「鍼(はり)は自分で行うことはできませんが、お灸はご自宅でもできるんですよ」
と教えてくださったのは、美容鍼灸院CALISTAの院長、CHIHIROさん。
「気」を動かすと言われる鍼に対して、お灸は「血」を動かすと言われています。体の血流を促し、本来備わっている自然治癒力を高める働きがあります。
「その日の体調によって、同じ場所にお灸をしても熱くなるスピードが違うんです。熱くなるのが遅いときほど、体が疲れている証拠です」
と、お灸によって自分の体を知ることができ、日々の体調管理にも生かせそうです。
カフェグローブ世代にピッタリの、不調を改善する「セルフお灸」について、CHIHIROさんに教えていただきました。
■自分に合った「セルフお灸」の選び方
いま、薬局やインターネット通販で簡単に購入することができるお灸。たくさんあって迷います。選ぶ基準はあるのでしょうか。
「最初は小さな台の上にモグサを乗せてある『台座タイプ』のお灸が使いやすくお勧めです。種類によって熱さも違いますので、最初はノーマルタイプを選び、自分に合った強弱を調節していってください」
CHIHIROさんがお勧めしてくださった台座灸は、裏にシールが付いていて、体にピッタリくっ付き、安全に使えます。
注意点としては、煙が出るので使用時には換気扇を付けること、また、使い終わったお灸はしっかり水に濡らして火を完全に止めてから捨ててください。
■冷えや婦人科系トラブルの改善に効くツボ
人間の体には360以上のツボがあるそうです。どこにお灸をするのが効果的なのか、40代女性にお勧めのツボを教えてもらいました。
1. 生理痛・生理不順・不妊症など婦人科系トラブルを改善する「三陰交(さんいんこう)」
足の内側のくるぶしからひざ側へ指4本あたりのところにあります。安産灸とも言われており、安定期に入った妊婦にもお勧めです。
2.冷えやむくみを改善する「陰陵線(いんりょうせん)」
足の内側のくるぶしから脛骨(けいこつ)を上にたどっていくと、ひざから指4本ほど下のあたりにくぼみがあります。特に足の冷え・むくみに効果があります。
3.疲れがとれて眠りやすくなる「関元(かんげん)」
おへそから指4本下あたりにあり、「元気のバロメーター」と言われています。疲れると、くぼみます。常に冷やしてはいけない場所。便秘の改善にも効果があります。
4.肩こりが和らぐ「合谷(ごうこく)」
手の甲の親指と人差指の骨が交差するあたりのくぼみ。「万能のツボ」と言われますが、特に肩こりや歯痛に効きます。
ツボの場所は個人差があり微妙に位置が異なることがあります。少しズレたからと言ってまったく効果が出ないわけではないので、ご安心を。硬い部分より、くぼんだ部分を探すのがポイントです。
お灸をする時間がとれない場合、ドライヤーやシャワーのお湯で温めるだけでも効果があるとのこと。ぜひ生活習慣の一部として取り入れてみてはいかがでしょうか。
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[CALISTA]
(取材・文/尾越まり恵)