• このエントリーをはてなブックマークに追加

記事 1件
  • 一問一答「あなたは来年どんな人間関係をつくりたいですか?」【人間関係の思い込みの大掃除】

    2021-12-30 12:00  
    330pt
    あなたは来年どんな人間関係をつくりたいですか?

    DaiGo師匠の質疑応答では、人間関係にまつわる問題が非常に多いです。
    その中でも、特に多いのが一方的な思い込みによる問題です。
    今回は、人間関係の距離感について悩んでいる方の相談をもとに、捨てれば人生が変わる人間関係の思い込みについてまとめさせてもらいます。

    Q. 割と仲良くなったのに、しばらく会わないでいると初対面のような関係になる人の心理を知りたいのですが?

    相手との距離感の測り方というものがあり、人間が仲良くなったと思うのは、大体の場合思い込みです。
    例えば、最新の研究を見てみると、自分が友達だと思っている相手がいたとして、その相手が自分のことを同じぐらいに友達だと思っている確率は50%程度だとされています。
    ですから、普通に友達だと思っている相手も、実際には1/2の確率で友達ではないということになります。

    それを見抜くというよりは深めるようにしたほうがいいですが、どうしてもそれを見抜きたい場合には、友達の枠を超えているかどうかを見た方がいいと思います。
    例えば、会社の上司と仲がいいかどうかということを判別する一番いい方法は、上司と部下のような感じではなく、自宅に遊びに行ったりすることがあるような関係かどうかとか、仕事とは全く関係ないやり取りをしているかどうかというようなことで見ることができます。
    このようなお互いの役割を超えた関係になることができているのかということを見ることです。
    そこまで行けば心を許している関係ということがわかりますが、そうでない場合には、なかなか難しい状況なのかもしれません。

    そこに取り組むよりは、人間関係の深め方を勉強した方がいいと思います。
    初対面のように、よそよそしくされることがあったとしても、それを気にしないでいられるぐらいに友達を作れるという自信を持てるようになることが大切だと思います。

    以上がDaiGo師匠のアドバイスでした。

    気づかないと人間関係で損するバイアス

    人は思い込みの影響を強く受けます。
    そもそも、この思い込みがないと先の予測ができなかったり、思い込みがあったほうが様々な対処がしやすいということもあります。
    ですから、実は思い込みというのは重要な側面もあります。
    ところが、この思い込みは行き過ぎたり偏ってしまうとチャンスを逃してしまったり、行動する前に諦めてしまったり、ありもしない不安に潰されてしまったりということが起きます。

    ハロー効果
    ハロー効果は、その人の目立つひとつの特徴により、その人のことを強く印象付けられてその人の全体を判断してしまうバイアスです。
    ごく限られた特徴により全体を推定しようとするものに基づいていますが、これが間違った方向に機能してしまうと「この人は◯◯がダメだから全てダメな人だ!」というように、ひとつのネガティブな要素でその人のすべてを否定する事になってしまいがちなので気をつけましょう。
    自分が相手に対して印象を確定させたいのであれば、少なくとも3つの証拠があるのかということを考えるようにしてください。
    1点だけで決めようとすると全ての人が良い人か悪い人と考えてしまい危険です。
    多くの人がこのバイアスに引っかかっています。
    初対面で自分の有能さを言葉ではなく明確に示すことが出来るようになると、勝手に初対面の印象が相手の中でカタチづくられてすごい人とか良い人と思われるようになります。

    公平世界仮設
    このバイアスには多くの人がよく引っかかってしまいます。これは人がした行為に対してはそれにともなった結果が返ってくるというものです。
    因果応報のような考え方です。
    努力は絶対に報われるとか、逆に駄目な人は努力が足りないだけとか、世の中は公平であって、だから努力すれば報われるし、そうでない人は努力が足りないだけだとするものです。
    実際には、全てのことがこのような単純なことではありません。
    もちろん努力は報われないということでもないですが、自分の行為に対して結果が返ってくることと、そうでないことがあります。
    それを分けて考えるようにすることがこのバイアスから逃れるための方法です。
    全てをこの公平世界仮設で見てしまうと、そこには矛盾や偏りが生まれてバイアスとなってしまいます。
    努力は報われるとは限りません。
    だから努力しなくてもいいということではなく、だからこそ努力を続けるしかないということです。
    公平でもなく努力が必ず報われるという世の中ではないからこそ、ひとつのことで諦めることなくあらゆる方向に努力を重ねていくしかないわけです。

    権利への執念
    自分が信じていることは相手も信じるべきだと思ってしまうものです。
    例えば、これは世の中の常識なんだから当然従うべきだとか、これが正しいことなんだからこうあるべきだ!というような、自分が信じていることだからこれが真実であり、みんなもこれを信じるべきだと考えるものです。
    自分が信じていることが正しいのかどうかはわかりません。これは、客観的・科学的に正しいかどうかもわかりませんし、主観的に見た正しさも人によって違います。
    主観的な正しさというのは議論したり主張しても無駄ですが、そうではなく客観的・科学的な事実というのは大事です。
    もちろん科学を信じようがスピリチュアルなものを信じようが、それも主観的な部分ではそれぞれです。
    ただ、それを必要以上に論じたり押し付けてはいけないと思います。
    主観的な部分では、自分が信じていることを相手が信じているとは限らないということを考えておいてください。相手が「主観的に話しているのか、客観的に話しているのか」ということも考えておかないと、議論は無駄に平行線になってしまいます。

    社会的受容の見逃し
    これは、相手が興味を持っているのに、興味を持っているのかどうかがわからなくなってしまうものです。
    人はネガティブバイアスに囚われて「どうせ自分なんて・・」と考えてしまうと、可能性すら気づけなくなってしまいます。
    オークションでこんなもの価値はないと決めつけていたけれど、調べてみると驚くほどの価値があったということがたまにありますが、同様に、自分にとっては他愛ないと思い誰も価値は感じないだろうと思っているものでも、もしかしたら、他の誰かにとっては大きな価値があるかもしれないという可能性を見逃してしまいます。
    自分には何も強みはないとか、特に価値なんてないと思っている人でも、他の誰かにとってはそれが欲しくて仕方がないほどの大きな価値を秘めているかもしれないわけです。
    自分の可能性に気づくためにも、この社会的受容の見逃しというバイアスの存在を知っておいてください。
    これも自分にしか目が向いていないために自分自身の隠れた価値に気づけない事が起きるわけです。
    自分のことを話すのに夢中になっていて、相手が興味を持っていることに気づけていないようなこともよくあります。

    内集団バイアス
    企業が倒産する原因のひとつとして危険なバイアスです。大企業がベンチャー企業に抜かれる原因でもあり、社会人3年目からかかるバイアスでもあります。
    自分が所属しているグループ・企業・部署・好みや考えの似ている人たちほど過大評価しやすいというものです。
    その所属するものが永遠に繁栄するのであれば、それでも良いかもしれませんが、外に目を向けることをしないと人間は成長がなくなり崩壊してしまうものです。
    ビジネスでもドラッカーは会社の未来をつくるのは、カスタマーではなくノンカスタマーだと表現していました。カスタマー(顧客)は当然大切なわけですが、それだけでなくノンカスタマー(非顧客)がどのように市場をつくっているのかということを見ていないと会社は発展しないということです。
    外の人たちの意見も聞いて、その人達が内集団に入るためには、もしくは興味をもつためにはどうすればいいのかということを考えていかないと会社は崩壊するものです。

    現状維持バイアス
    これは人生を変えることができない人がかなりハマりやすい思い込みです。
    人間というものは、今の人生や環境、仕事や人間関係、恋愛関係などの現状がとても悪い状況だったとしても、できるだけ今のままを維持しようと思ってしまう残念な生き物です。
    今の状況から変わろうとしたら、それにより今よりも悪くなる可能性もあります。
    そんな悪くなる可能性があるのであればやめておこうと思ってしまうのが、この現状維持バイアスです。
    人間が狩猟採集民だった頃に、今いる環境や群れの中だけでも十分に生きていけるという状況の中で、わざわざ誰も入ったことがない怪しい森に入ってみようとか誰も思わないわけです。
    冒険心を持ってそこに突入すると、それにより謎の病気にかかってしまったり野獣に食べられたりもしたはずです。
    ですから、「今の現状で生きていくことができるのであれば、今のままでいいのではないか」と思ってしまうのが人間にもともと備わっている心理であり、それが現状維持バイアスです。
    例えば、悪い恋人だと分かっているのにその関係から抜け出せないという人が結構いると思います。
    これも現状維持バイアスに陥っている人です。
    人間の脳というものは、自分が慣れ親しんだものや、今までと同じ結論になるものに対しては、その結論が悲劇になるものであったとしてもなぜかそちらに進んでしまいます。
    人間関係だけでなく、人生における重要な変化につながる決断や新しい判断をする時に、それはやめておいた方がいいのではと思った時には、一度それを疑ってみてください。
    「この判断はただ現状維持をしようとしているだけなのではないか?」と考えてみてください。
    この現状維持バイアスを振り払うためには、わかりやすく何かを変えるというのがいいと思います。
    住んでいる場所や服装の選び方、人間関係などわかりやすい部分を変えるのがいいと思いますが、人間の性格というものは半分以上が付き合う人間関係からの影響を受けるものですから、特に、自分の付き合う友達を変えることによってかなり現状を突破することに繋がりやすくなると思います。
    まずは仕事などの自分の生存に関わるものではなく、付き合う友達やよく行く場所などを変えてみるのがいいと思います。
    例えば、今までインドア派だったというのであればアウトドアな過ごし方をしてみるなどするのが、現状維持バイアスを突破するためには効果的なのかもしれません。

    確証バイアス
    元々人間というものは、自分がそこにあると思っているものだけを見る確証バイアスというものがあります。
    これが人間関係に対して働いてしまうと、自分の周りの人は変わらないし、このままの関係でいられると思い込みます。
    そのために、自分の友人や家族が危険なことに首を突っ込んだり悪い方向に進んでいても気づかなかったりするということも起こります。
    その逆に、周りの人が変化したり成功しようとしているのに、それにわざわざ水を差すようなことを言って変化を抑えようとしてきます。
    変化を嫌い、自分が思っているとおりの場所にいたいし、自分の周りの人もそうであってほしいわけです。
    このような人たちは、よほどのことがない限りは、さよならするしかなくなってしまいます。
    例えば、上司が部下を一度無能だと思った場合に、再評価することは極めて難しいです。
    親が「自分の子供はいつもしょうもないことばかりをする」というようなレッテルを貼ると、ずっと同じような目線で見られてしまいます。

    このような確証バイアスは専門家でも起きるということが分かっています。
    2人の子供たちに対して約30問の数学のテストを行うという研究では、前半に成績が良かった子供と後半に成績が良かった子供、それぞれに数学の専門家の教師に評価してもらっています。
    結果的には、成績は全く同じだったにも関わらず、前半に多くの正解をした子供の方が数学的な能力が高いと判断しました。
    第一印象で形成されたものを僕たちはこんなにも守ろうとするということです。
    前半と後半に分けて総合的に判断することが面倒だからと脳は再評価を嫌がっているわけです。
    一度形成されてしまった第一印象を覆すことは非常に難しいということです。
    皆さんのことを過去から見てきた人たちは、今までの皆さんと全く同じ目線で皆さんのことを見るものです。皆さんがどんなに頑張って変わっても、他者からの評価というものはなかなか変わらないということです。
    ですから、他人からの評価を大きく変えたいのであれば、付き合う他人を変えるしかないということです。
    人間関係が変わらないのは、付き合う相手を変えないからです。

    バイアス対策のおすすめ

    認知バイアス 心に潜むふしぎな働き (ブルーバックス)
    こちらはバイアス対策としては、わりと読みやすいですし参考になると思います。


    賢い人がなぜ決断を誤るのか?
    こちらは仕事でも役に立ちますし、バイアス対策にも参考になると思います。
    自分が頭がいいと思っている人ほど間違ったバイアスに左右されやすいものです。

    ここから先も、自分の求める人間関係を手に入れたいのであれば、できるだけ早く捨てるべき思い込みについて解説していきます。
    来年こそは自分の可能性に目を向けて成長できる人間関係を手に入れたいという方は、ぜひ続きもチェックしてみてください。