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【「薄い本」】
寺尾幸紘『オタクの心をつかめ』という本を読み終えました。
よくあるオタク絡みの新書なのですが、この本、とにかくフォントが大きい。1行に33文字しかなく、1ページに12行しかないのです。
12×33=396ですから、何と1ページが原稿用紙1枚に満たない。しかもあとがきまで含めた総ページ数が171ページなので、原稿用紙170枚程度の内容量しかないことになります。ここまで文字数が少ない新書は初めて読んだかも。
一例に挙げるなら、いまたまたま手もとにある『里山資本主義』は43文字×17行で1ページ731文字、それが300ページ以上続いているので、文字数にして『オタクの心をつかめ』の3倍以上あることになります。
もちろん、改行もあれば空行もあるので正確な数字ではありませんが、それにしても値段は51円しか違わない本でここまで文字量の差があると、コストパフォーマンスの差を感じてしまうなあ。
最近は一様にフォントが大きくなる傾向はあり、情報量が詰め込んであれば売れるというものではないのですが、それにしても1行33文字か……。
何でこんな本になったんだろ。よほど語るべき内容が少なかったんだろうか。それでも中身の密度が濃ければ何の文句もないところなのですが、うーん、これはどうなんだろ。
【これが売れるのだろうか】
本書の内容をひとことで表すと「オタク向けビジネスはこういうふうにやれ!」というもの。
「ザク豆腐」そのほかのヒット商品が例として挙げられ、また失敗例もいくつか挙げられて、オタク向けビジネスのノウハウが語られているのですが、
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なんだか話を聞くかぎり、一時期話題になった産経新聞の記事『「ガールズ&パンツァー」 人気に頼らず新アニメを』(http://sankei.jp.msn.com/region/news/130916/ibr13091616260004-n1.htm)を彷彿とさせる本ですね・・・。
読んでいない本についてあんまりどうこう言うものではないと思いますが、Amazonレビューの
> 「自分はオタクじゃないけど、オタク相手への商売はしたい」という人にオススメの1冊です。
という一文を見て、一番オタクからは嫌われそうな立ち位置だなぁという感じは受けました。少し文脈はズレますが、「嫌儲」という言葉もあるくらいですし。
踊るのは好きだけど踊らされるのは嫌いってやつですかね。