけのテクニックやリスト)を思い出して紙に書き出します。

    ステップ5 :今日はどんな1日だったかを記録する
    最後に、今日はどんな1日だったかを一般的な評価として記録します。
    自分なりの採点でもいいですし、10点満点で採点してもいいと思います。

    このような記録を定期的に続けることによって、多くの人が自分の衝動を把握できるようになったそうです。
    自分がどのように衝動を感じるのか?
    誘惑に負けそうになった時にどんな言い訳をするのか?

    このようなことが理解できるようになり、自己コントロール能力の改善につながるということが示されています。

    ここから先は、トラウマやネガティブな感情を乗り越えて、人生をより充実させるための方法について解説していきます。
    ぜひ続きもチェックしてみてください。
     
  • 一問一答「あなたがここ最近で苦しかったのはどんな時ですか?」【過去を受け入れて前に進む方法】

    2022-10-08 12:00  
    330pt
    あなたがここ最近で苦しかったのはどんな時ですか?

    今回は、過去の失敗でなかなか前に進むことができないという方の相談をもとに、過去の後悔もトラウマも、未来に対する不安も受け入れて前に進むための方法について解説させてもらいます。

    Q. 何かに挑戦したりしたいと思っても、過去の失敗が頭によぎってしまい、ついつい先延ばししてしまいがちです。どうすればいいでしょうか?

    このような人は、注意集中力を鍛えることによって、その状況を変えることができます。
    例えば、何かに挑戦したいのに勇気が湧かない人は、目の前の挑戦するべきことよりも、過去の失敗の方に注意が向いているから挑戦することができません。

    自分の過去の失敗の方に注意が向いているために、目の前のことに集中できないので、挑戦するのも怖くなるし、実際にしようとしても失敗しやすくなるということが起きてしまいます。
    逆に、過去への後悔というものはなくても未来への不安で行動できないというのも同じです。

    独立して起業したいけれど収入が落ちたらどうしようかと不安でいつまでも行動できない、あるいは、気になる相手がいるけれど告白して断られ関係が悪くなってしまったらどうしようかといつまでも気にしてしまう。
    実際に起こっているわけでもないことを僕たちは勝手に想像して、そちらの方に自分の注意を持っていかれているということがよくあると思います。

    これも全く同じで、実際に起きているわけでもない未来に対して注意集中力を持っていかれているので、それによって今行動することができなくなります。
    仮に行動できたとしても中途半端な注意集中力で目の前のことに取り組んでしまうので、それは当然ですが余計なことを頭の中で考えているわけですから、普段よりもパフォーマンスは下がり、それにより失敗しやすくなるということもあります。

    このような状況をなくすための方法がマインドフルネスという考え方であり、瞑想を通じて鍛えることができる注意集中力という力で、ブッタが目指したものであり僕たちがこれから目指していくものです。
    世界では様々な文化の中で瞑想に近いようなものが色々とありますが、そんな中でも科学的な要素を取り出してくれたのがMBSR(Mindfulness Based Stress Reduction:マインドフルネスストレス低減法)を解説した動画をチェックしてみてください。

    以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。

    変えられない過去を受け入れて前に進む方法

    過去にトラウマや嫌なことがあって前に進めない人は結構いると思います。
    自分の過去や失敗を受け入れることができると、その過去や過ぎたことを乗り越えることもできますし、これから先の失敗を恐れることもなくなります。

    どちらかと言うと、失敗を恐れないことよりも逆境を乗り越える力の方が重要です。
    それが取り返しのつかないような失敗だったとしても、その中でできることは必ずあります。
    今回は、そんな過去を受け入れて前に進むには、どうすればいいのかということをワシントン大学の研究をベースに紹介させてもらいます。
    弁証法的行動療法を開発したマーシャ・M. リネハン博士の研究をもとに、苦痛に耐える力を鍛えるためのトレーニングや過去のトラウマを乗り越えやすくする方法について紹介させてもらいます。


    弁証法的行動療法 実践トレーニングブック‐自分の感情とよりうまくつきあってゆくために‐

    毎日おこなう弁証法的行動療法自習帳

    まず前提として、体調を整えてください。
    体調が悪い時に、変に過去に目を向けようとしてしまうと、余計に体調が崩れてしまうこともあります。
    ここで言う体調はメンタル的な部分だけでなく、肉体的な体調も含めてです。

    例えば、なかなかうつ病が治らなかった人も、食事療法や運動療法を組み合わせると急に改善したりすることもあります。

    メンタルのためにも肉体のためにも、まずは体調を整えておくことが欠かせません。
    そんな基本的な体調を整えるためにはこちらの本がとても参考になります。
    本を読む気になれないという方の場合であれば、オーディオブックで聞くのもいい方法です。

    最高の体調 ~進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法~ (ACTIVE HEALTH 001)

    8つのコーピング・ステートメントを唱える

    コーピング・ステートメントは、リネハン博士が考案したものですが、過去を受け入れて前に進むために役に立つフレーズによって構成されています。

    耐え難いことや嫌な過去を思い出してしまい、しんどさを感じた時に、「あるがままの現実を受け入れて前に進む」という感覚を思い出させてくれて、感情的な緊張やストレスから解放させてくれるための文章です。

    我慢できないことが起きたら、この文章を読み返してください。
    リストにしてスケジュール帳に挟んでいたり、スマホに入れておいてもいいと思います。
    嫌な感情が湧き上がったら、これを読み直すだけで苦痛に耐える力が高まります。

    ①私がコントロールできる唯一のものは、現在の瞬間だけだ
    人間は過去も未来も直接触ったりコントロールすることはできません。
    今現在の行動によって、過去を乗り越えることもできますし未来を変えることもできます。
    自分がコントロールできるのは現在のこの瞬間だけだと考えれば、それだけで余計なことを考えなくて済むようになります。

    ②自分の嫌な感情や思考と戦う事により、逆に嫌な感情と思考が成長して大きくなるための燃料を与えてしまう
    人間は嫌な感情や思考と戦ったり押さえつけようとすると、その感情や思考が余計に大きくなってしまいます。
    戦うわけでも押さえつけるわけでもなく、ただ認めて受け入れるだけです。

    ③現在の状況があるのは過去から続く様々なファクターが影響したものだ
    トラウマにとらわれたり、過去の後悔から逃れられない人もいるでしょうが、ひとつの失敗が皆さんの人生を大きく狂わせたりすることはほぼありません。
    今皆さんが置かれた状況が良いものであっても悪いものであっても、それは過去から続く何千もの変数が要因として関わっていて、環境や人間関係など皆さんとは直接関係のない要素も含まれています。

    全てが自分のせいということはありません。
    自分ではコントロールできない要素も関わっています。
    だからこそ、ただそれを受け入れるしかないということを思い出させてくれる文章です。

    ④私が今の瞬間を好きかどうかに関わらず、今の瞬間はなるべくしてなったものである
    これも今現在を受け入れるための文章です。
    今現在が良い状況にあるかもしれませんし、悪い状況にあるかもしれません。
    誰でも良い時もあれば悪い時もあります。

    ですが、それが良いのか悪いのか判断したところで意味はありません。
    なるべくしてなっているのが今この瞬間なわけですから、それが好きかどうかは別として、今を受け入れて未来のために今何ができるのかを考えるべきです。

    今の置かれた状況や過去を嘆いたりすることもあると思いますが、それが良いのか悪いのかを判断するだけで、その状況を変えるために、今どんな行動を始めることができるのかということを考えなければ意味がありません。

    ⑤私は過去に起きたことを変更できない
    誰も過去を変えることはできません。
    当たり前のことですが、それを思い出させてくれる文章です。

    ⑥私は今の瞬間をそのまま受け入れることにする
    現在と向き合うことができる人は、今できることをしようとします。
    今できることをするためには、今の現状を受け入れる必要があります。

    取り返しのつかない失敗をしてしまうこともあるかもしれません。
    そんな時もそれを嘆いても仕方がありません。
    今の状況を受け入れた上で、今何ができるのかということを考えていくしかありません。
    前に進んでいくためには、今この瞬間をそのまま受け入れる必要があります。

    過去を嘆いたり今置かれた状況を憂うのであれば、今この瞬間の行動量を増やすしかありません。

    ⑦私は不快な感情を抱いてるが、それはいずれ流れ去る
    人間は良い感情も悪い感情もずっとそれが続くと思い込んでしまうものです。
    どんなに楽しいことでも何度も続けていれば慣れてきますし、今は耐え難いような感情であっても、時間とともにその感情は薄れていきます。

    今たとえ不快な感情を抱いていたとしても、それがずっと続くことはありません。
    その不快な感情も受け入れて、それがずっと続くものではないと思えると、それが前に進む力になります。

    ⑧過去と戦っても役に立たない
    過去はいくら戦っても倒すことはできませんし、そもそも今この瞬間に存在していません。

    戦うことができるのは今この瞬間だけです。
    向き合うべきは現在です。
    ①私がコントロールできる唯一のものは、現在の瞬間だけだ
    ②自分の嫌な感情や思考と戦う事により、逆に嫌な感情と思考が成長して大きくなるための燃料を与えてしまう
    ③現在の状況があるのは過去から続く様々なファクターが影響したものだ
    ④私が今の瞬間を好きかどうかに関わらず、今の瞬間はなるべくしてなったものである
    ⑤私は過去に起きたことを変更できない
    ⑥私は今の瞬間をそのまま受け入れることにする
    ⑦私は不快な感情を抱いてるが、それはいずれ流れ去る
    ⑧過去と戦っても役に立たない

    この8つのコーピング・ステートメントは、誰にとっても必ず力になります。
    トラウマまではいかなくても、誰にでも苦しい状況に陥ったり失敗することもあります。

    同じような思いが込められた言葉があります。
    アメリカの神学者であり倫理学者であるラインホルド・ニーバーさんの言葉に、ニーバーの祈りという詩があります。

    神よ、変えることができるものを変える勇気を我に与え給え、
    変えることのできないものを受け入れるだけの冷静さを我に与え給え、
    そして、それらを見分けるための知恵を与え給え。

    一次感情と二次感情を分けるワーク

    皆さんが感じる感情には、一次感情と二次感情があります。
    例えば、怒りの感情を感じていたとしても、その奥底には心配や不安、もどかしさや落胆の気持ちがあるかもしれません。
    これを区別できるようになっておくワークです。

    皆さんが耐えられない感情や衝動を感じたら、次のたったひとつの質問を自分に投げかけてください。

    「その感情は事実に基づくものであり、感情の強度は適切だろうか?」
    つまり、次のように考えます。
    その自分の中に湧いている感情は本当に事実に基づくものなのか?
    それとも、自分の想像や妄想によるものなのか?
    そして、その感情は強すぎたり、押さえつけすぎたりしていないか?
    例えば、皆さんが上司に対して「あの人は私のことを嫌いに違いない」と考えたとします。
    これはこの質問を自分に投げかけて考えると、事実ではありません。
    そう思えるような行動をとっているのかもしれませんが、嫌いかどうかを確認していない限りは事実ではありません。

    「自分は何をやってもダメ」と思ったのであれば、それも事実に基づくものなのかと考えてください。
    何をやってもダメというのが事実なのかは、全ての事を試した上でなければわからないことです。

    感情の強度についても全く同じです。
    例えば、会社で大きな失敗をしてしまい、「自分はなんてダメな奴だ、きっとこのままではクビになるに違いない」と自分を責めていたとしたら、その感情の強度は適切ではありません。
    たった1回の失敗で社員を簡単にクビにすることなんてできません。
    法律としても感情としても経営者は社員を簡単にクビにはできません。

    もしこの質問に対して、YES の場合はそれは一次感情です。NO の場合は二次感情です。

    事実に基づく感情で、その感情の強度も適切な場合は一次感情です。
    事実に基づかない感情や、間違った強度の場合は二次感情です。それは自分の想像や妄想による感情です。

    一次感情の場合
    もし先ほどの質問で YES となって一次感情なのであれば、その感情に従って行動してください。

    とはいえ、怒りに任せて暴力を振るったりするのは、そもそも感情の強度が間違っています。
    嫌な気分になったとか不快な思いをしたのであれば、その自分の感情をそのまま伝えるのは悪いことではありません。
    相手にされた事実に対する反応としても強度としても適切なのであれば、その感情に従って行動してください。

    もしその行動ができない場合には、瞑想やマインドフルネスを行うようにしてください。
    そして、その結果をただ受け入れるようにします。

    二次感情の場合
    先ほどの質問で NO となり、それが二次感情だった場合は、自分の頭の中で妄想したり勝手に拡大してしまっている感情です。

    過去のトラウマにとらわれたり、ネガティブな感情に苦しんでいる人は、たいていこの二次感情で苦しんでいます。
    それが実際に起きた事実ではあっても、今となっては変えることができないものです。
    一次感情は時間とともに色あせていきますが、自分の頭の中でどんどん二次感情を増幅させています。

    この場合には、まずは事実に基づく形に自分の思考を変える必要があります。
    自分の頭の中にある感情に目を向けて、全て紙に書き出してみてください。
    ひとつずつ、それが事実なのかどうなのかを考えて、間違っていたりずれている場合には書き直します。
    これによって自分の思考を事実に即した形に変えていきます。

    そして、頭の中でこの二次感情が増幅してしまっている時には、その原因として間違った行動を取っている場合があります。
    それに気付いたら、逆の行動をとることで解決することもあります。

    問題解決につながる行動をひたすら行うしかありません。
    そこから自分が何かを感じたところで、解決のためには何の役にも立ちません。
    その状況を解決するにはどうすればいいのかということを考えてください。

    例えば、皆さんが恐怖を感じている状況だったとします。
    その場合も、まずはその感情が事実に基づくものかどうかを判別します。
    自分の人生や健康、大切な人や幸福など、自分の何かが脅かされているのであれば、それは事実に基づく感情です。

    自分が過去のトラウマに脅かされて恐怖を感じている状況だったとしたら、それが今自分の人生を脅かすかどうか考えてみてください。
    そのトラウマによる恐怖が、皆さんの人生や健康、大切な人の健康や幸福を脅かすでしょうか?
    思い出さない限りは、自分にネガティブな感情を与えることもありませんし、それが自分の大切な人たちに悪影響を与えることもありません。

    このように自分の中の感情が事実に基づかない場合には、その恐怖を感じた時と反対の行動をとるようにしてください。
    恐怖を感じたら普通は逃げると思います。
    それと反対の行動をとるわけです。

    トラウマも過去の後悔も同じです。
    中途半端に思い出したり急に頭の中に浮かぶ恐怖によって苦しめられます。
    逃げるのではなくこちらから迎えに行ってください。
    細かく思い出して全てを紙に書き出していきます。

    自分が恐れている恐怖が事実に基づかないものであれば、自ら迎えに行ってください。
    最初は辛いかもしれませんが、何度も繰り返していると徐々に慣れてきますし、意外と大したことがないと思えるようになります。

    ここから先は、さらに皆さんが過去を受け入れて強く前に進むためのワークを紹介していきます。
    誰でも苦しい状況に陥ることはあります。
    そんな時でも前に進むための力を身につけて欲しいと思います。
    そんな方法については続きをチェックしてみてください。