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読み終えた作品を採点することをやめることにしました。(2064文字)
コメ5 弱いなら弱いままで。 133ヶ月前
いつの頃からだろう。小説を読んだり、映画を見たりした時、その長所と短所とを洗い出し、美点や瑕疵を見つけ出しては、全体を「評価」するようになったのは。 初めはたしかにそうではなかった。思い出すこともむずかしい幼少の頃は、ただひたすらに物語を楽しみ、その展開に胸躍らせるばかりだったはずだ。 しかし...
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その一生は流星の軌跡。だれよりも真摯に生き抜いた病弱の天才棋士、村山聖の生涯を読む。(2057文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 133ヶ月前
村山聖の名前をご存知だろうか。1998年に若干29歳で亡くなった夭折の棋士である。破格の才能と病弱な肉体をあわせ持ち、一生涯を将棋に賭けた。 生前、ついにその指先がタイトルに届くことはなかったが、人生の終わり頃にはA級に在位し、棋界最高位「名人」を狙える立場にいた。 大崎善生『聖の青春』はその村山のあ...
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『オブリビオン』に登場する書物を一冊にまとめたブ厚い本
コメ2 コタク・ジャパン・ブロマガ 132ヶ月前
Redditユーザーのnotadoctoreitherさんが数ヶ月と130ドル(1万円くらい)を費やして作った『オブリビオン』本。登場する書物をかき集め、プリントアウトし、1刷にまとめてしまいました!
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「黙れ小僧! お前におれの不幸が癒やせるか!」にどう答えるか。(3733文字)
コメ2 弱いなら弱いままで。 130ヶ月前
いま冬コミで出す予定の同人誌の企画を考えているのですが、いやあこれがむずかしいテーマで、深入りすればするほどに書くのが大変になっていくことを感じます。 ただそれらしいことを書いてまとめるだけなら簡単なんだけれど、真剣に考え始めるとちょっと際限がない。 たぶん自分で締め切りを設定して、どこかの時...
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漫画におけるユニークフェイス。「特別な顔」を持つひとたちの物語。(2780文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 129ヶ月前
以前、TONOの代表作『カルバニア物語』に触れたとき、こんなふうに書いた。 タイトルからわかるとおり、この作品の舞台はカルバニアという架空の王国。まだ十代の王女タニアが、この国で初めての女王として即位したあたりから、物語は始まる。 口うるさい貴族やら老臣やらに支配された王宮で、タニアが心を許せるの...
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「プロブロガー」イケダハヤトが語るブログ文章術がなんだかまっとう。(2245文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 129ヶ月前
【『武器としての書く技術』】 最近、Google Chromeでブロマガ管理ページを見るとデザインが崩れているんだけれど、何とかならないのだろうか……。もし読んでいたら対策をお願いします>ドワンゴの中の人。 さて、ヒマだから記事を書こうかな。きょう読み終えたイケダハヤト『武器としての書く技術』に「情熱が持てるこ...
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セックスワークの現場には性の問題が「凝縮」されている。(2204文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 129ヶ月前
【デリヘル嬢みやび】 夜中にめざめてしまいました。ひとはどうだか知りませんが、ぼくはいったん目が醒めるとなかなか眠れないほう。 いくら世界が闇に包まれていも、いちど覚醒した意識を闇のなかへ還すことはできません。どうもこの頃睡眠が不規則で良くないですね。 とにかく起きてしまったものは仕方ないので更...
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ダメダメな人生を変えることはできるのか? ひきこもりという果てしない退却戦。(2565文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 129ヶ月前
【あるひきこもり青年】 池上正樹『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』読了。あいたたたたた。胸が痛い。 あるひきこもりの青年が生活保護を得て自立への一歩を踏み出すまでを描いたドキュメンタリーなのですが、その青年「M君」の描写が辛すぎる。 決して悪意で書いているわけではないのだけれど、M君のコミュ...
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文章力は「実戦」で鍛えよう。(2294文字)
コメ0 弱いなら弱いままで。 129ヶ月前
【イケダハヤトの文章術】 次回配信予定が「未定」ばかりでかっこ悪いので急いで記事を書かなくては! ちょうど手もとにイケダハヤト『武器としての書く技術』があるので、この話をしましょう。まあこの本については一度書いたわけですが、もう少し語りたいことがあります。 というのも、いい本なんですよ。ネットで...
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マスコミはほんとうにゴミなのか。大震災被災地でのある風景。(2315文字)
コメ14 弱いなら弱いままで。 129ヶ月前
【ふたりのマスコミ】 石井光太『津波の墓標』を読み終えました。映画化もされた話題の作品『遺体』で有名なルポライターが、被災地で見たものについて切々と綴った一冊。 その内容はすこぶる生々しく、「感動の一冊」などというコピーで括れるものではありません。しかし、そのことを承知の上で云うなら、これは感動...
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純度100%の萌えオタは存在するか? グッズから見た「もうひとつのオタク業界」。(2549文字)
コメ2 弱いなら弱いままで。 128ヶ月前
【「薄い本」】 寺尾幸紘『オタクの心をつかめ』という本を読み終えました。 よくあるオタク絡みの新書なのですが、この本、とにかくフォントが大きい。1行に33文字しかなく、1ページに12行しかないのです。 12×33=396ですから、何と1ページが原稿用紙1枚に満たない。しかもあとがきまで含めた総ページ数が171ページ...
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広橋 涼『こまごまかいてます』第52回『絶賛片付け中』
コメ0 コラム&インフォメーション 128ヶ月前
趣味の話や日々思うこと、こだわり、好き嫌いなど、 雑多にいろんなことを書かせていただければ幸いです。
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書評――川上量生『ルールを変える思考法』。
コメ0 弱いなら弱いままで。 127ヶ月前
最初に記しておきましょう。この記事はドワンゴから報酬をいただいて書いている依頼記事です。ある意味、ステマと云えなくもない(ステルスしていないけれど)。 そういう記事は信用できないという方はいますぐ回れ右し、べつの記事へ飛んでもらってかまいません。ただし、記事の内容はぼくの裁量に任せられており、...
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十年に一度の一冊。『嫌われる勇気』は人生を変えてしまう本だ。
コメ3 弱いなら弱いままで。 124ヶ月前
岸見一郎、古賀史健『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』読了。 書店でこの本を手にとったのは、伊坂幸太郎の帯に惹かれたからだった。曰く、伊坂が小説を書くなかで考えてきたことが、本書のなかにも記されていると。 興味が湧いて、一読した。感動した。すばらしい。すばらしい。すばらしい。この...
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世界の主人公を降りるところから対話は始まる。
コメ1 弱いなら弱いままで。 123ヶ月前
ども。海燕です。あしたは「にいがた酒の陣」に行ってまいります。実に500種類に及ぶお酒が試飲しほうだいというちょっと狂ったイベント。 2012年には10万人を超える参加者が集まったということで、アレですね、10万人の酔っぱらいが練り歩くことになるわけですね。ちょっと想像を絶するものがあります。大丈夫なんだ...
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モテの真実がそこにある! 女子モテのための必須条件とは何か。
コメ0 弱いなら弱いままで。 123ヶ月前
最近、ぼくのなかで何となくモテ本がブームです。そういうわけで、織田隼人さんのモテ本『モテの真実』を読み終えました。いやー、これはけっこう良いんじゃないかなー。 モテ本をいろいろ読んでいくとオカルトのレベルに達しているとしか思えないものにも出くわすのですが、この本はまともなほうだと思う。 出逢い...
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トップブロガー「ちきりん」の創造の秘密を盗め!
コメ0 弱いなら弱いままで。 123ヶ月前
昨年は電子書籍元年とさわがれた年でした。そのわりに日本の電子書籍はいまひとつ普及し切っていない印象がありますが、個人的には電子書籍の時代はとっくに訪れていて、同じ本が紙と電子で存在していたらまず電子のほうを買います。だって、わざわざ書店へ行かなくても瞬間的に入手できるんだもん。 で、まあ、基本...
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あなたがモテないのはキモチワルいからである。あるアダルトビデオ監督による福音。
コメ0 弱いなら弱いままで。 123ヶ月前
二村ヒトシ『すべてはモテるためである』読了。Twitterでオススメされたこの本が超絶面白かった。同じ著者の『恋とセックスで幸せになる秘密』と合わせて読むと、「愛」と「依存」の秘密がすっかりわかってしまうかも。 タイトルだけだとありふれたモテ本のようだけれど、中身は重厚にして辛辣な「哲学書」。軽妙な...
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プロブロガーイケダハヤトに見る「炎上の作法」。
コメ0 弱いなら弱いままで。 123ヶ月前
イケダハヤトさんの『なぜ僕は「炎上」を恐れないのか ~年500万円稼ぐプロブロガーの仕事術~』を読みました。 駅前のジュンク堂までわざわざ買いに行ったんだけれど、よく考えてみれば当然、電子書籍が出ているよね……。しまった。Kindleで買うべきだった。まあいいや。 どういう内容かと云うと、まあ、タイトル通...
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オタクとヤリチンが同類である理由。
コメ0 弱いなら弱いままで。 123ヶ月前
「オタクでありながらヤリチン」というジャンルの男性がいることは世間にはあまり知られていませんが、そもそもオタクとヤリチンは似ています。 ヤリチンが「多くの女性とセックスできる自分が好き」というナルシシズムで心の穴を埋めようとしているように、自己肯定してないオタクは「モノや概念が好きな自分」「そ...
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人生における「勝利条件」とは何か?
コメ1 弱いなら弱いままで。 123ヶ月前
積んでいる本が崩し切れませぬ。というのも読む端から買ってくるからで、いまとなっては漫画ですら読み切れずにいる始末。てれびんに薦められて買った『機工魔術師』全19巻とか、未だに封もひらいていません。赦せ、てれびん。 で、いま読んでいるのは押井守の『仕事に必要なことはすべて映画で学べる』。ずいぶん前...
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年収150万円弱! 「稼がない男」のかぎりなく優しい生き方。
コメ0 弱いなら弱いままで。 121ヶ月前
いまさらここで述べるのも何ですが、本を読むことが好きです。物心ついて文字を読めるようになった頃から、ずーっと好きなので、たぶん死ぬまで好きでありつづけることでしょう。 最近はめっきり堕落して硬い本を読むことは少なくなりましたが、でも、読書習慣そのものは延々と続いていて、毎日何かしらの本を読みつ...
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金持ちのイケメンほど大変な人生はないかもしれない。
コメ0 弱いなら弱いままで。 121ヶ月前
ASKAが覚醒剤の違法所持で逮捕されたことについては過去の記事でもふれましたが、この事件とは無関係に最近、たまたま読んだのがちきりんさんのこの記事。http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20071218 ここには「金づる」になる人について、こう書かれています。 売人側は、一度こういう人を見つけたら“決して離さない”...
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市場潮流
コメ0 億の近道 チャンネル版 120ヶ月前
今週(6月30日~7月4日)の東京株式市場は、日経平均株価で342円、率にして2.3%上昇しました。 7月3日(木)に発表された米国の6月の雇用統計で、非農業部門雇用者数が前月比28万8000人増となり、市場予想(21万人)を約37%超過。これ を受けて、NYダウが1万7000ドルを初めて上回り...
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「正しさ」に酔っぱらってしまわないように。
コメ0 弱いなら弱いままで。 119ヶ月前
北原みのり&朴順梨『奥さまと愛国』読了。中年女性の作家(なのか、ライターというべきか)ふたりが「愛国に走る女性」たちを描き出した渾身のルポルタージュである。 非常に面白く読めた。フェミニストの視点から書かれた本という意味では、愛国女性を高らかに称揚している(らしい)佐波優子『女子と愛国』とある...
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現代社会における「しあわせの形」とはどのようなものか。
コメ0 弱いなら弱いままで。 119ヶ月前
いつも思うのだ。ひとはどうすれば幸せになれるのだろう? カネか? モノか? 愛か? 家庭か? 仕事なのか? いったい何をどう充実させれば本物の幸福に手が届くのだろうか。 伊藤洋志&pha『フルサトをつくる』を読んだのも、そういうテーマを考える一助にならないか、と考えたからだ。 この本はある種の「田...
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オフ会を開きたい。
コメ0 弱いなら弱いままで。 119ヶ月前
Pha『ニートの歩き方』を再読しています。再再読かも。読むたびに新しい発見がある、というわけでもないのですが、内容的にぼくの目ざすところと共通点があるので、読んでいると安心感がありますね。 もっとも、Phaさんは「だるい」という言葉を多用するんだけれど、ぼくはあまり「だるい」とは思わなくて、どちらか...
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充実した貧乏生活で残る最後の課題とは。
コメ0 弱いなら弱いままで。 119ヶ月前
以前にも取り上げた『プア充』という本がある。ざっくり云ってしまうと「年収なんて300万円くらいあればいいよ。それ以上は過剰だよ」という内容なのだが、その説得力はともかく、「プア充」という概念そのものには魅力がある。 「ほどほどに働き、なんとか一定の金額を稼いで、余った時間を楽しく過ごそう」といった...
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先崎学のエッセイはなぜこんなに面白いのだろう。
コメ0 弱いなら弱いままで。 119ヶ月前
先日読んだ大崎善生のエッセイがあまりにも面白かったので、続けて将棋の本を読んでみる気になった。プロ棋士先崎学が「週刊文春」に連載した記事をまとめた本である。 読んでみて驚いた。あれほど面白いと思った大崎氏の本よりもっと面白かったのだ。これはあきらかに将棋指しの余技という次元を超えている。本業の...
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「ほどほど豊かでほどほどデジタルな貧乏暮らし」の本を書きたいです。
コメ2 弱いなら弱いままで。 119ヶ月前
2年半ほど前に出した同人誌『戦場感覚』を読み返している。いやー、自分で書いた本ながら、面白いですね。 当時は自分が何を書きたいのかもよくわからず、しゃにむに書いていたんだけれど、いまならここに書いてあることをある程度は整理できるように思う。 で、当時は「書き尽くした……」という感じで、もうこの路線...
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性犯罪中毒というこの世の地獄。
コメ2 弱いなら弱いままで。 119ヶ月前
社会的に最も憎まれ、嫌われ、疎まれる犯罪であるところの性犯罪を、ある種のゲームのようなものであると云えば、おそらく読者の反感を買うことであろう。 しかし、性犯罪者の頭のなかでは、そのような形での理解が行われていることがありえるらしい。鈴木伸元『性犯罪者の頭の中』には、そういうおどろくべき事実が...
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あなたもホームレスになってみませんか? 「都市型狩猟採集生活者」たちの幸福な日常。
コメ0 弱いなら弱いままで。 119ヶ月前
『ゼロから始める都市型狩猟採集生活』という本を読んだ。いささか大仰なタイトルであるが、いわゆる「ホームレス」の人々を追いかけた内容となっている。 といっても、「ホームレスの暮らしはこんなに悲惨だ」という内容ではない。その正反対、何かというと人生の落伍者、あるいは社会の敗残者として捉えられがちな...
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さらば、皮肉と冷笑のインターネット。
コメ0 弱いなら弱いままで。 118ヶ月前
しばらく前、佐々木俊尚『自分でつくるセーフティネット 生存戦略としてのIT入門』を読み上げた。本書の主張はシンプルだ。「ネットの発達で自分の言動や行動は一切隠せない時代になった。そういう時代において得をするのは他者に寛容ないい人である」と。 最近、これとまったく同じことを記した本が続けざまに出版...
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「美しい義足」という衝撃。切断ヴィーナスたちの美の世界。
コメ0 弱いなら弱いままで。 118ヶ月前
質問。「美しい」って、どういうことだと思う? おそらく、この問いには千人千様の答えがあることだろう。ある人は、形よく整っていること、と答えるだろうし、別の人は異形であること、妖しく、なまめかしいこと、と応じるかもしれない。 ひとは誰もひとりひとりが、その心の内側にそれぞれ異なる「美の世界」を隠...