爽やかなルックスと確かな演技力で、大人の女性にも人気が高い俳優・大沢たかおさん。そんな大沢さんが主演をつとめるアクションサスペンス映画『藁の楯 わらのたて』が、いよいよ4月26日(金)より全国公開!
日本映画界の鬼才・三池崇史監督が手がける本作で大沢さんが演じるのは、被害者の家族から10億円の懸賞金をかけられ、日本全国民から命を狙われる羽目になった殺人犯(藤沢竜也)を守るSP役。自らも命の危機に遭遇しながら、「正義とは何か」と葛藤する大沢さんの姿が印象的です。
数々のヒット映画やドラマでキャリアを重ね、今年で45歳を迎えた大沢さん。40代を過ぎてからの「仕事論」について、お話を伺いました。
「俳優としての経験値が増えるうちに、『こう演じればうまくいくな』という演技のクセができてくるんです。僕はそれを『演技の回路』と呼んでいますが、その回路に沿って演じていたほうが当然ラクだし、安全です。でも、そうすると演技がつまらなくなる。だから、一度試した役作りや演技の方法論を毎回壊し、新たなやり方を探すようにしていますね」
年齢を重ねるうちに、ある時ふと「ラクして演技しているな」と思い当たったという大沢さん。「ラクだから居心地がいいんだけど、それが逆に居心地悪いというか。僕らの仕事は、ギリギリまで自分を追い込んで演じることで、観客の皆さんに楽しんでもらうわけだから。今では仕事に関する居心地のよさを、自分に許さないようになりました」と、仕事に向き合う姿勢はなんともストイック。
「たとえば今回の作品では、僕が演じるSP役はすごく無口なんです。でも、映画の主人公はこうあるべき、という『演技の回路』をなくしたんですね。主人公がこれでいいのか、という葛藤はあったし、台詞が少ないからストレスもたまりましたが(笑)。そうやって新しい方法論に挑戦し続けることが、この仕事を続ける大きなモチベーションになっています」
ひとつのプロジェクトが終わり、次の仕事が始まるまでの「普通の日常生活」が、最大のリフレッシュになるとか。「ジムに行ったり家で食事をしたり、趣味のバイクに乗ったり、本当に普通のことをしています。それで『あ~、日常って最高』と思うんですが、しばらくすると、その居心地よい日々をまた仕事で壊したくなる(笑)。その繰り返しですね」。
さまざまな経験を積み、仕事の充実度が増してくる40代。とはいえ、安定とマンネリは紙一重。常に新たな気持ちで演技に挑み続ける姿勢に、大沢さんが年齢を重ねてますます輝く秘訣があるようです。
映画『藁の楯 わらのたて』公式サイト
監督:三池崇史
出演者:大沢たかお、松嶋菜々子、岸谷五朗、伊武雅刀、永山絢斗、余貴美子、藤原竜也、山﨑努 ほか
4月26日(金)より新宿ピカデリー他、全国ロードショー
(取材・文/編集部・田中)