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  • 一問一答「あなたは、 最近会話が盛り上がったのはどんな時でしたか?」【深みの出る会話術】

    2023-04-20 12:00  
    330pt
    あなたは、 最近会話が盛り上がったのはどんな時でしたか?

    今回は、人見知りで人と仲良くなるのが苦手だという方の相談をもとに、会話も盛り上がり話に深みも出るポイントについて解説させてもらいます。

    「Q.コミュ力もなく人見知りで人と仲良くなるのが苦手です。誰とでも仲良くなれるようになるにはどうすればいいでしょうか?」

    コミュニケーション能力を鍛えようとするよりも、質問能力を鍛えることを考えてみてください。

    コミュ力がない人は喋るのが苦手だから一生懸命喋ろうと思い、そのプレッシャーによって語彙力が下がってうまく会話できなくなってしまいます。

    ですから、無理をして喋らないようにしてください。

    そうではなく、質問だけしようと考えていただければ、それだけでも7割ぐらいのプレッシャーが軽減されて上手にやり取りできるようになると思います。
    相手に興味を持つことと、質問すること、これだけできるようになっておけば基本的に会話は問題なく進みます。
喋るのではなく質問すると考えるだけでも、上手に会話できるようになると思います。

    以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。

    話に深みを出す方法

    同じ内容を話すとしても、話に深みが出る話し方と浅い話し方があります。
    深みを出す話し方ができるようになると、それだけで人間関係も大きく変わります。

    深みのある話し方ができるようになると、信頼されやすいですし、深みがある話し方ができる人同士であれば込み入った話もできて急激に仲良くなれます。
    当たり障りのない浅い話をいくらしたところで意味はありません。

    相手との信頼関係を築くのであれば、早い段階で相手と抵抗なく深い話をする必要があります。
    ここで言う深い話とは、普段周りの人とはしない感情的な議論や思想についてです。
    人の奥底にある深い感情を伴う内容や考え方をお互いに話すことができるかどうかです。

    人は自分から深い話をして相手から深い話を引き出すことで、お互いの人間関係を深めていくことができます。
    他の人とは違う会話ができる相手だと、信頼できて能力もある人だと感じるようになります。

    当たり障りのない会話しかできない人は親友を作ることもできません。
    深い話をできる人こそが信頼関係を築くことができて、本当に価値がある人間関係を作ることができます。

    神経科学者のアンドリュー・ニューバーグらの研究チームが、深い会話や盛り上がる会話についての先行研究を集めて、いくつかのポイントとしてまとめてくれています。
    つまり、信頼関係を築くことができる深い会話や、盛り上がって途切れることがない会話について調べてくれているわけです。

    盛り上がる会話とは?
    話が盛り上がるためには、話し方や内容、お互いの立場や地位などが関係するのではないかと考えるかもしれませんが、1番重要なのは新しい情報や話を避けることです。
    はっきり言って、雑談で盛り上がるかどうかというのは、その相手がその雑談の内容にどれだけ詳しいのかということで決まります。
    相手がよく知っている話題を出せば出すほど、相手の心に刺さり仲良くなることができるようになります。

    自分が生きてきた人生の中で、直感的に感じることや常識だと信じていることに反する話題を出されると人は強く抵抗します。
    人間は自分の直感的な部分と相反することが大嫌いです。
    そんな話をして人の心を掴むことができるのは、よほど説得力が高い人か説明能力の高い人だけです。

    難しい話をわかりやすく説明することができれば一番それが良いわけですが、それはなかなか難しいことでもありますので、今回紹介するのはどこにでもある話を深くする方法についてです。
    どこかで聞いたことがあるようなどこにでもある話を深くする方法があります。

    盛り上がる会話のためのおすすめ
    話題選びやトークについて悩む人も多いと思います。
こちらは Amazon の Audible であれば今無料で聞くことができますので、ぜひこの機会に使ってみてください。


    超トーク力 心を操る話し方の科学

    自分をオープンにすることに対する不安や人間関係に関する心配で自己開示ができないという人は、参考になる本もいくつか紹介しておきますのでチェックしてみてください。


    あなたはなぜ「友だち」が必要なのか


    自信がなくても行動すれば自信はあとからついてくる ――マインドフルネスと心理療法ACTで人生が変わる (単行本)

    内容より内面の静けさ

    どこにでもある話を深くするには自分のメンタルを整えることがまず第一歩です。
    ネガティブな感情は他人とのコミュニケーションを阻害してしまいます。

    様々な研究で確認されている事ですが、自分の内面が落ち着いていてリラックスしているかどうかで、話の深みが変わります。

    これは考えれば当然のことではありますが、焦ったり慌てたりしている人よりも、落ち着いて話している人の方がなんとなく深い話をしている感じがします。
    とは言え、これがかなり難しいわけです。
    相手に理解してほしいとか伝えたい気持ちが前に出過ぎると、人は慌てた状態で話してしまいますし、一生懸命さが前面に出てしまいます。

    実際には、そういった気持ちも抑えて落ち着いてリラックスした状態で話した方が、話に深みも出て相手に伝わりやすくなります。

    話の聞き手の状態や話す内容によって話し方を変える必要もあります。
    論文や研究の内容のように話の内容自体が難しいことを伝えるのであれば、落ち着いた喋り方でゆっくりと話すと話に深みが出すぎて伝わらなくなります。
    ただ、話の内容にそこまで新しさがなかったり、相手にとって抵抗感が少なく多くの人が受け入れているであろう情報の場合には、薄っぺらくなってしまうので深みを出すために落ち着いて話した方がいいということです。

    自分の内面にネガティブな感情がある状態で話すと、そのネガティブな感情は相手に伝わります。
    ネガティブな感情が内面にある状態で話すと、話に深みもなくなり説得力も落ちてしまいます。
    ですから、ネガティブな感情を排除した状態で話すことがまず必要不可欠です。

    研究チームは、相手と会話をする前に、ネガティブな感情を排除して内面の静けさを取り戻す方法について教えてくれています。
    会話が得意でなかったり、相手によく誤解を与えてしまうことでコミニケーションが苦手な人も多いと思います。
    これはこの内面の静けさがない状態で話しているからです。

    内向的な人やコミュニケーションが苦手な人は、自分が相手にどうしてもこれを伝えなくてはならない追い込まれた状態になってから口を開きます。
    追い詰められた状態で話しているわけですから、内面はざわつきまくっている状態で話しています。
    だから話に深みもなくなったり、本当は周りの人よりもしっかりと物事を考えて話しているのに軽く扱われてしまいます。

    このようなコミュニケーションの問題を解消するための3つのエクササイズを紹介しておきます。

    1. 1分間リラクゼーション
    自分の全身の感覚に注意を向けて、最も緊張している体のエリアを感じ取って、現在の緊張レベルを10点満点で採点してください。
    その後に息を5秒間吸って10秒かけて吐くことを3回行ってから、もう一度自分の緊張レベルを10点満点で採点して、どれぐらい自分の内面が落ち着いたか把握してみて下さい。

    緊張したりストレスを感じたときに体のどこに最も変化が起きるかは人によって違います。
    要するに、自分が会話をする時に、どこに無駄に力が入っているかを探すわけです。
    自分の人生で最も強いストレスで寝込んでしまう位のレベルを10点として、完全にリラックスしている状態が0点です。

    それを探した上で、5秒かけて息を吸って10秒かけて息を吐くことを3回繰り返します。
    そして、改めて同じエリアに感じるストレスレベルを採点します。

    非常にシンプルな方法ですが、ゆっくりと深呼吸するだけでもストレスや緊張は軽減されます。
    人はストレスというものを漠然と捉えすぎています。
    まずは自分の体のどこにストレスが現れているのかということをチェックして、10点満点で採点した上で深い呼吸を3回するだけで、こんなにも心が落ち着いて内面の静けさを取り戻すことができるということを理解できます。

    このゆっくりとした深呼吸でストレスや緊張が軽減するという感覚が、深みがある話ができるようになるために非常に重要なベースになります。

    この研究では脳をファンクショナルMRIでスキャンしながら実験も行っています。
    1分間リラクゼーションを行った人たちの脳をスキャンしたところ、脳の大脳皮質が活性化してコミニケーション能力がアップしていたという研究が複数あります。
    脳機能のレベルからコミニケーションスキルがアップしていたということです。

    2. ライトハンドエクササイズ
    会話の前には落ち着いていたはずなのに、話し始めると緊張感に襲われることもあると思います。
    会話中に自分の内面がざわついてきた気がしたら、まずは自分の右手に意識を向けてください。
    右手が本当に存在していることを実感するために何をすればいいか考えてみて下さい。
    自分の右手がここに本当に存在していることを味わうエクササイズです。

    自分の内面の静けさを取り戻すためには、どこか一点に自分の注意を向ける必要があります。
    自分の内面がざわついていたり、相手にネガティブな反応をされたということから別のところに自分の注意を向ければいいだけです。

    先程の深呼吸も同じですが、会話中にゆっくりと深呼吸をするわけにもいかないでしょうから、自分の右手にとことん注意を向けてみて下さい。

    これは実際に行ってみて下さい。
    自分の右手の存在をたっぷりと感じてみて下さい。
    手のひらと手の甲の感覚の違いや自分の右手の重み、指が感じる感覚と手のひらが感じる感覚の違いなど、とことん味わってみてください。

    どうしても右手に注意を向けることが難しい場合には、30秒だけ右手を強く握り続けてみてください。その上で力を抜くと、入れた力が抜けていく感覚を感じることができます。

    このようなことを行っていただけると人はマインドフルな状態に入りやすくなります。
    ゆっくりとした深呼吸を行うことと同じ効果を得られるので、内面の静けさを取り戻しやすくなります。

    3. 思い出エクササイズ
    人は話している時に相手の内面を見ています。
    ですから、リラックスして話している人に対しては堂々と話しているように感じて話に深みも感じるわけです。
    自分の緊張感を下げた状態で話をすることが必要です。

    相手は皆さんの表情から緊張感を読み取ります。
    相手と会話をする前にポジティブな思い出を思い返しておくだけで、皆さんの表情や体から余計な力が抜けて、自分のメンタルを内面の静けさを保った状態にもっていくことができます。

    ですから、相手と話す前に自分にとってのポジティブな思い出を思い浮かべてみて下さい。
    これだけで目のまわりの緊張がほぐれます。
    人は楽しかった思い出を思い出すだけで目のまわりの緊張がほぐれます。
    それによって落ち着いた表情になり、相手に緊張感が伝わることも少なくなります。

    よく目が笑っていないと言われる表情がありますが、これは目の周りの緊張感によるものです。
    皆さんにとっての楽しかった大切な思い出を思い返してみて下さい。
    それだけで皆さんの目の周りの緊張感が和らぎます。

    たったこれだけのことですが、相手からすると脳内の信頼をつかさどっている部位が活性化します。
    つまり、相手は皆さんのことをより信頼するようになり、信頼をするから自分の深い部分の話もするようになり会話が盛り上がります。

    目の周りの緊張を和らげて、相手と深い話ができるようになるのが思い出エクササイズです。

    人は会話の内容ばかりに注目してしまいます。
    会話の内容ばかりに注目してしまうと、自分の内面がおろそかになってしまいます。
    実際のところ、人は相手の話なんてそれほど聞いていません。

    相手の話を聞くかどうか、深い話をしたいと思うかどうかは、相手の表情から感じ取ります。
    それは相手の目の周りの緊張感によって大きく変わります。
    喋っている内容よりも自分の心の内面の落ち着きを保つことができるかどうかが重要です。

    アフェクト・ボーカライゼーション

    大抵の人は相手の声の抑揚から相手の感情を読み取っています。

    例えば、驚きや悲しみを伝える時には、表情よりも声の抑揚の方が相手に伝わりやすくなります。
    効果的な声の抑揚の使い方を身に付けましょう。

    効果的に声の抑揚を使うためには3つのポイントを押さえてください。
    とても簡単ですが、少し大げさに感じるぐらいにしていただいても相手は気づきません。

    ポイント1:話し声を普段よりも少し低めでゆっくり話す
    特定の目的がない場合には、普段よりも少し声のトーンを低めにして、ゆっくり話すことを心がけて下さい。

    研究では、1つずつの言葉をゆっくり、かつ、重要なポイントについては声の抑揚をベースラインよりも下げて話すことによって、相手の理解度が向上するということが確認されています。
    よほどの難しい内容や新しい情報を話す場合でないのであれば、声の抑揚は少し下げてゆっくりと話すことを心がけて下さい。

    ポイント2:簡潔に話す
    普段の会話では1つの話が30秒以内に終わることを心がけて下さい。
    シンプルかつ短めに話すことを心がけて、自分が話した後は余裕を持って相手の反応を見るようにして下さい。
    長くても30秒ほどで話したら必ず相手の反応を見ます。
    相手の反応を見るからこそ深みのある話ができるはずです。

    ポイント3:感謝の気持ちを持ちながら話す
    普段の会話の中では、話す内容よりも自分の心の内側の冷静さを保つことが重要です。
    相手と会話をする前に、自分が相手のどこを素晴らしいと思っているか考えてみて下さい。
    自分が相手のどんなところを尊敬しているのか自分に問いかけてみて下さい。

    オススメとしては3つ尊敬できるところを探してみてください。
    尊敬できるポイントを頭に浮かべながら話をするようにして下さい。

    これによって自然と声のトーンが変わります。
    人は相手に対して敬意を持っていると自然と声のトーンのベースラインが下がります。
    相手のどこに学ぶべきところがあるかを考えていただけると、自然と声のトーンが下がり、相手に対する敬意を伝えることもできるようになりますし、影響力を高めることもできます。

    こんなにも簡単なことなのに多くの人が普段の会話の中でできていません。
    実際の研究によってこんなにもシンプルなテクニックにまで落とし込むことがされているのに、多くの人がこんな素晴らしい情報にアクセスできていません。
    世の中に広まっていないだけで、こんなにも使えるテクニックは無数にあります。

    ここから先は、会話がより深くなるテクニックと、関係が崩壊するだけのやってはいけないことを解説していきます。
    ぜひ続きもチェックしてみてください。
     
  • 一問一答「あなたが会話で最近後悔したのは誰とのどんな会話でしたか?」【実践的マインドコントロール】

    2022-03-31 12:00  
    330pt
    あなたが会話で最近後悔したのは誰とのどんな会話でしたか?

    売り言葉に買い言葉で言い合いになってしまったり、ついつい意見を戦わせてしまい、険悪なムードになったり結果的に後悔することは誰でも経験があるのではないでしょうか?
    今回は、人間関係の問題についての相談を元に、話を聞かないような相手であってもその考えや行動を変えさせるための会話術について紹介させてもらいます。

    日常生活の中で使える実践的なマインドコントロール術です。Dラボでは全部で4回に分けて放送した内容になりますので、かなりの文量になりますが、保存版として活用いただけたらと思います。
    大切な人との良好な関係を保つためにも、面倒な相手の意見や考え方を変えるためにも役立ててください。
    Q. 人の欠点を指摘してくる頭の悪い人がいます。対応策を教えてください。

    相手に対して同じことをしてみてはどうでしょうか。
    相手が人の悪いところを指摘したり自分のことを棚に上げているということを、みんなの前で指摘してあげればいいと思います。

    例えば、自分がその人に何か指摘されたとしたら、自分の悪いところは素直に認めてください。
    その指摘は素直に認めて改善するということを伝えた上で「ところで、あなたにも・・・・」とストレートに指摘してみてください。
    その人がどれだけの事を棚に上げて他の人の欠点ばかりを指摘しているのかということを理解できるように問い詰めて、それは一体どういうことなのか質問してみればいいと思います。

    ここでのポイントは売り言葉に買い言葉になるとただのケンカになってしまいますので、他の人を巻き込むことを忘れないで下さい。
    その人がどれだけ周りの人に迷惑をかけているのか、嫌な気分にさせているのか、それをはっきり伝えて1対多数の構図にしてください。
    自分のことを棚に上げる人はかなり弱い人ですから、そうなると何の反論もできなくなると思います。

    以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。

    実践的マインドコントロール術

    マインドコントロールと言われると、怪しい宗教団体が信者を操るために使ったことで有名になったということもあり、あまりいいイメージを持っていない人の方が多いと思います。
    実際には、他人を心変わりさせる方法という意味になります。
    ですから、相手が「コントロールしようとしている」と感じた時点でマインドコントロールではありません。

    「私はマインドコントロールされた」と気づいているのであれば、それはコントロールされていません。
    人間は誰しも他人にコントロールされるのは嫌ですから、コントロールしようとしているということがわかれば抵抗することができます。
    最も強力なマインドコントロールは、相手が「コントロールされた」「誘導された」ということに気づかないマインドコントロールです。

    今回は、そんな相手の心を変えるための9つの方法について紹介させてもらいます。
    もちろん、本格的にマインドコントロールを学ぼうとするとかなり難しい分野です。
    今回は初級編として、皆さんの日常生活の中で相手の心を上手に変えるための方法についてです。

    先日紹介させてもらった「柔らかい交渉術」をマスターしてもらえれば相手の心に入っていくことができます。
    相手の心に入った後、その相手の心に気づかれないように影響を与えていく方法になります。

    科学的根拠に基づいた知識の実験、実践コミュニティ!〜メントレラボ〜
    一問一答「あなたが信頼関係を一番築きたい相手は誰ですか?」【やわらかい交渉術】


    相手が主張したり考えていることに、自ら疑いを向けるように誘導するテクニックになります。
    議論したり意見を戦わせていると、話せば話すほどお互いが自分の主張に固執するようになります。
    相手の考えを変えたいのであれば、相手と意見を戦わせる必要はありません。
    相手の話を聞きながら、相手が自分の間違いに気づく質問を投げかけることで、相手の考え方を勝手に変えて行く方法があります。

    特に頑固な相手や人の話を聞いてくれない相手にも使うことができるテクニックです。
    相手の主張や意見を否定したりするわけではありませんので、目上の人や敵に回すと怖い人に対しても使うことができます。

    ちなみに 、相性のいいテクニックとしてはこちらの本がおすすめです。
    こちらは説得をしようとか相手の心を変えようと思う前段階で、実際に説得できるかどうかが大きく変わるという本です。


    PRE-SUASION :影響力と説得のための革命的瞬間
     
    相手の心を変えるための9つのテクニック
    1.無知のモデル化
    2.単語のすり合わせ
    3.調整された質問
    4.道徳的一致
    5.ネット上の議論
    6.影響フォーカス
    7.認識論的質問
    8.ラーニングフレーム
    9.13の「べがらず」

    それぞれ何回かに分けて詳しく解説していきますが、どれも強力なテクニックですので、ひとつずつ練習してみていただけたらと思います。

    1.無知のモデル化

    これは相手の考え方を改めて詳しく説明してもらうテクニックです。

    例えば、相手の意見が間違っていると感じた時に「それは間違っているのではないですか?」と言うと、相手は「そんなことはない。自分は正しい!」と反論したくなってしまいます。
    それを防ぐために、「詳しく理解できていないので、その部分をもう一度説明してもらっていいですか?」と伝えます。

    相手に改めて詳しく説明してもらうわけですが、人は他の人に説明すればするほど理解が深まります。
    説明していることの理解が深まると、自分が言っていることの矛盾に気づけるようになります。
    相手に詳しく説明させることで、「自分が意外と無知だった」ということに気づかせるテクニックです。

    研究では、不法移民を対象にしています。
    不法移民の問題に対して強い意見を持っている人に以下のように無知のモデル化を使っています。

    「不法移民を強制送還することには賛否両論あると思います。その政策がどのように実施されて誰がコストを払うのかという議論がされていますが、私はこの議論に対して強い意見を持てるほど具体的なデータや情報を持っていません。ですから、すいませんが詳しく教えていただけませんか?」

    どちらにしても、特にこのような政治的な問題に対してあまりに強硬的な意見を持っている人には関わりたくないと思います。
    とはいえ、同調するわけにも否定するわけにもいかないという時もあると思いますので、そのような時は詳しいデータや根拠について教えてもらうようにしてみてください。

    大抵の場合、そのような強行的すぎる意見を持っている人は大して詳しく知りません。
    ですから、相手は説明すればするほど自分の意見に対する自信を失っていきます。

    2013年に行われた研究を見てみると、政治的に偏った意見を持っている参加者に、政策がどのように実施されてどのような影響を与えているのかということを詳しく教えて欲しいとお願いしています。
    そうすると、説明させればさせるほど、政治的に極端な力を持っている人がどんどん程々の意見に変わっていったということです。

    人は詳しく理解していないから極端な意見を持つことができます。
    その極端な意見を変えさせたいのであれば、その間違いを否定すると相手はどんどん強硬な姿勢になります。
    自分はあまりよく知らないからと無知を装って相手に詳しい説明をさせてください。
    説明させればさせるほど相手は自分の無知に気づきます。

    これは人間にあるバイアスによるものです。
    ほとんどの人間は「自分は物事の仕組みや世の中の仕組みを実際よりもよく理解している」と信じ込んでしまいやすいバイアスを持っています。
    人は誰でも自分は物事をよく理解できていると思い込んでしまいます。
    ところが、詳しいところを教えて欲しいと掘り下げて質問されていくと、意外と理解できていないことの方が多いです。

    人は自分が理解できていない部分があると認識できると、強い意見を言いたくても間違っていたら怖いので言えなくなります。
    よほどサイコパスのような相手でない限りは、この無知のモデル化を使うと態度は軟化していきます。

    無知のモデル化のメリット
    メリットその1 :相手の弱点を探ることができる
    これを使うと詳しいところを掘り下げて質問していくわけですから、相手にたくさん話をさせることができます。
    こちらは相手の話をただ聞いているだけで、相手が持っている情報の不足している点や間違っている点に気づくこともできます。

    議論を戦わせるような相手であっても、これによって相手の弱点を探ることができていると考えれば、かなり面倒な人の意見でも黙って聞くことができます。

    メリットその2 :相手からの好感度が上がる
    相手の話をたくさん一生懸命聞くことにより相手から好感度を引っ張り出すこともできます。
    それによって、相手が極端な意見を持っていることと別のことでお願いをすると、応じてくれる可能性も高くなります。

    相手の弱点を探りながら相手の態度を軟化させることができますので、無知のモデル化は日常生活の中でも結構使えるテクニックです。

    メリットその3 :相手は強要された感覚を持たない
    そして、相手は強い意見を持っているわけですから、どちらかと言うと相手の方が自分の考えを強要しようとしているようなやり取りになります。
    ところが、実際には相手の考えの矛盾点を自分で気付かせるように誘導しているので、どちらかと言うと操っているのは皆さんです。
    ですから、相手は自分の考えを変えることを誰かに強要されたという感覚を持つことなく、自分で自分の考えに勝手に疑いを持ち始めます。

    ですから、立場が上の人や目上の人であっても、お客様やクライアントであっても、無知のモデル化を使うことができます。
    皆さんは話を聞いているだけで、相手が勝手に変わっていきます。
    もし相手がそれでも変わらなかったとしても、相手の意見の矛盾点に気づけたり相手からの好感度を高めることができます。
    その場で相手の意見が変わらなかったとしても、相手には確実に自分の考えに対する疑念の目を植え付けることができています。

    無知のモデル化の4つのポイント
    無知のモデル化はとても強力なテクニックですが、これを使うにあたっては4つの重要なポイントがあります。
    実際の実験でも、この4つの重要なポイントさえ守っていれば極端な人の意見さえも変えることができています。

    ポイント1 :素直にわからないと言う
    これがなかなか出来ない人が多いですが、自分がわからないと素直に言ってください。
    素直にわからないと言った方が、謙虚さと誠実さのアピールになります。

    逆に、相手がわからないと言った時には、それを褒めるようにしてください。
    極端な力を持っている人がわからないと言った時に、ついついそこを攻めたくなるかもしれませんが、相手がわからないと言ったことは認めてください。
    そうすると、相手は自分のわからないことを言いやすくなります。
    わからないことを認められると態度を変えることができます。
    わからないことを批判されると態度はより硬直します。

    ポイント2 :はぐらかされたら同じ質問を自分にしてもらう
    自分の痛いところを突かれると話をはぐらかす人がいます。
    そんな時は、この同じ質問を自分にしてもらうという方法が使えます。

    例えば、相手がアジア人に対して新型コロナを広めたからと差別的な考えを持っている人だとします。
    相手がそんな人であれば次のように質問してみてください。

    「アジア人が新型コロナで差別されるのは当然だと思われていますか?」

    そうするとおそらく相手は曖昧なことを言ったりはぐらかします。

    「新型コロナがアジアから始まったことは確かだけれど、感染を広めないということを考えるとアジア人と距離を取るのは否定することはできないのではないか…」

    ここで相手に対してイエスかノーではっきりと言ってくださいと言ってしまうと相手を責めることになってしまいますので、次のように言ってみてください。

    「逆に私にアジア人が新型コロナで差別されるのが当然だと思うか質問してくれませんか」

    相手がその質問をしてくれたら次のように答えてください。

    「いいえ、当然だと思いません。差別するべきではないと私は考えます。それでは、あなたが新型コロナでアジア人が差別されるのが当然だと思うか答えて下さい。」

    つまり、相手に逆に質問させて自分が明確にイエスかノーではっきりと答えます。
    その上でもう一度相手に質問をすると、相手も明確に答えるしかなくなります。

    イエスかノーかはっきり答えない人がいた時に、どちらなのかはっきり答えて下さいと言っても相手は余計にはぐらかすだけです。
    無駄に難しい言葉を使って曖昧なことを言ったりします。
    そうならないために逆に自分に同じ質問をしてもらうというテクニックです。

    ポイント3 :自分の無知を認めてから質問
    相手に質問をする時には、まず最初に自分には十分な知識がないということを認めてください。
    皆さんがその分野について専門家だったとしても、知らないこともあるかもしれません。
    自分が明確に強い意見を言えるほど十分な知識がないということを認めてから質問してください。

    そうした方が相手が十分な理解がないということに気づきやすくなります。
    こちらがわかっている内容を質問するようになると、相手は自分が試されているように感じてしまいます。
    そうするとバトルになってしまいますので、自分が十分な知識がない前提で質問するようにしてください。
    その方が相手も十分な知識がないということに気づきやすくなります。

    ポイント4 :実際に無知のモデル化を体験しておく
    人間は新しい知識を手に入れなければ態度を変えることはできません。
    人が年齢を重ねれば重ねるほど頑固になるのは、自分が知識が足りないと感じる経験が少なくなるからです。
    そうなると自分が既に知っている世界の中で生きていくことになります。

    ですから、自分に対してまずは無知のモデル化を体験しておくことが重要になります。
    例えば、iPhone のカメラや部屋のエアコンなど、どのような仕組みで動いているのか意外と理解できていないことが日常生活の中にも結構あります。
    普段触れているけれどちゃんと調べたことがない仕組みや技術について1つ選んでもらい、それを本で読んだりネットで調べたりして学んでみてください。
    できるだけ詳しく調べて、それを他の人に話すということをしてみてください。

    勉強すれば勉強するほど自分には知らないことがあるということに気づけます。
    なぜ人が知っているつもりになってしまうのかということを解明してくれている、とても面白い本がありますので、こちらもチェックしてみてください。

    知ってるつもり――無知の科学

    2.単語のすり合わせ

    どちらの言っていることも甲乙つけがたいような難しいテーマについて議論している人がいますが、これは難しいテーマについて激論しているように見えても、実際にはお互いが使っている言葉の定義が違うために意見が平行線になっているだけということが結構あります。

    例えば、「私は政府が嫌いだ」と言っている人がいたとします。
    ですが、実際にはその人は政府が嫌いなのではなく、その人が表している政府というものは、「汚職をする人がいる」「官僚の力が強すぎる」「権力が集中していて国民の声は届かない」「無駄な規制が多い」など、政府全体ではなく何かしらに不満があることが多いです。

    言葉の定義が違うと、当然ですが意見が平行線になるわけです。
    これは別に嫌いなものではなく好きなものでも一緒です。
    政府について肯定的な意見を持っている人がいたとしても、それぞれの言葉の定義について確認していなければ議論の意味はありません。

    建設的な議論をしたり相手に自分の主張を受け入れてもらうためには、まずは相手が使っている言葉を定義してください。
    その上で自分の言葉も定義して、それをすり合わせておく必要があります。
    ここが食い違っていたらどんなに議論しても平行線です。

    ここから先は単語のすり合わせの解説と全部で9つのすべてのテクニックを解説します。
    Dラボでは4つの放送で解説された内容を凝縮したものになっています。
    ぜひ続きをチェックしてみてください。