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記事 40件
  • ■佐倉みさき/7月25日/20時20分

    2014-07-25 20:20  


     じっと動画をみつめていると、ひとつのコメントが、目に飛び込んできた。  それは他のコメントと同じ速度で左へと流れていく。私は慌てて、シークバーを操作して、停止ボタンを押した。
     
           ※
     
     間違いない、タイマーボックス「のみ」を振ればタイマーが止まる!!
     
           ※
     
     そんな馬鹿な、と思った。
     私は爆弾に目をむける。
     振るって、そんな。爆発しないのか?
     タイマーボックスというのは、あの赤い数字が動いているものだろう。つまり、爆弾の本体にみえる。
     性質の悪いいたずらだと思った。
     でも、とはいえ。時限爆弾には2本のコードの他にスイッチのようなものはない。分解することも難しそうだ。もし本当に解除方法が用意されているのだとしたら、そしてそれがあのコードではないのだとしたら、振動というのは納得のいく答えだった。
     私はカウントダウンを続ける時限爆弾の前にし

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  • ■謎まとめ/7月25日/時限爆弾謎

    2014-07-25 20:19  

    ※ここには読者が解き明かした謎の内容が記されています。自らの手で謎を解き明かしたいという方は、この記事を読み飛ばして次ヘ進んでください。
    《読み飛ばす》
    謂名真枝。 @iinamaeda
    とりあえず目下必要な情報は爆弾の停止方法で、分かりやすく青か赤かを切るヒントを導けるんじゃないかなと
    MAG@実は美少女(ゲス) @seed_1221
    時限爆弾解体する展開かなぁ…
    しゅんまお@くま @konkon4696
    ラダー図は割とわかるかな?
    新羅 @sinla13
    時限爆弾図キタ!
    結希@3D小説参加 @yuki_seiyudo
    誰か!ソルの中に工学系に強い方はいらっしゃいませんか!?
    ひげ @HiGravityEdge
    爆弾解体図が来たか。 ようやっと役に立てそうな場面だな。
    MAG@実は美少女(ゲス) @seed_1221
    振動探知とか書いてあるやん…動かしちゃダメっぽいね
    yunyan

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  • ■佐倉みさき/7月25日/19時25分

    2014-07-25 19:25  


     動画に、気になるコメントが流れた。  
           ※
     
     こっちは爆弾の設計図を見ることができてます。赤青どちらを切っても危険そうです。そのまま待機で。
     
           ※
     
     ――そうか。
     背中を、冷たいものが走った。
     ――犯人は私に、あのコードを切らせたかったんだ。
     だから私は手足をしばられることもなく、この部屋に閉じ込められているのだ。
     なら、赤と青、どちらも間違いだというのは説得力のある話だ。
     わかりました、どちらも切りません、とコメントする。
     ――でも。
     じゃあ、どうすれば、この爆弾は止まるんだろう?


    もっち @mochi_0307 
    いっそ爆弾ビンタ…はさすがにないか 
    しゅんまお@くま @konkon4696 
    タイマーボックスのみを揺さぶれば、CR2が常時ONになって.、それに従ってCR6もON、CR6は不論理だから、回路とばくはつが絶縁

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  • ■佐倉みさき/7月25日/19時10分

    2014-07-25 19:10  



     5つ目のロッカーには、なにも入っていなかった。
     私はトートバッグを手に、ノートPCの前に戻る。この部屋の中でいちばん明るい場所がそこだし、コメントをチェックしたいというのもあった。
     ノートPCからもれる光に照らしながら、トートバッグを開いてみる。
     中には半分に折り畳まれた厚手の紙が1枚入っているきりだった。
     表紙に当たる部分に、『聖夜通信』と書かれている。会報かなにかのようだ。
     ――なんなの、これ?
     7月号と書かれているけれど、西暦などは記載されていない。このビルの人が残していったものなのか、あとから持ち込まれたものなのかも判断がつかない。
     私はその文面をざっと目で追ってみる。
     だが、ここを出る手がかりにはなりそうもなかった。


    新羅 @sinla13 
    黒いトートバックの中の『聖夜通信』、みさきちゃんは「何も手がかりがなさそう」と言ってるけど、ここに何らかのヒン

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  • ■久瀬太一/7月25日/19時05分

    2014-07-25 19:05  




     オレは椅子に縛られ、床に転がったまま、目の前の図をじっと眺める。 ――これを読み解けば、みさきを助けられるのか? いや、でもどうやって解除方法を伝えればいい? オレはしばられ、身動きがとけない。
     スーツの男は再びベッドに腰を下ろし、懐中時計を眺めている。
    「ああ、もう日が暮れてしまうじゃないか」
     と男は言った。
    「今夜はパーティなんだよ。悪魔が自ら死を選ぶ、聖なるパーティなんだ。君みたいな、望まれない客はいらない」
    「悪魔ってのは、佐倉みさきか?」
    「もちろんだ」
     どうして彼女が悪魔なんだ、と尋ねる気はなかった。
     誘拐犯がどんな主張を持っていようが、どんな正義を振りかざそうが、知ったことじゃない。聞くまでもなくみんな却下だ。
     でもひとつだけ、先ほどの男の話で気になったことがあった。
    「教えってのはなんだよ?」
     さきほどこいつは、「私は誰よりも教えに忠実だ」と言っていた

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  • ■時限爆弾図

    2014-07-25 19:00  




    新羅 @sinla13 
    時限爆弾図キタ!
    mille@MISSING @mille_books 
    時限爆弾の図解来たけど、専門外だわ。誰か分かる人お願いします 
    ひげ @HiGravityEdge 
    爆弾解体図が来たか。 ようやっと役に立てそうな場面だな。  
    謂名真枝。 @iinamaeda 
    7人のオタクを超えた数百人のオタクであるからして安心するぞなもし 

    ※Twitter上の、文章中に「3D小説」を含むツイートを転載させていただいております。
    お気に召さない場合は「転載元のアカウント」から「3D小説『bell』運営アカウント( @superoresama )」にコメントをくださいましたら幸いです。早急に対処いたします。
    なお、ツイート文からは、読みやすさを考慮してハッシュタグ「#3D小説」と「ツイートしてからどれくらいの時間がたったか」の表記を削除させていただいておりま

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  • ■佐倉みさき/7月25日/18時50分

    2014-07-25 18:50  



     あまりに、目の前の出来事が非現実的だからだろうか?
     いつの間にか、恐怖が少しだけ薄らいでいた。
     私はともかく、目についたコメントに応える。
     ――佐倉さん 時限装置なのですが、赤と青のコード以外になにか目に付くものはありませんか?
     わからない。時限爆弾なんて、みたことない。私には普通の時限爆弾にみえる。
     ――周囲の物や状況について教えてください。
     ここにあるのはノートPCと、時限爆弾だけだ。――いや、違う。そのふたつに気をとられてよくみていなかったけれど、右手の壁に、5つのロッカーが並んでいる。
     そう書き込むと、反応があった。
     ――ありがとう、ロッカーに不審なものとかあるかな?
     そうだ。調べよう。ひとつずつ。
     私はロッカーの前に立つ。右端にあるドアを開いた。
     がらんとしたロッカーだか、底の部分になにかが落ちている。
     ――ペンチ?
     私はそれを拾い上げてみる。や

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  • ■久瀬太一/7月25日/18時45分

    2014-07-25 18:45  




     目を開けても視界はぼやけていた。
     頭と肩の辺りに痛みが残っていた。
     ――いったい、オレはどれだけ気を失っていた?
     時間の感覚がない。
     どうやらオレは、ロープで椅子に縛りつけられているようだった。木製の小さな椅子だ。オレの身体には合わず、窮屈に感じる。
     カーテンのない窓から空がみえる。ちょうど夕暮れ時だ。尖った赤い光が射し込み、部屋の中の影を色濃く目立たせる。
     どくん、と心臓が跳ねる。もう目の前まで、夜が迫っている。
     オレは辺りを見渡す。
     どうやら客室のひとつのようだ。目の前のベッドに、男が腰を下ろしていた。
     オレを殴った、あのサングラスとは違うように思う。スーツを着た、どこにでもいるサラリーマンのような男。40歳くらいにみえる。
     ――誘拐犯は、複数いるのか?
     そいつはベッドから立ち上がり、オレの目の前まで歩み寄る。
    「君は何者だ?」
     男はこちらを見下ろして

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  • ■佐倉みさき/7月25日/18時30分

    2014-07-25 18:30  



     どうして、私を知っているんですか?
     そう打ち込んだ。
     動画のコメントでは、「私」が誰だかわからないと気づいて、後ろにカッコをつけ、佐倉、と書き足す。
     それから、私は動画を流れるコメントを、必死に追う。
     ――彼らは、ソル。
     私と、そして久瀬くんの仲間。
     わけのわからない事態だけれど、その言葉には説得力があるように思った。
     だって普通に考えて、今ここに、久瀬くんが来てくれるなんてあり得ないのだ。きっと彼には、誰か協力者か、情報の提供者のような人がいるのだろう。そう信じることにする。
     動画の向こうにいる人たち――ソルたちはまず、私にコメントの打ち方を伝えた。
     文字を赤く、小さく下に、コメントの前にはマークをつける。
     ★これでいいですか?
     そう打ち込んで、コメントした。
     それから気づく。これだけじゃ、誰だかわからない。焦っている。手に汗をかいている。落ち着け、と自分

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  • ■佐倉みさき/7月25日/18時10分

    2014-07-25 18:10  



     いったいどれくいだろう? ずいぶん長い時間、私はカウントダウンタイマーの赤い数字をみつめていた。
     なにも考えられなかった。
     でも、いつまでもショックを受けているわけにもいかない。
     私は息を止める。両手でぱん、と頬を叩く。
     とにかく、できることをみつけなければならない。部屋の中を見渡す。
     目についたのは、やはりノートPCだった。
     ――まさか、こんなことでどうにかなるはずもないけれど。
     床であぐらをかき、足の上にノートPCを乗せる。ブラウザの検索バーに「警察」と打ちんだ。「インターネットに接続されていません」だとか、「このページは表示できません」だとか、そういったエラーメッセージが表示されるだろうと思っていた。
     だがエンターを押すと、小さなウィンドウが飛び出た。どうやらパスワードの入力を求められているようだ。右上の終了ボタンでウィンドウを閉じる。モニターではまだボーカロ

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